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    2015-09

    酔っ払いオヤジのspiritual meeting 第12の2

    9月27日

    次回の有料メルマガの予告

    10月2日、午前0時10分に配信する次回のメルマガは、前回予告したように、いま拡大しつつあるフォルクスワーゲンの不正問題と経営的に厳しい状況にあるドイツ銀行との関係について詳しく解説する。いま情報を集めている。次に、9月・10月変動説が拡散しているが、その結果を検証する。

    新しい本

    新刊本が出ます。面白い本になったと思います。よろしかったらどうぞ!

    「資本主義2.0」と「イミーバ」で見た衝撃の未来
    世界の政治・経済はこれからこう動く
    著者:高島 康司

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    今回も早く更新できた。いつも記事を読んでくださっている方々に感謝する。

    有料メルマガの予告

    このメルマガでは9月から10月初旬にかけて変動を予想する情報を多数紹介してきた。やはりそうした情報にあるような出来事が多数起こってきている。9月18日の午前0時10分に配信される次週のメルマガでは、なにが起こっているのか詳しく紹介する。

    今回の記事

    今回も早く更新できた。今回は対談の第12である。前半だ。

    記事全文を音声ファイルにしました。よろしかったらどうぞ。7日で削除されますので、お早めにどうぞ。

    音声ファイル

    「ヤスの勉強会」第19回のご案内

    「ヤスの勉強会」の第19回を開催します。やはり、世界は一層流動化する方向に向かっているようです。今回の勉強会は9月・10月変動説を総括し、2015年末から2016年の世界を展望します。

    【主な内容】
    ・2015年末から2016年初頭になにが起こるのか?
    ・全体主義のファシズムに向かう日本とその危険性
    ・大きな戦争の火種になりかねないシリア
    ・スピリチュアリズムの向かう方向

    よろしかったらぜひご参加ください。

    日時:10月31日、土曜日
    時間:1時半から4時半前後まで
    料金:4000円
    場所:都内(おそらく東横線沿線)

    いまのところ場所は未定ですが、申し込みいただいた方に直接お伝えいたします。以下のメルアドから申し込んでください。

    記載必要事項
    名前(ふりがな)
    住所 〒
    メールアドレス
    参加人数
    懇親会の参加の有無

    info@yasunoeigo.com

    健幸カレッジ

    10月7日、四谷で「にんげんクラブ」の「健幸カレッジ」で講演を行います。普通の講演会では話すことのないスピリチュアルな話を多く話するつもりです。よろしかったらどうぞ!

    申し込みリンク

    ツイッターに書き込むことにしました。よろしかったらフォローをどうぞ。日々情報を発信します。
    https://twitter.com/ytaka2013/

    船井幸雄.comに筆者のページが出来ました。月一回のペースで更新します。ぜひご覧ください!

    船井幸雄.com
    ヤスのちょっとスピリチュアルな世界情勢予測

    むちゃくちゃうまい醤油!

    筆者は、隔月で高松の経済団体で講演会を行っている。そのとき、高松で評判になっているおいしい醤油のことを教えられた。小豆島の醤油である。早速、注文して見たが濃厚な味でものすごくうまかった!世の中にはうまいものがあるののだと思った。よろしかったらどうぞ。

    酔っ払いオヤジのspiritual meeting 第12の2

    spi102

    スピリチュアリズムと自己逃避

    ヤス やはり、それなりのワークショップやカウンセリングが必要でしょうね。

    西塚 そうすると、カウンセラーとか、ワークショップを開く人なりが必要になってきますね。

    ヤス だと思いますよ。アメリカでもヨーロッパでも、社会になかなか適応できない青少年がいますでしょ? 日本でもやってると思いますが、彼らをワークショップの中で、自分の問題を見つけて認識させて、現実と向き合わせて、自分が見つけた問題を解決させる。そういうことができる人格に作り上げていくといったような、問題解決ワークショップがたくさんあるんですけど、むしろあっちのほうが有効かもしれません。

    西塚 それである意味やりすぎちゃったのが、戸塚ヨットスクールだと思いますが、あの考え方はわかる気がします。父性を強めて徹底的にしごく。死亡事件もありますが、考え方としてはある。また一方で、山奥で原始共同体のような生活を営んでいる人たちがいて、そこにみんな逃げ込んでいく。共同体内での役割分担があるので、こなしていくうちに、いろいろと解決に向かっていく人もいるという。ある種の装置なんでしょうが、僕はイメージなんですけど、そうしたものに、どうも釈然としないものがあるんです。

    ヤス そういうワークショップは重要だと思います。現実と向き合えるような強い人格を作るということです。あと、ひとつ重要なのは人格のモデルです。強い人格とはどういうものなのか。

    西塚 お手本ですね。

    ヤス お手本。普通に自立した個で生きている人たちは、どういう人たちで、どういう生き方をしているのか。そのモデル化だと思いますね。

    西塚 それは、どうやって表現すればいいと思われますか? 映画とかドラマとか、本とか。

    ヤス いろんな表現があっていいと思います。抽象的な領域にいくのであれば、哲学的な言説、表現をとらねばならない。個とは、こういうようなものだから、このような生き方をするのがベストなんだ、といったようなタイプの理論的な定式化の表現があってしかるべきだし、もっと中間層のあたりでは、いわゆる個として生きるということが、どういう喜びをもたらすのかといったようなタイプの表現領域もあってもいいだろうし。

    西塚 最終的にもっと形而下になれば、身体性が際立ってきて、ある人物、ヤスさんでもいいですが、そういう人に触れることによって感化され、自分で考えながら向き合っていくということですよね。

    ヤス そうです。

    西塚 最終的にはそっちにいくのかなあ、と思うんです。まあ、全部必要でしょうけど。

    同調性バイアスを強要する日本

    ヤス 特に日本人の場合、感情の同一性を求めるといった社会の中に生きてますから、そこから自立していくということですよ。一緒になって泣いたり、笑ったりしてね、相手の気持ちの理解を極度に求めるというのは、これはね、脱出しなければならないと思いますよ。理解してほしかったら、表現しろということです。きちんとね。表現もしないで、オレの気持ちをわからないのか、といったところに留まっている限りは、我々の精神的な成長はないですよ。

    西塚 幼児のままということでしょうか…子どもがそうですからね。アピールはするんですが、言葉がうまく使えないから、泣いてみせたり、暴れてみせたりするじゃないですか。アピールするだけ子どものほうがマシかもしれません。いい加減、大人になったら言葉でのやり取りが必要でしょうし、それがなくて気持ちをわかってくれと言っても、恋愛でも上司と部下との関係でも何でも、これは幼稚になりますね。アメリカでは許されないんでしょうね、おそらく。そういうコミュニケーションの仕方というのは。

    ヤス いや、許されないというか、わからないんですよ。オレの気持ちをわかれ!と言っても、ん?何?喋ってごらん、喋れない、じゃあわからない、と。わかるわけないじゃないですか。

    西塚 あ、そうかそうか(笑)、単純ですね。

    ヤス 単純です。

    西塚 それはもう、バッシングを受けるんじゃなくて、本当にわからないんですね。

    ヤス ただ、わからない。だから孤立しますよ、表現しないと。ワークショップにも関わってくるかもしれませんが、正しい自己表現ですね。どうやったら相手は自分をわかるのかという。

    西塚 安倍さんなんかはどうなんでしょうか。ちょっと飛ぶようですが。あれは、わかってくれ、ということなのかな。

    ヤス 彼なんかは、同調性バイアスのもとで育った子どもみたいな感じでしょうね。彼みたいなメンタリティは比較的、今の日本人に一般的になりつつあるメンタリティかなと思います。自分が作り上げた幻想の中に籠るわけです。

    西塚 前回の『なんとなくクリスタル』の話も面白かったですね。僕は、あの本には否定的だったんですが、ヤスさんは、あれはあれでいいんだと。バブル的な意匠にくるまって生きるということは、どういうことなのか、それをちゃんと描いて見せている。つまり、現実的に生きている生き様を表現してるということですね。なるほどと思いました。

    ヤスさんご自身も、そうありたいと思って生きてらっしゃるということですよね?

    ヤス ああ、何? 『なんとなくクリスタル』? ファッション着て、イエイ!って?(笑)

    西塚 いえいえ(笑)、個人の表現として…

    ヤス はい、そうですね。僕の場合はサラリーマンをやった時期もちょっとしかないので、同調性バイアスのかかるような現場にもいなかったんですね。ただ、同調性バイアスのかかる現場にたまにいくと、ものすごく気持ち悪いわけですよ。

    西塚 違和感というよりは、気持ち悪さ…

    ヤス 違和感を通り越して、気持ち悪さですね。無理やり幼児にさせられるといったような。この具合悪さはたまらない…。長年ひとりで、個人として生きていく気持ちよさを味わっているので、それをすべて放棄することを要求されて、自分の考え方を全部曲げて、自分がまったく納得しない考え方に対して感情的に同調していく、というようなやり方というのは、信じられないですね。

    ただね、日本の経営者というのは、いい意味で個人主義的な人がすごく多いんですよ。全部ひとりでやってきている。そういう経営者の人たちと話してると、面白いことを言うんです。我々はサラリーマンの気持ちがわからない。本当にわからない。ほとんど社会のことに関して興味を持たないし、猫の額ほどのちっちゃい関心事で生きてるし、常識という枠を超えた発想をしようともしない。ちっちゃな仲間うちのサークルの中で生きてる。それは信じられないと。そういうことを言ってましたけどね(笑)。

    西塚 なるほど。まあ、安心感なんでしょうけどね。夫婦の話で言えば、大体の奥さんたちがそうなんじゃないですか? 専業主婦とか、家庭を守ってさえいれば、安全で安心だということですね。それはいい悪いじゃなくて、タイプなんでしょうね。

    ヤス 安心感を求めてひとつの会社に勤めて、ずっとサラリーマンをやっていくという生き方は、それはそれで尊敬すべき生き方だと思います。どの世界でも、そうした生き方のほうが一般的なわけですしね。それは否定するべきものではない。ただ問題は、それと個を捨てるということは違うということなんですよ。日本の場合、特に大きいのは、仲間うちの集団になってくると、個を捨てることを要求されるんですね。集団とともに感情を同調させることが要求されるんです。

    西塚 家庭の主婦だろうが何だろうが、個を持ってる人はいますからね。

    ヤス います。たとえば海外。海外を理想化するわけじゃないですが、欧米の社会で勤めてる場合、そこでお友だちができた、仲間ができた、仲間うちの集団ができた、そこでね、個を抑制しませんよ。逆に一人ひとりの個の存在のユニークさを見て楽しむんですね。コミュニケーションして喜ぶ。

    たとえばね、小学生の集団があるでしょ? 小学生の低学年の集団。あそこは、どちらかというと本当にフラットな共同体で、あいつは野球がうまい、あいつは剣玉がうまいとか、それぞれの特技によって個性が明らかになってるという感じなんですね。たまにお山の大将みたいのがいて、オレの言うことを聞け、というイジメっ子もいるかもしれないけども、大体は一人ひとりが感情に対して敏感に同調してね、自分の個を捨てるなんてことはないですよ。

    むしろ、前のアメリカのドラマに出てきてるようなアメリカ人の共同体というのは、小学校の低学年の共同体に近いですよ。

    西塚 近いんです。そこがわりと僕は好きなんです。

    ヤス 気持ちいいですよ、ああいうところにいると。ただ大変です。朝から晩まで一緒にいるし、朝から晩まで電話がかかってくるしね。今日はどこそこでみんなで飲んでるからこいよ、と言うから、うん、いくと。オレも共同体の仲間に入ったかと思って、いく。次の日も電話がある。次の日もいく。次の日も電話がある。

    西塚 個人的には無理だなあ。それこそ個性を発揮して、今日はいきたくない、ひとりにさせてくれと(笑)。

    ヤス ああ、いいんですよ、それ言っても。それを言いすぎると、電話がかかってこなくなる(笑)。

    西塚 それもちょっと寂しいですね(笑)。なるほど、それは微妙なさじ加減というか、つき合い方があるわけですね。

    ヤス つき合い方があります。だからガッチリ入ると、いやあ大変ですよ。

    西塚 ヤスさんはどうですか、そのへん。抵抗がないほうですか?

    ヤス いや、抵抗ある。だって体力が続かないもん。毎日一緒にいて、毎日一緒に酒飲んで、毎日一緒なんですよ? そして、日常生活のちっちゃいことまで全部報告し合う。でも当然、100%受け入れられますけどね。感情的に同調するという強制感も全然ないし。

    西塚 それは白人ですか?

    ヤス 白人ですよ。

    西塚 すごいな。じゃ、けっこうベタベタですね。

    ヤス ベタベタですよ! アメリカ人は。

    西塚 それは何なんでしょう。そうやって知っておかないと不安だとか、何を考えてるのかわからないのが怖いとか…

    ヤス 怖さが背景にあるというわけじゃなくて、それがもう人間関係のひとつのスタイルになってしまっているということだと思います。ただ、自分がどの階層の人とつき合うかによる。階層社会だから。中産階級以下の場合は、特にベタベタ感が強いですね。

    西塚 知的なレベルや年収が高い人たちになると、違う意味の個人主義になる…

    ヤス そうだと思います。あまり共同体でつるまないって感じはしますね。僕の英語の生徒さんで、まあ外資系の社員が多いですが、前にひとりいましたね。昼飯になると逃げるんですよ、会社で。要するに、見つかると仲間のグループに入れられて、昼飯を食べさせられるから。昼飯にいくと、今晩どこにいく?って話になって、晩飯も一緒に食べさせられると。晩飯も一緒に食べにいくと、今週末はどこかに遊びにいこうって話になって、それにも引っ張り込まれる(笑)。あれは、たまったもんじゃないと言って、逃げ回ってる人がいましたけどね(笑)。

    西塚 嫌がっている人もいるんですね。

    ヤス いや、感情的に嫌だというより、体力が続かないということなんですね、我々。

    西塚 それはたしかに体力が続きませんね。みんな、よくやってますね、逆に。好きなのかなあ。

    ヤス 好きなんですよ。だから、悪い意味で言えば、日本のほうがはるかに個人主義的です。社会生活の中では、同調性バイアスを求められる。そのために相手の感情にとことん敏感になることを求める。そういう社会生活は疲れる。だから、家がある意味で避難所になる。感情的に同調性を共有するような、ストレスの高い場所からの避難場所になるわけです。そうすると、家にはいっさい人をいれないという状態になります。家では、近所づき合いどころか、すべての人間とのつき合いを断ちたい。そういったことが普通の状態になるということだと思います。

    コミットメントを持たない人間関係

    西塚 そうすると、スピリチュアル的に共同体で生活している人たちというのは、それはそれで好きだということですかね。絶えず他人がいることは構わないし…

    ヤス 詳しいことはわからないけども、スピリチュアルな共同体で生活してる人たちというのは、普通の社会生活ができない人たちが中心かな、という感じがしますね。たとえば、普通に社会生活やって、サラリーマンやってOLやって、家に帰ってきてから、じゃあスピリチュアルな共同体だ、という人はあまりいないんじゃないか。おそらくね。

    西塚 ああ、なるほど。僕が知る範囲で言うと、夫婦、家族がいるんだけども、何かで壊れて、あるいは嫌で逃げる。でも、ひとりでいると寂しいから、人と触れていたいから、そういうスピリチュアル的なところにいく。ある種、理想のコミュニケーションの仕方というのを持っていて、ここだったら私の気持ちをわかってくれるかもしれない、という話ですよね。

    そうなると、さきほどヤスさんがおっしゃった、オレのことをわかってくれよという気持ちが、その場所だとうまく伝わってるという錯覚を起こすのか、実際に本当に伝わってるのか、そのへんが僕にはわからないんですね。人とは接したいんだけども、いざ現実問題で、恋人、あるいは実際に結婚した相手でも、上司でも、とにかく合わない。全然、自分のことをわかってくれない。でも、そっちにいくとみんなわかってくれる、仲間なんだと。いきなり、そうなるわけですよ。

    それは精神構造的にどういうことなのか。宗教だったら、ひとつの神様なりを拝むことによって、結ばれているんでしょうけど。

    ヤス 夫婦にしろ、恋人関係にしろ、何かのコミットメントを要求するわけですね。コミットメントを要求するということは、相手に対する責任を個人として負う、ということですよ。相手からもいろんなことを要求されるわけだし。その責任を負いたくないんです。

    西塚 ああ、そういうことか…

    ヤス そういう責任は負いたくない。それでも人間関係だけは欲しい。それじゃ、どういう関係になるかと言うと、コミットメントしない人間関係になってくるわけです。大勢の人たちと、それなりに浅く広く人間関係を持てる。それができるような現場、場所に、必要であるときだけいく、という感じじゃないでしょうか。

    宗教云々の話は別にして、もし西塚さんがおっしゃったような人たちがいるとしたら、おそらくコミットメントを持つ必要性がないような人間関係ですね。自分が人間関係を必要とするときにだけいく、というような人たちが集まりやすい現場かなと思います。

    また、それは宗教には直結しないと思います。あくまで、宗教にあるのは超越性。超越的な視点から自分を俯瞰して相対化するということです。その結果として、そのような教団になったということはあり得るかもしれない。でも、教団の見かけの姿から、その精神的な内実を想像することは難しいと思います。

    西塚 宗教じゃなくても、ある研究グループでもいいんですが、なんとなく同じような匂いを感じるんですね。そのへんは何なんだろうなと、最近考えるんですが…

    ヤス コミットメントを深く持ちたくないということが前提にあると思います。どういうことかと言うと、特に日本人がコミットメントを深く持つということには、相手の感情に対して同調するということも十分、含意されてると思うんです。それはすごく重荷に感じるだろうと思う。

    西塚 宗教でも、研究グループでも、それはそこにいれば何事かにコミットメントを持つということですよね。神だったり、その研究グループのルールとか。コミットメントを持つ対象が違うということなんでしょうか?

    ヤス そのコミットメントの意味合いが…ちょっと語弊があったかもしれないけど、要するに責任をとると。

    西塚 僕は、責任がともなう約束事といったような認識なんですが…

    ヤス そうです。まさにその責任、個人としての責任をともなうような環境なのかどうか、ということだと思いますね。

    西塚 宗教団体でも研究グループでも、それなりの責任を負わされたりするんじゃないでしょうか…

    ヤス どういう研究グループかちょっとわかりませんが、勉強会的なものであるならば、お互いに関心を持っているような同好の士たちが集まってね、研究したり、勉強したりする。そうしたサークル的なものというのは、そんなに相手に対してのコミットメントは高いものではないですよ。結婚とか家族なんていうレベルから見るとね(笑)。

    西塚 そうかそうか。

    ヤス たとえば、宗教教団に入ったとすると。このようなルールに従って祈ってください、行動してください、実践してください、ということがあったとしてもね、ルールに従うかどうかというのは、ある意味で自分の自由にまかされてる部分でもありますね。それをやらないから、じゃあ、お前は責任をとれなんてことは言われないわけですよ。宗教教団に対して何かの義務を負うかというと、あまり負わないわけです。

    宗教教団が言うのは、そのような祈り方と実践をすることによって、第一に、我々が提示する超越的な視点が確保されますよと。第二に、その超越的な視点から、あなた自身を俯瞰することができますよと。第三に、俯瞰することができるので、今のあなたの悩み多い自分自身を、相対化することができますよと。その三点セットは必ず含められていると思うんです。それをやるかやらないかは自己責任の問題で、やらなかったからお前責任とれよ、ということにはならないと思うんですね(笑)。

    ただそれと、夫婦関係と恋人関係を考えるとね、たとえば家族を持つ場合、これは家族に対しての個人としての責任ですよ。父親および夫という立場を持つわけですから。自分に与えられた立場としての非常に大きな責任を持つことになる。逃れられないようなタイプの責任を持つわけです。恋人関係になった、たとえば肉体関係を持ったと。持ったら、女性のほうからその責任を問われるわけですよ(笑)。

    そういう責任は極力問わないような人間関係を求めたいということであれば、はるかに柔い、緩やかな人間関係ですね。自分が寂しくなったら入りたいときに入れる、言ってみれば、コンビニ的な人間関係ですね。コンビニ的な共同体、コンビニ的な物。たとえばSNSなんてそうですよね。そこで繋がってる人たちって何者か、実は見えないわけだし。社会的な責任がともなうわけでもないと。

    西塚 緩やかな繋がりですね。リアルなもの、現実的なものからの逃避の装置でもありますからね。SNSをきっかけにして、実際に逢って楽しむという場合もあるんでしょうが。

    「個」「超越性」「法則」

    ヤス 日本のみならず、世界的に大きな問題だと思うのは、「個」の処分の仕方というか、これから「個」をどうしたらいいかということです。たとえば、全体主義社会の方向に吸い上げて個を消滅させていく、というわけにはいかない。または、宗教的なイデオロギーによって、極めて強固な超越的な視点を打ち立てて、その超越的な視点に向けてね、個を完璧に吸収させて失くしてしまうというわけにもいかない。だからと言って、個といったものを欲望の主体として野放しにしておいていいのかというと、そういうわけにもいかない。

    個というものをどのうようにして我々は処理していっていいのか、どのようなところに落ち着かせればいいいのかという問題は、すごく大きな問題です。

    西塚 ヤスさんはどう思われますか?

    ヤス 個というのは、比較的最近の現象だと思うんです。たとえば、18世紀の啓蒙主義的な思想、フランス革命前後の思想から、やはり個といったものがどんどん自覚化されて、出てきたと思うんですね。カントもそうですが、いわゆる個を中心とした哲学、自我の哲学みたいなものが出てくるわけです。自我哲学のいきついた点は何か、ひと言で言えば、個にまかせておいて大丈夫なんだ、という考え方だったんですね。個にまかせておいても、社会は合理性を持ったバランスのいいものになるんだと。それは経済学でもそうで、アダム・スミスの「神の見えざる手」がありますね。その「見えざる手」がもたらすものの主体になっているもの、それは何かと言うと、個ですよ。自分の欲望のまま行動している個ですね。

    個は、限られた手段で最大限の欲望を充足しようとする。そのためには、自分の持ってるものを交換して最大限の価値を得ようとする。それから交換行為が始まる。最大限の欲望を持つような個を主体として定めて、そうした個が相互に行なう、いわゆる交換行為によって市場ができ上がり、その結果、需要と供給がバランスが生まれるんだということです。だから社会は、とにかく個にすべてまかせておけば大丈夫なんだよ、というふうな考え方だったと思います。

    それが、果たしてそうなのかと言うと、全然そうではない。たとえば今の市場原理、アダム・スミス流の市場の原理は、国家が介入しない世界です。純粋な市場原理をどんどん追い求めるとどうなるか。凄まじい格差社会になるわけですよ。手をつけられないような格差社会の中で、社会そのものの維持が不可能になってくる。だったならば、そこに個を超えた何かの超越的な実体が必要になってくると。それは、国家なり、宗教教団なり、個を超えた何か、社会全体のバランサーとして必要になってくる。

    それは、個の自由を深く信じる人間にとっては、とんでもないということになるんですが、別に言うと、ああいう個を超えたものに託していかない限りは、社会のバランスは保てないのではないかとはっきり自覚化されるし、実際にそういう側面がある。しかしながら、その個を超えた存在に託しておいていいのか、放っておくとそれがまた暴走して、さらにとんでもないことになるぞと。どこかの部分で個を介入させねばならない、となってくる。

    西塚 そこで僕は個人的に思うのですが、法則、自然の法則ですね。この世はやはり因果であって、原因があって結果がある。細かい原因と結果の鎖から成り立っている世界だと思います。そういうものを含めた大きな法則、掟、流れ、呼び方はいろいろあっていいですが、ビリー・マイヤーやゼランドが言うように、やはりそういうところにたどり着いていくだろうという気がします。それは神ではないですね。人間的なところから敷衍させた、ある種のメタフォアとしての人格を持ったような神ではなく、やはり法則としか言いようがないものです。

    ヤス 万人が納得できるような客観性を備えた法則であれば、一番いいんですよ。できるだけ科学でも実証できるし、我々の感性的なレベルから見ても、まさにそうだと合点がいく。そういった超越のまた超越といった法則ですよね。

    西塚 それは何か、ということですが、けっこう今、絞られてきてるようにも思うんです。ひょっとしたらもっと遡って、聖書にも見られるかもしれないようなものであって、第一原理に近いものではないかという気が、僕はするんですね。それを炙り出したり、日々の日常の中から引っ張り出して、統合して、理論化して、論理的に提示していく、という作業が相当重要になると思いますけども、それがほとんどスピリチュアリズムの書籍を見ても、ない気がするんです。言い方を替えれば、ある一面でしかなかったりする。

    もっと大きな第一原理みたいなものについても、ヤスさんにお聞きしたいし、こういう話の中でも浮き出てくるかもしれないと思っているんですね。

    ヤス ただしね、第一原理を言語化した段階でね、やはりそれは言語の概念の世界になるんです。

    西塚 そこなんです。

    ヤス 言語の概念の世界になった段階で、第一原理のいわゆる原理性が失われる可能性がありますよね。限定ということですから。それだけではなくてですね、「絶対善」と「絶対善」の争いに入ってくる可能性もあるわけですよ。私が定義したのが第一原理だ、いやいや私の定義したのが第一原理だ、と。

    西塚 そうですね。そこは、ヤスさんがおっしゃったような、おそらく身体感覚と密接に関わってくると思います。言語化して、それを読めばいいというものではなくて、頭で読んで、体で感じて、日々の行動の中に溶かし込んで、そこでも認識できる、感得・体得できるような何か、だと思うんです。だから武道なども重要なファクターになってくると思ってるんですが…僕はもちろん全然わからないですが、おそらくそういうものだろうなと。ただ、静的なものではなく、動的なもの、ダイナミズムのようなものかと思っています。

    ヤス またね、けっこう科学やテクノロジーの進展が、ある程度のキーになるかなあと思いますね。

    西塚 それは僕も感じますね。

    ヤス 9月23日にCERNで、超高速加速器ですね、素粒子の実験をやりますね。時間を逆行する中性子のようなものが見つかってるわけですよ。おそらく、そういう微小な世界からですね、ある意味で「宇宙の見えざる法則性」というのが出てくるかもしれません。第一原理と呼んでもいいものが、必ず何かの形を持って出てくると思うんですね。

    西塚 歴史を見てもそうですからね。いろいろな法則のいろいろな面が出てきています。

    ヤス あるひとつの科学の領域が出てきてね、他の領域も同時に発見される。そうなったときに、やはり疑い得ないようなひとつの法則性というか、傾向として、宇宙の中に何かがある、といったようなタイプの発見が出てくる可能性はありますね。

    西塚 そうしたものが、人間の感性を規定していくということもあります。影響を受けますからね。考え方、思想も含めて、ガラッと変わる可能性があります。

    ヤス 抽象的な言葉になりますが、「認識論的な切断」と言いましてね、ある意味で、今までの認識が全部切断されて、別な認識といったものが突如として生まれる。

    西塚 そう思います。コンピュータで言えば、書き換えられちゃう。

    ヤス デカルトのコギトの果たした役割と同じようなものですね。世界観が大もとのところで転換する。それに合わせて人間の意識も変わるかもしれない。我々というのは、まさにその流れの中に生きてると思います。

    西塚 ヤスさんはそのあたり、見えてるんだと思います。

    ヤス 見えてはいないですが、感じるものはあります。

    西塚 これからこのミーティングでも、どんどん出していきたいなと思いますが、僕もどこまで話していいか、わからないところがあって…

    ヤス いえいえ、いいですよ、規制は全然ないので。

    西塚 すみません、今日はちょっと漫然としちゃいました…

    ヤス いえいえ、まあ、(西塚が)二日酔いだからしょうがないですよ(笑)

    西塚 今日はありがとうございました。

    ヤス ありがとうございます。どうもどうも。

    むちゃくちゃおもしろかった講談

    筆者は月刊ザ・フナイの連載を書いていたが、読者の方に講談師の方がおり、会う機会があった。筆者は講談はこれまで聞く機会がなかったが、実におもしろかった!今後はスピリチュアル系の講談をやるそうである。サイトに音声ファイルがあるので聞いて見たらよいだろう。

    田辺鶴瑛

    筆者のいとこのブログ

    筆者にいとこがスピリチュアル系のカウンセラーになっていたのを最近知ることとなった。以下にリンクする。よろしかったらどうぞ。

    ねもとまどかの「宇宙のゆりかご」

    このブログの基本方針

    このブログの基本方針を掲載しました。記事をお読みになる前にかならず一度はお読みになってください。

    基本方針リンク

    読むとくドットコム

    筆者がコンサルティングにかかわっている会社が子供用の国語音声教材の提供を始めた。子供用だが、実によい名作がmp3の音声ファイルで聴くことができる。大人の心の琴線に触れる作品がとても多い。よいサイトだと思う。よかったらどうぞ!

    読むとくドットコム

    筆者の友人の作家のブログ

    茶房ちよちよ
    駒村吉重のブログ。いつもの飯、酒、より道、脱線、思いごと


    便利な学校検索サイトです!

    海外子女.com

    投稿に関しては以下の方針に従い、どうしても必要な場合以外は削除しないことにしておりますが、他者の人格を傷つける不適切な表現がある場合は例外とし、予告無しに削除し、投稿禁止にする場合もあります。

    意味産出の現場としてのBBSやブログ

    また、私はいま日本で起こっている変化を以下のようにとらえております。もしよろしければこちらもどうぞ。

    いま何がおこっているのか?

    ヤスの英語

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    09/22のツイートまとめ

    ytaka2013

    今年の4月の記事だがとても重要!実は中国とアメリカは軍事的な対立関係にはない。アメリカと中国が、合同軍事演習を実施http://t.co/PiXm7SDYZn
    09-22 11:05

    酔っ払いオヤジのspiritual meeting 第12の1

    9月22日

    次回の有料メルマガの予告

    9月24日、午前0時10分に配信する次回のメルマガは、まずいまドイツ銀行で起こっている危機的な事態について解説する。まさかとは思うが、第二のリーマンはドイツ銀行なのか?また、日本が集団的自衛権の問題で盛り上がっているときに、世界ではさまざまな危険な流れが生まれている。シリアにロシア軍の戦闘部隊が本格的に入る可能性が高くなってきた。また、ハンガリーは難民排除のために軍隊を配備する法を可決した。こうした動きはどのような方向に向かっているのだろうか?これを解説する。

    新しい本

    新刊本が出ます。面白い本になったと思います。よろしかったらどうぞ!

    「資本主義2.0」と「イミーバ」で見た衝撃の未来
    世界の政治・経済はこれからこう動く
    著者:高島 康司

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    今回も早く更新できた。いつも記事を読んでくださっている方々に感謝する。

    有料メルマガの予告

    このメルマガでは9月から10月初旬にかけて変動を予想する情報を多数紹介してきた。やはりそうした情報にあるような出来事が多数起こってきている。9月18日の午前0時10分に配信される次週のメルマガでは、なにが起こっているのか詳しく紹介する。

    今回の記事

    今回も早く更新できた。今回は対談の第12である。前半だ。

    記事全文を音声ファイルにしました。よろしかったらどうぞ。7日で削除されますので、お早めにどうぞ。

    音声ファイル

    「ヤスの勉強会」第18回のご案内

    「ヤスの勉強会」の第18回を開催します。世界経済が新たな危機に向かって動いているようです。2015年の終わりから2016年にかけて非常に多くのことが起こるはずです。これを徹底分析します!

    【主な内容】
    ・いま経済危機に向かっているのか?
    ・これから具体的になのが起こるのか?
    ・資本主義の歴史的な変質
    ・生き延びるためにどうしたらよいか
    ・スピリチュアリズムの向かう方向

    よろしかったらぜひご参加ください。

    日時:9月26日、土曜日
    時間:1時半から4時前後まで
    料金:4000円
    場所:都内(おそらく東横線沿線)

    いまのところ場所は未定ですが、申し込みいただいた方に直接お伝えいたします。以下のメルアドから申し込んでください。

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    健幸カレッジ

    10月7日、四谷で「にんげんクラブ」の「健幸カレッジ」で講演を行います。普通の講演会では話すことのないスピリチュアルな話を多く話するつもりです。よろしかったらどうぞ!

    申し込みリンク

    ツイッターに書き込むことにしました。よろしかったらフォローをどうぞ。日々情報を発信します。
    https://twitter.com/ytaka2013/

    船井幸雄.comに筆者のページが出来ました。月一回のペースで更新します。ぜひご覧ください!

    船井幸雄.com
    ヤスのちょっとスピリチュアルな世界情勢予測

    むちゃくちゃうまい醤油!

    筆者は、隔月で高松の経済団体で講演会を行っている。そのとき、高松で評判になっているおいしい醤油のことを教えられた。小豆島の醤油である。早速、注文して見たが濃厚な味でものすごくうまかった!世の中にはうまいものがあるののだと思った。よろしかったらどうぞ。

    酔っ払いオヤジのspiritual meeting 第12の1

    spi102

    西塚 「酔っぱらいオヤジのSpiritual Meeting」の、今日(9月13日)は第12回です。今回もまたヤスさんにおいでいただきました。よろしくお願いします。カンパーイ。

    ヤス どうもどうも、じゃあカンパーイ。

    西塚 前回は「個」の話になりましたね。そのあたりにまた繋げていきたいのですが、その前に、今日の「RT」(RussiaToday)ですが、日本ではまったく報道されてませんが、なんかドンパチがあったようですね。

    きな臭くなってきた中東

    ヤス ああ、そうですね。別に、すごく大きな戦争に発展するといったようなドンパチじゃないんですが、東エルサレムにですね、「岩のドーム」と「アルアクサ・モスク」というところがあるんですね。アルアクサ・モスクというのは、イスラム教徒にとって非常に神聖な場所とされてます。第3番目に神聖なモスクなんです。

    同時に、岩のドームとアルアクサ・モスクというのは、ユダヤ教徒にとっても神聖な場所なんですよ。聖書のヨハネの黙示録の中に、ハルマゲドンが起こる前の予兆のひとつとして、岩のドームとアルアクサ・モスクが壊されて、そこにユダヤ教徒のいわゆる第三神殿ができるというのがあるんですね。それと絡めるとけっこう不気味な流れになってくるんですが、アルアクサ・モスクにですね、イスラエル軍が今日、急襲して、モスクを占拠した状態に近い状況になっているようです。これを喋ってる今でもね、おそらく戦闘が続いている状態だと思いますよ。

    西塚 そこは何か、今日は入ってお祈りをしちゃいけない場所なんでしたっけ?

    ヤス そうです。けっこう複雑なんですけど、アルアクサ・モスクというのは、ユダヤ教徒にとっても神聖な場所であるわけですが、ユダヤ教徒はお祈りをしてはならないということになっている。それはイスラエル政府が、ユダヤ教徒とイスラム教徒が諍いにならないように、ユダヤ教徒側に禁止をしてた。それで、ユダヤ教の新年があるんですね。ローシュ・ハサーナと言ったかな、これはアダムとイブが生まれた日なんです。何日か続くんですが、お祝いの最初の日に限っては、イスラム教徒もここにいって礼拝してはならないという、習慣法というか、規制があったらしいんですね、ずっとね。

    ただ数週間くらい前から、ユダヤ教のいわゆるナショナリスティックな民族主義団体がいきなり入ってきて、そこでユダヤ教の礼拝をする。それに刺激されて、アルアクサ・モスクを守るためにイスラム教徒の自警団があって、自警団は自警団で、我々はローシュ・ハシャーナの第一の日にも祈る、とはっきり宣言をする。そういうような形でこの数週間くらい、不穏な空気があった。実際に今日、どうもイスラム教徒が礼拝してたらしいんですね。そこをイスラエル軍が急襲した。

    西塚 そうか。でも、予想できたのにあえてやったんですかね、ユダヤ教徒は。

    ヤス いろいろそれなりに動機がある。ここは我々のものだ、とか。ただ彼らは、ヨハネの黙示録のハルマゲドン予言をまともに信じてる連中ですからね。岩のドームとアルアクサ・モスクを破壊することによってユダヤ教徒の第三神殿を造る。造ることでハルマゲドンが達成される。ハルマゲドンが達成されると、ヨハネの黙示録にある通り、いわゆる神が降臨してくると信じ込んでるんですね。それを実現させたいという希望を持ってるような人たちが、やはりいると思いますよ。

    西塚 となると、ヤスさんも再三、ブログやメルマガで取り上げてるエノク予言ですね、それをどうしても思い出さずにはいられないんですが…。まあ、ロシアがいきなり入るということはないでしょうけれども、この先ちょっと不穏ですね…

    ヤス でね、実はこれだけではないんですね、今起こってることは。僕のメルマガでですね、9月の後半あたりからどういうようなことになっていくのかという、一応ネットで出回ってる詳しい日程をまとめて書いたんですが、ある意味で予告された通りの展開に近いことになってるかな、という感じがするんです。

    たとえばですね、ひとつひとつ言うと、シリアにロシア軍が1000人入ってきた。ロシア軍の小さな部隊がシリアにずっと継続的に駐留してるということは、実は前から知られてた。シリアのアサド政権をバックアップしてるのは、ロシアのプーチンですから。資金援助と武器の支援を行なってるわけですね。そうすると、武器の使い方を教えるトレーナーであるとか、武器を運ぶための部隊であるとか、そういうかなり少人数の部隊、100から200名、200名いかないと言ってましたが、100名規模の部隊がずっと常駐している。これはロシアも言ってたし、今までもあった。

    今回それを超えて、1000人くらの部隊が入ってきた。この1000人くらいの部隊はロジスティクス、兵站を担当する部隊なんです。つまり、より大きな部隊が入ってくる準備をするための部隊なんですね。

    その他に、イラン。イランという国は、今までシリアの中に直接、軍隊を入れたということはない。イランの息のかかったヒズボラ、イスラム原理主義の組織ですが、それとバシールという民兵組織、それがアサド政権を支持するために、一緒になってシリアの内部で戦ってるということはありますが、イラン政府の息のかかった軍隊が、その指令で直接入ったということは今までなかった。それがですね、イラン革命防衛隊というのがあって、その革命防衛隊の国際部隊、まあこれはかなりの数、1000人とか1000人超えるくら
    いのけっこうな規模の戦闘部隊ですが、今回シリアの中に入って、ロシア軍と協力して作戦展開を始めた。

    あと、もうひとつはですね、アメリカ軍の動きなんですよ。今までアメリカ軍というのは、極めてヘンな動きをしている。アサド政権を倒したいがために、空爆をするぞとさんざん言ってきた。それで2013年の8月に、その空爆を断念したんですね。断念したんで、いわゆるアサド政権に反抗している反政府勢力、自由シリア軍であるとか、ISISを含めてですね、そういう反政府勢力にずっと資金援助や武器援助をやり続けた。なので、アメリカ軍そのものがシリア軍を爆撃するということはなかった。それがね、今回初めて…

    西塚 爆撃ですか?

    ヤス どうも見てると、無人飛行機ですね。よくアフガニスタンで使っている無人飛行機が、どうもシリア国軍を爆撃したらしい。シリア軍側が発表したんですね。そうするとですね、ロシア軍とイラン軍がいるわけですよ、シリア軍と一緒に戦って。こっちでは、アメリカ軍が爆撃を始めてると。いったいこれからどういうことになってくるのか、ということですよね(笑)。

    西塚 それは、相変わらずというか、報道はないですよね。

    ヤス ああ、日本はね。もう全然。まあ何と言うか、オブラートにくるんで。日本の報道というのは、アメリカの大手メディアが報道したあとなんですよ。

    西塚 前回もそういう話になりましたけどね、報道の姿勢とかに繋がってくるけど、本当にもう、何と言うかなあ、どうしようもないですよね。

    ヤス どうしようもないですよ。どうしようもない。だから、新聞なんてのは、便所の壁紙みたいなもんだしね(笑)。

    西塚 アメリカのお墨付きがなければ報道しない。

    ヤス 日本だけですね。と言うか、他の国を細かく見てるわけじゃないですが、たとえばロシアとかイランとか、独自に勝手に報道してますね。ヨーロッパの報道機関はけっこう勝手に報道してます。フランスとかドイツの報道はたまに見ますけど。イギリスのBBCあたりでも、もっとずっと早いんじゃないですか。

    日本の場合は、報道の方向がアメリカの主要な報道機関によってはっきり出てきた。直後にやる。

    西塚 僕もさきほどRTをチェックしましたけど、ツイッターなんかもリンクしてあって、銃撃戦の映像まで出てますからね。

    ヤス そうです。今まだ戦闘状態でしょう。

    西塚 何人か拘束されてる写真も出てました。

    ヤス ええ、ええ。だからかなり不穏な状態です。これから中東が非常に荒れてくる。

    西塚 当然、原油の価格なんかにも響いてくる。

    ヤス おそらくね。最終的には上がると思います。

    西塚 いやあ…どうなるんだろうな…

    ヤス そう。誰が誰と敵対するかってすごくわかりにくいんですが、僕の本にも書いたし、メルマガにもブログにも書きましたが、要するにイスラム国ってどういうものなのかと。おそらくイスラム国の戦闘要員は純粋にイスラム原理主義者なんでしょうけどね。ただイスラム国の幹部、上層部にいるような連中は何かというと、やはりアメリカとイスラエルが結託した連中であることは間違いないんではないかと思います。イスラム国そのものが、イスラエルが作り出したツール、自分たちの政策を立案するためのツールですね。だから今回の構図は、アメリカ=IS=イスラエル対ロシア=イラン=シリア、といったような対立の構図ですね。

    西塚 それはもう、規模から言っても、第三次世界大戦ですよね。もしそれが始まっちゃったとすると。

    ヤス そうですね。だから、ヘタにバランスを崩すとヤバイ。ロシアのラブロフ外相がオバマ政権に直接、声明を出して、我々と対話をしろと。対話をしないと予想できないことが起こるぞ、と言ってるんですね。ロシア側の姿勢というのは一貫してます。アサド政権はたしかに独裁政権で悪だと。ただ、この政権をぶっ潰したら、あの地域はイスラム国に乗っ取られると。そうなると収集がつかなくなる。だから何としてでも、あのアサド政権は維持する必要がある。我々の視点から見ると、なぜアメリカがアサド政権を倒そうとしてるのかわからないと。我々と一緒になってアサド政権を援助しろと。そうすることによって、共同でイスラム国を根絶やしにするべきだ、というふうに言うわけです。

    西塚 そうか。今の難民の問題もそこに繋がりますもんね。結局ヨーロッパが、プーチン言うところの自業自得ですか? そういうことにもなるわけで。難民と言えば、例の3歳児の遺体にしても、RTの昨日の記事でしたけど、実は、幼児のお父さんが密航業者であるというようなことがあって、そのあたりのことも、乗船者とのやりとりで明かされてます。そして、それは黙っててくれと頼まれたと、そこまでバラしてますからね。実際に家族は亡くなったようですが…

    だから報道というのは、多方面から検証していかないといけないですね。日本の大マスコミしか知らないでいると、ある意味、本当に取り残されるというか…

    ヤス そうです。僕は、日本の報道に関してはどんどん否定的になっていますね。日本は、「報道」という人生の世界観を売ってるんですよね。我々のお茶の間の中で、我々の常識的な物事の見方と矛盾しない、そのような世界観を売ってるわけですよ。

    西塚 なるほど。もう「サザエさん」とかと同じレベルの番組だということですね(笑)。

    ヤス そうそう。だから「サザエさん」を見る思って見ればいいんですよ。

    西塚 (笑)、「サザエさん」が好きな人は見ればいいし、日本の報道も好きな人が見ればいい。

    ヤス そうそう。「サザエさん」が全部現実だと思ってるってヤバイですよ(笑)。

    西塚 本来なら、これは笑い話なんでしょうが、カツオでも何でも本当は何十歳にもなってね、結婚もして孫もいなきゃいけないかもしれないんですが、延々と子どものままじゃないですか。ある種、象徴してるかもしれない、日本人を。アメリカの戦略なんでしょうか…

    個人主義とは何か?

    ヤス ただね、戦前からそうだったんじゃないかと思います。日本人に関して否定的なことを言うと嫌な顔をされるんですけどね、でも事実なので、向き合わなければならないと思います。

    日本の社会の中で生きていくための、我々にとって重要なツールは何かと言うと、人の感情に敏感になるということなんですね。そして、他人が期待するようにこちらも行動すると。それが日本の社会で生き延びるための重要なツールなわけですね。

    西塚 だから、ちょっと個が突出したヤツはKYとか言われて、子どももいじめられちゃう。オリジナリティであるのにもかかわらず、否定されてしまう。みんな平均化されて、のっぺらぼうになる人間が増えていくという。

    前回もそうした話が出ました。とにかく「個」なんだと。集団に溶け込ませて無化させるな、否定的であろうが何だろうが自分と向き合えというお話しだったと思います。そこにどうしてもたどり着くと言うか、戻ってきて話し合わなければいけない論点なのかなという気がします。

    そこでまた「個」の問題なんですが、前にも言いましたが、アメリカのドラマなんですよ。僕はアメリカ大嫌いな人間だったんですが、原爆落としやがっても含めて。ドラマというか、ハリウッドから入るんですが、まず役者がうまいんですね、単純に。これはどうもモノが違うぞと。俳優にしても何にしても。たとえば、ファンの人には申し訳ないけども、高倉健とか誰でもうまい人はいると言うんですが、話にならないくらいに、ハリウッドの名優などはうまいと思うんですね。

    それがドラマの世界にもあって、たとえば、ベタですが「NCIS」とか、一応ナンバーワンに近いアメリカのドラマがありますね。これはFOXですが、それを見てたりすると、非常にですね、何と言うか、「個」でありながら「家族」なんですね。現場の捜査員たちがみんな家族のようなチームで、ギブスという捜査官がボスになってとりまとめてるんですが、家族的なんですよ。そしてそれぞれにまた家族がバラバラにいたりして、いろんな悩みを抱えてるんだけども、それもほとんど共有する。そのギブス捜査官も4回離婚してたりですね、いろいろあって、他の家族にしても、親父さんと仲が悪かったりとか、みんな全部知ってるわけです。

    アメリカは個人主義だと思ってたけど、そんなことないのかなと。たとえば江戸時代の落語の世界とか、それこそ「昭和残侠伝」に代表される、東映のヤクザ映画の中でもあるような世界なんですね。家に鍵をかけない。誰でも出入りできて、勝手に飯を作っているような。ある種の古きよき時代、相互扶助の世界観というのを共有してるんです。

    だから、そうした意味で、アメリカ大統領に立候補したレッシングもそうですが、根本にあるリバータリアニズムですか、そういう共同体主義的な相互扶助を主眼とした生き方、政府をあてにしないでオレたちだけで好きなように生きていくんだ、という話にも繋がるような気がしたんですね。

    だから、これはひょっとしたら寅さん的なただの郷愁で、そんなことはアメリカには実際はないんだよ、ということなのか、実際に根づいているものなのか、そのへんを今日はお聞きしたかったんですけども。

    ヤス いろんな捉え方があると思いますね。でも、はっきり知らなくてはいけないことが一点あると思うのは、個人主義とはどういう意味かということなんです。我々の言う個人主義というのは、一人ひとりがバラバラに生きててね、勝手に自分の世界観と価値観を持って、お互いにいっさい係り合わないのが個人主義である、というようなイメージを持ってると思うんです。利己主義と個人主義がイコールで結ばれるようなイメージ。

    西塚 東京がそうですね。あまり近所つき合いもしない。家に帰ってきてガチャンとカギを締めれば、自分の世界であると。周囲から隔絶された、自分だけの城、というようなイメージがありますね、たしかに。

    ヤス そうです。もともと個人主義というのは、個としての個人を尊重するということが前提にあるわけですね。だから、あなたが私と違う考え方を持つのは当然なんだと。あなたと私が、違った現実に思い悩んで生きている。個として、相手の持っている生き方ないしは価値観を尊重するというのがベースにあるんですね。

    だから基本的に違いをきっちり認めた上で、お互いに共同体を創っていくといったアイデアなんですね。ただ、共同体を創っていくためには、一人ひとりが自分の生活であるとか、自分の責任範囲にあること全部、自己責任においてきちんと管理しなければならない。そして、それでもなおかつ大きな不幸とかね、そういうものがあった場合は当然、共同体の救済にすがることができるし、共同体も救済を与えると。そうした共同体のひとつの倫理的な義務がある。

    西塚 いい考えじゃないですかね。

    ヤス いい考え方。

    西塚 江戸時代にも似たようなものがありましたが、アメリカ人と日本人の違いというのは、やはり日本人は同質性というか、そっちに重きをおくということなんでしょうか?

    ヤス 日本と比べると難しいんですけどね、ただ結論から言うとまさにそうで、要するに、日本の場合にはまず同質であるということが共有されるわけですよ。そこでは、それぞれバラバラな個そのものの存在が許されないんです。まず、同じ見方、同じ感情、同じ喜怒哀楽といったような、徹底的な同調性を共有するわけですね。

    西塚 なるほど。それはもう180度違う考え方ですね。

    ヤス 180度違う。特に強要されるのは、感情的な同調ですよ。

    西塚 現代のアメリカはどうなってるんですか。

    ヤス 僕は、それを滔々と語れるという立場ではないんですが、僕の限られた体験の範囲内で言うと、本来のアメリカの高度な教育を受けたプロフェッショナルたちの行動原理とね、そうではない人たちの行動原理とは、けっこう違ってる。やはり、年収の高いプロフェッショナルの人たちというのは、はるかに個人主義的ですね、今ここで言ったような意味の。利己主義ではない。一人ひとりの個が自立していて、自立した個が自分の責任範囲の生活をする。そして何かの社会的なルールに基づいて、お互いが結合して、自分のコミュニティの社会的な責任を果たそうとする、といった伝統がまだまだあると思いますね。

    ただ、その伝統が非常に悪い方向に作用する場合もあるんですが、たとえば富裕層ばかりが集まってね、富裕層だけの共同体を創ると。そこから貧乏人は全部排除してしまう。そっちのほうが、はるかにクオリティの高い市民サービスを実行できる街を構築することができる、と言ったりするんですね。ただ、自分たちのコミュニティはちゃんと創るわけです。

    もちろん、そういった年収の高い専門家層のアメリカ人というのは、割合から言えば少ない。じゃあ労働者タイプの人たちはどうかというと、日本人ほどの感情の同調性は求めませんが、やはり感情的に理解してほしい、また理解し合う、といった動機がかなり強い。それで、お互いがいつも自分たちの感情を吐露しながら、感情的に共感し合う共同体を創りたがるんですね。そういう共同体が一回でき上がると、おそらく日本よりも強固なんですよ。全部さらけ出しますからね。

    西塚 ある意味、日本人より団結しやすかったりもするんですか、そこまでいっちゃうと。

    ヤス 団結しやすい。全部さらけ出すので。私生活を全部知ってるしね。何で悩んでるか全部知ってる。

    西塚 その部分だけで言うと、江戸時代もそうですよね。長屋の連中の私生活が全部わかると。感情的な同調性を強制されるんでしょうが、それ以外はわりと近い感じがします。

    ヤス あ、そうかもしれないですね。そう言い得るかもしれない、場合によっては。いずれにしろ、感情的にすべてを共有し合うような仲間の共同体を創りたがるんですね。

    西塚 リバタリアンもそのような感じだったんですか、当初は。

    ヤス いや、リバタリアンって思想なんですよ。たとえば、お互いに感情的に同調したいというのは、いわば身体から出てくる欲求ですね。リバタリアンは欲求かと言うと、そうではなくて思想なんです。個は完璧に自立した存在であり、自立した存在がお互いに結び合って、自分たちでコミュニティを形成すると。個人が集まって作り上げた地域コミュニティに対しては、上層の組織である国家が介入することはまかりならん、というタイプの思想ですね。これが、まあリバータリアニズムなんです。思想だということです。

    西塚 そうか。その思想に同調した人が集まってくる。

    ヤス そうです。

    西塚 それじゃ、アメリカというよりは、一部のイデオロギーにすぎないということですか?

    ヤス リバタリアンはそうですね。それがいわゆるアメリカの一般的なイデオロギーかと言うと、全然そうじゃない。ただし強いことは強いです、すごく。

    西塚 僕は、国家の創立にも係ったジェファーソンのように、アメリカの国自体がそういう思想をベースにしているのかと思っていました。だから移民も受け入れて、そのかわりアメリカのルールに従えと。誰でもかまわない。だからお互いの違いを認めながら、ルールに従うという…

    ヤス その部分では、たとえばリバタリアンでも民主党のね、民主党左派みたいな人、たとえば今のレッシングあたりの人は基底部では同じなんですね。そうした思想の分派は、もっと上のところで出てくる。自立した個の存在を社会の最小単位として、まず認めると。そして、そのような自立した個の自由を認めようと。その上で、共同体を創っていこうと。そういうようなね、基本的な前提はすべての思想で一貫してます。何が違ってくるのかというと、富の再配分の仕方で分かれてくるんですね。

    リバータリアニズムは、富の再配分に国家は介入するなということなんです。どんな社会でも格差はあると。貧乏人もいれば金持ちもいる。社会を維持していくためには、やはり社会から取り残されてる人たちを救済しなければならない。その救済は共同体の事業としてやるから、国家は介入してはならない、というのがリバタリアンなんですね。

    それに対して、民主党左派系の、ニューディール派と昔言いましたが、その思想は何かと言うと、共同体がね、社会的な貧困であるとか、教育の格差とか、解消できるはずがないと。共同体そのものにね、金持ちの共同体、貧乏の共同体と、すごい大きな違いがあるんだと。それは、大きな政府を作って、政府が富の再配分をやってね、バランスのいい社会を創っていくしかないんだというのが、民主党左派ですね。

    西塚 なるほど。江戸時代にもあった、組合とかと共済組合みたいなものと近い発想ですね。みんなでちょっとずつ積み立てしながら、とんでもない不幸があった場合、そこから借りられるというシステム。それに国が介入するな、という立場もあれば、国が政策としてやれ、という立場もある。

    ヤス そうそう。

    スピリチュアリズムと自己逃避

    西塚 やはりヤスさんがおっしゃる個のあり方、それが重要になってきますね。日本の場合、鎖国もしてましたからね。今になって日本人自体の生き方が試されてるというか、向き合わされてるという気がします。それがいまだに、見ざる聞かざる言わざるになってる人たちが多いという構図かなと思います。特にスピリチュアル系の人たちは、また違う逃げ道があって、ますます閉じこもっていくという流れと言いますか、危険性があるのではないでしょうか。

    前回のお話しで、集団的な感情というものに流されると、人類はロクなことがないんだと。だから徹底的に個に向き合わなくてはいけないんだと、おっしゃってましたね。それには本でもいいだろうし、何でもいいんでしょうが、そういう個に向き合う装置が日本には少なすぎるということですね。マスコミなんかも本当はそういう番組を作ったり、もっと人に考えさせるようなものを作らなければならないんだろうけども、考えさせないようにしてるとしか思えない番組が多い気がします。

    お笑いとか、なんかお化け屋敷のようです。関西弁の人とか、ゲイの人たちとか、いい塩梅で並べて、いろいろとくだらないテーマでひな壇でああだこうだ言わせる。それで司会が猛獣使いのようにこなしていく、そしてアハハハと笑う。お笑いだからしょうがないですが、こんなのばかり見てたら本当に馬鹿になると、背筋が凍るような思いをすることがときどきあります。言葉が悪いですけども。大宅壮一が昔、テレビが日本人を一億総ハクチ化させると言ってましたが、あれは看破してたんじゃないですかね。

    ヤス だと思いますよ。だから、やはりこれからの我々の誰しもそうだと思うんですが、日本人という形で集合的に一般化しなくても、我々一人ひとり普通の立場で生きてる人たちとして、何がこれから重要になってくるかと言うと、今までも重要だったんですが、現実と向き合う、ということなんですね。現実と向き合って、それが非常に困難な現実だったならば、きちんと向き合って、一歩一歩解決していくということですよ。単純に。

    その、きちんと向き合う、という行為ができるかどうかなんですね。向き合う前に、まあ大体、多くの人は逃げる。逃げてスピリチュアリズムにいくわけです。逃げる人のスピリチュアリズムというのは、実に何と言うか、グロテスクな幻想を与えてくれるわけです。あなたたちは何も考えることはない、このままのあなたでいいのよ、黙ってれば、お告げがやってくるからとかね、神の声が聞こえるとか、宇宙人が助けにきてくれるとか、言ってみれば、具にもつかないような幻想を作り上げるわけですね。そうやって、現実逃避の装置を作ってくれるってことだと思いますね。

    西塚 そうですね。そこで微妙な問題になってくるかなと個人的に思うのは、スピリチュアリズムの世界でも、現実は自分が創っていくんだとかですね、思考が現実化するとか、たしかにそういう部分があるし、そういう本もいっぱい出てます。でも、区分けが難しいと思うんです。

    どんどん顕在化させていかなければいけないテーマだと思いますが、つまりまず徹底的に個であるということで、現実にひとつひとつ向き合って、現実的にクリアしていくというような自分の覚悟、自己責任をとるという意味ですね、それがなければやってはいけない思想ではないでしょうか。

    似てるわけです。実際の現実から逃げて、自分が考えれば現実化するんだから、一生懸命に考える、祈ると。何もせずに祈ったって、何にもなるわけないのに、祈る。ものの本によっては、余計なことをやるとエネルギーが過剰に歪むから、むしろ何もしないで思考をきれいにしておけばいい、という話もあります。引きつけの法則は僕は読んだことがないので、よくわからないですが、そのへんがね、たぶん難しいと思うんですね。ジャッジしにくいと言いいますか…それでいて、のめり込みやすいし、信じ込みやすいと言いますか、そのあたりはいかがですか?

    ヤス そうですね、だからスピリチュアリズムというのは、まあ価値あるものもあると思いますが、あらゆるものがごった煮になってますね。ただ、それはスピリチュアリズム自体が悪いということ以上にですね、自分がどういうような動機でスピリチュアリズムを求めるか、ということです。自己逃避ということがひとつの欲望としてあった場合、それは何を読んだとしても、すべてが自己逃避の材料になるでしょう。

    西塚 なるでしょうね。その場合、精神科医とか、セラピストとか、そういう人たちの役割はどうなりますか?

    ヤス 僕は、セラピストとか精神科医の役割は、この分野ではあまり助けにはならないと思います。セラピストにしろ、精神科医にしろ、彼らは病気を発見するプロであって、何々症とかね、たとえばパニック障害であるとか、うつ病であるとか、いわゆる何かの病状を発見して、それを治癒するプロであるわけですよ。本当に病気の人はスピリチュアリズムにいかないで、病院にいきますよ。まあ、両方にいく人もいるかもしれませんが。

    ただ、日本でスピリチュアリズムに走る膨大な人たちは、それほどの病気ではないと思います。だからと言って、問題を抱えてないかというと、こんなに問題を抱えてると。じゃあ、問題と向き合えているかというと、向き合えてない。向き合いたくもない。

    西塚 その場合、どうすればいいんですか、そういう人たちは?

    続く

    むちゃくちゃおもしろかった講談

    筆者は月刊ザ・フナイの連載を書いていたが、読者の方に講談師の方がおり、会う機会があった。筆者は講談はこれまで聞く機会がなかったが、実におもしろかった!今後はスピリチュアル系の講談をやるそうである。サイトに音声ファイルがあるので聞いて見たらよいだろう。

    田辺鶴瑛

    筆者のいとこのブログ

    筆者にいとこがスピリチュアル系のカウンセラーになっていたのを最近知ることとなった。以下にリンクする。よろしかったらどうぞ。

    ねもとまどかの「宇宙のゆりかご」

    このブログの基本方針

    このブログの基本方針を掲載しました。記事をお読みになる前にかならず一度はお読みになってください。

    基本方針リンク

    読むとくドットコム

    筆者がコンサルティングにかかわっている会社が子供用の国語音声教材の提供を始めた。子供用だが、実によい名作がmp3の音声ファイルで聴くことができる。大人の心の琴線に触れる作品がとても多い。よいサイトだと思う。よかったらどうぞ!

    読むとくドットコム

    筆者の友人の作家のブログ

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    便利な学校検索サイトです!

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    投稿に関しては以下の方針に従い、どうしても必要な場合以外は削除しないことにしておりますが、他者の人格を傷つける不適切な表現がある場合は例外とし、予告無しに削除し、投稿禁止にする場合もあります。

    意味産出の現場としてのBBSやブログ

    また、私はいま日本で起こっている変化を以下のようにとらえております。もしよろしければこちらもどうぞ。

    いま何がおこっているのか?

    ヤスの英語

    09/20のツイートまとめ

    ytaka2013

    もう見た人もたくさんいるかと思いますが、これは必見です。ぜひ両方とも見てください。教えて!ヒゲの隊長(政府版)https://t.co/oPtoAxvVu8ヒゲの隊長に教えてあげてみた(パロディー) https://t.co/DoCsC0bdfF
    09-20 09:58

    将来の政権交代の種がしっかりと埋まったように感じています。
    09-20 09:57

    崩壊してしまうという意識です。この新しい意識は野党から見るとすごい政治的なリソースだと思います。いま野党が党派の利害に走ることなくこの大きな意識変化の流れに身を投じて行くと、戦後日本の価値を土台にした新しい理念が生まれ、それに基づく新たな政治勢力がきっと生まれるでしょう。
    09-20 09:57

    集団的自衛権反対で盛り上がった今回の動きを見て、日本の民主主義の夜明けが来たと思います。今回の運動は忘れるどころか、国民各層の心の深いところに沈殿している強い思いを覚醒したのではないかと感じます。それは、平和国家も含め戦後日本の価値は戦わない限りファシストに蹂躙され、
    09-20 09:57

    09/18のツイートまとめ

    ytaka2013

    「ヤスの勉強会」第18回のご案内「ヤスの勉強会」の第18回を開催します。日時:9月26日、土曜日時間:1時半から4時前後まで料金:4000円場所:東横線沿線記載事項名前(ふりがな)住所 〒メールアドレスinfo@yasunoeigo.com
    09-18 13:14

    これで流れが少し変わるかもしれません。米バークレー市が「沖縄支援」決議 辺野古新基地中止をhttp://t.co/YtJoU0WEuu
    09-18 13:06

    やはりアベノミクスは破綻し、日本国債の危機に向かうのかもしれない。少なくともその可能性は否定できないように思う。S&P、日本国債1段階格下げ「経済好転の可能性低い」朝日新聞デジタル 9月17日(木)http://t.co/D7hIplRA3b
    09-18 12:54

    09/17のツイートまとめ

    ytaka2013

    ですが今回は、創造的な力を想念で安倍首相を引き下ろすために使います。これは結果として建設的なことですからOKです」要するに、安倍首相を引き下ろすように集中して集団的な想念を送るということですね。
    09-17 13:15

    先ほどの尊敬するサイキックの方から連続してメッセージが来ています。以下です。「大きな集団的な、集中したバイブレーションを想念として送ってください。イメージしてがんばりましょう!創造の力は本来建設的なものに使います。
    09-17 13:15

    https://t.co/xBTKbCLRhgそのようにイメージして、法案を断念するようにいま想念を送ってください!」
    09-17 08:28

    「いま大変な時期です!集団的自衛権は絶対に通してはなりません。日本は大変なことになるのが見えます。多くの人の想念が集まれば大変な周波数になります。安倍首相は大変に自己性愛の強い人です。とんでもない人物です。決めさせてはいけません。このビデオの「牛」の位置にいるのが安倍首相です。
    09-17 08:28

    ヤスです。私がとても尊敬するサイキックの方から以下のメッセージが届きました!私も想念を送るので、ぜひみなさんもどうぞ。この方はまだ未来は変えらるといいます。ただ、もし集団的自衛権が通るととんでもない未来になるとしています。以下がメッセージです。
    09-17 08:27

    『酔っぱらいオヤジの『Spiritual Meeting』第11回の2

    9月18日

    ヤスです。私がとても尊敬するサイキックの方から以下のメッセージが届きました!私も想念を送るので、ぜひみなさんもどうぞ。この方はまだ未来は変えらるといいます。ただ、もし集団的自衛権が通るととんでもない未来になるとしています。以下がメッセージです。

    いま大変な時期です!集団的自衛権は絶対に通してはなりません。日本は大変なことになるのが見えます。多くの人の想念が集まれば大変な周波数になります。安倍首相は大変に自己性愛の強い人です。とんでもない人物です。決めさせてはいけません。このビデオの「牛」の位置にいるのが安倍首相です。



    そのようにイメージして、法案を断念するようにいま想念を送ってください!

    よろしくお願いします!

    メッセージの続きが来ました!

    「大きな集団的な、集中したバイブレーションを想念として送ってください。イメージしてがんばりましょう!創造の力は本来建設的なものに使います。ですが今回は、創造的な力を想念で安倍首相を引き下ろすために使います。これは結果として建設的なことですからOKです」

    要するに、安倍首相を引き下ろすように集中して集団的な想念を送るということですね。がんばりましょう!


    9月15日

    新しい本

    新刊本が出ます。面白い本になったと思います。よろしかったらどうぞ!

    「資本主義2.0」と「イミーバ」で見た衝撃の未来
    世界の政治・経済はこれからこう動く
    著者:高島 康司

    amazonで注文

    shinkan.jpg

    今回も早く更新できた。いつも記事を読んでくださっている方々に感謝する。

    有料メルマガの予告

    このメルマガでは9月から10月初旬にかけて変動を予想する情報を多数紹介してきた。やはりそうした情報にあるような出来事が多数起こってきている。9月18日の午前0時10分に配信される次週のメルマガでは、なにが起こっているのか詳しく紹介する。

    今回の記事

    今回も早く更新できた。今回は対談の第11回の2である。前回の続きだ。

    記事全文を音声ファイルにしました。よろしかったらどうぞ。7日で削除されますので、お早めにどうぞ。

    音声ファイル

    「ヤスの勉強会」第18回のご案内

    「ヤスの勉強会」の第18回を開催します。世界経済が新たな危機に向かって動いているようです。2015年の終わりから2016年にかけて非常に多くのことが起こるはずです。これを徹底分析します!

    【主な内容】
    ・いま経済危機に向かっているのか?
    ・これから具体的になのが起こるのか?
    ・資本主義の歴史的な変質
    ・生き延びるためにどうしたらよいか
    ・スピリチュアリズムの向かう方向

    よろしかったらぜひご参加ください。

    日時:9月26日、土曜日
    時間:1時半から4時前後まで
    料金:4000円
    場所:都内(おそらく東横線沿線)

    いまのところ場所は未定ですが、申し込みいただいた方に直接お伝えいたします。以下のメルアドから申し込んでください。

    記載必要事項
    名前(ふりがな)
    住所 〒
    メールアドレス
    参加人数
    懇親会の参加の有無

    info@yasunoeigo.com

    健幸カレッジ

    10月7日、四谷で「にんげんクラブ」の「健幸カレッジ」で講演を行います。普通の講演会では話すことのないスピリチュアルな話を多く話するつもりです。よろしかったらどうぞ!

    申し込みリンク

    ツイッターに書き込むことにしました。よろしかったらフォローをどうぞ。日々情報を発信します。
    https://twitter.com/ytaka2013/

    船井幸雄.comに筆者のページが出来ました。月一回のペースで更新します。ぜひご覧ください!

    船井幸雄.com
    ヤスのちょっとスピリチュアルな世界情勢予測

    むちゃくちゃうまい醤油!

    筆者は、隔月で高松の経済団体で講演会を行っている。そのとき、高松で評判になっているおいしい醤油のことを教えられた。小豆島の醤油である。早速、注文して見たが濃厚な味でものすごくうまかった!世の中にはうまいものがあるののだと思った。よろしかったらどうぞ。

    酔っ払いオヤジのspiritual meeting 第11の2

    spi102

    依存性からの脱却

    西塚 あと、また取っ散らかっちゃうかもしれませんが、今日、新聞を見ていても思ったのですが、全体的な日本人の意識の流れとしては、おそらくいい方向へ向かっているのではないかと思うのです。それをある種、象徴的に裏付けるというふうに僕には思えるんですが、電気事業ですね。東京電力とか関西電力とか中部部電力とか、今、解約がどんどん進んでいて、もう止まらないんですね、3.11以降。

    ヤス ええ、大企業、法人を中心にですね。

    西塚 それが半端じゃないんですよ。コンビニでも、ローソンとかが、新電力にどんどん切り替えていくわけです。新電力は、ヤスさんに解説してもらいたいくらいですが、工場の余剰電力ですよね。それを安く分けて売るってやつです。ローソンですら、年間3億くらいだったかな、節約になる。来年、2016年にはそれが一般家庭にも入ってくる。僕なんかまっさきにやりたいと思いますが、安い電力でいいんですから、そうした流れがですね、電気自動車でも、フリーエネルギーでもいいんですが、どんどん意識の流れがそっちに向っていくと思うんです。そうなると、この間、お話しした『エクサスケールの衝撃』(齋藤元章著)という本がありましたね、あの世界に繋がっていくんじゃないかと思うのです。

    ヤス 僕はね、それは正しい方向だと思うんですね。電力に関しては、発電事業もする企業があるでしょ? 川崎重工とか三菱重工とか、そうした企業はたいてい自家発電能力を持ってるわけですよ。自分たちのところでどんどん電力を生産できる。だから電力会社に頼らなくてもいいという構造を持っている。3.11以降、法改正があって、企業が作る電力を売ることができるようになった。そしてそれを買う法人がどんどん増えていった。

    西塚 そうですね。その充蓄電池の開発、技術がどんどん進んでいる。

    ヤス 僕は、『エクサスケール』の本は面白いと思うしね、全然異論はない。テクノロジー的にはそうだと。ただ、支配勢力がどこまで許すかってことなんですよ。

    西塚 それは許さないでしょうね。相当な抵抗勢力になるだろうし。

    ヤス だから、どこまで闘っていけるかという闘争の問題に落ち着く。電力にしろ、エネルギーにしろ、最終的に我々、一般的な庶民の手に取り戻すためにはどうしたらいいかと言うと、庶民レベルで闘うしかない。

    だから、これをやってあれをやってと、全部おまかせにして、でも私たち迷惑かけられるの嫌だから、お金はかけないでねと、これはムリなんです。だからどこかの部分で我々の意識が覚醒してね、全部自分でやるんだと、おまかせ意識を全部なくす、というところまでいくのか、そうではなくて、今まで通りね、あんたにおまかせで、ずっと国家依存、政府依存の状態で続けていくのかと、そこがカギになる。

    一般家庭、市民をベースにして、エネルギーを自ら使えるようにするとか、NHKを拒否するとか、市民メディアを勝手に自分たちで作って、勝手に情報を発信するとか、やろうとすればいくらでもできるような素地ができ上がってくるような、そうした意識へと今、進化してきてると思うんですね。

    ただ問題は、そうした進化する側に立つのか、いつまで経っても親方日の丸に依存し続けるのか、その選択の問題なんだと思いますね。

    西塚 ヤスさんがおっしゃってたように、アメリカはとんでもない国だけれども、オルタナティヴ・メディアもあるし、何をするかわからない連中もいると。だから怖いから、政権の中枢にいる人間は強権を発動させる。日本人はそうした反骨精神もなくて、羊のようにおとなしいから、支配もしやすい。その結果として、アメリカのような混乱もない、という言い方もできますね。

    ヤス そうですね。そのかわり、政府が亡びる、国が亡びると同時に、国民も亡びる。だから、我々はどういう歴史的な過程にいるかと言うと、今ね、QEといったような巨大な金融緩和、公共投資、政府の支出によって、何とか維持されてる。中央銀行の巨大な金融緩和によって、かろうじて成長したような体裁を維持されている。そうした現代資本主義国のシステムが崩れてるわけですよ。

    崩れていくと同時に、僕がメルマガによく書いている、超階級社会へいくのか、違った国家形態を我々は目指すのか、といったようなね、現代の先進資本主義国の国家の形態のあり方が問われる時期が、これからくると思います。

    西塚 そうですね。ヤスさんはどう思われます? 予言者じゃないですから、結論は出せないかもしれませんが、ヤスの立場としては、こうなるとこういうラインにいくし、もしこういうことがあれば、こっちのラインにいく、ということを見定めたいと言うか、その可能性を見たいというお立場ですか? それとも、このままいくと、こうなるぞ
    と…

    ヤス まあ、警告はしたい、というほうですね。予言やなんかは好きで、まあ見てるわけですが、やはりすべて決まっているという予言はない。いくつか、可能なシナリオの上を歩いていると思うんですよ。どれを選択するかというのは、まずオープンであると。たとえば、超階級社会の方向へ絶対的にいくかと言えば、そういうわけじゃない。ただ、このままほっとくと、いく可能性があるぞと。そういう危機感は、我々一人ひとりが自覚せねばならない時期にきたなと思います。

    集合的な熱情から距離をおく

    西塚 ヤスさんはかなり昔から、感情の動きとか、ちょっと尻尾をつかまれると、渦があるとすると、巻き込まれちゃうぞと言ってましたね。個人であろうが、集合意識でもそうですね。その渦に巻き込まれたら、これはなかなか逃れられないと。

    ヤス 逃れられない。怖いですよ。

    西塚 よっぽどのことで、ハッと気づいて、退けるならまだいいですが、具体的な例で言えば、普通に海に手漕ぎのボートで出ていって、渦があって、面白そうだなと。怖そうだけど、楽しそうだなと入っていくんだけれども、入っちゃって、自分の必死の努力でそこから出られる余地があるときは、まだいいですが、ちょっと深みにはまるともう、何もできなくなる。

    ヤス 何もできない。だから、自分の感情に対して距離を置くというのは、すごく重要です。

    西塚 個人でもそうなんですから、人間の集団というのは個人の集まりだから、集団にな
    るとパイもでかくなるし、現象としての混乱もでかくなる。

    ヤス そうです。集合的な感情的な昂ぶりってあるでしょ? たとえば、スポーツかなんかで、ワーッ!と叫ぶ、あの昂ぶりです。あれはいいんですけどね。あれよりももっと大規模なものが、社会の随所で見られるようになるってことですね。

    西塚 そうですね。オリンピックでもサッカーでもいいですが、あのワーッ!いうのは、解消しますからね、その場で。そうじゃないもの、たとえば民族的なものも含めて、脈々と延々と、古代からも含めて、繋がってるものなどに関係してたりすると、これは、ちょっと心して、ちゃんと認識して対処していかないと怖いですね。

    ヤス 怖いです。たとえばヒットラーのね、ニュルンベルクの党大会は毎年やってましたけど、膨大な数の人が集まる。ヒットラーの演説に酔いしれるわけですね。酔いしれて、「ジーク!ハイル!(勝利、バンザイ)」というね、掛け声で忠誠を誓うわけですよ。そのときに、あの雰囲気の中にのまれないでいるというのは、すごく大変なことです。

    ナショナリズムであるとか、国粋主義であるとか、そういう人間の集合的な感情を捕えて、滔々とした長い流れを作ってね、破滅へと人間を導いていく感情の流れというのは、ひと言で言うと、気持ちがいいんですよ。

    西塚 うーん、わかる気がしますね。

    ヤス 要するに、理性を自分で中断させる、思考停止する。考えることをやめる、というところで生まれる気持ちよさ。

    西塚 ジェットコースターみたいなもので、ウワーッ!と、スリルがあって怖いんだけど、楽しいじゃないですか、あれは必ず戻ってくるからいいけど、あれが行きつく先が奈落の底だったら、それに乗った場合にはもう逃れられない。

    ヤス ひとつ、ある意味、いかに気持ちいいか知っておくことも重要なんですね。

    西塚 なるほど。経験、体験。

    ヤス 思考停止とか、集合的な感情に身をまかせるということは、「個」である自分自身の放棄ですよ。個人で生きるということは、やはり自分で物事を考える、物事を見て、自分で判断しなくてはいけないんですが、そうした意味で「個」の放棄ですね。「個」を放棄して、「個」の向こう側にあるような全体的な「何か」に一致するということです。

    西塚 それは本当に難しい問題だと思いますが、いわゆるスピ系で言うところの、「個」はない、とか、もともと「全体」の一部である、とかありますね。でも「個」の大事さはある。かと言ってエゴで、オレがオレが、他はいっさい関係ない、オレが楽しければいいんだ、というのとも違うエゴですね。その違いをどうするのか、その違いを含めて、見る目がなければいけない。ヤスさんがおっしゃったような俯瞰の目、客観的な目が必要で、それは感覚的なものではなく知的なものですね。

    ヤス 知的なものですよ。だから簡単に言うと、我々はね、人間として体験可能なものを全部体験し尽して死ぬ、という人はいないと思うんですね。悲しさという感情を体験するし、幸福という感情も体験する。自分の子どもに対する愛情という体験もするだろうし、当然、恋愛という感情も体験する。様々な、人間として体験可能な感情、体験可能なものがあるんだけど、それらすべてを体験し尽して死ぬという人はいない。

    たとえば、ナショナリズムを体験しなくてもいい世代っているわけでね。我々は長い間、ナショナリズムという感情の昂ぶりを体験しないできた。また、宗教的な恍惚感というものも体験しないでくる人間がほとんどだと思うんですね。体験しない領域の感情というのは、なかなか想像できない。想像できないものが、いきなりひとつの体験として自分にやってくると、無防備になるんですよ。絶対に流される。一気にバーンと持ってかれるということですね。

    西塚 今のお話を聞いてチラッと思いましたけども、たとえばバブル期の石原慎太郎の『「NO」と言える日本』とかですね、今で言えば「嫌中」「嫌韓」みたいな、ちょっとした反日感情にイラッときてる連中が、強権的な発言をする人に従って、ある種の日本人のアイデンティティを確認して気持ちよくなるという…そういうものがインプットされてる。『「NO」と言える日本』の売れ方を見ても、あのころはバブルで、アメリカのコロンビアをソニーが買ってみたり、アメリカからも相当非難されてましたが、日本はもっと主体性を持つべきだという石原慎太郎の主張に、僕に言わせれば幼稚な論理ですが、気持ちよくなった人が大勢いるわけですね。そうした要素は日本人に入ってるんでしょうね。

    ヤス たしかに。『「NO」と言える日本』は、日本に対して誇りを感じたい、ということの裏返しであるということですね。日本人としての自己をきちんと、強く主張したい。

    西塚 そこに気持ちよさを感じた人が、相当いたということでしょうね。

    ヤス いたと思う。ただ、今の「嫌韓」とか「嫌中」と言われてるものは、あからさまにナショナリズムですよ。

    西塚 ナショナリズムですかね?

    ヤス ナショナリズムって、あれくらい排外的なものですよ。

    西塚 僕の言葉で言うと、レイシズムに近い感じがするんですが…

    ヤス レイシズムですよ。ナショナリズムってレイシズムですよ。

    西塚 あ、そうですか。

    ヤス 基本的には。ナショナルなものを何を根拠にするかでしょう。民族を根拠にしないナショナリズムだってひとつある。たとえば、アメリカみたいなところは多民族国家だからそうですね。ただ、日本のナショナリズムって必ずレイシズムですよ。民族の偉大さということを根拠にしたナショナリズムが、日本独特のもので、日本的なものです。従って、それは他民族の排除ということとセットになる。

    今回、「嫌韓」「嫌中」で発見したのは何かと言うと、いわゆる民族を根拠にしたナショナリズムであってもなくてもいいんですが、ナショナリズムは気持ちいいということです。なぜかと言うと、初めて自己を放棄できる対象ができたんですね。大手を振って自己を放棄できる。大手を振って判断停止をしていいと。だから、その気持ちよさを体験した世代が出たてきた、ということじゃないかと思いますね。

    西塚 そうなると、以前の話にも出たように、そういうところに依存せざるを得ないような、悩みとか、苦しみとか、内面に抱えてる個人的な、細分化された悩みを持ち始めたというような心性と連関してる話ですね。

    ヤス 連関してる。だから最終的には、マスの宗教教団というのは、個別的な悩みはなかなか救いきれない。すると個別的な悩みを持ってる人たちって、それで純化するわけですね。純化して、一応スピリチュアル系にもいく。スピリチュアル系にいくんだけど、「3分解脱」みたいな方法はめったにない。だいたい詐欺的なものに引っかかったりするわけです。そうすると、悩みを抱えて生き続けざるを得ない自分自身そのものを、持て余すわけですよ。

    西塚 そうですね。これはヤスさんの造語ですけれども、「スピリチュアルジプシー」にいくか、あるいは何と言うか、ガチガチのナショナリズムに入っていく。

    ヤス そうです。悩みを持って生き続けざるを得ない自分自身を持て余してしまって、これを自己放棄するんですね。自己放棄する一番いい方法が、「個」の放棄によって、集合的な熱情の滔々たる流れの中に没入するという方法ですね。

    西塚 その方法として大きく分ければ、スピリチュアリズムにいくか、ナシナリズム…まあ日本の場合は神道とか絡んできて、ちょっとスピってますけども、でも大きく言うと、国にいくか、個人的な神様か天使にいくか、という話ですか?

    ヤス だと思いますよ。ある意味で、神様、天使、3分解脱みたいな方法でうまくいって、自己放棄するという人もいると思います。超越的な何ものかに抱かれて自分が溶け込んでしまう、というような形で、悩みを抱えた自分自身と距離感をとれる、相対化できる、というひとつの方向があると思います。もうひとつの方向は、集合的な感情、熱情の中に自分が溶け込むことによって、やはり自己放棄する。

    西塚 ある種の没我に入って、苦しみから逃れられる。

    ヤス それを継続する、同じ感情の体験をずっと継続するためには、やはりナショナリズムによる排外的なレイシズムの行為をずっとやり続けると。

    西塚 映画とかでときどき観ますけど、アメリカにもけっこうありませんか? そういう…

    ヤス いや、アメリカはすごいですよ! だから、「個」というものを人間が超え出したときに、あらゆる害悪が始まるんです。

    西塚 じゃあ、わがままでKYでどうのこうの、というほうがまだいいですか?

    ヤス わがままでKYというのは、とてつもない暴力とかは、あまり起こさないでしょ? 

    西塚 まあ、実害としては大したことないですね。ちょっと迷惑で、うっとおしいヤツとか、場が白けるとか、そのくらいかもしれません…

    ヤス 個のレベルで起こったとしても、犯罪どまりですよ。いろんな犯罪を起こすかもしれないけども、非常に多くの人間を巻き込むような、社会運動といったものは起こらないと思うんですね。

    イデオロギーと「個」

    西塚 そうなると、やはりイデオロギーですね。

    ヤス イデオロギーの怖さって何かと言うと、「個」を超えて、人間が集合的な感情に没入しますでしょ? そうすると、「個」というものを振り返る必要性がなくなる。思考停止状態になってもいいと。その思考停止状態になった限りでね、今までの個人の悩みから解放される。集合的な感情に身をまかせると気持ちがいいわけですね。集合的な感情に身をまかせることこそがね、実は正義なんだということで正当化するのが、イデオロギーなんです。

    西塚 今のヤスさんの話で言うと、イデオロギーは個人的なことから発することになりますね。

    ヤス そうですね。個人的なことというか、「個」を飲みこんでいく。

    西塚 ちょっと言葉が足りなかったかもしれませんが、自分にいろんな悩みがあるとするじゃないですか。それを超えるために、あるイデオロギーを見つけて、「個」をなくすくらいにのめり込む。仮に間違っていて、害悪をもたらすようなイデオロギーでも入っちゃうことがある。その大もとは何かと言うと、苦しい自分から逃れたいということ。個人的な、個別的な、小さいときのトラウマかもしれないし、直近のものかもしれません。

    とりあえずその嫌なことから逃れたいというときに、ハタとしがみつくもの、嫌なことをなかったことにできるくらいに、強い魅力、惹きつけられるものがあって、それが強ければ強いほどしがみつくから、検証ゼロでのめり込んでいく、といった構造がある。となると、個人的な悩みのほうを解決しない限りは、いくらでも起こりうるということになります。

    ヤス そうです。だから幸福な人間というのは、あまりナショナリストにならないと思うんです。「嫌韓」「嫌中」みたいなものにダーッと走る連中、ネトウヨとかいるでしょ? たとえば「リア充」って若い人が言ってますけどね、本当にリアルの生活が充実してて、ちゃんとガールフレンドもいてね、安定した仕事も持ってて、自分が将来追い求めるためのきちんとした目標も夢もあってね、それなりの給料もあって生活に満足している、といったような人たちというのは、そんなところへはあまり走らない。意味ないんですよ。「個」を放棄する動機がないんですね。

    エーリッヒ・フロムが『自由からの逃走』を書きました。自由といったものがいかに人間に苦しみをもたらすか、その自由から逃れるために、実は人間というのはファシズムを求めていくんだ、全体主義を求めるんだ、といった論議だったんですけど、ある意味では、それと同じような原理がまだ生きてるわけですね。「個」で生きるということの「重み」と「苦しみ」。それを逃れるために、集合的な感情に身をゆだねてしまう、自己放棄してしまう、ということになってくると思います。

    西塚 「個」で生きる辛さというのは、当然、そのときに生きてる社会環境とか、回りの家族でも友だちでもいいですが、そうしたものに絡んでくる。そこから、ある種の解決を導き出すためには、それらと向き合うことでしかできない。だから、正しい人間同士の関係性とか、営みとか、立ち居振る舞いも含めてですね、そういうところにまでいきつくんじゃないでしょうか。まず、そこから解決していかないと。

    ヤス そうです。だから言ってみれば、「個」のベースで幸福であれば、ヘンなものには走りませんよ。最大のブレーキになりますよね。

    西塚 あるイデオロギーに走って、私は幸福なんだ、オレはこれでいいんだ、生きがいを見つけた、と言っても、死なない限りはどこか途中で、これはやはり違うんじゃないか、ということにはならないんでしょうか。

    ヤス イデオロギーに身を預けた場合?

    西塚 場合。

    ヤス いやそれは、目が覚めない場合だってありますよね。

    西塚 そのままいっちゃう可能性もありますよね。

    ヤス いっちゃう可能性のほうが大きいと思います。いわゆるナショナリズムのイデオロギー、排外主義、レイシズムのイデオロギーだとして、そのイデオロギーが決定的に破壊されるというか、破壊されざるを得ないような状態に陥る。たとえば実際に戦争になって、自分が人を殺してみてね、それで死体を目にしたときに我に返る、ということはあると思うけれども。

    西塚 前のヤスさんの言葉にも繋がるんですけれど、イスラムの話でしたが、そうしたことが自分の使命であると信じ込んだ場合、これは後戻りできないですよね。

    ヤス できない。

    西塚 これはどう考えればいいのかな。そういう人たちが増えてきた場合、どうしようもないですよね。

    ヤス すごく難しいですね。どこかの段階で、リアルな「個」の実感に戻っていかなくちゃダメだし、「個」の実感をいかに回復させるのか、という問題だと思いますね。

    西塚 現実には、もうちょっとバリエーションがあるんだぞ、ということですね。

    ヤス 個人として生きるということに、ひとつの充実感とか楽しみがあるという…「個人」であるという事実を、かなりリアルなものに感じるということ。

    西塚 健全なバリエーションをいかに広げていくか、ということに関わってきますね。

    ヤス たしかにね。だから「個」を中心にした世界の描写って、すごく重要ですよ。ただ、私小説って普通、暗いじゃないですか? 暗くて悲惨なものが多い。だから「逆私小説」みたいなものがたくさんあっていいと思いますね。

    西塚 ああ、なるほど。

    ヤス 「個」で生きるということがいかに充実するのか、「個」で生きるということが、どういうような人生を自分に約束するのか、もっと言うと、「個」で生きるということ自体がどういう体験なのかってことですね。「個」として自分を体験して、「個」として生きるということが、どういうような深い体験になるのか、それをポジティブに描き尽くす小説とか文学があってもいんじゃないかと思いますね。

    西塚 そうですね。新しい小説ですね。

    リアルな「個」の生き方とは?

    ヤス だから当然、その中で「個」でいるというときに、必ず自分の否定的な内面と向き合わざるを得ないということです。「個」を放棄してね、集合的な感情に身をゆだねた場合というのは、自分の否定的な感情とも向き合う必要性がなくなるわけですよ。そのぶん、無化される、救われる、ということになると思います。

    ただ、「個」というものに留まった場合、必ず自分の否定性と向き合う。向き合う局面が出てくる。そうしたときに、否定性とどうやって堅実に向き合うか、ということですね。その否定性が当たり前の体験なんだということ。体験してもいいんだということ。体験することによって、その中から何かポジティブなものをつかまえていく、ということ。そういったものを、ある体験領域として開拓するようなね、言葉とか文学は、僕は必要だと思いますよ。

    西塚 それは素晴らしいですね。となると、お手本とか、模倣とか、人間は何かがあってそっちにいくじゃないですか。ああ面白いなと。これからは、それらを打ち立てていくとか、書いていくとか、提示していくということは、面白いし新しい。

    ヤス たとえば、80年代の初めにあった『なんとなくクリスタル』(田中康夫著)。当時、読んだことがあるけど、別にすごい文学作品というわけじゃないんですけどね、ただ、いいと言えばいいんですよ。何かと言うと、「生きる」ということがどういう体験であるのかということを、もう一回、ある意味で再解釈した小説なんですね、あれは。

    西塚 僕はあれは読んだことがなくて、当時も偏見の塊りだったんで、言葉もバブル的な意匠に絡められたカタカナばっかりで…

    ヤス そうです。何が言いたかというと、そのようなブランド物に身を固めてね、ブランド物をひとつの記号として使いながら、自己表現していく。そのようにして生きるという体験が、どういうものであるか。それは、ちっちゃな四畳半でひとりでね、自分の否定性とずっと向き合うみたいな体験とは違うわけですよ。

    西塚 違いますね。『神田川』とは違う(笑)。

    ヤス 「個」のね、違った意味でのポジティブなひとつの体験領域だと思いますね。

    西塚 ひょっとしたら田中康夫というのは、そういった意味では、当時を象徴する「個」のあり方のバリエーションを提示したのかもしれない。

    ヤス だと思う。今ね、インターネット社会に生きてて、これだけ「個」といったものがあって、様々なバリエーションが出てきてるようなんだけども、僕は文学を全然読まないから何も言えないんですが、文学にしろ、表現にしろ、「個」といったものを対象にした体験領域って、ほとんど開拓されてないんじゃないかと思うんですね。

    簡単に言えば、こんな生き方がある、こんな生き方もあって、あんな生き方もあると、
    それを単なる生き方として出すのではなく、それがどういう体験なのかということ
    ですよ。

    西塚 どういう体験なのかということを、作家なりが検証するいうことですか?

    ヤス 検証するということ、または想像して書いてもいいんですね。極めてリアルな体験として想像して書いてもいい。たとえば、サラリーマン的な体験ってあるじゃないですか。毎朝6時半とか7時に起きて、満員電車に乗って、仕事をやって、成果を求められて…

    西塚 帰りに同僚と飲んで、ちょっとホッとする時間もあって。

    ヤス 家庭は基本的に安定している。収入もあって、ちっちゃな家があって、といった感じの、そのひとつの「個」としての体験ですよね。1960年代に山口瞳の『江分利満氏の優雅な生活』という本があったんですが、あれはまさに勃興時の戦後の日本のサラリーマンの…

    西塚 いやあ、あれは感動的でしたね。あれで直木賞を獲った。

    ヤス 普通にどこでもいるような人の平均的な生活。それがどういう人生の体験なのかということを、非常に深く突っ込んだ作品だと思うんですよ。

    西塚 映画にもなりましたね。小林…なんだったかな。

    ヤス 桂樹。

    西塚 桂樹だ。ちょっと意外でしたが、『江分利満氏』とか、山口瞳とか読まれてたんですね。

    ヤス 読んだ。僕は映画のほうを観て感動して、それで本をチラッと読んだ。あれは、人間の生き方というのを体験する、ひとつの体験方法なんですね。あのようなやり方で体験したという。

    今、我々は、こういう生き方がある、ああいう生き方があると、いろいろあるんですが、特定の生き方をした場合、それがどのような体験を人間にもたらすのかということ、そのバリエーションをどんどん表現する。言ってみれば、女性カメラマンとして、ひとりで生きていくという生き方もあるわけですよ。それがどういう体験なのか。

    西塚 最近、ケーブルで海外のドラマを観ることがあるのですが、アメリカのドラマというのは、日本の比じゃないですね。とにかくうまくできてます。役者もうまいし、あれを観たら、今の日本のドラマは観られない。本当に学芸会以下。脚本から役者から、全然違います。

    それはおいとくとしても、人生自体をステージとして見た場合、実人生をどう生きていくか。自分の可能性ですね、どういう役割を演じていくか、ということに繋がっていくと思うんです。いろいろなバリエーションがあるわけですから、自分がどのバリエーションで生きていくかということですね。ダーッといく人も、お前、それだけじゃないよと、こんなこともできるじゃないか、それうまいじゃん、そっちもやってみたら?という話ですね。

    ヤス そうです。だから、いろんな体験が可能なんだということです。人間としてね。

    西塚 陳腐な言い方をすれば、人間は無限の可能性を秘めている、ということになっちゃうんですが、そういうふうに評論家的にまとめるのではなく、実際にリアルな実生活でできるということ。

    ヤス できる。たとえば明治の20年代くらいまでに私小説というのができるでしょ? 日本でね。私小説が生まれて、何を発見したかと言うと、自我といったものを中心にした体験のあり方を発見するわけですね。柄谷行人じゃないけども、自我といったものを中心にして、主語にして、いわゆる自分の体験を描いた場合、どのような体験となって現れたのかということです。

    西塚 あの時代、翻訳のせいもあったかもしれませんが、「私」といったことが入ってきたときに、俯瞰の目ができたんですね、日本人に。それまでもあったんでしょうが、僕は詳しくは言えませんが、全体性に溶け込んだ「個」といったものに対して、明治以降、俯瞰の目が出てきた。近代、欧米によって。

    ヤス それででき上がってきたのは、孤立した「個」。その「個」によって、自分の持っている否定的な宿命と全部向き合わざるを得ない。そこには、やはり悲劇もあれば、ある意味で喜劇もある。
     
    現代の我々は、それに匹敵した大きな転換点になっていると思うんですね。当時の明治の20年代、30年代の「個」ではないんですよ、おそらく。「個」ではあるんですが、インターネットないしはラインでも何でもいいですが、簡単に他者と安易に繋がれるようなタイプの「個」ですね。

    西塚 そうですね。実体験と言いながらもちょっと違いますからね。生身ではない。

    ヤス うまい具合に言葉にならないんですが、現代という時代に生きている我々の「個」としての体験。「個」として生きるとはどういうことで、どういうような体験可能な領域があるのか、それを赤裸々に表現していくことは、やはり必要なことだと思います。

    西塚 もっと生々しいもの。前にニューアカの話も出ましたけども、浅田彰が言うわけですね、都市を見てみろと。ちょっと次元を変えれば、地下鉄や下水道などのインフラがあって、ものすごい重層的な構造によって、東京なら東京という都市が成り立っている。人間自体もそうだろうし、人間関係もそうだろうということですね。

    こういう話にしても何にしても、実は重層的であって、いろいろな関係性がある。それが、あるとき生々しく出てくる。それを体験することを通してでしか、リアルな「個」というものは、なかなか自分でも検証できないんじゃないかなと思います。じゃない
    とマスメディアとか、インターネットの情報に簡単に乗っかって、オレはこれだ!オレはこれでいく、オレはもう嫌韓だ!と…(笑)。

    ヤス 簡単に言えば、「個」の厚みを経験するということですね。自己発見の連続なんだってことですよ、人生そのものが。

    西塚 あるスピリチュリストが言ってましたけどね、昨日と同じ自分じゃなくていいという話がある。それは個人的にはわりと気に入ってます。ずっと今まで自分はこうだと思っているものにしがみつく、そういうものがあってもいいんですが、そうじゃなくてもいいということですね。自分が昨日と一緒じゃなければ絶対にいけない、ということでもないよと。

    僕は、ヤスさんとお付き合いしていて思うのですが、ヤスさんはそのような人だという気がしていて、そのへんのフレキシビリティがポリシーなのかなくらいに感じてたんですが(笑)。

    ヤス そうそう、いつも流れるように生きてる、ほんと。僕の場合は、流れるように生きてて、自分の中から何が出てくるのかと、日々、体験すること自体が面白いという。

    西塚 面白い。ある意味、自分を体験する。何やるのかなこいつは、みたいな目ですよね。何ができるのか。

    ヤス たとえば、朝起きたら、どういう衝動を持つのか、あの本を読みたいとか…

    西塚 あれ食いたいとか(笑)。

    ヤス あれ食いながら、あの本読みたいとかね、そういうようなもんです(笑)。

    西塚 わかります、僕もわりと近いです(笑)。

    ヤス ちょっと話を戻すと、集合的な感情の昂ぶりといったものが、今後どんどん強まっていく時代に入っていく。それに対して抵抗しなくてはダメだと。なぜかと言うと、集合的な感情の昂ぶり、だいたいそれはレイシズム、ナショナリズムが多いんですが、そういうものに身をまかせて幸福になった試しなんかないんですよ、人間って。

    西塚 嫌なものしか残らないですね。

    ヤス せいぜい戦争の勝利だと。戦争の勝利って何かと言うと、多くの人間を殺したあとでの勝利ですよ。

    西塚 それはやられますよ、またあとで。

    ヤス やられます。それが人間を幸福にするかと言えば、全然そうじゃない。そういう集合的な感情に抵抗しなくてはならない。集合的な感情に抵抗するための一番重要なものが、「個」を充実させることだってことです。徹底的にね。

    西塚 わかりました。次回、そんへん、スピリチュアル的なことも絡めながら、ヤバい話も入ってくるかもしれませんが、よろしいですか?

    ヤス はいはい、ヤバい話はたくさんありますので。

    西塚 今日はありがとうございました。

    ヤス いえいえ、こちらこそ、どうもどうも。

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    ヤスです。私がとても尊敬するサイキックの方から以下のメッセージが届きました!私も想念を送るので、ぜひみなさんもどうぞ。この方はまだ未来は変えらるといいます。ただ、もし集団的自衛権が通るととんでもない未来になるとしています。以下がメッセージです。

    いま大変な時期です!集団的自衛権は絶対に通してはなりません。日本は大変なことになるのが見えます。多くの人の想念が集まれば大変な周波数になります。安倍首相は大変に自己性愛の強い人です。とんでもない人物です。決めさせてはいけません。このビデオの「牛」の位置にいるのが安倍首相です。



    そのようにイメージして、法案を断念するようにいま想念を送ってください!

    よろしくお願いします!

    メッセージの続きが来ました!

    「大きな集団的な、集中したバイブレーションを想念として送ってください。イメージしてがんばりましょう!創造の力は本来建設的なものに使います。ですが今回は、創造的な力を想念で安倍首相を引き下ろすために使います。これは結果として建設的なことですからOKです」

    要するに、安倍首相を引き下ろすように集中して集団的な想念を送るということですね。がんばりましょう!

    09/14のツイートまとめ

    ytaka2013

    これはおそらくとんでもないことになりますね!情報筋:移民の不法侵入にEUが軍事力行使を承認http://t.co/mDvaVA0wig
    09-14 18:47

    『酔っぱらいオヤジの『Spiritual Meeting』第11回の1

    9月15日

    新しい本

    新刊本が出ます。面白い本になったと思います。よろしかったらどうぞ!

    「資本主義2.0」と「イミーバ」で見た衝撃の未来
    世界の政治・経済はこれからこう動く
    著者:高島 康司

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    今回も早く更新できた。いつも記事を読んでくださっている方々に感謝する。

    有料メルマガの予告

    このメルマガでは9月から10月初旬にかけて変動を予想する情報を多数紹介してきた。やはりそうした情報にあるような出来事が多数起こってきている。9月18日の午前0時10分に配信される次週のメルマガでは、なにが起こっているのか詳しく紹介する。

    今回の記事

    今回も早く更新できた。今回は対談の第11回目である。今回はさまざまな。

    記事全文を音声ファイルにしました。よろしかったらどうぞ。7日で削除されますので、お早めにどうぞ。

    音声ファイル

    「ヤスの勉強会」第18回のご案内

    「ヤスの勉強会」の第18回を開催します。世界経済が新たな危機に向かって動いているようです。2015年の終わりから2016年にかけて非常に多くのことが起こるはずです。これを徹底分析します!

    【主な内容】
    ・いま経済危機に向かっているのか?
    ・これから具体的になのが起こるのか?
    ・資本主義の歴史的な変質
    ・生き延びるためにどうしたらよいか
    ・スピリチュアリズムの向かう方向

    よろしかったらぜひご参加ください。

    日時:9月26日、土曜日
    時間:1時半から4時前後まで
    料金:4000円
    場所:都内(おそらく東横線沿線)

    いまのところ場所は未定ですが、申し込みいただいた方に直接お伝えいたします。以下のメルアドから申し込んでください。

    記載必要事項
    名前(ふりがな)
    住所 〒
    メールアドレス
    参加人数
    懇親会の参加の有無

    info@yasunoeigo.com

    健幸カレッジ

    10月7日、四谷で「にんげんクラブ」の「健幸カレッジ」で講演を行います。普通の講演会では話すことのないスピリチュアルな話を多く話するつもりです。よろしかったらどうぞ!

    申し込みリンク

    ツイッターに書き込むことにしました。よろしかったらフォローをどうぞ。日々情報を発信します。
    https://twitter.com/ytaka2013/

    船井幸雄.comに筆者のページが出来ました。月一回のペースで更新します。ぜひご覧ください!

    船井幸雄.com
    ヤスのちょっとスピリチュアルな世界情勢予測

    新刊本です!ハンク・ウエスルマン博士との対談が収録されています!ぜひどうぞ。
    koufuku

    むちゃくちゃうまい醤油!

    筆者は、隔月で高松の経済団体で講演会を行っている。そのとき、高松で評判になっているおいしい醤油のことを教えられた。小豆島の醤油である。早速、注文して見たが濃厚な味でものすごくうまかった!世の中にはうまいものがあるののだと思った。よろしかったらどうぞ。

    酔っ払いオヤジのspiritual meeting 第11の1

    spi102

    西塚 『酔っぱらいオヤジのSpiritual Meeting』の今日(9月6日)は、第11回になりますね。今回もまたヤスさんにおいでいただきました。では、よろしくお願いいたします。カンパーイ。

    ヤス あ、どうもどうも、カンパーイ。

    西塚 前回は、時事問題も含めて、天津の爆発事故の話も出ました。ちょっと気になってるのは、例の北戴河会議、あれは一応中止にはなったみたいですが、実はあのあと会議は行なわれたんだという情報もあります。なんか険悪な感じだったということまで流れてきてますが、そのへんは何か情報ありますか?

    ヤス いや、僕も情報を追ってるところで、確定したものはないんですけど、ふたつありますね。ひとつは、前回もお話ししたように、北戴河会議は中止になったんだと。江沢民一派が習近平暗殺を本当にやろうとしてた。それで江沢民ほか、軟禁されたと。でも、抗日戦争70周年記念の軍事パレードがありましたね。そのときに江沢民が出てるんですね。あれをどう解釈するか。あれで江沢民は、逮捕まではされないが、完璧に習近平の軍門に下ったんだと、という説。おそらくそれも十分、根拠はあると思います。

    もうひとつは、北戴河会議が中止になる、習近平を暗殺するために天津大爆発を企画する、それをやったのは江沢民一派である、その情報全体が偽情報である、という説。

    西塚 ええーっ!(笑)。

    ヤス 実はウソなんだというね(笑)、今のところふたつあるので。

    西塚 なるほど。例の式典には、江沢民と胡錦濤も出てましたが、いっさいにこやかな会話もないという。従来であれば、毛沢東とか歴代の肖像を掲げてパレードするんでしょうが、それもいっさいなく、習近平が手を振ってやってましたよね。あれも、ある種のアピールというか、オレが仕切っていくんだと。それに対して、江沢民も胡錦濤も何も言えないと。そういう印象は、僕も感じましたけどね。内実はどうなってるか、よくわかりませんが。

    ヤス ただ、前回も話しましたが、日本ではなかなか中国に関するいい本が手に入らない。なぜかというと、ジャーナリストでも何でも、中国が大嫌いだというバイアスがかかってしまっている。そうすると、自分の大嫌いだという印象に合ったような情報しかつかんでこないんですよ。それでビジョンができ上がる。

    だから、結果的に何が起こってるかってわからないんです。ビジョンとは何かと言うと、その人の感情の表出であって、それが現実にあった事態と関係しているかというと、まったく関係してない。これはすごく怖いことだと思います。

    ヨーロッパに広がる難民問題とエノク予言

    西塚 あと、時事的なことを言えば、難民ですね。今、ヨーロッパで難民問題があります。シリアを中心に、100万人を超えてるんじゃないかと思いますが、あれもひとつの映像、3歳児の、まあ遺体ですよね、あの写真と動画で世論がガラッと変わって、ハンガリーは頑なに拒絶してましたが、オーストリアとか、イギリスまで4000人受け入れるとか、ドイツも国境のゲートを開放するとか、ということまでになる。

    僕は湾岸戦争を思い出しちゃうわけです。あの油まみれの鳥ですか、ある種の印象操作のような気もして。ヤスさんのメルマガでもちょっと前に書かれてましたが、いわゆるユーロ圏にイスラムのテロを中心とした混乱を招こうとする、陰謀とまでは言いませんが、戦略に絡んでいるのではないか。まずユーロ圏に、多くの人間が入っていくという下地が必要じゃないですか。その前兆のような気がするんです。うがちすぎかもしれませんが。

    ヤス そうですね。あれはエノク予言の内容に近いですね。ヨーロッパの国内に入っている異教徒、まあイスラム教徒の人たちが、ロシア軍が最終的にヨーロッパを攻めるための手引きをするというか、そのような形での予言にはなってますけどね。

    西塚 そうですよね。難民たちが今後、ヨーロッパにばらまかれていくわけじゃないですか、言葉が悪いですけど。そうすると、エノク予言でいう、ヨーロッパの混乱の下地が今、実は作られてるというふうにも見えるわけです。だから僕は、むしろハンガリーがバシッと受けつけないということは、ひどく冷酷なように見えるけれども、国としては正しい判断じゃないかと。あるいは、許容量として、これくらいは受け入れるけれども、無尽蔵というか、無制限にはできないよと。本来であれば、この国は何人、この国は何人とやればいいいんでしょうが…

    ヤス それはドイツがやろうとしていることですね。

    西塚 そういう形であればいいでしょうが、軽々しく門戸を開放して、どっと押し寄せてきたら、おそらく止められないんじゃないでしょうか。

    ヤス あのね、プーチン大統領が面白いことを言ってるんですね。何かと言うと、自業自得だろ、お前らは、ということなんです。我々が何年も前に警告したことだろうと。シリアのアサド政権を倒したならば、あの地域全体がイスラム原理主義運動の拠点になると。そうするとシリアのみならず、中東全域が不安定化するんだと。それから出てくる難民であるとか、様々な影響というのは、最終的にヨーロッパに回ってくることになるぞと。さんざん警告したではないかと言うんですね。

    だから、アメリカの政策の尻馬に乗って同じことをやったならば、天に吐いた唾が自分のところに降りかかってくるぞと。今、お前らがやってるのはそれだろう!と、プーチンが言ってるんですが、まさにそうなんですよ。

    これはテレビでもほとんど報道されてないと思います。これは、ヨーロッパ系のメディアでもこれには触りたくないみたいで、難民がなぜこのような状態になったのか、誰も言わない。誰も言わないけど知ってるんですね。自分たちの政策なんです。アサド政権をぶっ潰そうとしたわけですよ。たしかに独裁政権がいいかと言うと、そういうわけではない。独裁政権は悪と言ってもいいです。

    しかしながら、その強権的で強圧的な独裁政権によって、初めて安定性が保たれている地域でもある。だから、独裁政権というフタを取ってしまったならば、それこそビンの中に抑圧されているあらゆる最悪なものが出てくると。そういう観点から言うと、悪なのか最悪なのかの選択なんです。

    西塚 なるほど、劣等比較ですね。

    ヤス それに、欧米流の民主主義といった安定した社会を突きつけるのは、理想論にしかすぎないんです。たとえば、2013年の夏なんですが、オバマ政権がシリアの空爆を真剣に考えた。なぜかと言うと、アサド政権が毒ガス兵器を使った証拠があると。毒ガスを使ったならば、我々は空爆すると警告してた。でもアメリカ国内、特に米軍の中から、反対論が相次いだ。アサド政権を倒して、じゃあどうなるんだと。当時は、イスラム国なんか誰も知らなかったのですが、イスラム原理主義運動の大拠点になるんだぞと、あそこは。大混乱になる。
     
    ちょうどそのときに、プーチンがニューヨークタイムズに意見広告を載せた。アメリカよ、目を覚ませと。アサド政権を倒したらどういうことになるのか、お前は知るべきだ、といったようなことですね。で、アメリカはそれから、あからさまに空爆したわけではないんですが、何をしたかと言うと、アサド政権に敵対している穏健派の勢力ですね、自由シリア軍と言って、シリア軍から抜け出た人たちの集まりなんですが、これを応援してた。自由シリア軍は勢力としては小さい。でも、だんだんイスラム原理主義勢力の拠点になるわけですよ、アル・ヌスラ戦線なんかもあれば、アルカイダ系のあらゆる勢力が入り込んでる。自由シリア軍とイスラム原理主義のテロ勢力と内線状態になっている。
     
    オバマ政権は、反アサドであれば何でもいいと、武器援助をしていた。空爆はしないんだけども、アサド政権を弱めるために敵対勢力に軍事援助をしていた。その敵対勢力は何かと言うと、イスラム原理主義勢力だった。彼らの蛮行によって出てきた難民なんですね。ヨーロッパもNATO軍ですから、全面的にアメリカと一緒になって同じ政策をとっていた。そうすると、ヨーロッパは、難民に対してNOと言う資格はないということです。

    西塚 まさに自業自得だと。エノク予言に無理やり結びつけるつもりはないんですが、仮にこのまま難民が増えて、ヨーロッパが混乱に陥ったときに、それを防ぐためにロシアが出てくるということですか?

    ヤス まだ、ロシアがヨーロッパに攻め込むというエノク予言のシナリオは、今のところ想像できない。ロシアにその意図も動機もないはずです。おそらく、そのようなシナリオになるとしたならば、あと二転三転、四転くらいして状況がどんどん変わっていかなくてはならないと思います。その状況の変化の中の、ひとつの大きなモメンタムになってくるのは、ロシアがプーチン以外の指導者になることですね。

    プーチンおよびプーチンの息のかかった指導者のうちはね、基本的にリアルポリティクスというか、リアル地政学において、ロシアがロシアの国益を追求するのであれば、そうムチャなことはしないと思うんです。当然、中ロ同盟がどんどん強まってね、アメリカの覇権に代わるような勢力になって台頭はしてくるけれども、何か第三次世界大戦のようなドンパチを起こすようなことはない。ただ、プーチン以降になると、それはわからない部分がある。

    西塚 じゃあ、あえて言えば、中東を含めてヨーロッパに混乱を起こしたいグループがあるとすれば、一番邪魔なのはプーチンでしょうね。

    ヤス 第一次世界大戦もそうだし、第二次世界大戦はもっとそうだし、ベトナム戦争なんかももっとそうだし、大きな戦争がありますね。大きな戦争には何が関わってくるかと言うと、イデオロギーなんです。世界観ですね。第一次世界大戦は偶然に近い形で起こったんですが、最終的に戦争の引き金を引いたのはドイツ軍の動きすね。

    当時のドイツの指導部の内部には、最終的に我々が国益を確保するためには、他のヨーロッパ諸国と戦争をせざるを得ないといったような、はっきりしたある意味での思い込みがあった。第二次世界大戦は、ヒットラー、ナチスのイデオロギーによって
    引き起こされたようなタイプの戦争です。いわゆる、ドイツ人はアーリア人として選ばれた特殊な人種であるといったね。

    西塚 やはり、制御できないような感情、さきほどのヨーロッパ人の、自業自得なんだけども自らは認めたくないようなもの、そして3歳の子どもの写真でコロッと変わってしまうという、感情ですね。これは相当怖いと言いますか、同情心も含めて、キリスト教とも関係してくるかもしれませんが、助け合いとか、利他的なものとは別に、リアルポリティクスではないですが、現実的な対処の仕方とは完全に分けないと秩序は保てませんよね。

    ヤス そうそう。今回、3歳児の写真はすごく衝撃的だったと思うんですが、もともとヨーロッパ全体の中で当然、自業自得であるという認識はみんな共有してるわけですよ。ましてや、リビアのカダフィ政権を倒したということが悪化させてるわけですね。2011年にですね、カダフィ政権はNATO軍を中心にした空爆によって、イギリス軍などは地上部隊を送りましたが、それによってカダフィ政権が倒れるでしょ? それでリビアが流動化してくる。イスラム原理主義運動の拠点になるわけですね。

    そして周辺諸国、エリトリアとか、ソマリア、スーダンと、他のところにどんどん広まってくる。リビアのカダフィ政権によって強圧的に弾圧されていたイスラム原理主義運動が、リビアが拠点になることによってスピルアウトしてくるわけですね。それがやはり大きな難民を出すことのひとつの背景になっている。シリアもそうだし、リビアもそうだし、自分たちが何をやってきたかということをみんなよく知ってる。知ってるので、ヨーロッパの国民も含めて、受け入れるのは当たり前だという基本認
    識が前提になっているだろうと。

    西塚 それで今回、ガラッと受け入れる側に、ある種の波と言いますか、みんなそちらに流れてる気がするんですが、非常に怖いと言うか、そんな安易なものではないという気がするんですが…

    ヤス 安易なものじゃない。もともと感情の流れが集合的にあると思うんですね。もともとある感情の流れを、ちょっとしたことでは逆転させることはできないと思うんです。今回は、ヨーロッパが助けざるを得ない、これは当たり前でしょうがないね、という前提が感情の流れとしてある。

    僕のよき友人でね、ヨーロッパにいるんですが、彼女がドイツに行ったときにいろいろ聞いて回った。フランクフルトとか、ミュンヘンとかいろいろ行ったときに。移民はどうする?と聞くと、みんな、受け入れると言うと。要するに数の問題だと。

    西塚 そう思います。

    ヤス 受け入れないという人は、極右以外、逢ったことがないと。それが一般的な世論としてある。ただ、どれくらい受け入れるかという度合いの問題に関して、あの3歳児の遺体の写真はすごく大きな影響力があった。

    西塚 僕は、ネガティブな言い方になってしまうかと思いますが、じゃあドイツが何万人とか、これくらいだったら受け入れるよと言っても、おそらくその十倍くらいの単位で突破されてしまうと思うんです。そういうときに、どうしようもないじゃないですか。それこそ軍隊が出て、追い返すということはたぶんできない。だったら、そういうことを想定して、今からいろいろやっていくしかない。難民キャンプはこれだけだとか、それ以外はまた別に何とかするシステムがあればいいですが、あのような人の波では、おそらく無理ではないかと…。

    シリアレベルでああいうことなんですから、もし中国で内乱が起きた場合、習近平が失脚したりして、そして江沢民一派が勃興してですね、内乱状態になって難民が押し寄せてきたときに、ちょっとマンガ的ですけども(笑)、まず日本は何もできないと思いますね。ということまで考えてしまいますね、今のヨーロッパを見てると。

    ヤス 今後、ヨーロッパはどうなっていくかと言うと、西塚さんがおっしゃったように、どんどん難民の数は増大すると思いますよ。そうすると、ヨーロッパだけではもはやもう、処置なしの状態になる。昨日かな、オーストリアが1万人受け入れると宣言した。どんどん枠が広がるということが起きる。枠が広げてもダメなら、世界に分散させるという方向をとると思います。オーストラリアは何人、ニュージーランドは何人、カナダは何人、アメリカは何人とかね、分散させる。それは、シリアのアサド政権を倒した、リビアのカダフィ政権を倒した、それに間接的にでもちょっと責任がある全員で責任を負うということにならざるを得ないと思いますね。

    西塚 個人的な考えとしては賛成で、そういうことを前提に今から法整備を含めて、各国がやるべきだと思いますね。そうすれば、そんなに大事には至らないんじゃないかなという気がします。

    依存性からの脱却

    ヤス 今からうまく動けばね。ただ、なかなかそこらへんがうまく動かないだろうと思いますね。
     
    ちょっと感情の話に戻りますが、何かのね、滔々たる感情の流れを、ちっちゃな事件で逆転することはできない。でも、ふたつの相反する、せめぎ合った感情があって、どっちつかずの状態になったときに、何かのちょっとした事件によってバン!とこっちに行くということは十分にあると思います。だから、感情の流れをどちらの方向に操作してくのかということが、極めて決定的な役割を持つと思います。

    西塚 それはある種、ふたつの方向がありますよね。陰謀系の話を含めてでいいんですが、民意をどっちの方向に持っていくのか、というレベルと、民衆側が、いろいろな情報をつかみながらですね、自分たちで意見交換もしながら、下からボトムアップの形で善き方向に、そうした流れを創り出していくというレベル。

    そういうインフラというか、意識づけとか、それに対して考えることができるような素材と言うんですかね、それは僕はやはりメディアとかが本来やるべきことであって、日本などは、前回の話にも通じますが、まったくお粗末で、どうしようもない。アメリカなどのほうがよっぽど、ああいう国ですけれども、メディアなんかは…

    ヤス 多様性がありますね。

    西塚 ロシアなんかもそうですか? アメリカほどじゃないかもしれませんが、オルタナティヴ・メディアみたいなものというのは…

    ヤス オルタナティヴではないけれども、ロシアの国営メディアそのものが、アメリカから見るとオルタナティヴなんですね。いわゆる反米的なメディアではあるんですが、単なるアメリカ批判ではなくて、アメリカが何をやっているかという、裏の側面を報道するきちんとしたメディアなので、情報が極めて豊かですね。

    西塚 そうか、『RT』がアメリカで第2位の視聴者を持つとか、やはりそこにも繋がってきますね。さきほどの感情の話にしても、やはりメディアの役割が大きい。

    ヤス 大きい。感情というものがありますね、人間が持っている極めて破壊的な感情。破壊的なもの以外の感情も様々ありますが、集合的な感情になったときにね、イデオロギーがどういう役割を果たすかと言うと、感情の放出を合理化するんです。キミの感情、キミのやろうとしていることは正しいと、正当化するわけですよ。だから、どんなに残虐なことをやったとしても、それを正当化するのがイデオロギーなんです。

    西塚 そうですね。イデオロギーは危ないですね。以前、オウムの話も出ました。あれもそうですが、エモーショナルなもの、わけわからない無形物のような感情の塊りに、スーッと道筋をつけるのがイデオロギーですね。かつてのマルクス主義とか、カルトの教義でもいいですが、さきほどの写真ひとつですらきっかけとなって、ある方向性を決めてしまうことがあります。

    無形物のようなエネルギーをどこへ持っていくかというときに、僕は重要なもののひとつはメディアだと思いますが、メディア側にいる人間の意識も含めて、大マスコミでも、ヤスさんのような作家さんでもいいですが、可能性とか、ありうべき姿とか、
    そのあたりはどう思われますか?

    ヤス そうですね、ありうべき姿とかははっきり言えないですが、中央でコントロールされたメディアは全部いらない。メディアって市民のものだということですよね、基本的には。

    たとえば、NHKは国営放送ではないすよね。公共放送です。公共放送の主体って何かと言えば、市民なんです。戦後すぐに始まったNHKの経営委員会ってありますね。労働者側からも、経営者側からも、いわゆる左翼運動家もいれば右翼運動家もいるわ、あらゆる多彩な人種によって維持されてる。すなわち、市民によって管理されてるメディアがNHKだったんですよ。

    西塚 ああ、そうだったんですか。知らなかった。

    ヤス だからNHKの所有者は誰かと言えば、国民だし、市民なんです。だから、市民から取った受信料によってまかなわれて、市民の意見に絶対的に服従して、市民によって運営されるというのが、本来のNHKなんです。

    西塚 他の民放はスポンサーで成り立っているのでわかりやすい。でも免許事業なので、政府の意向はある程度聞かないと怖いという部分もあるんでしょうが。

    ヤス だから、国民から受信料を取ってて、それで政府の言うことを聞くということは、実は論理矛盾だということです。本来はあってはならないこと。とんでもないと思いますよ。だったら、完璧に国営にしてしまえと。受信料もいらない。完璧にフリーにしろと。

    西塚 そうですよね、みんな観ないし(笑)。

    ヤス 公共放送の国家による乗っ取りですよね。とんでもないことだと思いますよ。BBCってありますね、あれもNHKと同じ公共放送なんですよ。やはり国民から受信料を取るんですね。取るんですが、BBCの経営に係っている人たちというのは、市民一般から公正性の高い選挙で選ばれるです。NHKなんてあれでしょ? 政府からの指名かなんかで選ばれるんでしょ? わけわからんですよ。とんでもないです。

    西塚 かつて海老沢(勝二)とか、とんでもない人もいましたね。

    ヤス いた。今なんか籾井(勝人)でしょ? 安倍のお友だちでしょ? あってはならないことですよ。だから本来のメディアのあり方というのは、やはり国民によって管理されねばならないと。そうすると、文句は言うけど、面倒見てよ、といったような国民のあり方じゃムリだということです。絶対、ムリ。自分で何でもやると。

    西塚 ヤスさんはいつも、とにかくネイションなんか信用するな、というようなことをおっしゃってたと思うんですが…

    ヤス そうそう。

    西塚 僕なんかも2013年くらいからはっきり自覚して、そういう方向じゃないとこの先、面白く生きていけそうもないなと思いました。だから、まったくその通りだと思いますね。

    続く

    むちゃくちゃおもしろかった講談

    筆者は月刊ザ・フナイの連載を書いていたが、読者の方に講談師の方がおり、会う機会があった。筆者は講談はこれまで聞く機会がなかったが、実におもしろかった!今後はスピリチュアル系の講談をやるそうである。サイトに音声ファイルがあるので聞いて見たらよいだろう。

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    ヤスの英語

    09/13のツイートまとめ

    ytaka2013

    ソースを忘れてました。http://t.co/0IVAq8Lv06
    09-13 15:44

    聖書のヨハネの黙示録では終末の予言として、「岩のドーム」と「アルアクサ・モスク」が破壊され、エルサレムの「神殿の丘」にはユダヤ教の第三神殿が建てられるとある。この予言の自己実現を狙う勢力が存在する。
    09-13 14:49

    ロシア国営放送のロシアツデーによると、イスラエル軍がエルサレムのアルアクサモスクの中庭に侵入し、モスクに衝撃手榴弾を投げ込んだ模様。
    09-13 14:46

    酔っ払いおやじのspiritual meeting 10の2

    9月10日

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    著者:高島 康司

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    今回も早く更新できた。いつも記事を読んでくださっている方々に感謝する。

    有料メルマガの予告

    9月11日の午前0時10分に配信される次週のメルマガは、世界経済の動乱の動きを追う。いまアメリカでは9月・10月市場暴落説が注目を集めているが、そうしたことが本当に起こるのかどうか検証する。興味深い予言があるのでそれも紹介する。

    今回の記事

    今回も早く更新できた。今回は対談の第10回目である。中国について話した。ぜひ読んで欲しい。

    記事全文を音声ファイルにしました。よろしかったらどうぞ。7日で削除されますので、お早めにどうぞ。

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    「ヤスの勉強会」第18回のご案内

    「ヤスの勉強会」の第18回を開催します。世界経済が新たな危機に向かって動いているようです。2015年の終わりから2016年にかけて非常に多くのことが起こるはずです。これを徹底分析します!

    【主な内容】
    ・いま経済危機に向かっているのか?
    ・これから具体的になのが起こるのか?
    ・資本主義の歴史的な変質
    ・生き延びるためにどうしたらよいか
    ・スピリチュアリズムの向かう方向

    よろしかったらぜひご参加ください。

    日時:9月26日、土曜日
    時間:1時半から4時前後まで
    料金:4000円
    場所:都内(おそらく東横線沿線)

    いまのところ場所は未定ですが、申し込みいただいた方に直接お伝えいたします。以下のメルアドから申し込んでください。

    記載必要事項
    名前(ふりがな)
    住所 〒
    メールアドレス
    参加人数
    懇親会の参加の有無

    info@yasunoeigo.com

    高松の講演会

    以下の日程で高松の講演会を行います。お近くの方はぜひどうぞ!毎回ディープな講演会をしています!

    日時  平成27年9月11日(金)18:30受付 19:00~22:00前後まで
    場所  高松生涯学習センター

    会場内の掲示板にて部屋の確認をお願いいたします。
    〒760-0040 高松市片原町11番地1
    電話:087-811-6222 FAX:087-821-8022
    会費   ¥5000/人

    講演会後、高島先生を囲んでの懇親会を予定しております。場所 未定ですが高松市内にて行う予定です。

    主 催  里坊会計事務所 里坊昌俊
    実行委員 有限会社ウエストフードプランニング小西啓介、ソニー生命保険株式会社 山下智幸、株式会社京蔵 京兼慎太郎、株式会社クリード インテグレーション平野伸英

    内容
    ・「日本会議」の裏にいる勢力
    ・日本の本当のすがた
    ・世界的な経済減速の向かう方向
    ・中国の現状と今後
    ・いったいギリシャはどうなっているのか?
    ・普通では話せないディープなスピリチュアル情報


    健幸カレッジ

    10月7日、四谷で「にんげんクラブ」の「健幸カレッジ」で講演を行います。普通の講演会では話すことのないスピリチュアルな話を多く話するつもりです。よろしかったらどうぞ!

    申し込みリンク

    ツイッターに書き込むことにしました。よろしかったらフォローをどうぞ。日々情報を発信します。
    https://twitter.com/ytaka2013/

    船井幸雄.comに筆者のページが出来ました。月一回のペースで更新します。ぜひご覧ください!

    船井幸雄.com
    ヤスのちょっとスピリチュアルな世界情勢予測

    新刊本です!ハンク・ウエスルマン博士との対談が収録されています!ぜひどうぞ。
    koufuku

    むちゃくちゃうまい醤油!

    筆者は、隔月で高松の経済団体で講演会を行っている。そのとき、高松で評判になっているおいしい醤油のことを教えられた。小豆島の醤油である。早速、注文して見たが濃厚な味でものすごくうまかった!世の中にはうまいものがあるののだと思った。よろしかったらどうぞ。

    酔っ払いオヤジのspiritual meeting 第10の2

    spi102

    オルタナティヴ・メディアの持つ可能性

    西塚 ヤスさんから教えてもらった「RUSSIA TODAY」(ロシア・トゥデイ、現RT)にしても、アメリカで2番目に視聴率が高いという。あれにもびっくりしました。ロシア政府が後ろ盾になって放送している局なのに、アメリカで2番目の視聴者を持つという…驚きですね。

    ヤス そうですよ、「CNN」を抜くくらい。だからアメリカ人というのは、一方で「RUSSIA TODAY」を見ながら「CNN」を見て、嘘だあ!って言って、こいつら何を嘘言ってんだ、と言うわけです。

    西塚 アメリカというのは移民族国家と言ってもいいですから、それぞれの文化も持ってる連中がいっぱいいて、いろいろ声を上げるんだろうけれども、それでもやられちゃうというか…前にヤスさんから「Atlas Shrugged」みたいな向こうの番組も見せてもらいましたが、そういう連中だからこそ、ガチッとやらないと潰せないという感じなんでしょうかね。

    ヤス まあ、そうですね。だから、それだけ統制のとれた強権的な体制にならざるを得ない。

    西塚 抵抗勢力がデカすぎるんですね。日本の場合はまだ小さいから、適当に押さえておけば大丈夫だと甘く見てるかもしれませんが、さきほどのプーチンや習近平のように手の平返しじゃないですが、日本人も含めて何かに、まあ目覚めるというか、気がついたときに、引っくり返る可能性はありますね。

    ヤス ありますよ。アメリカの抵抗勢力は巨大ですよ。本当に政権の中枢が怖がるくらいの抵抗勢力ですから。銃で武装してますし。これは怖い。立ち上がったら何をするかわからない、という人たちの集まりでもありますからね。

    まあ、そのように、オルタナティヴ・メディアというのがたくさんあって、細かく事実を集めて実証するようなね、クオリティの高いメディアが最近増えてます。

    西塚 それが、日本にはない。

    ヤス ないない。「RUSSIA TODAY」はね、ケーブルテレビの地上波で第2位までになる。それとまた「Democracy Now」というテレビがあって、これもオルタナティヴ・メディアでインターネットで配信されてたんですけど、えらい人気が出て、もう今は地上波ですよ。それから先のアレックス・ジョーンズも、たしか地上波になりつつあるはずです。ケーブルだと思うけど。

    というくらいね、主要メディアと接戦するくらいの人気なんですね。だから、アメリカのほうがはるかに情報を得やすい。それに対して日本というのは、オルタナティヴ・メディアがあまりにも小さいんで。

    西塚 いまだに、朝毎読売サンケイですもんね。

    ヤス そうそう。あんなのさ、なんか子どもの壁新聞の世界じゃないですか。NHKも含めてね。

    西塚 本当にそうですね。

    ヤス 子どもの壁新聞を読んでて、お前、これが現実だと思ってんのかと。ムチャクチャですよ、ジャーナリストが言うことは。

    西塚 逆にフィクションに近いような現実。冗談かと思うような。

    ヤス 最近、日本でマスコミにもよく出る中国専門のジャーナリストの本を読んだんですね。2014年に出した本で、中国の内実を詳しく述べている。その人も、優秀な部分があるジャーナリストで、中国の高官とか政治家とか、いろいろな領域の人にインタビューしてるんです。インタビューして事実を集めるのはいいんですよ。問題は、集めた事実をどういう認識へと収斂させていくか。認識の問題ですね。それがない。ないと同時に、日本のジャーナリストの弱さなんですけど、あまりにも稚拙な「思い込み」の世界なんです。

    西塚 思い込みというのは、個人的な思いに還元されるから、ものすごく矮小化されて貧弱になりますね。エディットする側もある程度、知識とか経験とか、あるいはもっと複数で検証するとか、そういうことが足りないということですか?

    ヤス 足りないというよりね、見識がない。

    西塚 見識がない。そもそもない…

    ヤス ちゃんと取材のツールと技術と人間関係を持ってね、きっちりと取材して、それをデータとして集めてくれるならば、それは解釈をするための基礎データとしては使えます。でも、いろんな事実を取材して、それをどう吸い上げて認識を作るかというね、結果的に現実はこういうことになってますよという判断力がほとんどなくて、もう思い込みの世界なんです。

    西塚 今日は、前回の続きでスピリチュアル的な話をしようと思ってましたが、これはこれで現実的で面白いので、このままいきましょうか。

    ヤス いいですよ。

    「見識」がないジャーナリストたち

    西塚 たとえば「IWJ」の岩上(安身)さんなどは、ある発言でテレビを干されてから、独自のメディア、インディペンデントメディアを作って一生懸命やられてますよね。でも、どうしても個人に頼らざるを得ないし、資金的な問題もあるでしょう。「IWJ」はメジャーなほうでしょうが、学生も含めていろいろ芽はあるんですが、それがまだムーブメントにならないというのは、やはり今おっしゃったような思い込みとか、サークル、ミニコミを出ないという、マインドに関係してますか?

    ヤス そうです。「IWJ」はすごく優秀なメディアだと思うんですね。僕は岩上さんは尊敬していて、彼はもともとジャーナリスト以前にですね、見識があるんですよ。世の中の全体的なトレンドがどうあって、それが何に向かっているかということをかなり的確に、深いところまで捕まえているんですね、おそらくね。そういう見識が先にあるから、いわゆる事実を審美化しないで、そうした見識に無理なく論理的に至ることができるというタイプの人だと思うんですね。

    西塚 そのへんはどうですか。たとえばヤスさんも対談された、まあ一回やられちゃいましたけど、植草(一秀)さん。僕は最初はちょっと色眼鏡で見てたんですが、どうやらそうじゃないということがあとからわかってきた。かなり切れる人で、いろんな真実を掴んだからこそ、やられちゃったんでしょう。そういう人たちの見識というのはあると思います。でも、見識がある人ばかりじゃないじゃないですか。先のアメリカの話じゃないですが、普通の学生だろうが、一般人だろうが、個人の能力に還元するような見識ではなくてですね、何と言いますか、知り得るようなメディアがない、ということなんじゃないかと思うんです、日本に。

    ヤス ないない。植草さんで言うと、あの人は日本のエコノミストで一番ですね。僕は植草さんのレポートを読んでるし、いろいろ他のレポートも読んでますが、やはりその中でもダントツですね。ダントツに切れる。ただ、切れるということの背景にあるのは、事実からですね、これからどうなるかというトレンドを読み取る能力が傑出してるだけではなくて、本来は物事はこうあるべきだという、彼の価値観があるんですね。僕はその価値観に賛同してます。

    西塚 その価値観というのは、もうちょっと具体的に言うとどのようなものですか? 植草さん自身の価値観…

    ヤス やはり弱者に優しい、バランスを持った経済じゃないと伸びないということです。歴史的に見てもそうだし。弱者に優しい、バランスのある経済を創っていかないと、ひとつの国というのは長続きしませんよ、という認識です。だから小泉政権のときもですね、ただ社会保障費を削減するのではなく、セイフティネットを豊かにしたうえでやるべきだと主張したんですね。

    西塚 それはやられちゃうな、当時は…

    ヤス 僕は、その植草さんが持ってるような社会認識に、すごく賛同する立場ですね。

    西塚 僕も賛同しますね。

    ヤス 「IWJ」の岩上さんもそうなんですよ、基本的には。すごくバランスのある見識の持ち主だと、僕は思います。

    西塚 なるほど、見識というのはそういうことですね。バランス感覚…

    ヤス 価値観というのは、やはりはずせないかなと思いますね。多くの人と共感できる、ひとつの価値観に基づいてでき上がった世界認識ですよ、見識というのはね。その世界認識が、いろいろ取材した事実と整合性があるということ、これがすごく重要だと思います。

    さっきの話に戻りますが、中国の専門家の人の2014年の本を読んでびっくりした。アベノミクスでね、日本はこれから自立的な経済成長に向かうんだと。歴史的に見ると、中国が下がったときに日本は伸びて、日本が下がったときに中国が伸びるという、逆相関の関係にあるんだと。だから、これからの習近平の中国がどんどんダメなって、それとは関係なく、日本は勝手に自立的に経済成長していくのだ、日本は勝った、という本なんですよ。今読むとね、頭大丈夫かと思う(笑)…

    西塚 ちょっとびっくりする話ですね…

    ヤス 今回の株価の暴落でわかったのは、日本がいかに中国に依存してるかということですよ。どんどん赤裸々になりつつある。今、市場が一番恐怖してるのは、中国の本格的なバブルの破綻なんですね。まだ破綻してない。破綻したら、こんなに依存度が高いのにどうなるのかと思って、脅えてるわけですよ、みんなね。だから、中国が下がったらどうなるかと言えば、日本も一緒に下がるんですよ。それを無視してやはり日本はナンバーワンだとね、言い得る根拠は何のか、それをきっちりと言えるのどうか。

    西塚 思い込みですね…

    ヤス 思い込み。だからそれが怖い。

    西塚 カルトに近くなってきますね(笑)。

    ヤス たとえば、従軍慰安婦を否定するような人たちもいる。その中にはジャーナリストもいて、私はいろんな韓国の村を回って、あなたの家で従軍慰安婦を出しましたかと聞きまくったけど、誰も出したって言わないから、あれは嘘だと言うんですね。

    お前さ(笑)、たとえ出したとしても、出したと言うのかと。それに、具体的に誰に聞いたのかと。それは、南京大虐殺に関しても、日本軍の兵士が首を斬ろうとしている写真があってね、あれは逆光で影のでき方がおかしいから、あの写真は嘘だ、だから南京大虐殺は嘘だと言ってる。これは3歳児の論理でしょ? 恥ずかしくて言えないというくらいの論理のレベルですね、あれね。それを支持してる人が多いということが、いかに我々の知的レベルが劣化したかということですよね。

    西塚 そうですね。検証レベルというのか、中立化する能力というか、客観視する能力…

    ヤス 一度ね、CNNの取材で、だいぶ前ですけど、5歳か6歳くらいの子どもがいてね、彼がエイズだったんですね。で、エイズと告げられるわけですよ。キミはエイズだよと。そうしたら、何も驚かない。じゃあ、エイズでなかったことにすればいいじゃん、と言うんですね。

    西塚 ほお。

    ヤス だったら、僕は大丈夫だよ。エイズじゃなかったことにしようよ。はっきり言って、それは幼児の論理でしょ? 現実というのは、我々の思い込みによっていかにでも否定できる。その論理と同じじゃないですか。だから、5歳児とか3歳児のレベルなんだってことです。よく若い女性でいるじゃないですか、気持ち悪いものを見て、イヤッ!って。あれですよ。嫌だから、どうなんだ?(笑)。だから、ジャーナリストっていうのは、怖い人たちだってことです。

    西塚 ジャーナリストと言った場合ですね、映像でもいいんですが、僕はやはり活字なんですね。話がずれちゃうかもしれませんが、そのレポートの活字というのは絶対に残る。そこから何かを汲み取る人間が昔からもこれからもずっといて、売れれば何万人、何十万人いて、そこの可能性を信じると言いますか、それが唯一のものと考えているんですね。

    言葉と言ってもいいです。ヤスさんがやられてる講演でもいいですが、そういう言葉を通じた、活字を通じたメディアというものに、原始的かもしれませんが、僕は期待をします。確かなものがあるような気がするんですね。エビデンスとして、証拠写真がどうのと言うよりも…文学的すぎますか?

    ヤス いや、そんなことないですよ。 活字に残すことは絶対に必要ですね。日本というのは、活字の文化がすごく豊かなところです。ちょっと名前は忘れましたが、日本の精神史というのは可能かということに挑戦した人がいたんですね。明治期から大正、昭和と、精神史というカテゴリーでくくることは可能なのかと。それで、その人が言うには、論理的な文献がほとんどないんだと。だから極めてわかりにくい。ただ、感情を吐露した、情緒を表現したような、いわゆる文学的な資料には事欠かない。膨大な量があるって言うんですね。で、それが、おそらく精神史を書くためのいいリソースになるだろうと。

    西塚 情緒は流されやすい。それはそれで文学を生むんだろうけど、そこにある種の芯が必要で、それがないとブレていって、背骨のない、クラゲみたいになってしまう。そのひとつが、すべてとは言いませんが、ひとつは論理性ですね。客観性でもいいです。

    ヤス そうなんですよ。客観性とか論理は感情を超越しますから。感情とか情緒でつかまえた、ある意味で色彩感覚のある感情表現、その感情表現の奥にあるもの、基本的に何にそれが反応してたのかという、奥にあるものを端的につかまえるためには、それを理念化せねばならない。その理念化の方法はやはり論輪しかないということなんですね。

    西塚 そうですね。直観でもいいんですが、直観で何かをつかむんですが、それを言語化するためにはやはり論理なんですね。

    ヤス まさに論理なんです。ただね、その本で残念だったのは、論理化ができてなかった。日本には情緒的な文献は膨大にある。じゃあ、情緒的な文献を並べてみようか、で終っちゃった。そうしたら、何を言いたい本かわかんない本になっちゃった。

    西塚 ああ、でも提起としては面白いですね。

    超越的な視座をどこに設定するか?

    ヤス 必死に読んでいくと、キーワードになるようなものはちょっとずつある。当時の精神世界はどういうものだったのか。明治期の人間の精神構造のひとつは何かというと、ひとつのことを考えると、ずっと同じことを考え続けるんですって。ずっと考え続ける。卑近な例であれば、彼女は僕のことを好きなのかどうかとか。それを人生のテーマとして考え続けるわけですよ。

    西塚 ああ、だから明治期に私小説が生まれんだ。漱石みたいに。漱石の小説は恋愛小説ですから。

    ヤス 思想的なテーマでも、人生いかに生きるべきかであっても、それを延々に考え続けると。考え続けるという一貫性があったし、考え続けるという態度、それが当たり前の時代だったんだと。それが戦後になると、新しい現実に対して、自分がいかに感情的に反応するかというほうをむしろ取る。昔に反応した感情を捨て去っていくわけですね。だから、A子さんに惚れて、B子さんに惚れて、C子さんに惚れて、というふうにいくわけですよ。

    西塚 この間の話に結びつけるわけじゃないですが、人は超越的なものを求めるとヤスさんはおっしゃいました。今が楽しければいいというのは、長くは続かないよと。いろいろと衰えるし、そのときどうすんだお前は、という。いずれは何かしら向き合わなくていけないものが出てくる。そこで超越的なものとの絡みの話が、前回出てきました。

    明治期はものすごい国の変革があって、漱石にしてもイギリスに行って、近代的なものに打ちのめされてくるわけですね。私とは何だろうかとかという自我の問題、もちろん恋愛的なものもあって、それこそおっしゃったように延々と悩むわけです。北村透谷もそうですね。恋愛というのは、人間同士の感情の象徴的なものじゃないですか、言ってみれば。なおかつ近代化の問題で、哲学的、経済的なものとも絡めて悩んでしまう。田山花袋の「蒲団」にしても、あれも人間の情緒なんだけど、悶々として悩む。僕なんか、蒲団なんかにまみれないで、ヤッちゃえばいいんじゃないかと思いますが、これは下品な言い方ですが…

    ヤス 西塚さんみたいに(笑)。

    西塚 いや、そうじゃないですよ! ちょっと待ってください(笑)。

    ヤス いいじゃないですか、別に、アハハハハハ。

    西塚 僕はそんなタイプじゃないですよ、悩むタイプですから…(笑)。

    ヤス ウソだあ(笑)。

    西塚 それは違います(笑)。まあ、だから、不文律とか戒律とか、ルールがあってそれに則ってというよりは、わりと日本人は情緒に流される…

    ヤス 明治期の悩みってありますよね。北村透谷なり、漱石の持っていた恋愛とか近代に対する悩みであるとか、一貫した私小説の内部に独特な悩みがありますよね。自分とは何なのか、自分が恋愛する意味とは何なのか、目の前の女性が自分にとってどんな意味を持ってるのかとかね。そういう意味に関する悩みがあるでしょ。それは、明治維新以前の江戸期にはない悩みですよ。

    西塚 ないんですよ。あったとしても異質というか、次元が違うんですね。そこなんです。僕の単純な個人的な意見ですが、インフラが違っただけだと思いますね。社会構造が違っていた。だから逆に言うと、それがいかに人間の感性を規定していくのか、というところに入っていく。

    ヤス そうね。だから社会構造が違うということで、人間の悩みが説明されるということになると、マルクスにいっちゃうということですね。基本的には、人間というのは社会システムの副産物であって、人間の悩みであるとか、心の状態というのは、実は社会システムによって規定されているんだと。じゃあ、その社会システムのデザインを変えれば、人間は変わるかもしれないと。

    西塚 規定されるという言い方がきつければ、影響がでかいという言葉でもいいですよ。

    ヤス そうそう。ただね、それがどんどん影響すると、理想的な社会システムを創れば、理想的な人間ができるんじゃないか、じゃあ、その理想的な社会システムのほうを先に創り上げようよということになる。そうすると、スターリニズムとか、もっと言うとポルポトの世界になるんですね。

    西塚 そうですね。そこに関して言えば、先日の話にも繋がるかもしれませんが、今のスピリチュアリズムブームというのは、ひょっとしたら民衆の無意識かもしれないんですが、何かのアンチを醸し出しているような気もしますよね。

    ヤス そうですね。昔、別役実が演出したある劇があるんですが、電信柱が出てくるんですね、ずっと。どこの町にもある、電信柱を巡る人間関係の物語です。それで彼が何を最終的に言いたかったかというと、超越性、柱ということですね。人間が自分自身の生に対して意味をもたらすということは、必ず自分をね、今の自分ではないような場所から俯瞰するという視点の設定が必要になる。

    俯瞰することによって、今生きてる自分自身を相対化するという、眼差しが必要になってくるんですよ。その視点設定を担保する、保証するための、超越的な視座が必要なんですね。それは神であっても、仏であっても、何でもいいんですが、そういう視座がどうしても必要になってくるということなんですね。

    別役実はおそらく、その超越性がないくらいに解体されてしまって、もはや電子柱程度のものになってしまってる、ということが言いたかったんだと思います。大きな大樹としてね、誰でもそこに依存して、その場所に行けば自分自身を客観的に対象化して俯瞰できるといったような、大いなる場所ではなくて、もはや目指すところがなくなって、わからなくなってしまった。わからないくらいに小さなものになってしまった、ということが言いたかったんだろうと思います。

    明治以前というのは何かと言うと、我々が実感できる超越性の場所があったんです。それは神とかではなくて、江戸期の人間がみんな共有している、当たり前の世間の見方ですね。

    西塚 それは、日々の生活にあったんだと思います。日常生活の中に実はあったんじゃないかと思いますね。

    ヤス 言ってみれば、日常生活の中に神を感じるということですね。日常生活の中に神や仏が生きてるということを直に感じる。それは、まさに自分以外の超越性の世界と繋がってるということ。ひと言で言うと、先祖です。

    西塚 そうなると、前にヤスさんと話したときに、いわゆる「お天道様が見てる」というのは、ある種の依存になるというか、ちょっと否定的にとらえた気がしますが、日常生活に流れてるルールというか、ちょっと違うな、もっと身体感覚的なものに根差しているある種の良識とか、慣習とか…

    ヤス バランス感覚とか、美学とかね。

    西塚 そうですね。僕は「粋(いき)」とはどういうことかと思ったことがあって、九鬼周造じゃないけど、あの「粋」も、言ってみればバランス感覚、美学ですね。ともかく、江戸期にはそうしたものがあったと思います。

    ヤス 江戸期までの日本というのは、「個」というものがあまり成立してなかった。当時の日本人の自己意識は我々の今の自己意識とは全然違う。やはり「家」というのが中心にあるわけですね。ひとりひとりの人生というのは、いわゆる家系というものを維持していくための、長い繋がりの輪にしかすぎないという認識ですよ。自分に与えられたことは、祖先から受け継がれた家業を徹底して、世間に恥ずかしくない生活をして、その輪を次の世代に受け継いでいくということ。それが、自分自身の生活の一番満足する姿なんだと。

    この輪をたくさん鎖のように繋ぐことによって、この家系の安泰、家の安泰が保たれるのだという理解の仕方。だから自分は家系の一部なんだと。死んだらどうなるかというと、先祖代々のひとりとして自分も祀られる対象になるという考え方です。

    そのようにして見ていくと、先祖の霊というのは、あらゆるところに生きてるということを実感するわけです。それに取り囲まれて生きている。その先祖の霊、および家系が綿々と続いていくという世界観との関係の中で、ひとりひとりの自己の意味を見出す。それがまさに超越的な視点から俯瞰するという役割を果たしていたということだと思うんですね。

    西塚 先祖との繋がりが、特に戦後は核家族化ということもあって、お墓も別々になったり、希薄になっていって、そのへんの認識が変容していった。だから、今おっしゃった「先祖」という言葉に抵抗を示す若い人たちもたくさんいると思います。先祖って何? クロマニョン人?(笑)と言う人もいるくらいの感覚になっているかもしれませんね。我々のように50を過ぎていればわかりますけどね。

    ヤス 先祖との繋がり、先祖の目から現在の自分自身を見るということですね。だから先祖とは何かというと、あの世とこの世を媒介するための、媒介者の役割を果たすわけですよ。

    西塚 視座を先祖に持っていく。

    ヤス 死んだ先祖の視座から自分の今を振り返って、自分自身を俯瞰して相対化するという流れですね。で、明治維新以降にどうなったかというと、それを通り越して「個」がたくさん出てくるんですね。北村透谷も「個」だったわけだし、夏目漱石も完全に「個」ですよ。そういう、先祖との繋がりによって自分自身を相対化して、それで今の自身自身を反省して意味を見出すというね、こうした視座そのものを拒否することで成り立った「個」ですね。

    「個」は「個」として、じゃあ自分自身の人生に意味を見出すための、新しい超越性を探すわけです。それが「悩み」だということです。

    西塚 となると、いわゆる近代的な「悩み」、あるいは「自我」でもいいですが、やはり明治以降に出てきたということが明らかになりますね。

    ヤス そう。自分自身の意味を求める、といったような独特の悩み、新しい超越性の再構築を目指す悩みになる。そうすると、だいたいみんな最初はキリスト教にいく。

    西塚 たしかに、北村透谷も内村鑑三もみんないきましたね。

    ヤス キリスト教にいって、ある意味で満足できないで幻滅させられる。言ってみれば、キリスト教はイデオロギーの側面が強いですから、規律に代替されて自分自身が規定される。それで次にどこへいくかと言えば、マルクス主義にいくんですね。

    西塚 なるほど。すみません、ちょっと酔っぱらってきました。今度、そのラインでももっと詰めたいですね。

    ヤス そうですね。明治以降の日本の精神史ということを、超越性との関係でみるということですね。

    西塚 はい、今にも繋がってくると思います。今日はありがとうごさいました。

    ヤス いえいえ、こちらこそ。面白かったです。どうもどうも。

    続く


    むちゃくちゃおもしろかった講談

    筆者は月刊ザ・フナイの連載を書いていたが、読者の方に講談師の方がおり、会う機会があった。筆者は講談はこれまで聞く機会がなかったが、実におもしろかった!今後はスピリチュアル系の講談をやるそうである。サイトに音声ファイルがあるので聞いて見たらよいだろう。

    田辺鶴瑛

    筆者のいとこのブログ

    筆者にいとこがスピリチュアル系のカウンセラーになっていたのを最近知ることとなった。以下にリンクする。よろしかったらどうぞ。

    ねもとまどかの「宇宙のゆりかご」

    このブログの基本方針

    このブログの基本方針を掲載しました。記事をお読みになる前にかならず一度はお読みになってください。

    基本方針リンク

    読むとくドットコム

    筆者がコンサルティングにかかわっている会社が子供用の国語音声教材の提供を始めた。子供用だが、実によい名作がmp3の音声ファイルで聴くことができる。大人の心の琴線に触れる作品がとても多い。よいサイトだと思う。よかったらどうぞ!

    読むとくドットコム

    筆者の友人の作家のブログ

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    意味産出の現場としてのBBSやブログ

    また、私はいま日本で起こっている変化を以下のようにとらえております。もしよろしければこちらもどうぞ。

    いま何がおこっているのか?

    ヤスの英語

    09/08のツイートまとめ

    新しい本

    新刊本が出ます。面白い本になったと思います。よろしかったらどうぞ!

    「資本主義2.0」と「イミーバ」で見た衝撃の未来
    世界の政治・経済はこれからこう動く
    著者:高島 康司

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    ytaka2013

    このような日本に若い人たちが切れ始めていますね!この本、売れています。現代暴力論 「あばれる力」を取り戻すhttp://t.co/wGwDyL2tsp
    09-08 20:54

    なんと罰則付きの「癌登録法」が可決されました。http://t.co/L5HQfx9rre結局これは福島の現状を徹底的に隠蔽することを目的にした法律です。【最新】福島の甲状腺がん急増→子供達の身にいったい何が起きた?http://t.co/rNTvwaARoB
    09-08 20:53

    また、本を書きました。これまでで一番面白いかもしれません。9月29日の発売です。「資本主義2.0」と「イミーバ」で見た衝撃の未来世界の政治・経済はこれからこう動く著者:高島 康司http://t.co/1nipNOaEDj
    09-08 20:49

    酔っ払いおやじのspiritual meeting 10

    9月4日

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    高松の講演会

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    日時  平成27年9月11日(金)18:30受付 19:00~22:00前後まで
    場所  高松生涯学習センター

    会場内の掲示板にて部屋の確認をお願いいたします。
    〒760-0040 高松市片原町11番地1
    電話:087-811-6222 FAX:087-821-8022
    会費   ¥5000/人

    講演会後、高島先生を囲んでの懇親会を予定しております。場所 未定ですが高松市内にて行う予定です。

    主 催  里坊会計事務所 里坊昌俊
    実行委員 有限会社ウエストフードプランニング小西啓介、ソニー生命保険株式会社 山下智幸、株式会社京蔵 京兼慎太郎、株式会社クリード インテグレーション平野伸英

    内容
    ・「日本会議」の裏にいる勢力
    ・日本の本当のすがた
    ・世界的な経済減速の向かう方向
    ・中国の現状と今後
    ・いったいギリシャはどうなっているのか?
    ・普通では話せないディープなスピリチュアル情報


    健幸カレッジ

    10月7日、四谷で「にんげんクラブ」の「健幸カレッジ」で講演を行います。普通の講演会では話すことのないスピリチュアルな話を多く話するつもりです。よろしかったらどうぞ!

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    船井幸雄.comに筆者のページが出来ました。月一回のペースで更新します。ぜひご覧ください!

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    ヤスのちょっとスピリチュアルな世界情勢予測

    新刊本です!ハンク・ウエスルマン博士との対談が収録されています!ぜひどうぞ。
    koufuku

    むちゃくちゃうまい醤油!

    筆者は、隔月で高松の経済団体で講演会を行っている。そのとき、高松で評判になっているおいしい醤油のことを教えられた。小豆島の醤油である。早速、注文して見たが濃厚な味でものすごくうまかった!世の中にはうまいものがあるののだと思った。よろしかったらどうぞ。

    酔っ払いオヤジのspiritual meeting 第9の2

    spi09

    中国で起こっていることとアメリカの凶暴性

    西塚 『酔っぱらいオヤジのSpiritual Meeting』も、今回で第10回になりました。まずは乾杯しましょう。もう飲んじゃってますが(笑)。カンパーイ。

    ヤス はい、カンパーイ。どうもどうも。

    西塚 もう10回になりましたが、そう言えば、昨日は、ヤスさんの恒例の月例会『ヤスの勉強会』があったようですね。何回目ですか?

    ヤス 17回ですね。

    西塚 いかがでしたか?

    ヤス おかげさまで、なかなか盛況でした。

    天津の爆発事故の真相とは?

    西塚 先日も株価の下落があって、そのあたりのこともお聞きしたいという方々もいらっしゃたんではないかと思いますが、この場はそういうテーマは、僕自身がよくわからないので(笑)、あまり取り上げないのですが、やはり中国ですよね、重要な要素は。僕のような素人でもそう思います。天津の爆発事故にしても、習近平と江沢民派の争いが絡んでるといった話もあります。まあ、ヤスさんのメルマガを読めばそのへんのことは詳しく書いてあるわけですが、簡単にかいつまんでお話しいただけますか?

    ヤス 結論から言うとですね、今回の天津の爆発がありますね、あれは今いろんなところからの情報が出てきて、まず事故ではないと。あれは爆破なんだということが出てきました。習近平が進めようとしている腐敗撲滅・汚職撲滅の改革に対する抵抗勢力、すなわち江沢民という前の前の国家主席の一派ですね、それが引き起こしたということです。

    なぜ天津で、なぜ爆破したのかというと、こういうことです。習近平というのは、ある意味でプーチンに似たタイプの男なんですね。エリツィン大統領はゴルバチョフの後に、ソ連が崩壊して初めて大統領になった人です。エリツィン自身は、欧米の利権にぐちゃぐちゃにコントロールされているような人物でもあった。だからロシアは、プーチンが首相になる1999年くらいまでは、惨憺たる状態だった。ロシア経済そのものが、海外から入ってきた、特にアメリカ系の資本の息がかかった、ロシア内部の「オリガルヒ」といわれるマフィアにほとんど国富が独占されたような状態で、言ってみればアメリカの植民地に近いような状態になり果てた国なんですよ。その中でプーチンは、まずエリツィンの子飼いとして出てきた。

    プーチンは本当にイエスマンだったんですね。元KGBの中佐だったので、FSBという国家の安全保障を担うような部局の長官に抜擢された。その権力をベースにして、エリツィン政権につるんでる、当時のロシア経済を食い物にしてるような悪い連中を逆に守ってた立場なんですね。完全にイエスマンだった。それで、我々の既得権益を維持するにはあいつが一番いいだろうということで、大統領になった。でも大統領になったら、手の平を返したんです。

    今までプーチンを大統領に押し上げていた、いわゆるオリガルヒといわれるロシア内部の既得権益層、または外資と結びついたどちらかというとマフィアに近い層を、まあ逮捕はするわ、資産没収するなど、彼らの持っているエネルギー系の企業を一回、国営に戻して、そして信頼できる人たちに全部預けるといった形で、どんどん国富を取り戻してったんですね。それがプーチンです。

    どうも習近平も似たような人だという感じですね。習近平は、太子党と言われてますが、本当に意見を言わない。全部イエスマンで、まわりとの人間関係で摩擦を起こすということが、まずないというタイプの人だった。鄧小平が牛耳る前の1970年代の文化大革命の時代、毛沢東がまだ生きてる時代に、習近平のお父さんは副首相まで務めた人ですから、習近平は既得権益層ということで排撃されるんですね。下放されるんですよ。

    文化大革命は何かというと、毛沢東原理主義ですね。だから習近平は、毛沢東に関してものすごく強い敵愾意識を持っていてもおかしくないんですけど、おくびにも出さない。毛沢東、および原始共産制みたいなものを賛美するようなことばかり言う。そうやって周囲と摩擦をいっさい起こさないで、イエスマンで上がってきた人なんです。だから、権力を取らせるんだったら、まあアイツが妥当な線だろうという存在だった。コントロールも効くし。

    西塚 当時、李克強もいましたよね。どちらが主席になるかわからないという状況だったと思いますが。

    ヤス 李克強は初めから胡錦濤派で、鄧小平の流れを汲む生粋の改革派なんですよ。李克強を国家主席にしたら、何をやるかがはっきりわかるわけですね。そうすると、改革に反する旧態依然とした、既得権益を得た共産党の保守派の敵対勢力があって、彼らから睨まれる。ところが習近平の場合は、どちらにも敵がいないという人。それでいざ総書記、国家主席になって何をやるかといったら、本当に手の平を返した。いきなり変わるんです。

    西塚 そうなると、プーチンは今、国民の80%でしたっけ、支持率がある。それに近い感じで、習近平を中心に訴求力は高まりますね。

    ヤス 問題はですね、今、習近平がやってる改革です。ひとつの大きな改革は、腐敗撲滅の改革です。共産党から汚職を徹底的に減らす。そして第二としては、国営企業を民営化する、リストラするという、次の改革が待ってると思います。重厚長大な輸出依存型の経済政策ではなく、内需依存型で、民間資本依存型の経済へと変える。それによって国民生活が安定してくるとですね、確かに習近平はプーチンに近い位置にいくんじゃないかと思うんですね。

    そういう習近平政権に、やはり江沢民一派はすごく抵抗するわけですね。そして今回、これはいろいろなところに出てきてる情報ですが、年に2回、北戴河(ほくたいが)会議というのがある。河北省の北戴河という市があって、そこが避暑地になってる。そこにいわゆる7名の政治局長が、まあ中国の最高支配者たちとその家族ですね、それからかつての政治局常務委員のOB、およびその家族が、みんな集結するんです。それで2週間くらいかけて会議をやる。そこで、領導という形で、OBのほうから強い圧力と要求が課せられるわけですね。

    西塚 要するに、既得権益側に有利なように、こうせい!という話ですね。

    ヤス こうせい!という話。それを利用して今回、習近平は北戴河会議で、江沢民に対して宣戦布告をする予定だった。まず、我々は腐敗はいっさい許さないんだと。それから、江沢民一味でも、逮捕するにやぶさかではない、ということを宣言する。それを江沢民一派が、早いうちに北戴河に入って根回しをし、そういう情報を掴んだので、それを引っ繰り返す計画を練っていた。

    さらに、もうひとつ大きなことをやろうとしていた。天津から北戴河まで移動する列車がある。中国の政治局長メインの最高幹部クラスは、列車で移動してくるつもりだったんですが、それを爆破して、習近平もろとも暗殺しようという計画があったというんですね。

    西塚 本当に映画みたいな話ですね(笑)。

    ヤス それを習近平のほうは事前に察知したと。察知したんで、北戴河会議を中止してしまったんですね。中止したので、あわてたのは江沢民派ですね。列車を爆破しようとしてたので、膨大な証拠がある。その証拠を隠ぺいするために、列車の鉄道路線および近隣にある天津もろとも爆破した、というのが今回の真相だということらしいです。

    西塚 だとすれば、前に中国の列車事故で、車両ごと埋めちゃったという事件がありましたが、それに通じるムチャクチャな発想ですね。

    ヤス ムチャクチャな発想ですよ(笑)。

    西塚 また、北京では世界陸上をやってましたね。北戴河で離れてたからよかったですが、近かったら、危なかったというか、何があったかわからない。やることのスケールがでかいというか、別に褒めてるわけはじゃありませんが、かなりムチャクチャです。でも、ヤスさんが紹介してくれたビデオとか、メルマガでもそうですが、中国内部からの報道として、そういう情報が外部に出はじめてるというのは興味深いですね。押さえきれなくなってるのか、うがったことを言えば、習近平に利するような内容なので、あえてそのままリークさせてるのかわかりませんけれども…

    ヤス これね、ふたつの見方があるんですね。ひとつの見方は、今回の天津の大爆発というのは、習近平政権にとってすごく大きな痛手だろうという見方です。今回ほら、戦勝70周年記念ってやってますでしょ。

    西塚 安倍が断った。

    ヤス 安倍が断った。オバマも断った。ただ、プーチンとかパク・クネとかね、周辺諸国の首脳は出るわけです。北京で行なわれるんですけど、セキュリティ上、北京空港は使わないということになってたんです。どこの空港を使って要人が移動するかというと、実は天津空港を使うことになっていた。だから、天津は、北京で行なわれる70周年記念行事を支える重要なバックボーンのひとつとして考えられていたんですね。そこをやられたということは、記念行事をね、習近平が十分指導する力がないのではないかという、政治力の弱さを露呈させた。習近平が赤っ恥をかいたんだと。だからこれは、習近平政権にとって極めて大きな痛手であると。これからは、習近平は中国の指導部内部で求心力をなくして、どんどんダメになっていくという見方があるわけです。
     
    もうひとつの見方はまったく逆で、習近平はこれを機に権力の集中を進めて、今まで鄧小平以降は集団指導体制だったんだけれども、鄧小平時代の一極集中型の体制に戻す、その過程をどんどん加速させるというね、習近平にとっては最終的には有利に作用するのではないかという見方があるんです。その証拠に、江沢民父子と側近中の側近といわれる人物が今、軟禁状態にある。
      
    それともうひとつ。中国の権力構造というのはこうなんですね。13億5000万人の人口がいて、8660万人の共産党員がいる。その上に幹部になる中央委員がいるんです。中央委員になってくると、地方都市の支配層になる。たとえば、四川省共産党書記長みたいになる。そのような地方都市および中央の政界の幹部になるような人たちというのが、216人くらいいる。その中央委員を養成する学校があるんですね。要するに共産党幹部候補生学校ですよね。中央校と言いますが、これは北京にあります。その中央校の入り口に、江沢民が書いた毛筆のサインを模した石碑があるんです。それが最近、撤去された。

    西塚 それは、もう象徴的ですね。

    ヤス そうなんですよ。江沢民一派というのは、どうもいなくなりつつある。そうなることによって、やはり習近平政権の権力はどんどん増してくるだろうと。

    中国頼みの世界経済

    西塚 話がずれてはいけませんが、中国は多民族国家なので、内部問題があるといろいろ困ったことが起こるわけですが、日本にとって一番困るのは、中国の経済もそうなんですが、難民だと。中国が内乱状態になったときに、とてつもない数の難民が発生する。そうすると、間違いなく日本に押し寄せてくる。しかし日本の政府はおそらく抑えられないだろうと。そうした恐怖が一部にあります。

    だから、むしろ共産党は、習近平が権力を集中的に把握して抑えてくれているほうが、実は世界、特に東アジアにとっては安全なんじゃないかという話があります。そういった意味では、習近平が巨大な権力を集中させて、とりあえず習近平が睨みを利かせている間は、隅々まで一応コントロールできることになるので、あのような巨大なわけのわからない国は、まだそのほうが安心だという言い方はできませんか?

    ヤス まさに、そうですね。それ以上にですね、今回の株価の下落でわかったのは、中国なしで世界経済は成り立たないということが、はっきりしたことです。あの国に頑張ってもらわないと、どうしようもないところまできてるってことなんですね。

    西塚 よく日本のネトウヨも含めて、中国と戦争になる云々と言ってますが、あり得ないということですね。中国もよくわかっているわけで、今戦争して、どれだけの不利益を被るか、お互いにですね。おそらくあり得ないと思うんです。極端に言えば、いかに戦争を回避するかということしかなくて、米中にしても、その間のいろいろな駆け引きなり、民衆に対する何かアピールはあるかもしれませんが、基本的には戦争しない方向にいくんじゃないかなと思います。甘いですかね。それこそ、想定外の「ブラックスワン」が起きるとすれば、僕はやはり中国だと思うのですが、抑えが効かなくなるという、ヤスさんが言う「ツナミ」ですが…

    ヤス そうです。日本にも中国にもアメリカにも、やはり好戦的なアホがいるんですね。

    西塚 ああ、アホ(笑)。

    ヤス もう、イデオロギーの中でしか生きていないというタイプの人たちがいるわけですよ。そういう人たちって、日本の指導層の中にもかなり入り込んでますから。

    西塚 あ、指導層にもいますかね?

    ヤス いますよ! 今の安倍政権ってどうなのかってね。現実が見えているのかってことです。すごく怖いものがありますね、今。だから、コントロール不能な戦争に入ってくるというね、可能性は排除できないと思うんですよ。

    ちょっと株価の問題でいきますとね、やはり世界経済は中国経済なしでは成り立たなくなってきたということがはっきりした。僕は内外の経済記事や海外レポートを読むんですが、意外にですね、いわゆるアベノミクスというのは、これからどんどん成功して、中国とか他の国とは関係なく独自の成長軌道に乗るんではないかと。

    アメリカの失業率にしてもどんどん下がってる、FRBのイエレン議長が利上げということを語るぐらいに、アメリカの景気がよくなっている。シェールオイル革命によって、エネルギーの自給も達成できるようになってるし。とういうことでは、アメリカ自身もね、中国とか世界経済に依存せずに、世界を牽引できるような経済へとまた成長しつつあるんではないか。

    ユーロ圏に関しても今、ギリシャで相当もめてるけども、ユーロ圏の中心になってるドイツを見ろと。毎年、4%くらいの経済成長をずっと続けていて、成熟した経済なんて言われながらもね、まだまだ伸びしろがあるではないかと。そうすると、ギリシャ問題みたいな問題を解決していくと、今後はユーロの盟主としてのドイツがユーロ圏を引っ張っていって、また成長軌道に乗るんではないかというような楽観的なシナリオが、思っていた以上に強いなという感じがしてたんですね、今まで。

    つまり先進国経済は、ヨーロッパもアメリカも日本もそうですけど、中国に対して依存なんかしてないんだと。中国というのは当然いいお客さんなんだけど、中国なしではダメかというとそうではない。我々はもう復活して、いわゆる新たな成長軌道に乗る準備段階にある。また国によっては、もうすでに成長軌道に乗ってるんだという楽観的な認識があったんですね。今回の株価の暴落というのは、それを打ち砕いたんですよ。

    株価の暴落そのものは、大したイベントではないなと思うんですね。中国は元を切り下げたわけですね。その切り下げが、中国政府がいかに経済を悲観してるかということのサインではないか、兆候ではないか、ということを世界のマーケットは感じてね、それで過剰反応した。みんな売りにまわった。

    西塚 昔の言い方で言えば、中国がくしゃみすると世界が風邪をひくみたいな感じに、実はなってるということですね。

    ヤス そうです。だから、あれほど大きな暴落を演出した市場そのものが、自分たちがいかに中国マーケットのちょっとした動きに反応せざるを得ないか、ということを再発見したということです。

    西塚 そうですよね。みんな資本家が、投資家も含めて、自らが動くわけですから、語るに落ちるというか、みんな反応したわけですからね。いかに重要視してるかという証拠ですよね。

    ヤス そうなんですよ。その反応した本人が、エーッ!とびっくりしてる。やはりこんなに依存度が高いのかと。その結果、市場のみならず世界経済に対する認識が大きく変わってきたと思うんです。今までだったら、先のような楽観的なシナリオも成り立ってたんだけども、実は完璧に中国頼りなんだと。アメリカにしろドイツにしろ日本にしろ、自ら成長を創り出して牽引するだけのモメンタムがもうなくなっている。どうも先進国というのは、やはり成長限界にぶち当たったんだろうと。だから外部の中国という力に牽引されて、やっとの経済なんだと。

    じゃあ、なんで先進国の経済がもってるかというと、巨大な金融緩和という方法で通貨を刷ることによって、需要を無理矢理に金融的に嵩上げすることによってなんとかもってると。

    西塚 数字合わせですよね、単純に。実体ではないですよね。

    ヤス 実体じゃない。だから実体経済の成長って実はないんではないか。実体経済の成長のように見えてたけども、中国によって牽引されてただけで、あとは金融緩和とか、政策によってパンパンに風船が膨らまされた状態。だとすれば、ちょっとした何かがあった場合にね、要するに先進国経済がいかに成長限界で立ちいかなくなっているかということを、露呈するような事件がひとつでもあれば、もう市場はボーン!と破裂する。一気にまた大暴落を起こす。そうした認識が、どうも僕は一般化してきてるのではないかと思いますね。

    アメリカの凶暴性を日本人は知らない

    西塚 と同時に、おうかがいしたいのですが、たとえば日本のGDPが下がってるにもかかわらず、企業の利益が上がってる。

    ヤス ええ、ええ。

    西塚 あれは株主なんですかね。利益が不当にですね、本来は働いている人に還元されなければいけないものを超えて、搾取されていると。今、アメリカはどうなってるのかなあ。普通の、働いている人たちの意識として、今どんな感じなんですか?

    ヤス アメリカ経済は、数値そのものから見るといいんですよ。3%から4%に達するという成長率で、失業率もどんどん下がってはいるんですね。今まで、アメリカの失業率は一番高いときで10%近かった。オバマ政権になってどんどん下がって、今は4%台になってる。見かけの数値上は景気がいいという状態。ただ、現場のアメリカ人の書いたレポートとか、僕の友だちの現地のアメリカ人に聞くと、景気がいいなんてまったくのウソだと。我々はいかに苦しんでいるかということしか聞かない。

    そのように格差が生まれてる。格差が生まれている根源にあるのは、労働分配率という概念なんですけど、いわゆる経営者がいくら取って、労働者がいくら取るという、労働分配率の悪さですね。

    西塚 そうですね。ほとんどが不労所得に近い形で、株主がみんな持ってっちゃいますからね、ごっそり。前にヤスさんと飲んだときも、浅薄な知識で言いましたが、韓国のサムソンだろうが現代だろうが、97年に国が破綻して以降、株主がほとんど外資で、売り上げをごっそり持っていく。そうした配当がある月はだから赤字になったりする。かなり悲惨な状態だというふうに…

    ヤス うん。ただね、日本の大企業もそうなんですよ。たとえば、キャノンというのは日本の企業なのかということですね。80%を超えてるのは外人投資家ですよ。日本の市場の企業はほとんどそういう状態ですから。

    西塚 日本もそうですか。

    ヤス サムソンと同じ状態ですよ、今。だってね、日本の株式市場の80何%だったかな、外国の投資家ですよ。

    西塚 それで今回ですね、僕は詳しくないので教えていただきたいのですが、改正農地法が参議院を通過して可決しました。今までは、農地を所有する法人は、まず日本人じゃなきゃいけないし、役員の過半数は農業従事者だと。それが緩和された。農業従事者以外の議決権要件も4分の1以下から2分の1未満になった。しかも外資への規制がありません。そして、農業新聞などを除いてほとんど内容が報道されません。僕は、これはかなりヤバイのではないかと思いますが。そのへんは、いかがですか?

    ヤス だからそれは、やはりここがキモだとして、TPPあたりでも改革が迫られていた部分なんです。かなり前からそうですね。いわゆる外資系企業ないしは外国の投資家による、農地の取得の権利を与えろということです。

    西塚 集団的自衛権とか安保法制案がどうのこうのでごちゃごちゃしてましたが、影で法律が通っちゃった。僕は右翼でも何でもないですが、右翼的に言えば「亡国の道」といったような法律が裏で進んでいると感じましたね。

    ヤス 完全に亡国ですよ、本当に。それによって何がやってくるかというと、農業系って中国じゃないんですね。モンサントなどのいわゆる外資系の大手農業資本がやってくる。アメリカ系ですよ。

    西塚 中国を見てると、どさくさで大金持ちになって、共産党幹部なんか何十億、何百億じゃないですか、それでいい水がほしいと言って、日本を買いあさったりするという、それはなんか可愛いというか、まだわかるんだけれども、もっと着実に、虎視眈々とやってるグローバル企業のほうが、ちょっと恐ろしい感じですね。

    ヤス 怖いですよ。だからね、僕は深刻に日本人に危機を感じるのは、アメリカに対する認識の甘さですよね。やはり、多くの日本の人たちの意識というのは、まだ冷戦構造のときのアメリカなんですね。冷戦構造のときは、確かにアメリカには親としての側面があった。ソビエトというのはすごく巨大な脅威で、大国でしたから。アメリカ自身がすごい脅威を感じてた。そのために同盟国との結束を固めて、えらい妥協をしてきた。日本に対しても相当な自由が与えられた。

    ただ、それはアメリカの本来の姿ではない。いみじくもプーチン大統領が4月16日にね、ロシア国民に向けて声明で言いましけどね、アメリカは同盟国を求めていないと。アメリカが求めている外国勢力は家来だと言ったんですね。その通りなんですよ。だからね、いかにアメリカが凶暴な国であるかという認識を、やはり我々ははっきりと持たなければならない。

    僕が非常に残念なのは、日本で英語の読み書き、および英会話ができる人が少ないということなんですね。日本国内で報道されてる、特に新聞・テレビのレベルの報道では、アメリカの実体は絶対にわからない。いかに凶暴な国なのかということは、現地のメディアのしっかりとした情報を掴まないとわからないわけですよね。

    西塚 さらに言うと、アメリカのメディアには、ガンガン報道するメディアがいっぱいあるんですね。

    ヤス いっぱいある。アメリカは、それこそインターネット大国であるというのは事実で、代替メディア、英語ではオルタナティヴ・メディア(Alternative Media)と言うんですが、それがすごく豊かなんですね。それじゃ、そのオルタナティヴ・メディアはチンケなものかというと、そうじゃないんですよ。地上波でも流れる。

    西塚 たとえば、ちょっとスピリチュアル系に寄っちゃうと、『Coast to Coast AM』なんかは、3000万人の聴取者がいるというじゃないですか。あれはちょっと驚きましたね。

    ヤス そうそう。それからですね、僕もよく見る『Gaiam TV』ってあるんですけど、これはアメリカで出ている英語圏のスピリチュアル系の番組、ビデオから何でも一定料金を払えば見られるんですが、あれなんかもすごいクオリティが高いしね。それから、僕もけっこう好きで見てるアレックス・ジョーンズの『INFOWARS.COM』ですけど、陰謀系などと言うんですが、逆に見るとですね、主流じゃなければないほど、やはり実証にこだわる。いかに事実があってというふうに、細かい実証にこだわる。

    西塚 そうですよね。誹謗・中傷がくるのがわかってますからね。

    ヤス そう。だからむしろね、主流がおかしいんです。実証が非常に危うい。

    続く


    むちゃくちゃおもしろかった講談

    筆者は月刊ザ・フナイの連載を書いていたが、読者の方に講談師の方がおり、会う機会があった。筆者は講談はこれまで聞く機会がなかったが、実におもしろかった!今後はスピリチュアル系の講談をやるそうである。サイトに音声ファイルがあるので聞いて見たらよいだろう。

    田辺鶴瑛

    筆者のいとこのブログ

    筆者にいとこがスピリチュアル系のカウンセラーになっていたのを最近知ることとなった。以下にリンクする。よろしかったらどうぞ。

    ねもとまどかの「宇宙のゆりかご」

    このブログの基本方針

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    駒村吉重のブログ。いつもの飯、酒、より道、脱線、思いごと


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    意味産出の現場としてのBBSやブログ

    また、私はいま日本で起こっている変化を以下のようにとらえております。もしよろしければこちらもどうぞ。

    いま何がおこっているのか?

    ヤスの英語

    酔っ払いおやじのspiritual meeting 9の2

    9月2日

    今回も早く更新できた。いつも記事を読んでくださっている方々に感謝する。

    有料メルマガの予告

    9月4日の午前0時10分に配信される今週のメルマガは、前回の続きである。いまアメリカで広く流布され始めた9月・10月市場暴落説を詳しく紹介する。暴落説で注目を集めている在野のアナリスト、ラリー・エドルソンの予測を紹介する。非常に興味深い。

    今回の記事

    今回も早く更新できた。これは宗教とスピリチュアリズムに関する前回の続きである。ぜひ読んで欲しい。

    記事全文を音声ファイルにしました。よろしかったらどうぞ。7日で削除されますので、お早めにどうぞ。

    音声ファイル

    「ヤスの勉強会」第18回のご案内

    「ヤスの勉強会」の第18回を開催します。世界経済が新たな危機に向かって動いているようです。2015年の終わりから2016年にかけて非常に多くのことが起こるはずです。これを徹底分析します!

    【主な内容】
    ・いま経済危機に向かっているのか?
    ・これから具体的になのが起こるのか?
    ・資本主義の歴史的な変質
    ・生き延びるためにどうしたらよいか
    ・スピリチュアリズムの向かう方向

    よろしかったらぜひご参加ください。

    日時:9月26日、土曜日
    時間:1時半から4時前後まで
    料金:4000円
    場所:都内(おそらく東横線沿線)

    いまのところ場所は未定ですが、申し込みいただいた方に直接お伝えいたします。以下のメルアドから申し込んでください。

    記載必要事項
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    メールアドレス
    参加人数
    懇親会の参加の有無

    info@yasunoeigo.com

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    救いの体験と超越性 パート2

    西塚 すると、人によってタイプがあるということですか? 知的な思考方法でいく人と、五感からいく人と。

    ヤス そうですね。ほとんどの人たちが五感からいきたいと思うわけですよ。スポーツの体験もそうですし、いろんな形のブレイクスルーがあって、それはある意味、同じ地点に至ると。つまり自分自身の相対化という地点に至る。

    北海道の中標津に、70キロのランチウェイというところがあって、酪農家が作ったハイキングルートなんですが、意外とたくさんの人がくる。それが、けっこう悩んでる人ばかりだというんです。

    西塚 なんか、お遍路さんに近いですね。

    ヤス ランチウェイルートを70キロ歩いて、何日かかけるんですが、最後には一番高台の丘に出て、ざあーっと、ものすごくきれい風景を見渡すという体験をするんですね。

    西塚 俯瞰といえば俯瞰ですね。

    ヤス 俯瞰なんですよ。まさに象徴的で、そこまでやると、すべてすっきりすると言われてるんですね。

    西塚 それは面白いですね。ものすごい困難を克服しながら、苦労していって、俯瞰して晴れ晴れとする。

    ヤス そうそう。最初は悩みを抱いてくるわけですよ。歩きながら、ずっと悩みのことばかり考えてるんだけど、そのうち疲れてくる。もう、進むのか、引き返すかの選択だけになってくる。進むことを選択すると、歩くことしか考えないんですって。ただ、もくもくと歩く。そうするとだんだん風景も変わってきて、風景に魅了されるようになってくる。それだけに単純化した作業をずっと続けていって、それで上まで出るわけですね。そして、わっと俯瞰して、ああ、俺の悩みって意味なかったよな、と思うという。

    西塚 僕はこう見えても、高校時代は山岳部でしたので、よくわかります。もくもくと歩き続けるんですよ、けっこう辛いんですが。途中、もう帰りたいとか、やめちゃおうかとか考えるんですが、でも歩き続けると高みに出るわけです。するといろいろなものが全部すっ飛ぶし、大げさに言うと、ちょっと次元が変わるわけです。

    ヤス そうそう。

    西塚 あまり話がずれてもいけないんですが、いろいろな思考の道のりだったり、肉体的なことでも、僕はいつも構造のパターンとかを気にしてしまうんですが、似てますよね。先の『資本論』にしても、苦労して読むんだけども、ある日突然、高みに出る、という言い方もできるでしょうし、まあ理解できてしまう。

    ヤス 理解できて、高みに出た地点から見ると、自分自身を俯瞰できるわけです。俯瞰して相対化できる。「俯瞰」と「相対化」は重要なキーワードじゃないかと思いますね。

    3分解脱!?

    西塚 それは、80年代初頭のニューアカデミズム、ニューアカブームってありましたよね。あのとき浅田彰が「スキゾキッズ」を提唱して、まあ徹底的に逃げていく、「ホール(Whole)」は求めない、全体の「一」を求めない、徹底的にズタズタに分析していくという立場をとっていた方だと思いますが、「全体」を絶対に求めないわけですね、絶えずこう…

    ヤス まあ、微分・積分していくということですよね。

    西塚 そうですね、あのへんのブームも、エセインテリも含めて魅了したのは、悩みが多様化・個別化していたことに、対応してたということですよね。

    ヤス 言ってみれば、俯瞰と相対化の方法だったということです。当時、80年代、90年代は、すべての部分はそうだったんじゃないかと思います。俯瞰と相対化というふたつのキーワードは絶対に入ってます。ドラッグもそうだし。トリップして、自分が俯瞰できる地点まで立つということですよね。

    西塚 そうしたお話しの流れに照らし合わせた場合、今はどんな状況だと思われますか?

    ヤス おそらくですね、90年代や2000年になる手前というのは、まだやはり、難行苦行というか、ある程度のトレーニングを要求するような俯瞰の方法、相対化の方法といったもののほうが、一般的だったんではないかなと思います。

    西塚 装置と言ってもいいですね。

    ヤス 装置。本来の宗教の中に入ってるスピリチュアリティとかなり近いものがあったかなあと思いますね。だから、それに対して今は、超越的な視点といったものが、実に安易な形でことごとく言語化されてると。「幽体離脱」ですよ、とか…

    西塚 「前世」ですよとか。

    ヤス 実はすぐ、あなたでも「神」と出会えるとか。

    西塚 あなたは「シリウス人」ですよとか。

    ヤス そうそう、「光の体験」とかね。言ってみれば、それは超越化の劣化ですね。

    西塚 ああ、なるほど(笑)。超越化の劣化。面白いな。

    ヤス カップヌードル化ですよ、ほとんどね。お湯さえ入れれば、誰でもできると。
    西塚 インスタントだと。

    ヤス そう、超越化も実にインスタントにできるということが喧伝されてしまったので、本当に超越化って簡単にインスタントでできるんだねと言って、信じ込むような人たちが多くなってきたということだと思いますね。

    西塚 うーん、カップヌードルは70年代にできましたが、ここにきて精神世界のインスタント化がきたという…

    ヤス きてる(笑)。

    西塚 そうか、安易で、たしかに飛びつきやすいし、おいしい部分もあるけど、やはり満足はできませんよね。

    ヤス 満足はできない。だから、それがどこまでの超越化かというと、おそらくね、語弊があるかもしれませんが、やはりインスタントの超越化ってないと思うんですよ。たとえば、ハンク・ウェスルマンみたいに、シャーマニズムの手法を本当に真摯に追求するような人に言わせると、シャーマニズムというのは、超越的な体験をするてめの一番やりやすい方法のひとつだと。なぜかというと、人類は5万年間の蓄積された知識があるので、それは現代の人間の脳の構造にぴったりマッチしているからだと言うんですね。

    ただ、それでもね、ハンク・ウェスルマンのシャーマン的な体験をするためには、やはりトレーニングですよ。何度も何度も繰り返しトレーニングをやらなければ、得られないんだと。一瞬のうちにパッと変わるなんていうことはあり得ない。そうすると、ほとんど今言われてるような、「3分俯瞰現象」と言いますかね(笑)…

    西塚 ああ、『キューピー3分クッキング』みたいな(笑)。

    ヤス そうそう、「3分解脱」とかね。「3分解脱」なんていうのはあり得ないというか、たいていまやかしだと思うので、ひとつの方法では全然満足できないという人たちが、90%以上だと思うんですね。

    西塚 そうなると、今の比喩で言いますと、とりあえず『3分クッキング』も重宝されたし、あるいはビジーフォーのグッチ裕三さんのような、いろんな出来合いのものをソースを使って、簡単に料理しておいしくできると。実際、できるわけです。いろいろな方法論があって。でも、おそらく満足できないだろうと。毎日毎日は食べられない。そういうことが、今後ですが、スピリチュアル的にも出てくるだろうと思うんです。その人たちは、何を求めればいいんでしょうか?

    ヤス たとえば、ひとつの方法でね、これをやればあなたは幽体離脱できますよと、でもそう簡単にできるわけがない。トレーニングが続きもしない。だったら、もっと簡単な方法があるかしらと思って探してみると、これもある、あれもあるとなる。そうすると、ずっとそういうような方法を巡るジプシーたちの膨大な数ができあがるということですね。

    西塚 それはおそらく、ケミカルなものとか、脳に直接、電極を結ぶとか、そっちにいっちゃうんじゃないでしょうか。

    ヤス おそらくね。いわゆる「スピリチュアルジプシー」のような人たちが大量に作り出す構造ですから、今の安易なスピリチュアリズムというのはね。もともと膨大な市場が存在するというわけですから、彼らの市場の要求に見合った製品がどんどん開発されてくる。そのうちのひとつが、たとえばケミカルであるか、新しいテクノロジーを用いて、脳のある特殊な部分を刺激することで、いきなりそういう体験をするというね、方向へいくでしょう、やはり。

    西塚 そう思いますね。また『マトリックス』の話になりますが、サイファーという人物がいて、そっちにいったりするわけですね、そっちのほうが俺にとってはリアルだと。安易に快楽を得られて、そっちのほうがリアルなんだと。面倒くさい闘いとか、本来の自分が何だとか、コントロールされていようがなんだろうが関係なくて、そっちのほうが気持ちがいいという人たちもいると思うんですね。いい、悪い、じゃないと思いますが、そのへんは分かれると思うんです。ヤスさんご自身はどう思われますか?

    ヤス 超越化の体験なんですけどね、長い間に確立された宗教性の持つスピリチュアリティは相当、精緻にできてる。精緻にできてるがゆえに、これほど多くの人間を獲得するんですが、それでもたとえば「祈り」の行為を止めると、なかなか長く続くものではない。それを持続させるためには、「祈り」みたいな行為をずっと継続させていくことがどうしても必要になってくる。

    だから、超越的な視点を確保するためのある特定の行動なり、特定のテクノロジーでもいいんですが、継続的にずっとやっていかなくては、その視点を確保できないということだと思います。そうすると、現代の我々から見ると、そうした超越的な視点というのは、悩んだときに自分をわっと俯瞰させるのはいいんですが、この日常生活の実感と同等のレベルまでにリアルで、持続性の高いものかというとそうではない。そうすると、必ずこちらに戻ってこざるを得ないんです。

    西塚 そうですね。すると、持続するべきかどうかはともかく、持続するものが求められてくるんですか?

    ヤス おそらく持続することは可能だと思う。テクノロジーとか、薬物によって。だからと言って、極端に持続させた場合、日常生活の人格のバランスを崩していくんじゃないかと思いますね。重要な問題は、超越的体験というものの内実ですね。超越性一般が、すべて同じようなものかといえばそうではない。超越的体験の中にもクオリティの違いがあるだろう。たとえば、薬物によって体験した超越的な体験と、誰かグールーみたいな者に導かれて、作り上げられたような超越的な体験と、さきほどの70キロのランチウェイルートをずっと歩いてね、高みに出てたときに得られた超越的な体験と、やはりかなりクオリティが違ったものだと思うんですね。

    だから、もっと言えば、超越的な体験そのものの中にね、まやかしの部分、ある種の幻想の部分というか、体験領域としての違いがたくさんあると思うんですね。

    「求道性」が必要

    西塚 ヤスさんのお話をうかがってて思ったんですが、そういう超越的な体験を求めない人がいますね。極端に言えば、快楽だけでいいと。この世で死ぬまで気持ちよければいいという人がいますね。でも、そうじゃない人ももちろんいて、超越的なものは求めないんだけれども、日々の日常の自分の役割みたいなものを重要視する人たちがいます。僕はそこにストイックなものを感じるし、むしろ修行とか稽古に近いものを感じます。それはいわゆるスピリチュアル的なものを求める人と割と共通してる気がします。

    そうじゃない人たち、本当に快楽だけ、自分は難しいことはよくわからないし、今が楽しければいいという、昔の言葉で言えば刹那的なんでしょうが、そういう人たちが圧倒的に多いと思うんです。僕はその3つのタイプがあると思います。もう一度言うと、哲学的な、スピリチュアル的なものを、知識としても追求していくような人たちと、日々の生活の中に溶け込んで、自分の役割をきちんと認識して、傍から見れば普通の平凡な人たちに見えちゃうんだけども、自分なりのある種の戒律を定めてそれを遵守して生きてる人と、それらとまったく関係なく、楽しければいい、気持ちよければいいとして生きてる人。簡単に言えばその3つがあるというふうに思うんです。そのへんはどうですか?

    ヤス 僕もその通りだと思いますよ。ただ、その3つに共通してるのは、やはり「意味」だと思うんですね。今が楽しければいいという人は多いし、僕の周りにも若い人たちは多いですが、長く続かないです。

    西塚 ああ、続きませんか?

    ヤス 絶対、あり得ないですよ。今は楽しければいいって言いますが、楽しめなくなるときがくるんですね。歳いってみろと、体力はなくなるしさ、食欲も…まあ僕は食欲あるけど(笑)、食欲なくなる人が多いしね、性欲もなくなる人が多いし。だから衰えてくるわけですよ。そうすると、今が楽しめなくなる。

    西塚 ああ、なるほど。

    ヤス 楽しめなくなったときに、お前どうやって生きるの、ということになる。そんなのすぐきますよ。今が楽しければいいなんて、お前、30代初めくらいまでだぞと。おそらく。

    西塚 そうか。逆に言うと、そういう人たちが今を楽しめなくなったときに、へんなところにいっちゃう可能性もありますね。

    ヤス うん、そういう人たちが一番、安易にいくでしょう、きっと。安易に超越したい、安易に私は自分自身の人生を相対化したい、わかっちゃいたいとかね。なんで、そうした超越性を求めるかというと、やはり最終的に楽しめなくなるので、楽しめない自分自身に深い意味を感じないと、生き続けることができないということだと思います。

    西塚 そうなると、陳腐な結論を言っちゃうと、求道的にならざるを得なくなってくるということですね、人間というのは。

    ヤス そうですね。そのようにできてるというか。それが、我々の持ってる大脳のもたらす機能ですよ。いいにしろ悪いにしろね。

    ちょっとそれとは逸れるけども、今後問題になってくると思うのは、超越的な体験そのものの内実ですね。かなり危険な超越的な体験もあると思います。自分自身の全人生を無意味化してしまうとか。超越的な視点から立って見たならば、この世における自分自身の人生は無意味であって、ツールにしかすぎないと。だったならば、何でもやれるという状態にしてしまう、といった超越性のあり方だってあると思います。

    「宇宙人」の存在意義とは?

    西塚 また逸れてもいけませんが、超越的な神とか創造主というのはおいといて、その中間のですね、さきほどの宗教教団であれば教祖がいたりしますけれども、最近では、「宇宙人」という話もありますよね。シリウスでもプレアデスでも何でもいいんですが、それもある種、会ったことはないけれども、また絶対的存在でもないんだけれども、中間として想定して、自分自身をプチ俯瞰して、ああだこうだと言う、ある種のフィールドと言うか、シーンがありますね。それはそれで、僕も実は興味があるんですが、あれはどうなんでしょうか?

    中途半端といえば中途半端な気もしますが、絶対的なものと自分との、ちょっとした質疑応答なり、闘いではなく、宇宙人とか、天使でもいいんですが、まあ仮定しておいて、そこを介して行なうというのは、生身の教祖はいないかもしれませんが、構造としては似てる気がするんですね。

    ヤス そうですね。だから、超越的な体験といったものをどう呼ぶのかという、たとえば、「光の体験」というやり方のくくり方もあるだろうし、または「幽体離脱」というくくり方、「前世」というくくり方、それと同じように、自分に宇宙人のDNAが入っているんだと。宇宙人というものを提示することによって、見えない側面に光があたるわけです。あなたにはシリウスのDNAが入っていて、シリウスに通じた魂であるとかね。別に僕はそれを否定しようという気は全然ない。場合によってはそうなのかもしれない、わからないけど。

    ただ、それがどういう効果をもたらすかというと、そのようなシリウス系のDNA、プレアデス系のDNAがあるということを照査することによって、今までまったく認識できなかった自分自身の影の側面が見えるわけですよ。それはまさしく、俯瞰することによって初めて発見できるような側面なんですね。そういうことで言うならば、自分自身を俯瞰して相対化するというひとつの方法なんだろうなと思います。

    西塚 何か新たな物語を創り出して、それに頼りたいのかなという気もします。たとえば古代・中世だったら、アウグスティヌスでもなんでもいいですが、聖者も含めて、直に神と繋がるということがあって、または現代で言えば、薬物とかで直に超越的なものと繋がりたいことがある。また別に、いろいろな物語、ドラマでもいいし、映画、文学、そうした物語を読んだり見たりすることによって自分の生活なり人生を物語化して、そこで何となく自分の立場を納得するというか、認識していくといったやり方もありますね。それがここにきて、新たな物語、これまでの物語ではなくて、ある種超越的なニュアンスを醸し出しているような、宇宙とか、スピリチュアル的なものですね、そうした物語が求められてきているのかなという気がします。

    ヤス 我々の超越的な意味というのは、直に体験するか、または神話を通してでしか体験できないんですよ。神話というのはまさに物語なんです。我々というのは、まず現在の自分自身の人生を俯瞰して、第二に相対化して、相対化することによって、新しい自分自身のありか、存在の意味みたいなものを発見する。この3つのことを全部、充足的にできるような神話ですね。新たな神話というのものを必要としているということだと思います。いい意味での神話ですね。

    西塚 自分の人生は、自分が書き手であって、自分の行動が、いわばすべてを描くことになるわけですね。物語を作っていくということです。身をもってどういう物語を書いていくかという時代に、ずいぶん前から入っているような気がします。

    ヤス 物語を書いていくうえで、自分自身を俯瞰しなくちゃダメでしょ、やはり。

    西塚 そうですね、まさしく。

    ヤス 俯瞰しないと、ストーリーテラーにはなれない。ただ、聖書みたいなもの、聖書というのは神話ですね、まさにストーリーですよ、ひとつの。壮大なストーリー。その壮大なストーリーを通して、自分自身の内面に、自分自身の人生を俯瞰することによって相対化して、それで今の自分の人生にも深い意味を見出していくということができる装置ではある。先にマスの宗教の話をしましたが、だんだんそれにアトラクトされない人たちが増えているわけです。

    西塚 僕のイメージだと、白紙のところで生きていくような気がしていて、自分の行動で描いていく。もちろん俯瞰する視点もあるわけですが、僕のことを言ってもしょうがないですが、常に軌道修正しながら描いていくのに近いんですね。あまり設計図なり、お手本を必要としないと言いますか。いろいろな本は読んだりしますが、手本はいらない。と言うか、あまり好きじゃない。自分が何をやるかわからないくらいが、僕にはちょうどよくて、面白いんです。ダメですかね。

    ヤス いや、ダメもいいもないですよ。

    西塚 タイプですからね。

    ヤス どちらかというと、僕も同じですよ。面白いことをやりたいというだけなんです。ただ、16世紀の人間たちが、自分自身の人生を俯瞰して意味を見出すような方法、つまり彼らに有効だった方法と我々に有効な方法とは、根本的に違うと思いますよ。

    西塚 プレアデスにしろ何にしろ、違う視点がくるとするじゃないですか。いろいろな情報があって、人から聞いたものでもいいですし、本でもいいですが、そういう物語があまりにも精緻にできすぎていて、これはもうフィクションとは思えないくらいのものが、いくらでもあるわけです。それが僕は面白くてしょうがない。それを確かめてみたいし、興味がつきないんです。

    ヤス おっしゃったように、俯瞰するための様々な装置が今できあがりつつある。さっきの話の論点に戻ると、それはたとえば光の体験であったりね、前世、幽体離脱といったいわゆるスピリチュアル系のもの以外にですね、超越的な視点というものを確保するための新たな神話が、今どんどんできつつある。それは、神話としての極めて精緻なストーリー、豊かなストーリーに満ちているわけです。それらの中には、え!と、読んだだけで引き込まれて、説得させられてしまうといったものもあるわけです。その中には、宇宙人系のものもやはりあるわけですね。

    たとえば、僕が大好きなビリー・マイヤー。彼の書いた本をよく読むんですが、恐ろしく精緻で、納得させられるぐらいの説得力を持ってたりします。それはいい意味で、現在できあがりつつあるような、自分自身を俯瞰するためのね、超越的なストーリーのもっとも洗練されたもののひとつのタイプなんではないかなと思いますね。

    西塚 本当にそうですね。今おっしゃったビリー・マイヤーの本などは、へたなエセ哲学者が吹っ飛びますからね(笑)。

    ヤス 吹っ飛びますね。内容のね、精緻さ、豊かさから言うとね。初めはね、プレアデス? 何だこれ?と思って読んでみたんだけど、でも何冊か読むうちに、すごく説得させられる部分が出てくる。仮にね、これが事実だという視点から眺めてみるとどうだろうかというと、全然違った現実が見えてくる。それは、僕は『資本論』を必死に読みこなして、目からウロコになった状態とほぼ同じような感じですね。

    西塚 となると、超越的なものも語っていきたいんですが、語っていく前に、もうちょっとクリアしなければいけないことがいっぱいありそうですね。

    ヤス あります、あります。

    西塚 いろんな意味で。みんながバカにしてることも含めて。もうちょっと検証すべきこと、なかったことにされたり、否定されたことも含めて、過去のもの、文献でも言説でもいいですが、もう一回検証されるべきものがたくさんあるようです。

    ヤス いっぱいあります。現代人の特徴としてね、はっきりしてるのは、超越性を求める時代に入ってるということです。新たな超越性の構築の時代に入ったということです。今、我々が目にしてるようなスピリチュアリズムも、そのひとつの側面なんだと思いますよ。

    西塚 先ほどのビリー・マイヤーもそうですが、宇宙人の話も出てきました。そのへんも今後はもっと突っ込んでお聞きしていいですか?

    ヤス いいですよ。面白いじゃないですか。僕は僕でわかる話をします。

    西塚 では、今日はこのへんで。どうもありがとうございました。

    ヤス こちらこそ、どうもどうも。

    続く


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    筆者は月刊ザ・フナイの連載を書いていたが、読者の方に講談師の方がおり、会う機会があった。筆者は講談はこれまで聞く機会がなかったが、実におもしろかった!今後はスピリチュアル系の講談をやるそうである。サイトに音声ファイルがあるので聞いて見たらよいだろう。

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