もしかしたらいまがぎりぎりの分かれ道?1
恐ろしく速い変化
あたかも「マヤカレンダーの進展に伴い時間が加速する」というコルマンインデックスの定式が現実化しているかのように、あらゆる状況が予想を越えた速さで進展している。それはあたかもなにかのスイッチが入れられたかのように急に速くなったかのような印象を受ける。
それがどこに行き着く流れなのかはまだ判然としない。だが、多くの予言が予知している破滅的なシナリオの他に、はるかに楽観的なシナリオも成り立つ余地があることは大きな希望である。
いまわれわれが、世界の政治経済システムの転換期にいることは間違いない。だが、前々回および前回のブログで説明したように、その転換が減少する資源の争奪を巡る第一次対大戦型の全面戦争をもたらすのか、またはある程度時間をかけながら、生産、流通、消費を地域経済の範囲で自己循環させるローカリゼーションの方向へと進んで行くのかはまだはっきりとはしない。
どちらの方向に行くのかはそれに決定的な影響力をもつのが、イラン攻撃とサブプライムローンに端を発する信用収縮、ならびに高騰する原油・食料価格の行方、そして世界同時不況に入る可能性が大きい実体経済の動きである。これらの情勢が今後どうなるかによって、「戦争シナリオ」と「ローカリゼーションシナリオ」のどちらになるか、またはまったく別のシナリオになるのかはっきり分かってくるだろう。
その判断の一助とするために、今回はストラトフォーの最新予測、ならびにジョン・ホーグとゲリー・ボーネルの最新予言をとりあげる。
世界経済の現状
原油はすでに147ドルと史上最高水準を突破し、これに起因したインフレも加速度を増すばかりである。これに伴い、どの国でも実質賃金は低下しつつあり、国内消費も急速に減退に向かっている。世界経済の減速はもはや明らかだ。
加えて、来週からは米国大手金融機関の決算発表が始まるが、シティーなど巨額な損失を計上し、再度破綻の危機まで追い込まれるところは少なくないとも見られている。来週以降、米国大手金融機関の破綻から始まるが信用収縮が実体経済を引き込み、80年前の大恐慌型のクラッシュがあるのではないかとの観測も多い。
ストラトフォーの最新予測
このブログでも何度も紹介しているCIAに分析結果を提供している民間の情報分析機関、ストラトフォー(戦略予測有限会社)は、向こう三カ月の政治経済の最新予測、および「新時代」と題する緊急予測レポートを発表した。特に後者のレポートはストラトフォーには珍しい、時代の大きな変化を暗示したレポートだ。以下にそれぞれのレポートの要約を紹介する。
ストラトフォーの世界経済予測
ストラトフォーの三カ月予測レポートは、世界経済ののみならず世界のあらゆるエリアをカバーしている。分量もそれなりにある。どのエリアの分析も非常に興味深いが、長くなるのでここでは世界経済の分析のみを取り上げる。
ところで、ストラトフォーの予測の信頼性だが、筆者はここのレポートを読んで一年になるが、ほとんど外したことはないように思う。今春、サブプライムローン危機により大規模の金融クラッシュが予想されていたときでも、そのようなクラッシュはありえないことを明確に主張していた数少ないメディアの一つがストラトフォーであった。事実、FRBの予想を越えた緊急融資の発動などによって、クラッシュは避けられた。それなりの信用度はあると思われる。以下が要約である。
・米国では信用収縮が始まっている。これにより、今の金融バブルは終焉するだろう。一部の金融機関の破綻は免れないかもしれない。
・だが、これにより米国の実体経済が破綻するとは考えにくい。確かに減速はするだろうが、それは経済の一般的な循環における減速の規模を越えることはないだろう。破綻までは行かない可能性のほうが強い。
・その証拠に、米国の経済成長率は0.9%から1.0%に上方修正されており、また住宅販売も2%の改善をみせている。
・米国経済のこうした強さの背景の一つになっているのは、サウジアラビアからの巨額のオイルマネーが戦略的に米国へと再投資されているからである。
・3月から4月にかけてFRBは緊急の利下げを行ったため、現在の政策金利は2.0%である。これは現在の欧州中央銀行の利子率よりも低い。なので論理的には投資が米国に還流するとは考えにくい。
・だが、サウジアラビアの莫大な投資が呼び水となって、ある一定レベルの投資の水準が維持されている模様だ。これにより、米国経済が下支えされている可能性が強い。
・他方、原油や食料の高騰に起因するインフレは加速するばかりである。これによる国内消費の減退はどうすることもできない。
・しかし、原油はこれから安くなる可能性がある。原油高騰の背景の一つは原油先物に対する投機だが、これが起こっている原因の一つは、イラク戦争以降強まっている中東の地政学的リスクである。原油の高騰は米国によるイラク侵略から始まった。イラク侵略によって中東全域が不安定化し、原油の生産が将来的に不安定になる可能性が増したため、将来の原油高騰を期待した投機が盛んとなったのである。
・ところが、この一カ月ほどの間で中東の知性学的リスクを大いに緩和させる事態が発生しつつある。宿敵であるシリアとイスラエルは、なんらかの相互不可侵条約を結ぶ可能性がでてきた。またイラクでイランと米国の協力関係が樹立されつつあるため、イラク国内のテロの件数は激減している。このように、中東の緊張は緩和しており、これに伴う地政学的リスクはこれまで考えられないほど小さくなりつつある。この結果、短期的には高騰はしても、原油価格は将来的には次第に安くなる方向に向かうとみられる。
・中東の緊張緩和をもたらした最大の勢力はやはりサウジアラビアである。サウジは米国に戦略的に投資すると同時に、シリア、レバノンなど、中東の緊張緩和に不可欠なあらゆる勢力に巨額のオイルマネーを散布し、こうした勢力が和平のテーブルにつくように強く即している。
・サウジアラビアは、主要先進国の経済に極端なマイナスの影響を与えない程度の水準で原油価格を高値で安定させることを国益としている。したがって、イラン戦争が勃発し原油価格が急騰し、先進国経済が麻痺することは国益に反する。このため中東全域の地政学的リスクを低下させ、地域全体を安定させようとしているわけである。
どうであろうか?あまりに楽観的で現実に起こっている事態を正確にとらえていないのではないか、との印象を強く受ける読者も多いことだろう。事実筆者自身、そのような印象を持つ。
だが、ちょっと視点を変えると別な現実が見えてくることも事実であるように思う。米国の覇権を前提とした現在の世界経済システムが崩壊し、より多極的なシステムか、ないしはそれとも異なった別のシステムへと急速に移行しつつあることは論を待たない。それは歴史的なシステム転換である。それに地球温暖化によって激変する環境という要因が重なっているので、現在の変化は単なるシステム転換ではなく、現代文明の衰勢を表す文明史的な転換になるとも考えることができるだろう。
しかし他方、このようなシステム転換がどのような過程で崩壊し、変化してゆくのかというその実際のプロセスに関しては様々なシナリオが考えられるのかもしれない。金融システムや実体経済の全面的な崩壊やクラッシュがあり、これを境にして無極化的なカオス、ないしは新しいシステンムの形成へといたるハードランディングのシナリオをイメージしやすい。ストラトフォーが提示しているのは、これとは反対のソフトランディングのシナリオかもしれない。米国の信用収縮と実体経済の大幅な原則はもはや避けられないが、オイルイマネーなどの各国の投資資金に還流によって米国経済を下支えし、よりコントロールされた方向でシステム転換を実現するというものだ。
イラン攻撃
ハードランディングになるのかソフトランディングになるのか、それを実質的に決定するのは米国やイスラエルによるイラン攻撃が行われ、なおかつそれが全面的な戦争となって拡大するかどうかにかかっているとも言える。もしイラン戦争が起こった場合、それは1バーレルあたり200ドルを超える極端な原油価格の高騰によって各国経済は機能しなくなり、各国はサバイバルとしての資源の争奪戦に入りざるを得ないことにもなってくる。まさにイラン戦争が勃発するかしないかが、鍵の一つであることは間違いない。
ストラトフォーのイラン攻撃予測
ストラトフォーは「新時代」と題する緊急レポートを公表した。それは中東の緊張緩和が進み、この地域が新しい時代に入りつつあることを予告したレポートである。以下がその要約である。
・イラン攻撃に関しては攻撃がまじかであることを告げるニュースが多い。6月の半ばにイスラエルは地中海でイラン攻撃を目標とした大規模な演習を実施したり、米国議会がイラン国内を混乱に陥れるかく乱作戦の実行に対して巨額の予算を与えたことなどはそうしたニュースだ。
・だが実際には中東全域ではこれまで考えられなかったような緊張緩和が急ピッチで進んでいるのも事実だ。イラクをコントロールするために、米国はイランと長期間交渉しており、その成果が出始めている。今年に入ってから、一時はコントロール不可能と思われていたイラク国内のテロの発生件数は大きく減少し、米国兵士の死傷者数も減少している。これはイランによるシーア派抵抗勢力にコントロールがうまく作用した結果である。イラクは、もはやイランの協力なしには維持することはできなくなっていることを米国ははっきりと認識しつつある。
・さらに、これまで宿敵関係だったシリアとイスラエルが、何らかの相互不可侵の条約の締結に向けて動き出した。シリアは、この地域で活発に活動しているハマスやヒズボラなどの原理主理的抵抗勢力の強力なスポンサーである。そのシリアがイスラエルと妥協することは、これらの勢力がスポンサーを失って孤立し、その結果、緊張緩和が進む可能性がおおいにある。
・また、7月初旬には1979年以来外交関係が断絶している米国は、イランとの間で相互に高レベルの外交官を交換し、ワシントンとテヘランに連絡事務所を開設することを提案した。これに対し、イラン政府は肯定的に回答している。
・こうした動きが可能となったのは、サウジアラビアによる巨額なオイルマネーがすべての当事者に渡され、交渉が円滑に進む背景が形成できたからである。
・緊張緩和が進む一方、ブッシュおよびアフマディネジャドの両政権は相互の非難を止めてはおらず、両国の間で緊張緩和が進展しつつあるとは考えにくいとの印象を持つかもしれない。だが、こうした相互非難は、①米国、イラン両国には戦争を強く望む勢力が残存しており、②これらの勢力を満足させなければ政権基盤が危うくなるため、③言葉上では相手国を強く非難せざるを得ないという事情がある。
・和平を促進する方向に向かう動きが強いが、だからといってこれで安心できるわけではない。数日前、イランはシャハーブ3号ミサイルの発射テストを行った。これにより、イスラエルに対するイランの脅威があらためて確認されたかっこうとなった。これをきっかけに和平への動きが放棄され、いきなり戦争の方向に動いてゆく可能性も決して否定できないことに注意しなければならない。
戦争の可能性は残っているが、急速に和平が進展しているという観測である。イラン戦争をめぐる攻防戦が水面下で激しく戦われているのだろうが、イラン戦争が起こる可能性は確実に低くなっているというのが現状だろう。
今後の動き
今回はストラトフォーの分析をメインに紹介しているが、筆者が入手しているその他の情報などを総合すると、今の時点ではソフトランディングの方向に向かって動いていると考えて間違いはなさそうだ。不確定の要素はまだまだ大きいが、もしこの方向に向かって本格的に動き出すとすると、大きな崩壊や大規模な戦争を経験することなしに、速いペースで異なったシステムへと移行して行く可能性が強いと思われる。
金融システムの破綻はない?
米大手金融機関の決算発表は今週から本格化する。サブプライムローンがらみの損失は巨額になることが予想されている。すでにポールソン財務長官は「破綻する金融機関は破綻させる」と明言しているように、今回はいくつかの金融機関の破綻は免れないだろうと考えられている。リーマン・ブラザース、シティグループなどがリストにあがっているが、これらの金融機関は巨大であり破綻の影響は巨大である。そうした事態になれば、証券や債権などあらゆる金融市場が大きく下げることは十分に予想できる。
だが、だからといってこうした個々の金融機関の破綻やそれに伴う市場の大幅な下げが、金融システムそのものの機能停止や全面的な崩壊に結びつくかといえばそのようにはならない公算のほうがはるかに大きい。金融システムは一部再編されながらも、問題なく機能し続けるだけの体制が整えられることだろう。
今回のFRBの金融政策
前回金融破綻が叫ばれた3月18日から4月の半ばまでの時期にFRBは、①大幅な利下げによって流動性を確保し、②破綻しつつあった金融機関をターゲットにして融資を行う直接金融支援の2つを実施した。①の大幅なり下げによってインフレが促進し、これによるドル安からドル建てで取引される原油価格が高騰し、それがインフレを悪化させるという悪循環に入ったことは周知の通りだ。以下の図式である。
「大幅なり下げ」→「インフレの悪化」→「ドル安」→「原油価格の高騰(原油はドル建てで取引されるため)」→「インフレのさらばる悪化」
この大幅な利下げによって金融機関の連鎖的な破綻は回避された。だが、その副作用がインフレの悪化であった。今回発動される金融政策は、インフレの悪化を回避するために、①利上げを実施しインフレを抑制しつつ、②金融機関は直接支援(巨額の融資を)で一部救済し連鎖倒産を防ぐ方法がとられるだろうという。
金融システムの変質
だが、こうした政策によって金融システムの機能がきちんと維持されたとしても、現在のままの金融システムがそのまま存続するのかといえばそうではない可能性のほうが強い。今回の金融危機を機に、投資銀行や投機的な金融操作に対する規制が強化されるはずである。これにより、すでに田中宇氏の記事などでも指摘されている通り、金融システムの主役が、レバレッジを効かせた金融商品の販売を主要な業務としている投資銀行から、預金者から集めた資金の企業に対する融資を専門に行う通常の商業銀行へと急速に移って行く行く可能性が強い。つまり、現在の日本の都市銀行や地方銀行のような普通の銀行が復活してくるということだ。
加速化するローカリゼーション
商業銀行のこうした復活は何を意味するのだろうか?このブログで何度か取り上げているが、いま世界各地でローカリゼーッションへと向かう動きが加速化しつつある。原油高騰による輸送費高騰が引き金となって、一時は中国などの海外からの輸入に圧倒されて壊滅しかけていた地域産業がコスト的に見合うものとなり、その結果、地域経済全体が活性化するという流れがローカリゼーッションである。
商業銀行の強化という方向は、明らかにこうしたローカリゼーッションの流れと重なるものである。金融機関が商業銀行の業務に集中することで、活性化しつつある地域企業の活動を支援するような形で資金が使われる可能性がある。これまでは、ヘッジファンドや投資銀行が経営状態が思わしくない企業をとことん安く買収し、徹底的にリストラをして株価を上げた後、高値で売り渡して巨額の利益を上げるという方式だったが、そのようは方式は、投資銀行やヘッジファンドそのものの破綻や規制強化とともになりを潜め、逆に地域企業に融資を行い、それを成長させることで利益をあげるという普通の商業銀行の活動が活性化される方向だ。
ソフトランディングシナリオの全体像
ここでソフトランディングのシナリオの全体像を素描しておく。以下の図式である。
①
「原油価格高騰による輸送費の高騰・食料の高騰」→「地域産業の活性化」→「地域の雇用の確保」→「地域市場の活性化」→「地域産業のさらなる活性化」
②
「金融危機の再燃」→「FRBや各国の協調による強力な金融政策」→「米大手金融機関の破綻と金融システムの救済」→「投資銀行への規制強化と商業銀行業務への移行」→「企業融資の活発化」
上記①と②の動きが重なることで形成されてくるのは、ローカルな地域経済の強化と、これに基づく自己循環型のシステムである。
これはあまりに楽観的なシナリオであるとも考えられる。そのような印象を持たれる読者の方も多いだろう。だがあながち現実性がないわけではないことも事実だ。
ハードランディングのシナリオ
だが、上記のソフトランディングのシナリオこれからなることが確定しているわけではない。これとはまったく逆のハードランディングのシナリオになる可能性も十分に残されている。それは以下の図式である。
①
「原油・食料価格の高騰に基づく極端なインフレ」→「実質賃金の極端な低下と国内市場の収縮」→「深刻な不況」
②
「金融危機に伴う金融システムそのものの機能不全」→「投資銀行のみならず商業銀行を含むすべての金融機関の業務縮小」→「企業の資金繰りの悪化と倒産の激増」→「深刻な不況」
極端なインフレによって不況が深刻になっているところに金融システムの機能停止が重なるのである。それはまさに経済崩壊という言葉がぴったりとくるような状態となろう。
すべてを決するのはイラン戦争
このどちらのシナリオになるかは以下の2つの条件に依存するだろう。
あまりに長くなるのでひとまずここで記事を終え、続きは記事を改めることにする。
投稿に関しては以下の方針に従い、どうしても必要な場合以外は削除しないことにしております。
意味産出の現場としてのBBSやブログ
また、私はいま日本で起こっている変化を以下のようにとらえております。もしよろしければこちらもどうぞ。
いま何がおこっているのか?
ヤスの英語
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コメント
NHKスペシャル
来年の新大統領就任時の危機
来年の新大統領の就任式あたりが、一番危ないはずだと、ずっと思ってきました。
根拠はない
田中宇の国際ニュース解説
http://tanakanews.com/
ありがとです。
なんだかセンチメンタルジャーニー(懐)な気分になりました~。
とっても、ありがとうございます ですぅ~♪
管理人のみ閲覧できます
ストラトフォーの予測
ところで、ちょっと前の予測で、中国が米国経済を助けてくれるので、その崩壊は免れる、というのがあったと思います。今回のストラトフォーの予測では、その役目がサウジアラビアに変わったのですね。原油高のせいでしょうか。
ヤスさんが以前に紹介してくれたLEAP/E2020には、2007年7月時点の米国対外債務の国別内訳がでています。それによれば、石油輸出国全体で数値は6%に過ぎません。サウジアラビアの持分は、さらにその中の一部です。米国対外債務の国別ダントツ一位は日本で、数値は何と28%です。二位が中国本土で、19%です。三位は英国で、10%です。
これらの数値から明らかなように、米国経済が崩壊を免れている理由は、日本が米国から資金を引き上げていないからです。決して、中国が米国を助けているからでもなく、サウジアラビアが米国を助けているからでもありません。米国の対外債務に関して、中国やサウジアラビアに日本の役目を肩代わりする能力はありません。余りにも数値が大き過ぎるのです、日本が担っているのは。
日本の名物知事が一昔前から言っているように、日本が米国から資金を引き上げれば、その瞬間に米国経済は崩壊してしまいます。つまり、米国経済の運命を日本が握っている、ということです。
このことは、米国の安全保障にとって由々しき事態です。なにしろ、自国経済の運命が他国に握られているのですから。一方で、米国の歴史的かつ伝統的な対日政策は、米日安保条約を通じて、軍事的、政治的、経済的に米国の傘の下に日本を封じ込めておく、というものです。これらの事情について、現在の米国民や米国政府は余りにも無知です。
これらの事情に精通していれば、血を分けた双子の兄弟であるイスラエルを命がけで守るのと同様の情熱で日本を守る、という意志表示を事あるごとに米国はし続けなければならないのです。それが、自国の安全保障に直結するからです。日本は米国にとって、イスラエルと同様に優先順位は第一位なのです。
ところがどうでしょう。北朝鮮問題に関する6ヶ国協議における先日の米国の対応は。それは、明らかに日本をないがしろにしており、今現在の自国政府のご都合のみを考慮した、いいかげんなものです。日本の外務省や多くの政治家が神のように崇めている日米安保条約が、実はいいかげんなものであることをうかがわせるのに十分なものです。つまり、仮に日本有事の際に日米安保条約に基づいて米国が日本を助けてくれるか否かは、その時の米国の気分次第ということを日本人に直感させたのです。このことが、様々な経路を経て日本の集団心理を通過した上で、日本の資金を米国から引き上げるという方向に作用するのは容易に想像できます。
意外にも、米国経済危機とはまったく無関係と思われる北朝鮮問題で米国がとった軽率な行動が、米国経済崩壊へのカウントダウンを早めてしまったのです。米国民や米国政府は、そんなこと考えてもいないでしょう。
米国は、広島と長崎に原爆を落として、日本を崩壊させました。私は、歴史は水が高いところから低いところへ流れるように局面が自然に展開していくのではなく、ある意図(だれの意図かは知りません)を持って恣意的に動いてゆくと思っています。近い将来、経済的な意味での原爆を日本が米国に落とすのかもしれません。そのように歴史は作られている、と思えてなりません。
ところで、日本が米国から資金を引き上げる実際のきっかけとは、どんなものでしょうか。日本における年金システムの崩壊、国および地方自治体の債務不履行、郵便貯金の崩壊、首都圏を襲う大地震、富士山噴火・・・。ここから先は、予言者の言葉に耳を澄まそうと思います。
私は、原油高もイランとの開戦も、米国経済危機とは実質的に無関係である、と思っています。原油高が治まっても、イランとの開戦が回避されても、米国経済危機の要因が無くなるわけではないので、それは必ず起こる、と思っています。
「金」管楽隊は解散方向
人生の労苦で稼ぎ出した?世界の余剰金の投資先が少なくなり、現物に向かっているということは誰しも理解できるようになったのでしょうか。更に増やそうという思惑があらゆる経済システムの根本に沈殿しているようです。経済とは、人間の社会の役割分担による効率化、利便化のためのものであったと思うのですが、いつの間にか、投資・回収という金貸し意識が人々の間で広まっているのでしょう。根本には肉体維持主体の精神しか持ち合わせていない人間が増えていることによります。とりあえずの生活維持に奔走せざるを得ない世相に流されているわけですか。与えられた人生の中で、何が大切なのか、何のために生まれてきたのか、とういう若い頃にはかすかにあった当然の思いや、潜在下で突き上げる魂の目的ともいえる「生きがいの発見」という主命題を思い出すことが大切でしょう。生存競争は、勝ち・負けという目的1本に多くの人々の心を絞り込む罠のようなものです。博打は面白いところもありますが、金持を持っている人達が、生存競争をさせる、世界コロシアムの上から金をばら撒き、場内の人間達の踊りを見たあとで、こっそり回収するような、そんな感じもしますね。ところが、限度が来ており、笛吹けど期待通り踊らずというのは、サブプライムのことでしょうか。
下手な楽器で踊るのも、気付けば犠牲ばかりで馬鹿馬鹿しい、お祭りも終った、家に帰ろう・・てところでしょうか。自分はもう家に帰っています。(笑)
キラウウェア火山より
こういう写真を見ると理論だけでは無く、現実にマグマ(マントル)が液状であり、水よりも粘稠度が低いのだなと納得出来ます。
火山噴火に関して、私が何時も見ているサイトを紹介します。とても参考になっています。てるみつ部屋BLOG Ver.6.0 http://red.ap.teacup.com/terumitsubeya06/
原油高(ガソリン高騰)の影響でしょうか、最近は、交通量が減ったように感じます。私の住んでいる所でも遠くまで出かける人たちは少なくなりました。買い物を地元で済ませる人達が増えているようです。家庭菜園を行おうかと言う人も出てきており、農家の人も生産意欲が戻りつつあるようです。ただ、物価は高くなり、生活は今より苦しくなるかとおもわれます。しかし、本当に地域の再活性化が起きるかもしれません。
清貧な生活が望まれる時代になるのではないでしょうか。不謹慎ですが、原油高や食料の高騰は悪い事ばかりでは無いと感じつつあります。。現在の生活水準を下げるのは人間にとってはとても辛い事でしょうが。。現在でも、他の国ではもっと厳しい生活を強いられている方々が沢山居られます。株や預金がゼロになっても、人間は生きていけます。。動物はそんなもの持っていなくとも生きていますから(笑)。ヤスさんのおっしゃっている将来のローカリゼーションへの移行が静かにひっそりと芽吹いているのかもしれませんね。
下記の本を注文しました。この類の本は実は大変苦手なのですが、このブログで知ったマヤの最高神官 ドン・アレハンドロ が登場する本なので、読んでみようかと言う気になりました。「マントル内生息の巨大生物?、龍?」が気になるわけです。モチロン、読んだとしても、自己流に勝手に解釈するつもりですが(笑)。
「2012年12月22日に何が起こるのか?パトリシア・マーシア/著 浅川嘉富/訳」http://www.7andy.jp/books/detail/-/accd/R0353821
ヤスさん、これからもブログの更新など、頑張って下さい。応援しております。
15日時点で感染者16万人・死亡者数1251人に?★5
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1216275369/l50
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1216350061/l50
デフレ基調なら長いかも?
事態は早い展開ですが、この秋と翌年春を乗り切れれば、長い消耗戦に入る気がしております(特に根拠はありません)。。
米国:欧州の事態は、金融機関と不動産会社の貸借対照表にあいた穴が問題であり、かつての日本と同様と仮定しますと。。。。
4~5年かけて弱ってゆくのかもしれません。
異常気象による農産物の不作や
戦争がなければの話ですけれど..................
金融システム破綻回避のため、低めの金利で、金融機関の利益を確保しながら不良債権の処理を同時に進めるのはかつての日本と同じ。
金融機関が「貸し渋り:貸し剥がし」行動をすることによって、景気悪化を助長するのも同じ。
公共事業を行っても、受注事業者に入った利益は、設備等投資に向かわずに「借金返済」にまわり、景気浮揚効果が無いのは、かつての小渕政策と同じ。
マルクス予言で「最も高度に進化した資本主義から共産主義は生まれる」???
のようなものがあったと思いますが、
これは、利益の上がる投資先がなくなることによって、資本による支配の世が終わることを示しているのかな??
なんて、勝手に想像したりしています。。。
暑い夏となって参りました。
ヤス様も、健康第一でお過ごしください!!!
末永い「ブログ運営」を期待しております。
ヤギから始めよ
しかし、私は、テレビで伝えるその解説にとても違和感を感じました。
雑草はその地に生えたその土地のための栄養源です。抜くのではなく、一頭のヤギを連れて来て食べさせたならば、1反の棚田の雑草も一ヶ月か二ヶ月で綺麗に無くなります。そして後に残るのはヤギが排出した棚田のためのコロコロの肥料です。今は水田のアゼ草刈りをするために草刈機を使いますが、昔はアゼ草はヤギの餌だったのです。ヤギがメスであれば乳も出します。水で薄めて煮れば、表面に膜を張った美味しいヤギの乳が飲めます(少し熱く、慌てるとノドに膜が張り付いて火傷します笑)。
雑草が無くなった旧水田にに稲ではなく、トウキビを植えると良く育ちます。トウキビの実はニワトリの餌になります。トウキビの茎は馬の餌になります。トウキビが未成熟であってもニワトリは喜んで食べます。美味しく出来たトウキビは人が食べる事が出来ます。ニワトリが生んだ卵も人は食べる事が出来ます。
ヤギがいて、ニワトリがいて、馬が育ったら、水田でも畑でも作れるのです。循環式農業と言っておきながら、穀物だけを育てる考え、動物を排除した考え、すぐに結果を求めるせっかちさ、私は解説の内容に賛成出来ませんでした。
草食動物とはセルロースを栄養源に出来る(体内にセルラーゼ酵素を持った細菌を持つ)動物です。肉食動物でも、肉を食べなくとも、セルロースを分解したグルコースがあれば生きていけます。猫は肉食動物ですが、猫まんま(残りご飯に味噌汁を掛ける)で生きれます。人間はセルロースを栄養源に出来ないので、肉食動物に分類されると考えます。野菜だけで、人間も草食で生きられるといっている菜食主義も、、、、、無理があると考えます。
私の母(父は56歳で亡くなったため、一人身)は、齢75歳ですが、昨年から、畑付の廃家を買って(値段は言えない位安い)、自給自足しており、年金が余るそうです(笑)。
良く出来た生態循環システム
銀老狼さんのこの文章にも、背筋周辺がジーンとしました。(ゾーッ ではありません(笑))
シンプルな生態系の昇華されたほどの美しい仕組みを、感じさせられたようです。
そうですね、人間社会のそのとき都合のよい部分だけを、自然の仕組みから抜き去れば、他の要素も全体もガタガタになるの当然でしょう。はめ絵パズルの、気に入った何枚かだけを後生大事にする行為からは、決して全体の美しい絵は出来上がらないわけですね。
意味無く難しくしていくことが文明の進歩であるという、勘違いから、いい加減目覚める必要があるでしょう。
循環システム
以下、日経PLUS 1 に紹介された知人の
記事 -共生のヒントをご紹介します。
* 香り豊かな植物として、幅広い分野で役だてられているハーブ。 料理に使えば風味づけ、臭み消しなどに加え、自然治癒力が高まり、体の奥から元気がわいてくる。有名料理店のシェフたちも絶賛する北緯40度にあるハーブ農園は、すがすがしくやさしいハーブの香りに満ちていた。
* ‘虫がついてもかまいません。 我々が使う分さえ残してくれれば’
* 栽培といっても ‘なるべく自然な状態を心がけているだけ’という。 ハーブはそもそも自己防衛のための香りを備えている。 それでも虫がつくときは、虫が嫌う別のハーブを近くに植えたり、収穫したい植物の隣に更に虫が好む植物を植えたりして、それを食べてもらうことで害虫を防ぐ工夫をしている。 農薬は一切使わない。 ‘虫が邪魔で殺してしまうと、つぎつぎにいろいろな命が断ち切られてしまう。’ すべての命をはぐくむことが大切という共生の思いが根底にある。
* ‘これ、何かわかりますか?’ 口に含むと、ホウレンソウのような香りがして、カムほどに味がでる。 ‘アカザです。 畑に生えていて、農家の人は雑草だといって、全部ぬいてしまう。私たちは食べられる植物のほんの一部しか食べていないんですよ。’
* 食料危機が訪れても、人類はハーブの力を借りながら、健康的で豊かな生活を続けることができるのではないか・・・植物とどう付き合っていくのか。 その姿勢次第で、ハーブは人類が生き延びていくための大きな力となりうる。
アメリカ中西部の洪水の意義?
nnyさん御紹介のモンサントの主力商品は、自社の農薬「ラウンドアップ」に耐性を持つ遺伝子組み換えた作物の件は以前より存じておりました。以前、私が投稿したバーボンウィスキーと養豚(2008/03/12)http://ytaka2011.blog105.fc2.com/blog-entry-67.htmlのところで、「遺伝子組み換え技術に対する誤解がある」と述べたと思います。農作物に用いられた遺伝子組み換え技術は多収量で病気や害虫に強い遺伝子(そのような都合の良い遺伝子は無い)を組み込んだ訳では無く、nnyさん御紹介のように、まさに、特定の毒性の強い農薬に対する耐性を持つ遺伝子を組み込んだだけでした。毒性の強い農薬を撒き続ければ、将来雑草も生えない土地となるのは自明の理です。不毛の地になるのです。土地が毒に塗れれば、将来、遺伝子組み換え作物さえも育たなくなるでしょう。そのような土地になってしまうと、、、人も、その他の生物も生きられません。
アメリカ中西部では穀物の収穫量だけを上げるためだけを目的として大々的に遺伝子組み換え作物が作られていたようです。しかし、今回の洪水によって毒性の強い農薬が洗い流された可能性もあります。この洪水で亡くなられた方々には大変気の毒ですが。。。しかし、この洪水を災害と考えるか?天の恵と考えるか?意見の分かれるところだと考えます。そして、この地に住む人達は、その後も遺伝子組み換え作物を作るのでしょうか?http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/disaster/2407964/3056773
災害 Or 天恵 ?
銀色狼さんの視点は本当にやさしく鋭い!‘意識の進化’のお手本のようです。
これからもコメントを楽しみにしていますので、どんどん書いてください。 お願いします。
夏ばてしているヤスさんにとっても力強い助っ人ですね。
キューバ農法
ニューワールドオーダーさんのブログで紹介されてますが、コスト減、労力減、収穫量増という夢のような稲作法らしいです。
ちと細かいスキームはわかりませんが参考にされてはいかがでしょうか?
キューバは医療制度も整っていて非常に良い国のようです。
↑キューバについて
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悪い噂が出てるところは全部売られてます。
レベル3デリバティブの開示期限は来週7/20です。
以下、ちょっと脇道ですが食糧危機のネタというかかねてから噂の「種子管理」をNHKが特集しました
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NHKドキュメンタリーより
<シリーズ 地球は訴える ~大地~>
アグリビジネスの巨人 “モンサント”の世界戦略
http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/080614a.html
[前編]
モンサントの主力商品は、自社の農薬「ラウンドアップ」に耐性を持つ遺伝子組み換え作物。番組は、ラウンドアップ耐性大豆で農作業が効率化され収入が増えたと話すアメリカ生産者の声を紹介する。モンサント社開発の遺伝子組み換え種子は90年代にFDAにより認可された。
しかし、当時の農務相が認可への懸念を表明したところ、通商代表部から猛烈な抗議があったと証言。当時、農務省のバイオテクノロジー研究者の一人は「政治的判断で、遺伝子組み換え作物は従来の作物と同一物とみなすことで認可が容易になった」と証言。FDAが発表した認可の文書は、モンサント社の弁護士が作成した文書と酷似していた。
さらに、モンサント社が遺伝子組み換え技術を応用した牛成長ホルモンrBGH。カナダでの承認試験に関わった科学者3人がモンサント社から賄賂を持ちかけられた事実を議会で証言すると3人は解雇された。
さらにイギリスの研究者は、農薬に耐性をもつ遺伝子組み換えポテトをラットに与える実験を農務省の依頼で行った。その結果、腸の肥大と免疫システムの活性化を認めたため、遺伝子組み替えポテトを従来のポテトと異なる未知の食品として認識したと結論づけ、BBCの番組で述べたところ研究所から解雇された。など。
[後編]
世界第3位の綿花生産国インドで、モンサント社は1999年に現地の種苗会社を買収し、遺伝子組み替えの綿花種子を販売。害虫に強い品種で、防虫剤を減らすことができ、収穫量と利益を増やすというのが宣伝文句だ。
農民は通常の4倍もの値段で種子を購入。しかしこの遺伝子組み換え種子は実は特定の害虫にしか効果がなく、2006年の干ばつで、大きな被害をだし、綿花栽培農家は大打撃を受けた。多くの農家は借金に苦しみ、ここ2,3年、年間500人以上の自殺者を出している。
多様なトウモロコシの種子の宝庫として知られるメキシコでは、認可されていないはずの遺伝子組み換え種子が農地に入り込み、奇形のトウモロコシが見受けられるようになり、衝撃が走った。従来の品種が壊滅するという農地も出てきている。
ある研究者が、これでは世界各地の伝統農業が破壊されると批判したところ、反発メールが大量に出回ったが、その発信元をたどったところモンサント社であることが判明する。
原題: The World According to Monsanto
制作: ARTE(フランス) 2008年