今回は来年の1月8日に出る「一週間で実践 論理的会話トレーニング」という本の執筆に集中していた。若い人向けの話の内容を論理的にまとめるためのスキル本である。話の内容を、相手に伝わるように分かりやすくまとめるのが苦手な人には役に立つ本かもしれない。
来年はブログの更新の遅れはなんとかしたいと思っている。自分にとっても日頃の考えをまとめるためにはなくてはならないブログなので、長く続けて行くつもりである。また、投稿者の方々のまったく異なった視点のコメントに触れ、視野を広められるのもよい点だ。今後もなんとか頑張りたい。
現状
サブプライムローンの破綻以降、市場の崩壊を避けるために各国政府や中央銀行を中心にした莫大な資金供給が続いている。この一週間でも以下のような資金投入が行われた。
12/17 米欧5中銀、協調行動を開始・大量資金供給
12/18 年末資金を大量供給――欧州中銀、2週間に期間延長
12/18 欧州中銀、ユーロ資金57兆円を供給・サブプライム対策
12/19 米モルガン・スタンレー、中国政府系が5700億円出資
12/20 シンガポール政府系、米メリルに出資へ・米紙報道、最大5600億円で交渉
過去、これだけの規模の協調介入は前例がないはずだ。
高まるインフレ懸念
当然、これだけのドルが市場に投入されるのだから、ドルの価値は下落しインフレの発生が懸念されてしかるべきだろう。まだドルは基軸通貨であり、貿易決済のためにはドルが必要となるため、ドルに対する需要が極端に落ち込むことはない。したがって、ドルが突然と紙くずと化してしまうような突然のクラッシュはいまのところ考えられないが、相当なインフレは覚悟しておかねばならないだろう。事実、アメリカのインフレ率もかなり急速に上昇しつつある。
「12月13日発表の米国11月卸売物価指数は、季節調整後前月比+3.2%、前年比+7.2%の上昇、食品・エネルギーを除く指数は季節調整後前月比+ 0.4%、前年比+2.0%の上昇を示した。前月比3.2%の上昇は1973年8月以来、34年3ヵ月ぶりの高いものである。」(今週の内外政治経済金融情勢の展望)
1973年は、もはや敗退が避けられなくなったベトナム戦争の戦費がかさみ、まれにみる高水準のインフレにみまわれた年である。米国経済はものすごい不況のさなかにあった。74年に始まるオイルショックの前年だ。
まだ74年のオイルショック時には及ばないものの、相当に高いインフレ率であることは間違いない。すでに過去の記事で指摘したが、インフレがコントロールが効かなくなり、仮に利益率よりも高くなった場合は以下のような経路で生産の縮小が発生する。
「貨幣量の増加」→「貨幣価値の低下」→「高いインフレ率」→「インフレ率が利益率を超える」→「生産の縮小」→「生活水準の低下」
ここまでインフレが悪化するかどうかはまだ分からないが、その可能性も十分あることを指摘しておくべきだろう。
また、日本の現存するエコノミストの中でももっとも鋭く、これまでにほとんど予想を外したことのない植草教授も以下のように指摘している。植草教授は非常に慎重であり、悲観的な観測はめったに出さない。その教授が以下のように警告している。
「コア指数の上昇率が消費者物価指数、卸売物価指数ともに0.2%上昇を超えたことで、FRBは金融市場のインフレ懸念にも配慮せざるをえなくなった。インフレ心理が強まるなかで利下げを進めれば、ドルそのものに対する信認が低下して、資本の海外逃避を招いてしまうからだ。ドルからの資本逃避が生じれば、ドル安、NY株安、NY債券安の、いわゆる「ドル暴落」図式が表面化する懸念が生じる。FRBは慎重にならざるをえない。」
ここから見て取れることは、アメリカ連銀(FBR)の金融政策がすでにデッドロックに乗り上げつつあるということかもしれない。つまり、サブプライムローンの破綻から市場の崩壊を阻止するためには、金融機関や市場に莫大な資金の投入し、市場金利を低下させることが必要になるが、それはインフレを引き起こしドル安を加速させる。以下の図式だ。
「市場や金融機関への資金投入と利子率低下」→「インフレの悪化」→「ドル安」→「海外資本の逃避」→「株の暴落」→「ドルの暴落」
この先には「基軸通貨としてのドルの放棄」があることは間違いない。
では、インフレの発生とドルの下落を押さえるために資金供給と低金利政策を改めることができるかといえばそうではない。連銀による資金供給の停止と高金利政策は、サブプライムローンの破綻を表面化させ、早晩多くの金融機関を破綻をさせてしまうだろう。これはできない相談である。
「資金供給の停止と高金利」→「株式・債権市場の暴落」→「金融機関の破綻」→「海外資本の逃避」→「ドルの暴落」
やはりこの図式の先にも、前者同様「基軸通貨としてのドルの放棄」があるだろう。
当面のクラッシュは避けられたものの、どちらの政策が採用されるにせよ、もはや基軸通貨としてのドルの放棄は時間の問題なのかもしれない。
失敗した協調介入
その証拠に、先頃行われた先進5か国の中央銀行による市場協調介入は、期待されたほどが効果なく、実は失敗したのではないかという論説がロイターにのった。ロイターの論説によると、「協調介入以降も銀行間の貸し出し金利はこれまでない高い水準を保っており、びくとも動く気配はない」ということである。つまり、潤沢な資金が放出されたのだから、銀行の資金供給も強化され、本来なら銀行間の貸し出し金利は低下するはずだがそうはなっていないというのである。
これは、金融機関がサブプライムローン破綻による将来の市場崩壊や金融破綻を予期しており、貸出先の金融機関の返済能力を信用していないということである。
このような信用不安が継続しているとするなら、協調介入でいくら資金を投入したとしても焼け石に水かもしれない。どこかの金融機関がサブプライムローンによる巨額損失を計上すれば、どの金融機関も自己資本を守る必要から銀行間の貸出を停止する。その結果、損失を計上した金融機関は破綻を余儀なくされる。そしてこれは、多くの金融機関の連鎖倒産の引き金になるという構図だ。
当然、各国の中央銀行はこうした連鎖倒産を避けるめに十分な資金の供給を行おうとするだろうが、もしこのときすでにインフレ率が危険な水準になっていれば、資金の供給は難しくなるだろう。連鎖倒産は避けられなくなる。
LEAP/E2020の最新レポート
以前に何度かこのブログでも紹介したことのあるフランスに本部があるヨーロッパのシンクタンクのネットワーク「LEAP/E2020」がある。
ここは、先頃その分析レポートで、「当面のクラッシュは避けられたものの、各国の協調介入の失敗はすでにはっきりしており、金融市場の崩壊と基軸通貨としてのドルの放棄は最終的には避けられなくなった。このような状態が続くなら、2008年の夏ころには崩壊が始まるだろう。2008年には米国の新大統領が誰になるか明らかになるが、誰になるにせよ新大統領は就任早々、新しい基軸通貨に基づく新しい国際経済の秩序の出現に対応しなければならなくなるだろう」といっている。
内容的にはコルマンインデックスによくにている。
コルマンの論文
コルマンインデックスについてはなんども紹介したのでここでは詳述はしない。コルマンはDay4、Night4そしてDay5についてはその時期になにが起こるのか詳述した論文を発表しているが、Night5についてはそうした文書を書いていない。いや、書いていないというよりも一度発表したがなんらかの理由でサイトでの掲載を取りやめたようなのだ。
今回は、掲載が取りやめになっていた文書が別のサイトで掲載されていたのを発見したのでその内容を紹介する。2004年の始めに書かれた論文である。これまでの内容と重複する部分もあるが確認しておく意味はあるだろう。
テスカトリポカの支配する困難なNight5
この短い論文の題名は「テスカトリポカの支配する困難なNight5」である。マヤカレンダーを構成するDayは光の神であるケツァルコアトルが支配し、それに対しNightは夜の闇の神であるテスカトリポカが支配すると考えられている。コルマンによるとマヤカレンダーは9つのアンダーワールドでできており、今は1999年一月から始まった「Galactic Underworld」にいるが、どのアンダーワールドでもNight5は特別に闇が深い時期とされている。
「それぞれのアンダーワールドにはそのワールドがテーマとしている新しい意識の形態が確実に出現するが、Night5はこの新しい意識と価値観の台頭に対する旧勢力の最終的な抵抗が行われ、その結果それが巨大な破壊を招来する時期である。ひとつ前の「Planetary Underworld」では1932年から1952年がそれに当たっている。」
「まずDay5で基軸通貨としてのドルを崩壊させる大きな事件が発生するが、それはNight5にさしかかる時期ではアメリカと中国との協力によって崩壊は遅延させられ、一時的には何事もなかったようにシステムは再構築されるだろう。だがこれは長くは続かない。Night5の終わりからDay6の始めにかけて早晩崩壊し、新しい意識と秩序の出現に席を譲る」
2004年の論文としてはなかなかの予測であると思うがいかがだろうか?
コルマンの位置
コルマンインデックスはいま世界的にブームになりそうな気配である。このブログの読者で、コルマンインデックスはアメリカでは広く知られているとのイメージを持って入る人も多いかもしれないが、実はまったくそうではないのである。
カール・ヨハン・コルマンはスエーデン人の生物学者で、マヤカレンダーに関してはこれまでに2冊の著作を発表している。
どちらの著作も非常に論理的で実に分かりやすく書かれているが、プロの生物学者の書いたものなので、科学の教科書のような趣がある。
これが災いしてかどうかは分からないが、コルマンの本はあまり売れてはいない。一般受けしなかったようなのだ。このため、スェーデン在住ということも手伝って「Coast to coast AM」のようなもっともポピュラーなラジオ番組にはこれまで取り上げられたことがない。コルマンを取り上げているのは、限られた聴視者に向けられた「Earth Change Media」などのネットラジオなどであった。
しかし、コルマンの著作を丹念に読むと、その解釈の斬新さと合理性に引き込まれる読者が多い。むしろコルマンは、この手の本を丹念に読むことを厭わないスピリチュアル系の分野のプロ達の高い評価を獲得している。このブログでも頻繁に取り上げて入るショーン・デービット・モートンなどのこうしたプロの一人であろう。
だが最近はすでに名の知られているこうした著作家の中で、コルマンインデックスを宣揚しこれを広めるために本を書く人も出てきた。そうした本が大ヒットしたため、コルマンインデックスが最近になって注目を集めてきたというわけだ。
ブームの予感
そうした著作家に一人がバーバラ・ハンドクローというカナダではよく知られた著作家だ。ネイティブアメリカンのチェロキー族の血が交じり、幼少期のころからチェロキー族のヒーラーとしてのトレーニングを受けた人だ。その後、マヤカレンダーをかたくなに守っている「マヤの長老たち」に教えを乞いマヤカレンダーの読解方法も学んだという。すでに10冊の本を出版し、ヒーリングセミナーも世界各地で開催しているようだ。
今年の6月、ハンドクローは「The Mayan Code: Time Acceleration and Awakening the World Mind」という題名の本を出版した。訳すと「マヤコード:時間の加速と世界意識の覚醒」となる。この本の内容をコルマンインデックスの解説と紹介だそうである。一般読者に受け入れられるように、ロジカルになりすぎないようにこころがけたという。
この本は現在大ヒットしているようで、すでに14か国語に翻訳され、フランスではベストセラーに、そしてアメリカではニューエイジ系の本の中でベストセラーになっているそうである。これでコルマンインデックスが一気に広まることになりそうである。
残念ながら日本でコルマンが読めるようになるには、海外で火がついたブームが上陸するのを待たなければならないので、かなり先になることだろう。海外では、あのジュセリーノ氏よりも知られた存在になるのではないかと思う。ちなみに欧米圏ではジュセリーノ氏の存在はほとんど知られていないようである。
こうのような背景から、今回ハンドクローは「Coast to Coast AM」にゲスト出演し、コルマンインデックスとそれに基づくマヤカレンダーの解釈を紹介した。彼女の視点からコルマンインデックスにさらに深い解釈が加えられているのが興味深い。長くなるので、これは次回に譲る。
続く
ヤスの英語
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