もしかしたらいまがぎりぎりの分かれ道5
南オセチア紛争
世界が北京オリンピック開催で沸いている8日、ロシアの事実上の庇護下にある南オセチア自治州にグルジア軍が侵攻し、これに反撃したロシア軍との間で大規模な戦闘が勃発した。戦闘が拡大しロシアとグルジアとの全面戦争にもなりかねないので、まずこの情勢から報告する。
報道の片寄り
この紛争は米ロの代理戦争としての色彩が濃く、そのためCNNやABC、そしてCBSなどの米国大手マスメディアは、グルジアが先に攻撃したにもかかわらず、ロシアを悪者として一方的にたたく政治的なキャンペーンが始まっており、そのため報道の内容も次第に客観性が失われつつあるように感じる。これほどではないが、米国大手の下請けである日本のマスメディアもほぼ同様の線に沿った報道をしている。
したがってこのブログでは、筆者がもっとも客観性が高いと判断したストラトフォーやアジアタイムスなどに発表されているレポートなどを主なソースとして解説する。
背景
紛争の年表
南オセチアは、言語(オセチア語)や民族(オセチア人)がグルジアと異なることから、グルジアからの分離独立を主張している自治州である。ロシア側の北オセチアと融合し、ロシアに帰属することを希望している。以下、ウィキペディアからの引用で紛争の経過を簡単に確認する。
1992年1月19日、南オセチア共和国の独立に関する住民投票が行われ、92%以上がこれに賛成した。2月、ツヒンワリ周辺にグルジアの砲兵と装甲車両が配備され、砲撃を開始した。
1992年3月8日、エドゥアルド・シェワルナゼがグルジアの指導者となったが、南オセチアに対する政策は変わらなかった。
1992年5月29日、南オセチア共和国最高会議は、国家独立法を採択した。
1992年6月24日、ロシア、グルジア、南北オセチア4者による紛争調停の原則に関する協定が署名され、7月14日、平和維持軍が導入された。
1993年11月2日、最高会議は憲法を採択し、この日は南オセチアの独立記念日とされている。1995年5月5日には、国歌を制定。1996年11月10日、南オセチア最初の大統領選挙が行われた。
バラ革命
一方グルジアでは、2000年からヘッジファンドの著名な投資家ジョージ・ソロスの設立した「オープンソサエティー財団」がグルジアに入り、「クマラ」など反政府学生団体に活動資金を提供し、政権転覆のための実地のトレーニングなどを行っていたが、2003年11月に行われた大統領選挙に不正があったといっせいに抗議運動を開始した。この運動はまたたくまに全国に広がり、シュワルナゼ大統領は辞任に追い込まれた。この「バラ革命」により、現在のサーカシビリ政権が成立することになった。「バラ革命」がソロスと米国にしかけられた経緯は、BBCが行ったシュワルナゼのインタビュー、ならびに2005年にNHKBS1が放映したフランスのドキュメンタリー「革命ドットコム」、さらに田中宇氏の記事に詳しい。これらから分かることは、サーカシビリ政権は米国の実質的な傀儡であるということだ。
その意味では、サーカシビリは極端な米国寄りの政権である。グルジア軍には相当数の軍事顧問団(実質的には米軍戦闘部隊)が米国から派遣され、米国との緊密な関係を構築している。ちなみに今回の紛争で、ロシア軍はグルジアの空軍基地を爆撃したが、そこは米国顧問団の駐在する基地であった。また今年の4月には、ウクライナとともに西側のNATO(北大西洋条約機構)への加盟を申し出て、ロシアの影響圏から脱し、西側に属する方針であることを強く印象付けた。
これに対してロシアは、グルジアのこのような動きをロシアの安全保障に対する最大の脅威として捉え、グルジアがNATO加盟の希望を表明した直後、ロシア軍参謀長の発言として「ロシアは国益を守るための行動に出る。軍事的な措置のみならず、その他の措置も含む」と警告し、両国の間の緊張は高まりつつあった。
ロシアにとっての南オセチア自治州とアブハジア共和国
しかし、サーカシビリ政権になったからといって、グルジアの南オセチア自治州とアブハジア共和国に対する姿勢に変化は見られなかった。過去の政権同様、これらの地域に対する領有権を強く主張し、独立はいっさい認めなかった。
一方、国家の安全保障が米国の傀儡政権によって脅かされているロシアにとって、ロシアへの帰属を強く求めるこの二つの地域の存在は、自らの影響力を広げ傀儡政権を排除するための重要な拠点となる。グルジアがNATO加盟を申し出てからは、ロシアが軍事的行動に出ることは時間の問題とも考えられていた。
以上が簡単な背景解説である。
今回の軍事行動
先にも書いたように、ストラトフォー、アジアタイムスやその他の信頼できる分析レポートを基にして今回の軍事紛争のがどのような意味を持ち、そしてどの方向に進みつつあるのか要約的に解説する。
・グルジアは南オセチアの州都、ツヒンバリに侵攻し紛争が始まったが、これはロシアがグルジアをたたくために仕掛けた可能性がある。また、紛争の直前までロシアとグルジアは南オセチアの処置をめぐって交渉中で、交渉がまとまる可能性があった。これを恐れた南オセチア側が、ツヒンバリ近くのグリジアの都市、ゴリを散発的に攻撃することでグルジアを挑発し、紛争を引き起こした可能性がある、両方とも可能性は否定できないが、いまのところ断定できるだけの証拠はない。いずれにせよ、かなり以前から計画された軍事侵攻である可能性が強い。
・現在、米国は軍事力をイラクとアフガン、ならびに海軍の主力をペルシャ湾に展開しており、今回の紛争に軍事的に対応する余裕はまずない。さらにオリンピックが開催されているので、米国メディアがロシアに対するネガティブキャンペーンを展開したとしても、オリンピックの熱狂によってかき消され思ったような効果はないはずだ。こうした意味で、軍事作戦を展開するには最高のタイミングと判断した可能性が大きい。
・さらにロシアは、米国が介入した場合、イランに大量のロシア製新兵器を供給する用意があるとして米国をけん制している可能性が大きい。
・今回、グルジアに反撃したロシアの意図は明白である。これは米国やEUに向けたメッセージではない。グルジアのみならず、新米で脱ロシアを志向しているウクライナ、モルドバ、アゼルバイジャンなどのGUAM同盟加盟国に対する明白なメッセージである。それは、「旧ソビエト連邦の共和国はロシアの安全保障上ロシアの影響圏に所属し、新米的な態度や政策は今後許されない。今後ロシアは、自らの権益をまもるためには軍事侵攻も辞さない。」ということである。
・グルジア軍は米国の援助で急速に近代化しているが、それでもロシアとお軍事力の差はあまりに明白である。ロシアは兵力でグルジアの23倍、戦車数で81倍、戦闘機数で172倍です。したがってグルジアが勝利することはあり得ない。したがって紛争のこれからの行方は、ロシア軍が完全に握っている。
・ではロシアは今回の軍事侵攻をどこまで続けるのか?その計画はいっさい公表されていないので推測するしかないが、論理的に考えて次の4つの可能性がある。
可能性1
紛争の始まる前の時点に現状回復することを条件に転戦する。グルジアに、ロシアが南オセチアを守る強い意思があることを示し、ロシアがこの地域にこれまで通り平和維持部隊を展開することを認めさせ、グリジアを改めて交渉のテーブルに引っ張り出す。
可能性2
ロシアは南オセチアの州都、ツヒンバリに対する権益を強く主張し、ここにロシア軍の恒常的に配備する。こうすることによって、グルジアが南オセチアを二度と攻撃できないようにする。
可能性3
ツヒンバリのみならずロシアの支配を南オセチア全土に拡大し、最終的には南オセチアをロシア側の北オセチアに併合し、グルジアの支配から完全に分離する。この併合は南オセチアが求めるものであり、南オセチア市民は歓喜して受け入れるだろう。軍事力の圧倒的な差から、グルジアはロシアに対して目だった抵抗はできないだろうし、米国やEUも非難をするだけで軍事的に対処することはできないだろう。最終的にはロシア軍の実効支配を認めることになるだろう。
可能性4
軍をグルジアの首都、トビリシュまで侵攻させ、新米のサーカシビリ政権を軍事的に転覆させる。グルジアは首都を守る十分な軍事力を保持しておらず、ロシアにとって首都の制覇は軍事的には十分に可能だ。だが、南オセチアを支配するよりもはるかに多くの兵力を必要とし、さらに政権の転覆後には情勢の安定が期待できないことを考えると、この選択を選ぶかどうかは疑問だ。さらに、この選択はソビエト時代の軍事的支配の記憶を多くの国々に呼び起こし、コーカサス地域全体の地政学を変化させてしまうだろう。しかしながら、米国は傀儡政権を作り出したとしてロシアを非難するだろうが、中東で米軍が手一杯の状況なので軍事にはいっさいなにもできないだろう。
この4つの可能性が指摘されているがどうであろうか?この原稿を書いている時点では、ロシアはグルジアの停戦提案を拒否しており、紛争はこれからも続く可能性が大きい。さらに、アブハジア共和国の黒海艦隊の戦艦を派遣し、またアブハジアでもグルジア軍との間で戦闘が始まった模様だ。今の時点では、明らかに戦線は拡大する方向に向かっているように見える。だとすると、3か4の可能性が大きいのではないかと思うがどうだろうか?
原油価格に対する影響
8月8日時点では原油価格はバーレルあたり$115と下がり続けており、この紛争の目だった影響は出ていない。黒海には、トルコ側の沿岸に油田が発見されているが、今回の紛争はグルジアに限定されており、当面は無関係である。
ただ、トビリシには、ロシアを迂回しアゼルバイジャンのバクーとトルコのジェイハンを結ぶ全長約176 キロ、1日約 100 万バレルのBCTパイプラインがあり、さらにバクー油田からはグルジアの黒海沿岸のスプサを結ぶパイプラインがある。もし万が一可能性4になり、戦火がグルジア全土に拡大した場合、原油の輸送には深刻な問題が生じざるを得ず、これを予想した先物買いの活性化から原油価格は上昇せざるを得なくなるはずだ。
予言との相関
このブログではロシアによるヨーロッパ侵攻の予言を何度も紹介してきた。以下である。
「ビリー・マイヤー予言4」
「ビリー・マイヤー予言5」
「アントン・ヨハネセンの予言」
「アロイス・イルマイルの予言」
これらの予言の多くは、ヨーロッパへのロシア軍の侵攻はバリカン半島の紛争をきっかけに行われるとしているので今回の紛争とはまったく一致しない。だが、今回の紛争が基点となり、将来ヨーロッパへのロシア軍の侵攻が行われるような状況ができてくる可能性もある。特に、先の「可能性4」の場合であれば、地政学的な変化が発生するので、これは十分にあり得るだろう。目が離せない。
マヤ長老評議会の予言
まったく話題は変わるが、地球の環境異変をおもなテーマにしている有料ネットラジオ「Earth Change Media」がある。8月12日の放送ではマヤ長老評議会のスポークスマンであるマヤ鷲部族のカルロス・バリオス氏が出演し、マヤ長老評議会がマヤカレンダーから導き出した近未来予言を公表するとのことである。ちなみにカルロス・バリオス氏は、マヤ長老評議会のメンバーで英語を話す唯一の人物だそうである。
放送に先立ち、予言の内容の一部が公表されたのでここに紹介する。以下である。
・地震と火山噴火の発生頻度が上昇するので注意すること
・米国経済は一気に悪化する。注意すること。
・インドとパキスタンの間で核攻撃が勃発する可能性がある。双方とも、一発づつの核ミサイルを発射する見込みだ。
・米国によるイラン攻撃が行われる可能性がある。注意すること。
以上である。
今回は長くなるので、ここで一度終わる。予定していた「WebBot予言」の続きは次回に譲ることにする。
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コメント
こんにちは
ただ、現実の状況は複雑で、チェチェンでは現在でも独立派とロシア帰属派との対立が続いていますが、なんと今回の南オセチア紛争でロシア軍の主力部隊の一部はチェチェン人部隊だったようなのですよ。
http://www.stratfor.com/analysis/south_ossetia_chechens_ready_deployment
もっとも戦闘経験が豊富で、よく訓練された部隊として活躍したようです。当然、彼らはチェチェン人のロシア帰属派の兵士でしょうが、現実は本当に複雑ですよね。なかなか一刀両断できないのが難しいところです。
ぜひまた投稿してくださいね。
沖縄
http://www.teamrenzan.com/archives/writer/alacarte/gokinawa1.html
沖縄が中国、対馬が韓国、やり方次第では北海道はロシアが取得できるロジックです。
尖兵として攻めてくるのはチェチェン人ならぬ、フリーターやニートや派遣社員の秋葉の加藤容疑者やオウム教徒ではというデジャヴュに襲われました。
このブログ管理者による情報公開隠蔽工作
なぜ我々の重要な情報のコメント公開禁止をするのか?
はっきりと言っておこう
我々数人で書き込んでいる、欧州フリーメイソン幹部 からの依頼でもある
早く米国と手を切らなければ恐ろしい日本の未来が待っている
その恐ろしい日本の未来から数人でも救えれば我々は嫌われてもかわない
なぜなら人に好かれようとして書いているのではないからだ
このブログの管理人は表向きにいい顔して
我々の重要な情報を消去する自己中心的な人間である
我々の所には既に17名の支援メールが届いており今でもコンタクトをとり続けている
この17名でも救えるのであれば、このブログを通した使命は終了したといえる
従って、このコメントを隠蔽工作で消さない限りは二度とコメントをしないが、もしも管理人が抹消するのであればこちらにある700以上のIPアドレスで書き込むか、またはこの偽りブログの隣に新たなブログを立ち上げ、この偽り予言ブログを正すために同じブログランキングに掲載するつもりだ
だから消す消さないは自由にするとよい
FR全員を代表して
PS- 少し話が重くなった人はこれを見るとよい→http://fr.youtube.com/watch?v=9mYrJ4ndlOw
しかしヤスFRさん、警察に捕まらない程度にほどほどに

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ロシアは自国の同じ状態であるチェチェンの
独立は認めてないです。しかも虐殺、レイプを
続けてます。
グルジアの南オセチアにたいするロシアの
政策はダブルスタンダード以外の何者でも
ない気がします。
ロシアは南オセチアが欲しいならチェチェン
の独立を認めるべきです。少なくとも虐殺は
やめるべきです。