2017-10

    酔っ払いおやじのspiritual meeting 10の2

    9月10日

    新しい本

    新刊本が出ます。面白い本になったと思います。よろしかったらどうぞ!

    「資本主義2.0」と「イミーバ」で見た衝撃の未来
    世界の政治・経済はこれからこう動く
    著者:高島 康司

    amazonで注文

    shinkan.jpg

    今回も早く更新できた。いつも記事を読んでくださっている方々に感謝する。

    有料メルマガの予告

    9月11日の午前0時10分に配信される次週のメルマガは、世界経済の動乱の動きを追う。いまアメリカでは9月・10月市場暴落説が注目を集めているが、そうしたことが本当に起こるのかどうか検証する。興味深い予言があるのでそれも紹介する。

    今回の記事

    今回も早く更新できた。今回は対談の第10回目である。中国について話した。ぜひ読んで欲しい。

    記事全文を音声ファイルにしました。よろしかったらどうぞ。7日で削除されますので、お早めにどうぞ。

    音声ファイル

    「ヤスの勉強会」第18回のご案内

    「ヤスの勉強会」の第18回を開催します。世界経済が新たな危機に向かって動いているようです。2015年の終わりから2016年にかけて非常に多くのことが起こるはずです。これを徹底分析します!

    【主な内容】
    ・いま経済危機に向かっているのか?
    ・これから具体的になのが起こるのか?
    ・資本主義の歴史的な変質
    ・生き延びるためにどうしたらよいか
    ・スピリチュアリズムの向かう方向

    よろしかったらぜひご参加ください。

    日時:9月26日、土曜日
    時間:1時半から4時前後まで
    料金:4000円
    場所:都内(おそらく東横線沿線)

    いまのところ場所は未定ですが、申し込みいただいた方に直接お伝えいたします。以下のメルアドから申し込んでください。

    記載必要事項
    名前(ふりがな)
    住所 〒
    メールアドレス
    参加人数
    懇親会の参加の有無

    info@yasunoeigo.com

    高松の講演会

    以下の日程で高松の講演会を行います。お近くの方はぜひどうぞ!毎回ディープな講演会をしています!

    日時  平成27年9月11日(金)18:30受付 19:00~22:00前後まで
    場所  高松生涯学習センター

    会場内の掲示板にて部屋の確認をお願いいたします。
    〒760-0040 高松市片原町11番地1
    電話:087-811-6222 FAX:087-821-8022
    会費   ¥5000/人

    講演会後、高島先生を囲んでの懇親会を予定しております。場所 未定ですが高松市内にて行う予定です。

    主 催  里坊会計事務所 里坊昌俊
    実行委員 有限会社ウエストフードプランニング小西啓介、ソニー生命保険株式会社 山下智幸、株式会社京蔵 京兼慎太郎、株式会社クリード インテグレーション平野伸英

    内容
    ・「日本会議」の裏にいる勢力
    ・日本の本当のすがた
    ・世界的な経済減速の向かう方向
    ・中国の現状と今後
    ・いったいギリシャはどうなっているのか?
    ・普通では話せないディープなスピリチュアル情報


    健幸カレッジ

    10月7日、四谷で「にんげんクラブ」の「健幸カレッジ」で講演を行います。普通の講演会では話すことのないスピリチュアルな話を多く話するつもりです。よろしかったらどうぞ!

    申し込みリンク

    ツイッターに書き込むことにしました。よろしかったらフォローをどうぞ。日々情報を発信します。
    https://twitter.com/ytaka2013/

    船井幸雄.comに筆者のページが出来ました。月一回のペースで更新します。ぜひご覧ください!

    船井幸雄.com
    ヤスのちょっとスピリチュアルな世界情勢予測

    新刊本です!ハンク・ウエスルマン博士との対談が収録されています!ぜひどうぞ。
    koufuku

    むちゃくちゃうまい醤油!

    筆者は、隔月で高松の経済団体で講演会を行っている。そのとき、高松で評判になっているおいしい醤油のことを教えられた。小豆島の醤油である。早速、注文して見たが濃厚な味でものすごくうまかった!世の中にはうまいものがあるののだと思った。よろしかったらどうぞ。

    酔っ払いオヤジのspiritual meeting 第10の2

    spi102

    オルタナティヴ・メディアの持つ可能性

    西塚 ヤスさんから教えてもらった「RUSSIA TODAY」(ロシア・トゥデイ、現RT)にしても、アメリカで2番目に視聴率が高いという。あれにもびっくりしました。ロシア政府が後ろ盾になって放送している局なのに、アメリカで2番目の視聴者を持つという…驚きですね。

    ヤス そうですよ、「CNN」を抜くくらい。だからアメリカ人というのは、一方で「RUSSIA TODAY」を見ながら「CNN」を見て、嘘だあ!って言って、こいつら何を嘘言ってんだ、と言うわけです。

    西塚 アメリカというのは移民族国家と言ってもいいですから、それぞれの文化も持ってる連中がいっぱいいて、いろいろ声を上げるんだろうけれども、それでもやられちゃうというか…前にヤスさんから「Atlas Shrugged」みたいな向こうの番組も見せてもらいましたが、そういう連中だからこそ、ガチッとやらないと潰せないという感じなんでしょうかね。

    ヤス まあ、そうですね。だから、それだけ統制のとれた強権的な体制にならざるを得ない。

    西塚 抵抗勢力がデカすぎるんですね。日本の場合はまだ小さいから、適当に押さえておけば大丈夫だと甘く見てるかもしれませんが、さきほどのプーチンや習近平のように手の平返しじゃないですが、日本人も含めて何かに、まあ目覚めるというか、気がついたときに、引っくり返る可能性はありますね。

    ヤス ありますよ。アメリカの抵抗勢力は巨大ですよ。本当に政権の中枢が怖がるくらいの抵抗勢力ですから。銃で武装してますし。これは怖い。立ち上がったら何をするかわからない、という人たちの集まりでもありますからね。

    まあ、そのように、オルタナティヴ・メディアというのがたくさんあって、細かく事実を集めて実証するようなね、クオリティの高いメディアが最近増えてます。

    西塚 それが、日本にはない。

    ヤス ないない。「RUSSIA TODAY」はね、ケーブルテレビの地上波で第2位までになる。それとまた「Democracy Now」というテレビがあって、これもオルタナティヴ・メディアでインターネットで配信されてたんですけど、えらい人気が出て、もう今は地上波ですよ。それから先のアレックス・ジョーンズも、たしか地上波になりつつあるはずです。ケーブルだと思うけど。

    というくらいね、主要メディアと接戦するくらいの人気なんですね。だから、アメリカのほうがはるかに情報を得やすい。それに対して日本というのは、オルタナティヴ・メディアがあまりにも小さいんで。

    西塚 いまだに、朝毎読売サンケイですもんね。

    ヤス そうそう。あんなのさ、なんか子どもの壁新聞の世界じゃないですか。NHKも含めてね。

    西塚 本当にそうですね。

    ヤス 子どもの壁新聞を読んでて、お前、これが現実だと思ってんのかと。ムチャクチャですよ、ジャーナリストが言うことは。

    西塚 逆にフィクションに近いような現実。冗談かと思うような。

    ヤス 最近、日本でマスコミにもよく出る中国専門のジャーナリストの本を読んだんですね。2014年に出した本で、中国の内実を詳しく述べている。その人も、優秀な部分があるジャーナリストで、中国の高官とか政治家とか、いろいろな領域の人にインタビューしてるんです。インタビューして事実を集めるのはいいんですよ。問題は、集めた事実をどういう認識へと収斂させていくか。認識の問題ですね。それがない。ないと同時に、日本のジャーナリストの弱さなんですけど、あまりにも稚拙な「思い込み」の世界なんです。

    西塚 思い込みというのは、個人的な思いに還元されるから、ものすごく矮小化されて貧弱になりますね。エディットする側もある程度、知識とか経験とか、あるいはもっと複数で検証するとか、そういうことが足りないということですか?

    ヤス 足りないというよりね、見識がない。

    西塚 見識がない。そもそもない…

    ヤス ちゃんと取材のツールと技術と人間関係を持ってね、きっちりと取材して、それをデータとして集めてくれるならば、それは解釈をするための基礎データとしては使えます。でも、いろんな事実を取材して、それをどう吸い上げて認識を作るかというね、結果的に現実はこういうことになってますよという判断力がほとんどなくて、もう思い込みの世界なんです。

    西塚 今日は、前回の続きでスピリチュアル的な話をしようと思ってましたが、これはこれで現実的で面白いので、このままいきましょうか。

    ヤス いいですよ。

    「見識」がないジャーナリストたち

    西塚 たとえば「IWJ」の岩上(安身)さんなどは、ある発言でテレビを干されてから、独自のメディア、インディペンデントメディアを作って一生懸命やられてますよね。でも、どうしても個人に頼らざるを得ないし、資金的な問題もあるでしょう。「IWJ」はメジャーなほうでしょうが、学生も含めていろいろ芽はあるんですが、それがまだムーブメントにならないというのは、やはり今おっしゃったような思い込みとか、サークル、ミニコミを出ないという、マインドに関係してますか?

    ヤス そうです。「IWJ」はすごく優秀なメディアだと思うんですね。僕は岩上さんは尊敬していて、彼はもともとジャーナリスト以前にですね、見識があるんですよ。世の中の全体的なトレンドがどうあって、それが何に向かっているかということをかなり的確に、深いところまで捕まえているんですね、おそらくね。そういう見識が先にあるから、いわゆる事実を審美化しないで、そうした見識に無理なく論理的に至ることができるというタイプの人だと思うんですね。

    西塚 そのへんはどうですか。たとえばヤスさんも対談された、まあ一回やられちゃいましたけど、植草(一秀)さん。僕は最初はちょっと色眼鏡で見てたんですが、どうやらそうじゃないということがあとからわかってきた。かなり切れる人で、いろんな真実を掴んだからこそ、やられちゃったんでしょう。そういう人たちの見識というのはあると思います。でも、見識がある人ばかりじゃないじゃないですか。先のアメリカの話じゃないですが、普通の学生だろうが、一般人だろうが、個人の能力に還元するような見識ではなくてですね、何と言いますか、知り得るようなメディアがない、ということなんじゃないかと思うんです、日本に。

    ヤス ないない。植草さんで言うと、あの人は日本のエコノミストで一番ですね。僕は植草さんのレポートを読んでるし、いろいろ他のレポートも読んでますが、やはりその中でもダントツですね。ダントツに切れる。ただ、切れるということの背景にあるのは、事実からですね、これからどうなるかというトレンドを読み取る能力が傑出してるだけではなくて、本来は物事はこうあるべきだという、彼の価値観があるんですね。僕はその価値観に賛同してます。

    西塚 その価値観というのは、もうちょっと具体的に言うとどのようなものですか? 植草さん自身の価値観…

    ヤス やはり弱者に優しい、バランスを持った経済じゃないと伸びないということです。歴史的に見てもそうだし。弱者に優しい、バランスのある経済を創っていかないと、ひとつの国というのは長続きしませんよ、という認識です。だから小泉政権のときもですね、ただ社会保障費を削減するのではなく、セイフティネットを豊かにしたうえでやるべきだと主張したんですね。

    西塚 それはやられちゃうな、当時は…

    ヤス 僕は、その植草さんが持ってるような社会認識に、すごく賛同する立場ですね。

    西塚 僕も賛同しますね。

    ヤス 「IWJ」の岩上さんもそうなんですよ、基本的には。すごくバランスのある見識の持ち主だと、僕は思います。

    西塚 なるほど、見識というのはそういうことですね。バランス感覚…

    ヤス 価値観というのは、やはりはずせないかなと思いますね。多くの人と共感できる、ひとつの価値観に基づいてでき上がった世界認識ですよ、見識というのはね。その世界認識が、いろいろ取材した事実と整合性があるということ、これがすごく重要だと思います。

    さっきの話に戻りますが、中国の専門家の人の2014年の本を読んでびっくりした。アベノミクスでね、日本はこれから自立的な経済成長に向かうんだと。歴史的に見ると、中国が下がったときに日本は伸びて、日本が下がったときに中国が伸びるという、逆相関の関係にあるんだと。だから、これからの習近平の中国がどんどんダメなって、それとは関係なく、日本は勝手に自立的に経済成長していくのだ、日本は勝った、という本なんですよ。今読むとね、頭大丈夫かと思う(笑)…

    西塚 ちょっとびっくりする話ですね…

    ヤス 今回の株価の暴落でわかったのは、日本がいかに中国に依存してるかということですよ。どんどん赤裸々になりつつある。今、市場が一番恐怖してるのは、中国の本格的なバブルの破綻なんですね。まだ破綻してない。破綻したら、こんなに依存度が高いのにどうなるのかと思って、脅えてるわけですよ、みんなね。だから、中国が下がったらどうなるかと言えば、日本も一緒に下がるんですよ。それを無視してやはり日本はナンバーワンだとね、言い得る根拠は何のか、それをきっちりと言えるのどうか。

    西塚 思い込みですね…

    ヤス 思い込み。だからそれが怖い。

    西塚 カルトに近くなってきますね(笑)。

    ヤス たとえば、従軍慰安婦を否定するような人たちもいる。その中にはジャーナリストもいて、私はいろんな韓国の村を回って、あなたの家で従軍慰安婦を出しましたかと聞きまくったけど、誰も出したって言わないから、あれは嘘だと言うんですね。

    お前さ(笑)、たとえ出したとしても、出したと言うのかと。それに、具体的に誰に聞いたのかと。それは、南京大虐殺に関しても、日本軍の兵士が首を斬ろうとしている写真があってね、あれは逆光で影のでき方がおかしいから、あの写真は嘘だ、だから南京大虐殺は嘘だと言ってる。これは3歳児の論理でしょ? 恥ずかしくて言えないというくらいの論理のレベルですね、あれね。それを支持してる人が多いということが、いかに我々の知的レベルが劣化したかということですよね。

    西塚 そうですね。検証レベルというのか、中立化する能力というか、客観視する能力…

    ヤス 一度ね、CNNの取材で、だいぶ前ですけど、5歳か6歳くらいの子どもがいてね、彼がエイズだったんですね。で、エイズと告げられるわけですよ。キミはエイズだよと。そうしたら、何も驚かない。じゃあ、エイズでなかったことにすればいいじゃん、と言うんですね。

    西塚 ほお。

    ヤス だったら、僕は大丈夫だよ。エイズじゃなかったことにしようよ。はっきり言って、それは幼児の論理でしょ? 現実というのは、我々の思い込みによっていかにでも否定できる。その論理と同じじゃないですか。だから、5歳児とか3歳児のレベルなんだってことです。よく若い女性でいるじゃないですか、気持ち悪いものを見て、イヤッ!って。あれですよ。嫌だから、どうなんだ?(笑)。だから、ジャーナリストっていうのは、怖い人たちだってことです。

    西塚 ジャーナリストと言った場合ですね、映像でもいいんですが、僕はやはり活字なんですね。話がずれちゃうかもしれませんが、そのレポートの活字というのは絶対に残る。そこから何かを汲み取る人間が昔からもこれからもずっといて、売れれば何万人、何十万人いて、そこの可能性を信じると言いますか、それが唯一のものと考えているんですね。

    言葉と言ってもいいです。ヤスさんがやられてる講演でもいいですが、そういう言葉を通じた、活字を通じたメディアというものに、原始的かもしれませんが、僕は期待をします。確かなものがあるような気がするんですね。エビデンスとして、証拠写真がどうのと言うよりも…文学的すぎますか?

    ヤス いや、そんなことないですよ。 活字に残すことは絶対に必要ですね。日本というのは、活字の文化がすごく豊かなところです。ちょっと名前は忘れましたが、日本の精神史というのは可能かということに挑戦した人がいたんですね。明治期から大正、昭和と、精神史というカテゴリーでくくることは可能なのかと。それで、その人が言うには、論理的な文献がほとんどないんだと。だから極めてわかりにくい。ただ、感情を吐露した、情緒を表現したような、いわゆる文学的な資料には事欠かない。膨大な量があるって言うんですね。で、それが、おそらく精神史を書くためのいいリソースになるだろうと。

    西塚 情緒は流されやすい。それはそれで文学を生むんだろうけど、そこにある種の芯が必要で、それがないとブレていって、背骨のない、クラゲみたいになってしまう。そのひとつが、すべてとは言いませんが、ひとつは論理性ですね。客観性でもいいです。

    ヤス そうなんですよ。客観性とか論理は感情を超越しますから。感情とか情緒でつかまえた、ある意味で色彩感覚のある感情表現、その感情表現の奥にあるもの、基本的に何にそれが反応してたのかという、奥にあるものを端的につかまえるためには、それを理念化せねばならない。その理念化の方法はやはり論輪しかないということなんですね。

    西塚 そうですね。直観でもいいんですが、直観で何かをつかむんですが、それを言語化するためにはやはり論理なんですね。

    ヤス まさに論理なんです。ただね、その本で残念だったのは、論理化ができてなかった。日本には情緒的な文献は膨大にある。じゃあ、情緒的な文献を並べてみようか、で終っちゃった。そうしたら、何を言いたい本かわかんない本になっちゃった。

    西塚 ああ、でも提起としては面白いですね。

    超越的な視座をどこに設定するか?

    ヤス 必死に読んでいくと、キーワードになるようなものはちょっとずつある。当時の精神世界はどういうものだったのか。明治期の人間の精神構造のひとつは何かというと、ひとつのことを考えると、ずっと同じことを考え続けるんですって。ずっと考え続ける。卑近な例であれば、彼女は僕のことを好きなのかどうかとか。それを人生のテーマとして考え続けるわけですよ。

    西塚 ああ、だから明治期に私小説が生まれんだ。漱石みたいに。漱石の小説は恋愛小説ですから。

    ヤス 思想的なテーマでも、人生いかに生きるべきかであっても、それを延々に考え続けると。考え続けるという一貫性があったし、考え続けるという態度、それが当たり前の時代だったんだと。それが戦後になると、新しい現実に対して、自分がいかに感情的に反応するかというほうをむしろ取る。昔に反応した感情を捨て去っていくわけですね。だから、A子さんに惚れて、B子さんに惚れて、C子さんに惚れて、というふうにいくわけですよ。

    西塚 この間の話に結びつけるわけじゃないですが、人は超越的なものを求めるとヤスさんはおっしゃいました。今が楽しければいいというのは、長くは続かないよと。いろいろと衰えるし、そのときどうすんだお前は、という。いずれは何かしら向き合わなくていけないものが出てくる。そこで超越的なものとの絡みの話が、前回出てきました。

    明治期はものすごい国の変革があって、漱石にしてもイギリスに行って、近代的なものに打ちのめされてくるわけですね。私とは何だろうかとかという自我の問題、もちろん恋愛的なものもあって、それこそおっしゃったように延々と悩むわけです。北村透谷もそうですね。恋愛というのは、人間同士の感情の象徴的なものじゃないですか、言ってみれば。なおかつ近代化の問題で、哲学的、経済的なものとも絡めて悩んでしまう。田山花袋の「蒲団」にしても、あれも人間の情緒なんだけど、悶々として悩む。僕なんか、蒲団なんかにまみれないで、ヤッちゃえばいいんじゃないかと思いますが、これは下品な言い方ですが…

    ヤス 西塚さんみたいに(笑)。

    西塚 いや、そうじゃないですよ! ちょっと待ってください(笑)。

    ヤス いいじゃないですか、別に、アハハハハハ。

    西塚 僕はそんなタイプじゃないですよ、悩むタイプですから…(笑)。

    ヤス ウソだあ(笑)。

    西塚 それは違います(笑)。まあ、だから、不文律とか戒律とか、ルールがあってそれに則ってというよりは、わりと日本人は情緒に流される…

    ヤス 明治期の悩みってありますよね。北村透谷なり、漱石の持っていた恋愛とか近代に対する悩みであるとか、一貫した私小説の内部に独特な悩みがありますよね。自分とは何なのか、自分が恋愛する意味とは何なのか、目の前の女性が自分にとってどんな意味を持ってるのかとかね。そういう意味に関する悩みがあるでしょ。それは、明治維新以前の江戸期にはない悩みですよ。

    西塚 ないんですよ。あったとしても異質というか、次元が違うんですね。そこなんです。僕の単純な個人的な意見ですが、インフラが違っただけだと思いますね。社会構造が違っていた。だから逆に言うと、それがいかに人間の感性を規定していくのか、というところに入っていく。

    ヤス そうね。だから社会構造が違うということで、人間の悩みが説明されるということになると、マルクスにいっちゃうということですね。基本的には、人間というのは社会システムの副産物であって、人間の悩みであるとか、心の状態というのは、実は社会システムによって規定されているんだと。じゃあ、その社会システムのデザインを変えれば、人間は変わるかもしれないと。

    西塚 規定されるという言い方がきつければ、影響がでかいという言葉でもいいですよ。

    ヤス そうそう。ただね、それがどんどん影響すると、理想的な社会システムを創れば、理想的な人間ができるんじゃないか、じゃあ、その理想的な社会システムのほうを先に創り上げようよということになる。そうすると、スターリニズムとか、もっと言うとポルポトの世界になるんですね。

    西塚 そうですね。そこに関して言えば、先日の話にも繋がるかもしれませんが、今のスピリチュアリズムブームというのは、ひょっとしたら民衆の無意識かもしれないんですが、何かのアンチを醸し出しているような気もしますよね。

    ヤス そうですね。昔、別役実が演出したある劇があるんですが、電信柱が出てくるんですね、ずっと。どこの町にもある、電信柱を巡る人間関係の物語です。それで彼が何を最終的に言いたかったかというと、超越性、柱ということですね。人間が自分自身の生に対して意味をもたらすということは、必ず自分をね、今の自分ではないような場所から俯瞰するという視点の設定が必要になる。

    俯瞰することによって、今生きてる自分自身を相対化するという、眼差しが必要になってくるんですよ。その視点設定を担保する、保証するための、超越的な視座が必要なんですね。それは神であっても、仏であっても、何でもいいんですが、そういう視座がどうしても必要になってくるということなんですね。

    別役実はおそらく、その超越性がないくらいに解体されてしまって、もはや電子柱程度のものになってしまってる、ということが言いたかったんだと思います。大きな大樹としてね、誰でもそこに依存して、その場所に行けば自分自身を客観的に対象化して俯瞰できるといったような、大いなる場所ではなくて、もはや目指すところがなくなって、わからなくなってしまった。わからないくらいに小さなものになってしまった、ということが言いたかったんだろうと思います。

    明治以前というのは何かと言うと、我々が実感できる超越性の場所があったんです。それは神とかではなくて、江戸期の人間がみんな共有している、当たり前の世間の見方ですね。

    西塚 それは、日々の生活にあったんだと思います。日常生活の中に実はあったんじゃないかと思いますね。

    ヤス 言ってみれば、日常生活の中に神を感じるということですね。日常生活の中に神や仏が生きてるということを直に感じる。それは、まさに自分以外の超越性の世界と繋がってるということ。ひと言で言うと、先祖です。

    西塚 そうなると、前にヤスさんと話したときに、いわゆる「お天道様が見てる」というのは、ある種の依存になるというか、ちょっと否定的にとらえた気がしますが、日常生活に流れてるルールというか、ちょっと違うな、もっと身体感覚的なものに根差しているある種の良識とか、慣習とか…

    ヤス バランス感覚とか、美学とかね。

    西塚 そうですね。僕は「粋(いき)」とはどういうことかと思ったことがあって、九鬼周造じゃないけど、あの「粋」も、言ってみればバランス感覚、美学ですね。ともかく、江戸期にはそうしたものがあったと思います。

    ヤス 江戸期までの日本というのは、「個」というものがあまり成立してなかった。当時の日本人の自己意識は我々の今の自己意識とは全然違う。やはり「家」というのが中心にあるわけですね。ひとりひとりの人生というのは、いわゆる家系というものを維持していくための、長い繋がりの輪にしかすぎないという認識ですよ。自分に与えられたことは、祖先から受け継がれた家業を徹底して、世間に恥ずかしくない生活をして、その輪を次の世代に受け継いでいくということ。それが、自分自身の生活の一番満足する姿なんだと。

    この輪をたくさん鎖のように繋ぐことによって、この家系の安泰、家の安泰が保たれるのだという理解の仕方。だから自分は家系の一部なんだと。死んだらどうなるかというと、先祖代々のひとりとして自分も祀られる対象になるという考え方です。

    そのようにして見ていくと、先祖の霊というのは、あらゆるところに生きてるということを実感するわけです。それに取り囲まれて生きている。その先祖の霊、および家系が綿々と続いていくという世界観との関係の中で、ひとりひとりの自己の意味を見出す。それがまさに超越的な視点から俯瞰するという役割を果たしていたということだと思うんですね。

    西塚 先祖との繋がりが、特に戦後は核家族化ということもあって、お墓も別々になったり、希薄になっていって、そのへんの認識が変容していった。だから、今おっしゃった「先祖」という言葉に抵抗を示す若い人たちもたくさんいると思います。先祖って何? クロマニョン人?(笑)と言う人もいるくらいの感覚になっているかもしれませんね。我々のように50を過ぎていればわかりますけどね。

    ヤス 先祖との繋がり、先祖の目から現在の自分自身を見るということですね。だから先祖とは何かというと、あの世とこの世を媒介するための、媒介者の役割を果たすわけですよ。

    西塚 視座を先祖に持っていく。

    ヤス 死んだ先祖の視座から自分の今を振り返って、自分自身を俯瞰して相対化するという流れですね。で、明治維新以降にどうなったかというと、それを通り越して「個」がたくさん出てくるんですね。北村透谷も「個」だったわけだし、夏目漱石も完全に「個」ですよ。そういう、先祖との繋がりによって自分自身を相対化して、それで今の自身自身を反省して意味を見出すというね、こうした視座そのものを拒否することで成り立った「個」ですね。

    「個」は「個」として、じゃあ自分自身の人生に意味を見出すための、新しい超越性を探すわけです。それが「悩み」だということです。

    西塚 となると、いわゆる近代的な「悩み」、あるいは「自我」でもいいですが、やはり明治以降に出てきたということが明らかになりますね。

    ヤス そう。自分自身の意味を求める、といったような独特の悩み、新しい超越性の再構築を目指す悩みになる。そうすると、だいたいみんな最初はキリスト教にいく。

    西塚 たしかに、北村透谷も内村鑑三もみんないきましたね。

    ヤス キリスト教にいって、ある意味で満足できないで幻滅させられる。言ってみれば、キリスト教はイデオロギーの側面が強いですから、規律に代替されて自分自身が規定される。それで次にどこへいくかと言えば、マルクス主義にいくんですね。

    西塚 なるほど。すみません、ちょっと酔っぱらってきました。今度、そのラインでももっと詰めたいですね。

    ヤス そうですね。明治以降の日本の精神史ということを、超越性との関係でみるということですね。

    西塚 はい、今にも繋がってくると思います。今日はありがとうごさいました。

    ヤス いえいえ、こちらこそ。面白かったです。どうもどうも。

    続く


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    筆者は月刊ザ・フナイの連載を書いていたが、読者の方に講談師の方がおり、会う機会があった。筆者は講談はこれまで聞く機会がなかったが、実におもしろかった!今後はスピリチュアル系の講談をやるそうである。サイトに音声ファイルがあるので聞いて見たらよいだろう。

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    コメント

    日本経済は伸びる、大復活すると予言予測している人は多いですが、福島第一原発を完全に無視している。
    フクイチのせいで、日本経済は既に破綻しているのです。
    何もかも太平洋戦争と同じです。


    ありがとうございます。

    伊呂波さん、投稿ありがとうございます。まさにおっしゃるとおりだと思います。これからの時代をいかに生き延びるかが問題ですね。

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