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    2012-11

    ヨーロッパ国内で起こっている極右の台頭、リンゼー・ウィリアムスの情報検証

    11月18日

    今回はことのほか襲い更新となってしまった。あまりに忙しく、情報は集めていたもののブログまで手が回らなかったのだ。いつもブログを読んでくださっている読者の方には感謝する。

    講演会のご案内

    また、講演会を依頼されました。よろしかったらぜひどうぞ!

    アネモネ講演会

    申し込みリンク

    日 時:2012年11月25日(日)、14:00~16:00(開場13:30)
    会 場:アリアル五反田駅前会議室、東京都品川区西五反田1-2-9 アリアル五反田駅前ビル
    各線「五反田駅」より徒歩1分
    料金:前売3,000円/当日4,000円(各税込)【イベント番号:STY01】

    〈内容〉
    ・最新の地震情報
    ・放射能汚染と健康被害の報道されない実態
    ・本当にヤバいアメリカ経済
    ・これからも持ちこたえるユーロ圏
    ・緊張する日中韓、武力衝突はあるのか?
    ・流動化する日本の政治と未来
    ・リンゼー・ウィリアムスの最新リーク情報
    ・明らかになってきた我々の精神構造の変化


    高松の講演会

    以下の日程で高松の講演会を行います。お近くの方はぜひどうぞ!今回の講演会は面白くなりそうです!

    日時  平成24年11月27日(火)18:30受付 19:00~公演開始
    場所  高松テルサ  

    テルサ会場内の掲示板にて部屋の確認をお願いいたします
    〒761-0113 香川県高松市屋島西町2366-1
    Tel: 087-844-3511   Fax:087-844-3524

    会費   ¥3000/人

    講演会後、高島先生を囲んでの懇親会を予定しております。場所 未定ですが高松市内にて行う予定です。

    主 催  里坊会計事務所 里坊昌俊
    実行委員 有限会社ウエストフードプランニング小西啓介、ソニー生命保険株式会社 山下智幸、株式会社京蔵 京兼慎太郎、株式会社クリード インテグレーション平野伸英

    内容
    ・米大統領選挙直後にやばくなる財政の崖、実際に何が起こるのか?
    ・日本の領土問題、本当に日本の経済は大丈夫なのか?欧米シンクタンクの予測
    ・爆発する欧州のナショナリズム、2013年はどうなるのか?
    ・コンピュータ予測、ウエブボット最新情報
    ・背後で進む我々の精神的な変化
    など


    ヤスのしゃべり場 vol.2

    いよいよマヤカレンダーが本格的に終了します!一体なには起こるでしょうか?!

    第2回のゲストは、某大手出版社ベテラン編集者の登場です。2007年からはじまった「ヤスの備忘録」から重要なテーマを絞り出し、編集者独特の観点から、眠っているヤスの魅力を引き出していただきます!

    日程:12月22日 (土)
    会場:お申込の方に直接ご案内いたします(東京都内)
    料金:5,000円
    予定時間:13:30〜16:40
    13:30〜15:15 ヤストーク

    12月22日はマヤカレンダーが終了する日本時間です!政治経済、スピリチュアルを含め、とことん話すつもりです。日本は本当の岐路に立っています。多くの日本の指導者は中国を甘く見ています。私の得ている情報では、中国は本気です。ブログなどでは絶対に話せない情報を話すつもりです。

    15:30〜16:40 ヤス&川島克之氏 対談&質問タイム
    ◎川島克之氏とは?
    東京大学卒、某大手出版社編集者。
    「高島康司氏に早くから注目し、高島氏のマジメな経済予測とトンデモ系予言への関心がどこでつながっているかが、とっても気がかり。
    その奥にナニがあるのだろうか、それはもしかして新しい現実を思いのままに生み出してしまうカッキ的試みなのでは、との問いを胸に、
    高島氏に迫りたいと思っている。」
    17:00〜懇親会

    申込希望の方は,必要事項をご記入いただき、下記までメールにてお願い致します。
    yasunoshaberiba@gmail.com
    おってご案内をお送り致します。

    【氏名・ふりがな】
    【〒・住所】
    【連絡先(携帯優先)】
    【参加人数】
    【懇親会参加 有無 人数】
    ※懇親会料金は別途お知らせします(5,000円前後)

    主催:しゃべり場事務局 島田


    お知らせ

    5月21日、ウエブボットの報告書の最新版が発表になりました。いま詳細な要約の作業を続けていますが、これまでのように「予言解説書」のような体裁で出すことはしないことにいたしました。詳細な要約はすべてメルマガに発表いたしますので、最新報告書の内容を知りたい方は、メルマガを購読なさってください。

    記事全文の音声ファイル

    記事全文を音声ファイルにしました。よろしかったらどうぞ。7日で削除されますので、お早めにどうぞ。

    音声ファイル

    お知らせ

    講談社のサイト、プロジェクト・アマテラスに作品の投稿を求められました。以下のサイトで読むことができます。「試論、そもそも予言とはなにか?1」です。画面右側の「このプロジェクトの投稿」から見ることができます。よろしかったらどうぞ!

    未来はどうなるのか
    http://p-amateras.com/project/61

    新しい本の紹介

    「神霊の世界に覚醒して」サンドラ・インガーマン、ハンク・ウエスルマン著、高島康司、豊田泰士訳

    shaman02

    このブログでも何度も紹介したことのあるシャーマンで人類学者、ハンク・ウエスルマン博士の名著、「Awakening to the Spirit World」の翻訳が完成した。2010年にアマゾンで1位になった本である。

    本には、シャーマンの世界をトランス状態で経験しやすくさせるCDが付いている。本は、CDの使い方と、シャーマンの世界で体験する内容の解説書だ。筆者もCDを聞いて見たが、聞ききながら寝ると、たしかに多くの夢を見て、会ったことのない多くの人物が現れる。興味深い体験だった。

    よろしかったらぜひどうぞ!

    新しい本の紹介

    今度、ウィリアム・スティックエバース氏と対談本を出しました。かなり面白い本だと思います。よろしかったらどうぞ!

    black

    宇宙の設定を読み解く[BlackBox]超予測

    また新しい本が出ます。今度は様々なサイクルに注目し、コルマンインデックス以後どのようなことが起こるのか解説した本です。ブログやメルマガの内容を大幅に加筆修正しました。

    コルマンインデックス後 私たちの運命を決める 近未来サイクル

    cycle03

    よろしかったらぜひどうぞ!

    有料メルマガのご紹介

    今回は3つのテーマを解説した。

    まず、CIA系シンクタンク、ストラトフォーに次期オバマ政権の外交政策に関するとても質の高い分析記事が掲載されたので、それを紹介した。執筆者は、CIAの元分析官でストラトフォーのCEOであるジョージ・フリードマンである。フリードマンの地政学に基づいた徹底した分析は大変に定評があり、米政権の世界認識にも一定程度の影響があると言われている。その意味では、米政界の指導層に近い人々が、世界をどのように見ているのかよく分かる記事だ。

    財政危機とユーロの信用不安が原因で停滞しているEUや、不安定化しつつある国内情勢で一党独裁を維持できるかどうか分からない中国に比べると、経済は決してよい状態ではないものの、やはりアメリカが相対的に安定している。

    もちろん、財政の崖のような問題もあるが、これはオバマ政権と議会が妥協すればよいだけなので、解決の糸口は見えている。

    それに対し、EUや中国の問題は解決の出口はまったく見えない。どうなるか分からない状況にある。これらの国々は国内問題で手一杯になるはずだ。

    このような状況を見ると、中国やEUに比べアメリカは相対的に安定しているので、まだ余力がある。

    さらにシェエールオイルの開発で、アメリカが世界最大の産油国であることがはっきりしてきた。このため、もはやアメリカは中東に依存することもなくなるはずだ。

    このように見ると、アメリカはかつてないほど制限を受けない自由な状況にある。次期オバマ政権はより大胆に外交政策を転換する余地がある。

    こうした内容だった。

    次に、日本の次期安倍政権や、石原や橋下の第3極に対する海外の評価と反応を紹介した。非常にネガティブな記事が多く、一種の拒絶反応に近いものだった。
    それは、彼らは「富国強兵」の19世紀型の幻想にのめり込み、グローバル化した21世紀の世界を拒絶した危険なイデオロギーに浸っているというような内容だ。「日本国民は現実を直視し、誤まったリーダーを選んではならない」とまで言い切っている。

    これらの記事は、安倍政権の「強い日本、豊かな日本」のスローガンに基づく強い外交姿勢が中韓との関係を悪化させて一層の経済停滞を招き、そして最終的には日本を孤立させることを示唆しているようだ。

    最後に、2013年からはじまる日本のさらなる経済停滞に関する予言や特殊能力者のビジョンはかなり多い。そうしたものを詳しく紹介した。もちろんこれらはブログには書くことができない。

    以上である。

    今回の記事

    アメリカではオバマが勝利し、中国では習近平政権が成立した。アメリカの財政の崖も迫っている。このようなテーマで書きたいことはとても多いが、それらに関しては他の機会に譲り、今回はヨーロッパ諸国の国内で起こっていることを解説する。

    次に、大統領選挙も終わったので、リンゼー・ウィリアムスのリーク情報を改めて検証して見る。いろいろなことが後で分かってくる。

    リンゼー・ウィリアムスのリーク情報を検証する

    アメリカの大統領選挙も終わり、少し情勢が落ち着いてきた。リンゼー・ウィリアムスは、アメリカの軍産エネルギー複合体の情報と計画をリークしているが、この情報がどれだけ正確だったのか、検証するにはよい次期かも知れない。

    あまりに周知の情報かもしれないが、リークされた情報を安易に信じ込んでしまわないためにも、検証の作業は重要だ。

    大統領選挙について

    当初は接戦を伝えられていた米大統領選挙だが、ハリケーン、サンディの影響もあり、オバマが難無く勝利した。

    選挙の前にリンゼー・ウィリアムスは以下のような情報をリークしていた。その主なものを見て見る。以下である。

    ・グローバルエリートは、オバマを全力で潰すつもりだ。オバマが大統領になる可能性は低い。彼らはロムニーを全面的にバックアップしている。

    ・それというのも、グローバルエリートはカナダーアメリカパイプラインの件でオバマに激怒しているからだ。その怒りは私の想像以上であった。

    ・グローバルエリートは大統領選挙についてさまざまなことを言っているが、私はこれを語ることが許されていない。なので、どちらが勝利するか私の口からは言えない。

    ・ただ、オバマの支持率は上がっていないことに注意してほしい。その背景のひとつは、オバマに対しグローバルエリートが激怒していることだ。

    ・ガル島のリバティー油田の原油を輸送するために、グローバルエリートはカナダとアメリカを通るパイプラインの建設を計画した。

    ・実はオバマはイスラム教徒である。「ムスリム同胞団」からの莫大な献金と引き換えに、このパイプラインの建設を許可する約束だった。

    ・だがオバマは、実際に献金が行われると態度をひるがえし、パイプラインの建設を保留してしまった。このためグローバルエリートは、「オバマに完全に裏切られた!」として激怒しているのだ。

    ・大統領選の第一回討論会で、ロムニーの発言に次の3つのキーワードが隠されているので、ロムニーがそれを言ったときのオバマの反応を見るように。キーワードは次の3つだ。

    1)カナダーアメリカパイプライン
    2)ドット・フランク法の改定
    3)アメリカ国内の原油生産

    ・大統領選挙戦の第一回討論会では、ロムニーはこれらの言葉を言った。すると、それを聞いた途端オバマは氷づいたように緊張して青ざめ、討論会の方向が一気に変わった。オバマはグローバルエリートから脅されており、これらのキーワードは、ロムニーがすでにグローバルエリートのコントロール下にあることを伝えたためだ。

    ・これが、第一回の討論会でオバマが負けた本当の理由だ。

    これを見ると、軍産業エネルギー複合体のグローバルエリートはオバマを徹底的に潰し、ロムニーが当選するように見えるが、これは全部外れた。蓋を開けて見ると、ロムニーは遠くオバマに及ばなかった。

    軍産業エネルギー複合体は力を失いつつある?

    これは今回の大統領選挙戦だけではない。軍産業エネルギー複合体のグローバルエリートは、9月11日から始まった中東の混乱を仕掛け、実際にそれなりの混乱を引き起こすことに成功した。

    だが、彼らが原油価格を1バーレル、150ドル前後にまで引き上げるため、混乱をサウジアラビアにまで拡大させるとしたが、これはまったく起こっていない。このため、原油価格も1バーレル、85ドル前後に落ち着き、決して上昇してはいない。

    2008年半ばには、グローバルエリートは原油価格を1バーレル、150ドル近辺まで上昇させるとして、その後、予告どおりに147ドルまで上昇した。また、数カ月後には1バーレル、50ドル近辺まで下降させると予告し、原油価格は実際に36ドルまで下降した。

    2008年や2009年まではウィリアムスのリークした情報は比較的に正確であったが、それと比べると大統領選挙も含め、いまはほとんど的中していないことが分かる。

    グローバルエリートの計画の全容

    とするなら、他のリーク情報も実現しない可能性のほうが大きいと判断してよいだろう。以下がグローバルエリートの計画であった。

    1)中東全域で革命を起こして政権を打倒した後、各国でイスラム原理主義の「ムスリム同胞団」の政権を樹立する。

    2)これで中東は混乱するので、原油価格は1バーレル、150ドル、金は1オンス、3000ドル、銀は1オンス、750ドルまで高騰し、ドルの価値は大幅に低下する。

    3)これとともに、デリバティブの崩壊から、全面的な金融崩壊を引き起こし、金本位制に基づく新世界秩序を導入する。

    ・しかし、この当初の計画は大幅に遅れている。リビアのカダフィー政権の打倒に手間取り2カ月の遅れが生じた。さらに、シリアのアサド政権では6カ月の遅れが生じている。計画全体では、8カ月遅れている。このため、グローバルエリートは大変に焦っている。彼らは必死だ。

    ・グローバルエリートの目的は、世界やアメリカを破壊することではない。崩壊した世界をグローバルエリートの手で復興し、彼らが完全にコントロールできるような世界を構築するためである。特にアメリカはそうである。

    ・2012年末までのドルは無価値化する。ドルという通貨はなくならないだろうが、ドルの価値はほとんどなくなる。それまでに、ドルに基づく一切の投資や預金を引き上げ、金に変えておくべきだ。

    ・デリバティブの崩壊が起こる前には、いくつかの予兆がある。ひとつは、通貨戦争の始まりである。2012年4月14日、中国は人民元を、これまでの0.5%から、1%の範囲でドルに対してフロートさせる決定をした。このようなことが通貨戦争である。4月11日、ブラジルの大統領は絶対にQE3を絶対に実施しないように要請した。もしQE3を実施するなら、ブラジルは報復して通貨戦争を引き起こすと言った。

    ・通貨戦争の次に起こるのは貿易戦争だ。これがデリバティブ崩壊の第2の予兆だ。

    ・連銀が金利を1%引き上げることが、デリバティブと金融崩壊の最後の予兆となるはずだ。

    もちろん、これからこのようなリークが実現するかもしれないが、いまとなっては、すべて外れる可能性のほうが圧倒的に高いように思う。おそらく、このようなシナリオにはならないであろう。少なくともいまは、このようなことが実際に起こる予兆はまったくない。

    軍産業エネルギー複合体の力は衰えている

    ウィリアムスはサイキックではない。軍産業エネルギー複合体の情報をリークするために選ばれた人物である。

    これらの情報が的中していないということは、かつては世界を政治的、経済的に動かすほどの力を十分に持っていた軍産エネルギー複合体だが、いまは世界を思う通りに操作できる力を失い、退潮しているとも考えることができる。

    あまりに長くなるので、この退潮が何を意味するのか記事を改めて書く。

    EU諸国で何が起こっているのか?

    次のテーマに行く。EUの情勢だ。

    アメリカではオバマが勝利し、オバマ政権の2期目がはじまる。また、財政の崖を回避できるかどうかが瀬戸際に入りつつある。回避できなければ、連邦政府の一時的な閉鎖、米国債の格下げのような状況になる。

    また中国では習近平政権が成立した。中国の政権は、以前の権力者が隠然と影響力を及ぼすことが通例だったが習近平政権は、こうした影響力からかなりの程度自由な政権であるようだ。かなり積極的な内政と外交に出てくることだろう。

    このようななか、EUは財政破綻と信用不安のニュースが日本では中心で、国内で起こっている変化についてはあまり報道されていない。

    しかし、いまEU各国では大きな社会変化が進行している。今後数年間で歴史的な転換を引き起こす種になる可能性もある。

    今回の記事の前半部分は、すでに過去のメルマガに掲載した記事と重複している。後半を加筆した。

    9月6日以降落ち着いた情勢

    ギリシャなどのPIIGS諸国のユーロ圏離脱がきっかけとなり、共通通貨のユーロ、そしてEUの解体まで突き進むことも一時は懸念されていたEUの財政危機だったが、9月6日にECB(欧州中央銀行)が「一層の緊縮財政を受け入れるならば、ECBはPIIGS諸国の国債を無制限に買い取り、また債権も買い取る」との発表の後、EUの財政危機は峠を越えたとの安心感が広まっている。

    スペインやアイルランドなど、いくつかの国々では相変わらず財政危機から厳しい情勢が続いているものの、これらの国々がECBの緊縮財政を条件として受け入れれば、ECBが無制限に国債を買い取ってくれることがはっきりしているので、危機はさして深刻な問題だとはみなされていない。

    日本でも一頃と比べると、EUの財政危機関連のニュースはだいぶ減ったように思う。

    他方、そのような状況のなか、PIIGS諸国の財政危機をきっかけにして、ドイツ主導の財政統合の前提条件が次第に整えられつつある。いまの流れが継続すると、数年後には欧州合衆国のような、ドイツを中核とした高度な統合体が出現する可能性も十分にある。これが実現すると、現在のような各国の財政危機が発生することもなくなる。

    いま、このような方向に確実に向かっているとする観測が一般的だ。

    EU諸国国内ではなにが起こっているのか?

    だが、目をEU諸国の国内に転じると、これから大きな社会変動の予兆となるような出来事が進行中であることが分かる。

    それは極右勢力の急速な台頭である。

    1930年代の情勢

    周知のように、1929年の大恐慌後、経済破綻に苦しむヨーロッパでは極右勢力が急速に台頭し、社会変化が加速して第2次大戦に向かうレールが敷かれた。

    1920年代には、ドイツ、イタリア、スペインなどでは中道左派の比較的にリベラルな党派が政権を担当してきた。だが、政府が大恐慌後の困難な情勢にまったく無策であることが露呈したため、政府に対する憤りと怒りから、国民は極右政党をこぞって支持し、極右政党が政権を担う政府が多数誕生した。

    ドイツの中道左派の「社会民主党」から「国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス)」への政権移行などはその典型的な例である。

    極右勢力が率いるこうした政府は、軍需産業への公共投資を中心とした国家管理型の経済政策を推し進めて国内の経済混乱を解消する一方、領土拡大戦争に乗り出し、第2次大戦の引き金を引くことになった。

    このような悲惨な歴史があるため、極右勢力の台頭は極度に警戒されている。

    弱小であった極右勢力


    一方、ヨーロッパ各国の極右勢力はかなり古くから存在している。欧州各国に存在する「ネオナチ」のような党派も決して新しい存在ではない。1950年代にはすでに結成されている。

    戦後、社会主義圏だった東ヨーロッパを除いて、ヨーロッパ各国の政権を担当してきたのは、「中道左派」や「中道右派」の穏健で現実主義的な政党だった。

    言って見ればこれは、日本の「民主党」や「自民党」が交代で政権を長年担当してきたようなものだ。どちらの党派も、同じような教育を受け、同じようなキャリアを持つ政治エリートが中心だった。

    そのため、基本的に同じような価値観を共有しており、どちらの党派も、高度な政治経済的連合体に各国を統合し、ナショナリズムを乗り越えることこそ、ヨーロッパの進むべき方向だとする点では同じ理想を共有していた。

    実際にEUの統合は、こうしたコスモポリタンな政治エリートによって実現された。また、政権が「中道左派」や「中道右派」が担当している限り、政策には継続性があり、政治が極端に変化することはなかった。

    このような安定した状況だったので、極右勢力が古くから存在したといっても、その影響力は都市や地方の若年失業者層に限定され、選挙では1%を上回る得票率を得ることはほとんど不可能であった。

    確かに、ベルリンの壁の崩壊から社会主義圏が消滅した89年以降は、民族主義に基づく移民排斥運動が盛り上がり、極右が主導するデモや抗議集会、また移民をねらった犯罪などが多発し、極右の存在を強く印象づけた。

    だが、選挙で多くの議席を獲得し、政権に影響を与えるレベルではまったくなかった。ヨーロッパの極右勢力は、政策にはなんの影響も与えることのできない周辺的な弱小政党という状況に長い間止まらざるを得なかった。

    ヨーロッパの本流の政治は、欧州統合を共通の理念としたコスモポリタンな「中道左派」や「中道右派」の政治エリートがコントロールしてきた。

    大きく躍進する極右勢力

    それがいま、ヨーロッパの信用不安と財政危機を背景として、選挙を繰り返すたびに極右政党は大きく躍進し、政府も無視できない勢力になりつつある。

    例えば、将来EUに加盟すべきか、ロシアとの同盟を強化するべきか国内でも世論が分かれているウクライナでは、最近実施された選挙で極右党派「スボボダ」が10%を得票し、なんと33議席を獲得した。

    「スボボダ」が掲げるのは、政府は国内にいる移民や外国人ではなく、神から与えられた、生まれながらの権利を持つ民族のみを保護すべきだという、民族主義に基づく移民排外政策だ。「スボボダ」は、「デモクラシー(民主主義)」と「ナショナリズム(国家主義)」の造語である「ナショクラシー(国家民主主義)」をスローガンに掲げ、さらに多くの支持者を獲得しつつある。

    これはユーロ圏諸国でも同様の状況だ。泡沫政党にしかすぎなかったギリシャの過激な極右政党、「黄金の夜明け」は、最近の世論調査で14%の支持を獲得した。以下は「黄金の夜明け」が参加した抗議デモだ。ナチスの鉤十字の旗を掲げている。



    またハンガリーの極右、「よりよいハンガリー運動」は、2006年にはわずか2%の支持しかなかったのが、2012年には第3党に躍進し、無視できない存在になっている。

    そしてフランスの極右、「国民戦線」は、2012年5月の大統領選挙で18%を得票し、ホランド現大統領とサルコジ前大統領に次ぐ支持を獲得している。

    またイタリアでもこの動きは加速している。前首相のベルルスコーニは「ドイツの独裁」を強く非難しているし、シシリー島では移民排斥と民族主義を唱える過激な極右政党「五つの星」が初めて議席を確保した。この政党はこれから国政選挙に出る予定だが、すでに世論調査では第2位の支持率を獲得している。

    なぜ極右政党が躍進するのか?

    これまで極右政党の躍進は、「中道左派」や「中道右派」の本流の政治に対す不満の表明として、こうした極右政党に支持が集まるのだろうと理解されてきた。日本でも自民党の長期政権が続いていた1990年代には、共産党が自民党に対する不満表明の受け皿として選択され、一時的に支持が伸びたことがあったが、これと極右の躍進もこれと同じことではないかと見られていた。

    したがってこうした支持は、主流政党のいわば「お仕置き」として極右が選択された結果であって、極右そのものが支持を集めているわけではないという見方が一般的だった。

    しかし、いま多くのヨーロッパ諸国でこの状況が根本的に転換しつつある。それは以下の3つの背景から、国民の支持が極右政党の政策に集中し始めているからだ。

    1)統合EUに対する幻滅

    EUの統合は高い経済成長と生活水準をもたらすものと期待され、推進された。だが、ユーロの信用不安と財政危機で、この理想は完全に消滅してしまった。EUを一度解消したほうがよいのではないか。

    2)IMFやECBなどの国際機関、そしてドイツが政府の上に立つ

    特にPIIGS諸国では、IMFやECBなどの国際機関、ならびにドイツが上位機関として政府に命令を出している。これは国家の主権が国際機関や他国によって蹂躙されている姿だ。これは耐えられない。

    3)緊縮財政と金融支援による生活水準の低下

    PIIGS諸国では、度重なる緊縮財政の強要による公的サービスや社会保障の大幅に削減され、またドイツやフランスでは、終了するあてのまったくない金融支援が延々と続き、そのたびに国民の負担が強いられる。このような状態が続くくらいなら、いっそのことEUを離脱し、単独の国家として存在したほうがよいのではないか。

    こうした要因が原因となり、極右政党の掲げる1)民族のプライドの回復、2)移民排斥、3)EUの離脱と真の独立の実現、という目標そのものに一般国民から支持が急速に集まるようになっている。

    ヨーロッパの「失われた10年」

    EU諸国の財政危機の悪化からPIIGS諸国がEUを離脱し、その結果ユーロ圏が最終的に解体するという、今年の初めまで現実味があった危機は当面は起こらないことははっきりした。

    だが、これでEUが財政危機を脱し、再度成長軌道に乗ることができるかといえばまったくそうではない。EU圏全体がクラッシュするような急性の危機は回避できたとしても、慢性的な危機はむしろこれから始まると見た方がよい。

    それというのも、いまのEUは、バブル崩壊後に日本が経験した「失われた10年」の慢性的な低迷期と同じ状況に陥りつつあるからだ。

    バブルの崩壊後、日本政府は公共投資と金融機関への資金注入で景気回復を図ろうとし、銀行が抱えている大量の不良債権の処理は先送りした。不良債権を処理するためには、これを大量に抱えた銀行の破綻処理も実施しなければならず、その覚悟は政府にはなかったからだ。

    しかし、大量の不良債権の存在は銀行の経営を圧迫したため、銀行は自己資本を守るために「貸し渋り」や「貸しはがし」などの貸し出しの規制を行った。これは多くの企業の資金繰りを悪化させ、破綻へと追いやった。企業の倒産はさらに多くの企業を破綻させたため、日本経済は脱出困難な慢性的な不況に突入した。

    いまECBはPIIGS諸国などの国債や債権を購入するとしているが、これはバブル崩壊期の日本と似た状態になる可能性がある。

    つまり、ECBが不良債権を購入することで、経営が破綻している銀行は生き残ってしまう。日本の長銀もそうであったが、こうした銀行はさらに大量の不良債権を抱えている可能性がある。

    すると、いつまでたっても銀行は不良債権の呪縛から逃れられないため、自己資本を守る目的で「貸し渋り」や「貸しはがし」などの貸し出し規制を長期に実施しなければならなくなる。

    たとえ景気が少しよくなる兆候が出てきても、この規制が大きな障害となり、民間の企業の資金繰りを悪化させ、不況を長期化させるという流れだ。

    不良債権が完全に処理できるまで、このような状況は続く。いわば「失われた10年」のヨーロッパ版だ。

    ヨーロッパ最大規模のストライキ

    このようなとき、EU諸国では最大規模の抗議デモとストライキが11月14日に発生した。

    日本でも頻繁に報道されているように、抗議デモやストライキはEU諸国では特に珍しいものではない。2008年のリーマンショック、そして2010年から始まったユーロの信用不安と財政危機の発生以来、特にギリシャやスペインなどのPIIGS諸国を中心に何度も起こっている。2011年のオキュパイ運動はEU諸国に上陸し大規模な抗議デモを引き起こしたし、なかには暴徒化したデモも多い。

    しかし、これまで抗議デモやストライキはそれぞれの国単独で実施されており、多くの国々が連帯して同じ時期に抗議デモを実施するということはなかった。

    今回、際立っているのは、多くのEU諸国のあらゆる組織が連帯して、同じ日に戦後最大規模の抗議デモとストライキを実施したことにある。ギリシャ、スペイン、ポルトガル、イタリアなどのPIIGS諸国はもちろんのこと、フランス、ドイツ、イギリス、ベルギー、スイス、ならびに、デンマークやスエーデンの北欧諸国、そしてハンガリーなどの東欧諸国、さらにはトルコも含め、23カ国が参加している。100万人を越える規模のデモも多かった。

    スペイン


    イタリア(ローマ)


    全ヨーロッパ


    欧州労働組合連合が中心

    さらに、この全欧州の巨大な抗議運動には、これまでどの抗議運動にも不参加だった欧州労働組合連合が中核的な組織として呼びかけていることだ。欧州労働組合連合は、36カ国の85組織、6000万人が参加する巨大な連合体である。

    欧州労働組合連合は、社会と生活の安定を第一の目標として掲げているので、どうしても政治色が出る抗議運動には参加して来なかった。

    しかし今回は、欧州労働組合連合が中核組織のひとつとなり、全欧州をカバーする最大規模の抗議デモとストライキを実現させた。

    抗議デモのみならずストライキが実施されたギリシャ、スペイン、ポルトガルでは、ほとんどの公共機関が停止した。

    全欧州で共通の目的、緊縮財政への抗議

    これまで個別にバラバラに行われていた抗議運動が、全欧州での連帯に成功したのは、財政危機から援助を受ける側のPIIGS諸国と、増大する税負担に耐えながらこれらの国を援助しているフランスやドイツという、本来なら国民の利害が相反する国々の間で、共通の目的が形成されたからだ。

    それは、ヨーロッパの多くの政府が実施している緊縮財政への反対である。財政危機回避のため、また健全な財政維持の必要から、財政の緊縮はドイツを含め多くの国々で実施されている。これは、あらゆる分野で社会保障費を削減しているため、国民の生活水準は低下する。これに対する猛烈な反対運動だ。緊縮財政ではなく、仕事を増大させる成長計画を実施せよ、というのが共通した要求である。

    左派とリベラル派のデモ

    もちろん今回の全欧州抗議運動を組織したのは、労働組合や市民団体を中心とする左派とリベラル派のデモである。これまで解説してきた極右の影響力はほとんどない。

    その意味では、この全欧州の抗議運動が極右の躍進を意味しているわけではない。ヨーロッパの労働組合を中心としたデモである。日本で言えば、労働組合の「連合」が全国的なデモを実施したようなものだ。

    1920年代のヨーロッパ

    歴史を参照すると、1920年代のヨーロッパでも、全欧州を巻き込むストライキや抗議運動が非常に頻繁に起こっていた。

    もちろん、第一次世界大戦終結後の荒廃したヨーロッパだったので、現在とは比べるべくもないが、出口の見えない深刻な経済停滞と高い失業率、そして低下する生活水準という状況は現代と共通している部分もある。

    このような状況を背景として極右が急速に台頭してきた。

    1920年代の極右

    1920年代のヨーロッパでは、左派とリベラル派の勢力が圧倒的に強く、当初はヒットラーのナチスのような極右勢力が入り込む余地はほとんどなかった。

    ナチスが正式に結成されたのは1918年であったが、ドイツのどの地方でもナチスが「狂信的な異常者の集団」とみなされ、多くの州で政治活動は禁止されていた。活動が許されていた南部のバイエルン州を拠点にかろうじて活動していたに過ぎない弱小党派だった。

    1928年には国政選挙に出馬したが、わずか2.6%の得票率しか得られなかった。5年後の1933年には政権与党となり、ヒットラーがドイツ首相になるとはだれも予想していなかった。この間、なにがあったのだろうか?

    最近、BBCが「彼の暗いカリスマ」という興味深い番組を放映した。ヒットラーのカリスマを題材にした番組である。この番組では実際にナチスの台頭する時代を経験した人々の証言が放映されている。

    ナチスとヒトラーの台頭前には、多くの人がヒットラーに、人間関係が下手で、知的な討論を苦手とし、単純な言葉を繰り返す狂信者という否定的な印象を持っていた。

    第一次大戦の帰還兵、ヘルベルト・リヒターは1920年代に初めてヒットラーの演説を聞いたときの印象を以下のように振り返る。

    「私はヒトラーの演説を聞いた途端、この人物を嫌いになりました。彼はただ単純な政治の考えを繰り返すだけでした。とても正常な人物とは思えませんでした。」

    これがヒトラーに対する当時の一般的な印象であったのだろう。これは、現在のヨーロッパの極右が多くの国民に与えている印象とよく似ている。

    転換点

    しかし、「人間関係が下手」で「知的な討論ができず」、「単純なスローガンを繰り返す」というヒトラーの弱みが、逆に多くの人を魅了する強いカリスマの現れとして見られるようになる転換点がやってくる。1929年から始まる大恐慌である。

    この転換点とヒトラーに対する印象の変化を、この頃にヒトラーを支持するようになったジュッタ・ルディガーは次のように言う。

    「みんなとてもお腹がすいていました。とても大変でした。このような状況で、ヒトラーはまさに救世主であるように見えたのです。私は、ヒトラーこそ自分を顧みないでドイツ国民のために命を捧げる人物のように見えました。」

    1920年代、ドイツやイタリア国民の多くは、当初は左派やリベラル派の抗議運動や改革、そして政府の経済政策に期待し、それらを支持したのであろう。

    しかし、1929年以降、経済の停滞は予想を越えて深刻になり、左派やリベラル派の運動や政権では問題の解決はまったくできないことが明らかになるにつれ、それこそ雪崩をうったように極右の支持へと回ったのだ。

    カリスマがいない現代の極右

    いまドイツを除くヨーロッパは、深刻な不況の最中にいる。ギリシャやスペインの失業率は20%を越えている。これは戦前よりも悪い数値だ。

    では、これから戦前のように極右が台頭し、しばらくすると極右政権が誕生するのだろうか?

    そうとは簡単に結論することはできない。現在のヨーロッパで、緊縮財政の実施で失業率が上昇し、生活水準が低下しているといっても、戦前のように国民が飢える状況ではない。戦前にはなかった現代の社会保障システムはまがりなりにも機能しており、飢えが蔓延するような状況には少なくともない。

    ましてや、ヒトラーのような、極右を象徴する暗いカリスマは、現代のヨーロッパにはまだ現れていない。

    しかし、今後、EU諸国の経済が一層悪化し、なおかつ戦前のような強い求心力があるカリスマが出現したらどうなるだろうか?

    一層躍進する極右、EU分裂は政治から?

    ヨーロッパにおける極右勢力躍進の背景には、現在の信用不安と財政危機、そして長期化する不況による統合EUへの信用喪失がある。急性の危機は脱したものの、「失われた10年」を思わせる長期的な不況がこれから続く可能性が極めて高い。

    とするなら、極右の躍進する状況はこれからも長く続くと見て間違いない。

    もちろん、これから数カ月で状況が激変するというようなことはないだろうが、2013年、14年、15年とEU諸国で毎年選挙が実施されるたびに極右政党は躍進し、与党として政権を担当する極右政党も出現するはずだ。

    そのとき、強烈なカリスマ性のあるリーダーが出現したとするならどうなるだろうか?少なくとも、そのときがEUの分裂の危機が本格化するときだろう。

    では日本は?

    いま日本では、第3極と呼ばれる流れが顕在化しつつある。少なくとも外交政策に関する限り、次期安倍政権とともに、かなり右傾化したナショナリスティックな流れなんるはずだ。

    この流れの行き着く方向は、どうなるのだろうか?日本に関してはいずれ徹底して書いてみたい。

    続く

    新しい本の紹介

    また新しい本が2冊出ました。表紙はセンセーショナルですが、中身はけっこうまじめです。これまでのメルマガや雑誌の記事の内容に一部加筆し、修正した内容です。いま日本は大きな転換点になっています。世界の現状を踏まえ、現在の日本の立ち位置を確認するにはよい本ではないかと思っています。よろしかったぜひどうぞ!

    elen

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    むちゃくちゃおもしろかった講談

    筆者は月刊ザ・フナイの連載を書いていたが、読者の方に講談師の方がおり、会う機会があった。筆者は講談はこれまで聞く機会がなかったが、実におもしろかった!今後はスピリチュアル系の講談をやるそうである。サイトに音声ファイルがあるので聞いて見たらよいだろう。

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