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    2012-07

    未来はどのように決定されてるのか?

    7月20日

    なんとか更新できた。いつも記事を読んでくださっている読者の方に感謝する。

    高松の講演会

    以下の日程で高松の講演会を行います。お近くの方はぜひどうぞ!今回の講演会は面白くなりそうです!

    日時  平成24 年07月27日(金) 18:30受付   19:00~公演開始
    場所  高松テルサ  今回は3F視聴覚室が取れませんでした申し訳ありません(汗

    テルサ会場内の掲示板にて部屋の確認をお願いいたします
    〒761-0113 香川県高松市屋島西町2366-1
    Tel:087-844-3511  Fax:087-844-3524

    会費   3,000 /人

    講演会後、高島先生を囲んでの懇親会を予定しております。場所 未定ですが高松市内にて行う予定です。

    主 催  里坊会計事務所 里坊昌俊

    実行委員 有限会社ウエストフードプランニング小西啓介

          ソニー生命保険株式会社 山下智幸

          株式会社京蔵 京兼慎太郎

          株式会社クリード インテグレーション平野伸英

    内容

    ユーロ危機継続・・・ まだまだ続くのかユーロ危機。 経済成長失速の連鎖が加速している中、アメリカは大統領選挙。

    日本は消費税増税法案の衆議院可決から政党の縮図が大きく変化し、解散総選挙が一体いつ起きるのか?

    また、アメリカでは史上最大規模の大干ばつが発生し先物市場が急騰し、世界の大半の国々が息切れ切れの様相を呈しています。

    今後の私たちの住む世界・日本はどう変化していくのかズバリお話していただこうと思います。


    船井幸雄オープンワールド2012のご案内

    「船井幸雄オープンワールド2012」に講師として出演を依頼されました。横浜で行います。よろしかったらぜひどうぞ!今回は占星術のスティックエバース氏と一緒です。

    船井幸雄オープンワールド2012

    高島の出演日時

    9/22(土・祝)大ホール
    11:30-12:40
    歴史的な転換点の相実:2012年から先の未来へ


    お知らせ

    5月21日、ウエブボットの報告書の最新版が発表になりました。いま詳細な要約の作業を続けていますが、これまでのように「予言解説書」のような体裁で出すことはしないことにいたしました。詳細な要約はすべてメルマガに発表いたしますので、最新報告書の内容を知りたい方は、メルマガを購読なさってください。

    記事全文を音声ファイルにしました。よろしかったらどうぞ。3日で削除されますので、お早めにどうぞ。

    音声ファイル

    お知らせ

    講談社のサイト、プロジェクト・アマテラスに作品の投稿を求められました。以下のサイトで読むことができます。「試論、そもそも予言とはなにか?1」です。画面右側の「このプロジェクトの投稿」から見ることができます。よろしかったらどうぞ!

    未来はどうなるのか
    http://p-amateras.com/project/61

    新しい本の紹介

    「神霊の世界に覚醒して」サンドラ・インガーマン、ハンク・ウエスルマン著、高島康司、豊田泰士訳

    shaman02

    このブログでも何度も紹介したことのあるシャーマンで人類学者、ハンク・ウエスルマン博士の名著、「Awakening to the Spirit World」の翻訳が完成した。2010年にアマゾンで1位になった本である。

    本には、シャーマンの世界をトランス状態で経験しやすくさせるCDが付いている。本は、CDの使い方と、シャーマンの世界で体験する内容の解説書だ。筆者もCDを聞いて見たが、聞ききながら寝ると、たしかに多くの夢を見て、会ったことのない多くの人物が現れる。興味深い体験だった。

    よろしかったらぜひどうぞ!

    新しい本の紹介

    また新しい本が出ます。今度は様々なサイクルに注目し、コルマンインデックス以後どのようなことが起こるのか解説した本です。ブログやメルマガの内容を大幅に加筆修正しました。

    コルマンインデックス後 私たちの運命を決める 近未来サイクル

    cycle03

    よろしかったらぜひどうぞ!

    有料メルマガのご紹介

    前々回のメルマガ


    今回はさまざまなソースから得た地震の情報を紹介した。いま、ある地震予測の方法が注目を集めている。将来には大きな地震が発生する数日前に、地震予報が発表できる可能性が出てきた。

    それは、地震が発生する数日前から観測される電離層の変化である。

    電離層とは、大気圏と大気圏外を隔てる境界である。地震発生の数日前になると、電離層では以下の3つの変化が観測され、地震予知が可能となることが分かった。

    1)震源域上空の電子量の増大

    電離層では、太陽光線の影響で酸素から分離した電子が大量に漂っている。電子の量は太陽光線のあたる日中には増大し、夜間には少なくなる。しかし地震の数日前からは、震源域上空の電離層で、夜間でも電子量が多い日中のような状態となる。これは、断層が動いて花崗岩が破壊されたときになんらかの気体が放出され、この影響でこのような現象になるのではないかと見られている。

    2)震源域上空の温度の上昇

    地震の数日前から、震源域上空の電離層の温度が急に高くなる現象が観測されている。昨年の3月8日から、東日本大震災震源の宮城沖上空でも観測されていた。これは、断層が動いたときに破壊された花崗岩からラドンなどの気体が大量に放出されることが原因だろうと見られている。

    3)震源域の電波の到達時間が短縮

    断層が動いたときに花崗岩が破壊されると、電磁波を放出することが観測されている。電磁波の放出で電離層が撹乱する電離層擾乱という現象が起こる。これが発生すると、震源域では電波の到達時間が早まることが知られている。ひとつの地域からもうひとつの地域にVLF電波やULF電波を送信し、到達時間の変化を計測することで、地震の予知がある程度可能になると見られている。

    1)は赤外線衛星の画像が公開されており、実際に見ることができる。また2)は、電機通信大学と千葉大学の連携プロジェクトが有料サービス、「地震解析ラボ」で見ることができる。

    他の情報では、北海道南端のえりも岬から歯舞島までの海域で、約500年に一度の割合で発生している500年間隔地震と、名古屋周辺の猿投ー高浜断層が注目されている。だがいまのところ、赤外線衛星の画像や「地震解析ラボ」では変化は確認されていない。

    前々回はこのような内容を詳しく解説した。

    前回のメルマガ

    前回は、いま緊張している尖閣諸島の領有権問題と、日中の衝突の可能性を解説した。

    尖閣諸島の問題だが、日本ではほとんど知られていない情報が多く存在する。それらの情報を参照すると、日中の間で小規模の小競り合いが起こってもおかしくない状況になっていることが分かった。

    いま尖閣諸島を含む海域では、21カ国が参加したアメリカ主導の海上軍事演習、「リムパック」が実施されている。8月7日に終了する見込みだ。

    したがって尖閣諸島では、8月7日までは大きな動きはない可能性が大きいが、7日以降は急に情勢が不安定になる可能性も出てくる。

    前回はこのような内容を詳しく解説した。

    今回の記事

    最近、未来予測に関して筆者なりの結論が出始めている。もちろん、これが最終結論ではまったくない。とりあえずの仮説である。今回はこれを解説する。

    未来予測

    このブログを立ち上げたのは2007年5月である。未来予測というものが、実際に可能なのかどうか検証して見たかったことが動機だ。そのため、シンクタンクや社会科学系の理論による予測、そしてスピリチュアル系の予言まで手当たり次第に紹介してきた。

    そうした予想の的中結果だが、決して高いとは言えない。それどころか、ほとんど当たらないというのが現実だ。

    もちろん、ものごとが規定の理屈通りの方向に進み、出来事が実現する予測のほうが圧倒的に多い。どこかの国の国債が格下げされると、国債は下落するので金利は上昇する。するとその国の景気は悪化し、通貨も下落する方向に向かう。どの分野でもそうだが、その分野のちょっとした理論を適用すればだれでも予測ができる。これらはすべて想定することのできる未来の出来事である。

    しかし未来予測というとき、我々がもっとも知りたいのは、想定外の出来事である。金融危機、革命、暴動、巨大地震、津波など、突然と発生し、社会を混乱に陥れる誰も予想していないパニックである。これが未来予測の本来の意味だろう。

    的中率が非常に低いのは、こうしたパニック型の出来事である。

    予見可能な危機は起こらない

    一方、危機が予見可能なとき、危機は回避されてしまい、実際に発生することはほとんどない。5月31日の記事にも書いたが、その理由はいたって簡単だ。

    最悪のシナリオが想定できるとき、政府や関係機関はそれをを回避するために全力を尽くすので、最悪の危機は事前に回避されるからだ。

    もちろん、回避行動を取ることができなかったとしたら、最悪のシナリオは現実のものとなる。たとえば、もし金融商品のCDOの破綻から始まった金融危機を手を打つことなく放置していたら、金融危機は拡大し、いまの世界経済のシステムはクラッシュしていたに違いない。

    だが、最悪のシナリオが想定可能、認識可能である限り、そのようなことにはまずならない。危機のシナリオが予測できるとき、崩壊のプロセスは回避されるのだ。

    いま世間では、危機のシナリオがたくさん出回っている。それらは論理的であるだけに、一見説得力があるように見える。たとえば、それは次のようなシナリオである。

    緊縮財政に消極的なギリシャ政府とEUとの交渉が決裂し、金融支援を受けられなくなったギリシャがデフォルトする。ギリシャ国債は紙くずとなり、これを保有する世界の金融機関は巨大な損失を計上する。その結果、銀行間取引が縮小し、資金繰りに困った金融機関の連鎖倒産からリーマンショックを上回る金融危機が襲来するというようなシナリオだ。

    これは、「~は~になる。したがって~のような危機が起こる」というように、現状の認識から危機の可能性を論理的に導くタイプの認識である。このような危機のシナリオが予見可能であるとき、関係機関はこれを回避するためにあらゆる手を打つ。その結果、危機は実際に回避され、予想は外れる。予想可能な危機は起こることはないというのはこの意味だ。

    想定外の危機

    本当の危機とは、事前に予想が不可能な想定外の危機である。そうした出来事は想定外であるので、論理的な予測を行うことは困難だ。そのため、事前に回避する処置を取ることは非常に難しい。

    ちなみに、このブログを始めた2007年5月は、金融危機が起こる前であった。世界経済は不況や恐慌を完全に乗り越えたので、今後はテクノロジーの急速な進化がけん引する世界経済の未曾有の拡大が永遠に続くとするとするニューエコノミー論が一世を風靡していたときだ。

    同じころには、フランシス・フクヤマの「歴史の終わり」という本がまだ強く信じられていた時期でもあった。この本は、アメリカは共産主義に勝利したので、アメリカ流の自由主義に基づく民主主義が世界をリードし、全世界が民主化し永遠に発展するだろうという内容であった。

    しかし、その後数年で起こったことは、これらの予想がすべてなんの根拠もない幻想であることを暴き出した。サブプライムローンの破綻と2008年9月のリーマンショック、2010年2月から始まったアラブの春、2010年から始まり、いまも続くPIIGS諸国の財政破綻とユーロの信用危機、メキシコ湾の原油流失事故、2011年3月11日の東日本大震災といまも続くとフクイチの放射能漏れ事故など、過去のすべての楽観的な見通しを吹きどばす未曾有の危機の連鎖であった。

    これをそれ以前の2002年から2007年の5年間と比べると、この期間の危機がいかに多かったかが分かる。2002年から2007年の期間の目だった出来事は、イラク戦争、スマトラ大地震、ニューオリリーンズが冠水したハリケーン・カトリナなどだ。危機の数は圧倒的に少ない。

    これを見ると、やはり2007年から2012年は未曾有の危機が連鎖した時期であったと改めて思い知らされる。

    これらの危機に特徴的なことは、これらの出来事が起こることはだれも予想できなかったことである。つまり、想定外であったことだ。金融危機しかり、アラブの春しかり、東日本大震災しかりである。もしこれらの危機が少しでも事前に予測できていたのなら、事前に回避処置が取られ、パニックが起こるほど危機は拡大しなかったはずだ。

    東日本大震災のような自然災害でもそうだ。いまとなってみれば、2日前からM6を越える地震が相次いで起こったり、震源域上空の電離層の温度が極端に高いなど、数々の予兆があった。もしこれらの予兆を事前に把握できていたなら、早期の避難勧告を出すことができ、大惨事は回避されていたかもしれない。

    このように、予測不可能で想定外の出来事こそ危機の本質であり、パニックを引き起こすのである。

    本来の危機は、「~は~になる。したがって~のような危機が起こる」というように、現状の認識から危機の可能性を論理的に導くことは不可能なのだ。それは、想定可能な認識の外部にある。つまり、危機は認識の極北に存在するからこそ危機なのだ。


    筆者は、認識の極北に存在する危機を予見する手段としてサイキックな人々の能力や、スピリチュアル系の枠組みなどが使えるかどうか試して見た。

    しかし結果は芳しくなかった。筆者が信頼するほんの一握りの例外を除いて、ほとんどの予言は大きく外れた。これは、サイキックな特殊能力やスピリチュアル系の枠組みを使っても、認識の外部にある出来事を予見することがいかに困難であるのか証明している。

    第一次世界大戦の例

    認識の外部にあることは予見できない。予見ができないので、危機の発生を回避することができず、危機は連鎖的に拡大してしまう。これが、危機の原則であろうと思う。

    この原則は、過去に起こった多くの歴史的な大事件にも共通している。たとえば第一次世界大戦である。

    周知のように、第一次世界大戦の引き金を引いたのは、バルカン半島セルビアの都市、サラエボの過激な民族主義者の放った凶弾によって、オーストリア・ハンガリー帝国のフェルディナンド大公が暗殺されたことだ。1914年6月28日の事件であった。

    その後、7月28日にはオーストリア・ハンガリー帝国はセルビアに宣戦布告、そして7月31日には、セルビアと安全保障条約を締結していたロシアが総動員態勢に入った。これで戦争は一気に拡大し、ヨーロッパの主要国とアメリカを巻き込む世界大戦へと突き進んだ。

    だれも予想していなかった

    これは、認識の外部にある想定外の出来事が歴史的な大事件の引き金を引くことになった好例だ。

    フェルディナンド大公の暗殺が世界大戦の引き金を引くことはだれも予想していなかった。これは、世界の動向をもっとも敏感に感じ取る金融界の動きを見るとよく分かる。

    どの戦争でもそうだが、戦争に突入すると問題となるのは戦費の調達である。どの国も国債を大量に販売してこれを調達しようとする。

    すると、債券市場にはその国の国債が溢れるので、国債の価格は低下し、金利は上昇するのが常である。大きな戦争が予見されるとき、複数の国債でこれが起こるので、債券市場が値崩れを起こす前に、先を見越して国債を売ってしまうのが投資家の通例の行動だ。戦争を予期したときの投資行動である。

    ところが第一次世界大戦では、オーストリア・ハンガリー帝国がセルビアに宣戦布告をしても、またロシアが総動員令を発令しても、国債価格は上昇し続け、金利は下落した。

    その理由は、ヨーロッパ諸国の指導者が協議し、戦争回避に向けた打開策が出てくるものと強く信じられていたからだ。最悪な場合でも、オーストリア・ハンガリー帝国とセルビア共和国の戦争は局地紛争の域を出ることはなく、拡大するはずはないと固く信じられていた。

    要するに、サラエボの暗殺が第一次世界大戦のような大戦争の引き金になるというシナリオは、当時の投資家の認識の外部にあった。完全に想定外であった。

    1929年の株価の大暴落とその後の大恐慌

    認識の外部にある出来事が危機が連鎖する引き金になるというのは、1929年のニューヨークダウの大暴落とその後の大恐慌でも同じである。

    1929年10月24日、ニューヨークダウは前日よりも10%以上下落した。これは近年まれに見る大暴落であった。さらに28日と29日にはそれぞれ12%と11%下落し、下落の連鎖が続いた。

    いまから見ると、株の大暴落そのものは防げなかったものの、これがその後10年間続く歴史上まれに見る大恐慌の引き金になることを回避することは十分に可能であったと見られている。

    リーマンショックで頂点に達した前回の金融危機で、FRBや米政府が行ったことを実施すればよいのである。つまり、大きな損失を出した金融機関に政府が大量の資金を注入し、連鎖倒産が起こるのを防げばよい。実際、2008年から2009年にかけて、米政府とFRBはこの方法で金融危機の拡大を防止した。またEUも、速度は遅いが欧州中央銀行による資金注入で欧州の金融機関の連鎖倒産を防止している。

    いまから見るととても簡単なように見えるが、1929年や30年当時、このような処置は思いもよらないことだった。当時は、経済は市場の自動的なメカニズムによって調整されているので、市場に任せておけば相場は自然と回復し、安定した均衡状態になると強く信じられていた。

    そのため、政府が市場に介入したり、ましてや金融機関に資金を注入することなど考えられもしないことであった。

    もちろん金本位制なので、金備蓄を越える銀行券は発行できなかったこともある。だが当時の政府は、政府が市場と金融機関に介入すれば経済のバランスを崩し、状況を悪化させると強く信じていた。株価の大暴落が大恐慌の引き金になる可能性があるとの認識は、政府の認識の外部にあった。

    ニューディールのような新しい政策を実施するためには、認識の枠組みを根本から刷新しなければならなかった。

    認識の外部を認識する

    歴史のこのような例からも分かる通り、危機の引き金となるような出来事は、認識の外部にあり、簡単には予見できない。後で振り返ると、見落とし、見過ごし、エラーなどと片付けられてしまうような出来事だ。

    反対に、そうした出来事が十分に想定可能であるとき、危機の連鎖の発動は事前に回避され、コントロールされてしまう。したがって、それは危機にはならない。


    では、そうだとしたら、認識の外部にあって危機の引き金となるような出来事を、事前に認識することなどできるのだろうか?これは、見えないものを見る行為だ。

    自己組織化臨界状態

    「自己組織化臨界状態」という概念を使うと、筆者はこれは可能ではないかと思う。

    「自己組織化臨界状態」と聞くと、とてつもなく難しい概念であるように聞こえるかもしれない。だが決してそうではない。比較的に分かりやすい考え方だ。

    この概念は、複雑系と呼ばれている理論群に属する考え方で、15~16年くらい前の1990年代の後半にブームとなった。覚えておられる読者の方も多いだろう。

    これは、どんなシステムでも、ストレスが溜まりいつでも変化してもおかしくない臨界状態に達したとき、小さな変化がシステム全体を根本的に変化させる起爆剤になり得るとする考え方だ。ストレスが高い状態が続くと、どんなシステムでも、そうした臨界状態に到達してしまう。

    ヒット曲の例


    これは、具体的な例を参照すると分かりやすい。たとえばヒット曲だ。ある曲が大ヒットすると、その後に続く曲は同じスタイルの曲が主流になる。ラップがヒットすればラップが主流のスタイルになり、KPOP(筆者も大好きだが)がヒットすると、日本でもKPOPと同じようなスタイルの曲が多くなるというような具合である。

    だが、同じような曲ばかりがリリースされる状態が長く続くと、市場は飽和状態となり、消費者は飽きてくる。すると、もっともヒットしているミュージシャンを集めた鳴り物入りの曲を出しても、思ったほどにはヒッしない状態になる。このとき、市場は新しいスタイルの曲を求め、変化を望む。これが臨界状態である。

    このようなとき、新宿の裏通りのライブハウスで固定ファンに人気があるバンドがあった。これを特に大きなプロモーションもせずにデビューさせたところ、空前の大ヒットにつながった。このバンドのヒットの後は、同じスタイルの曲ばかりが出され、これが主流のスタイルになった。

    ここでは、市場は新しいスタイルの曲を求めているので、ちょっとした曲のリリースが大ヒットにつながる可能性があった。だが、どの曲がヒットするのかは事前に予測が困難なのだ。

    これは、ヒット曲だけではなく、あらゆる製品とその市場に当てはまる原則だ。

    巨大地震の例


    自己組織化臨界状態の概念は、経済のみならずあらゆるシステムに適用できる。プレート型の巨大地震も自己組織化臨界状態のよい例である。

    周知のように、プレート型の地震は、沈み込むプレートに引きずり込まれた陸地側のプレートが、歪みの圧力に耐え切れなくなって反発することで発生する。

    しかし、2つのプレートのすべての接触面で同程度のエネルギーが蓄積されているわけではない。2つのプレートの密着する度合いはエリアによって異なっている。2つのプレートの岩石が密着した領域と、そうでない領域が存在する。密着した領域は「固着域(アスペラティー)」と呼ばれている。

    「固着域」が沈み込むプレートの圧力に耐えられなくなり弾けると、地震が発生する。2つのプレートがぶつかるエリアには複数の「固着域」が存在し、それぞれが震源となる。

    いまは、ひとつの「固着域」だけが単独で弾けても巨大地震にはならないと考えられている。せいぜいM6からM7クラスである。東日本大震災のようなM9クラスの巨大地震は、複数の「固着域」が同時に弾けた場合に発生すると見られている。つまりは複合型の地震だ。東日本大震災ではまさにこれが起こった。

    どの地震がきっかけになるのか?

    では、複数の「固着域」を同時に反発させるきっかけとなる地震はどのような地震なのだろうか?

    イメージからすると、M7くらいのそれなりの規模の地震であるように思うかもしれない。しかし、現実はそうではない。どんな規模の地震でも引き金になり得るということが分かっている。たとえ、M2のような小さな地震でもだ。

    そのため、どの地震が複合型の巨大地震の引き金になるのか予想がつかないと考えられている。

    自己組織化臨界状態の視点では?

    これは、ヒット曲や製品の市場などのような例とほぼ同じような状況だ。2つのプレートがぶつかっているので、大変なストレスが溜まっている。ちょっとした変化が引き金になり、巨大地震がいつ発生してもおかしくない臨界状態に達している。

    この状況では、どの地震も複合型の巨大地震の引き金になり得るので、引き金は特定できないということだ。

    それは、音楽の市場が臨界状態に達している状況で、プロモーションもせず、ふとしたことでリリースした曲が予想を越えてヒットし、ヒット曲の動向を変化させてしまうようなことと同じような変化だ。

    自己組織化臨界状態と歴史

    話を元に戻そう。フェルディナンド大公の暗殺や1929年の株の大暴落の例にも見られるように、歴史的な危機の連鎖の引き金となる出来事は、通常の認識の外部にあり、普通の方法では予測ができない。

    反対に、十分に想定可能な危機は、事前に回避され、コントロールされてしまう。それは危機ではない。

    自己組織化臨界状態の視点から見ると、この状況はヒット曲や市場の突然の変化、そして巨大地震の発生のメカニズムととてもよく似ていることが分かる。つまり、以下の原則が適用可能だということだ。

    1)ストレスの溜まった臨界状態

    アラブの春が始まる直前の状態、ユーロの信用危機、緊縮財政に反対する大規模な抗議運動などは、社会的・経済的矛盾が頂点に達した臨界状態だ。これは社会の断層帯である。

    2)ちょっとした変化でも危機の引き金になり得る


    ストレスの高いこのような臨界状態では、ちょっとした変化が、巨大な危機を連鎖させ、状況を一変させる引き金になる得る。

    3)想定可能な危機の引き金は管理され、発動しない

    いま、いくつかの危機のシナリオがまことしやかに考えている。それらは、ギリシャやスペインのデフォルトが引き金となる世界的な金融危機の発生、シリアの内戦の周辺諸国への拡大とイスラム原理主義の中東全域への拡大、EU諸国の緊縮財政に反対する激しいデモによる複数の政府の崩壊などの危機連鎖のシナリオだ。

    しかし、これらの危機はすべて想定可能なので、関係機関はこれらの出来事が危機の引き金にならないように徹底的に管理し、これを回避することだろう。

    したがって、こうしたシナリオが実現する見込みは非常に低いと考えることができる。要するに、想定可能な危機は回避されるということだ。

    4)注目していない小さな変化が危機連鎖の引き金になる

    社会的な矛盾のストレスが臨界状態に達した断層帯では、どんな小さな変化も極端な変化の引き金になり得る。サラエボのフェルディナンド大公の暗殺、1929年の株の大暴落などはそうした引き金の典型だ。

    最近では、「アラブの春」が中東全域に拡大するきっかけとなった「チュニジアの野菜売りの青年の焼身自殺」などがこうした例だ。この焼身自殺が地方の小規模なデモを誘発することは予想できたであろうが、これが中東全域に拡大する「アラブの春」の引き金を引く出来事になることはだれも予想できなかった。

    ネットが拡大する

    これが、自己組織化臨界状態のモデルを社会や経済に適用した結果だ。おそらく、危機はこのような原則にしたがって発生し、思っても見ないような危機の連鎖につながって行くのだろう。

    そして、まったく注目されない出来事を、危機のきっかけにまで拡大する作用を果たすのはインターネットによる拡散であろう。ユーチューブなどでは、多くの人々が経験する日々の出来事がアップされている。

    ネットによって、普通は注目を浴びないそうした出来事が多くの人々を結集させ、危機の連鎖のきっかけになる可能性がある。

    つまり、ネットの存在によって、臨界状態に達したシステムに変化を引き起こす小さなな出来事が、とてつもなく増えてしまったということだ。言い換えれば、臨界状態に達した現代の断層帯は、これまでは考えられないくらい、どんな小さなな変化にも敏感になっているということである。

    次の危機の引き金になり得る出来事を予測する

    これが自己組織化臨界状態の概念だ。では、この原則を適用したとき、どのような出来事が危機の連鎖の引き金になるだろうか?それは、社会的ストレスが蓄積された断層帯上にありながら、だれも注目していない地域で起こるのではないだろうか?

    たとえばヨーロッパなら、ユーロ圏には加盟していない経済的・政治的に弱いEU加盟国、ないしは加盟を目指している国々などで起こる出来事が引き金になるかもしれない。マケドニア、セルビア、ルーマニア、ブルガリア、エストニアのような国々だ。

    あまりに記事が長くなるので、これは記事を改めて解説する。

    次回に続く

    新しい本の紹介

    また新しい本が2冊出ました。表紙はセンセーショナルですが、中身はけっこうまじめです。これまでのメルマガや雑誌の記事の内容に一部加筆し、修正した内容です。いま日本は大きな転換点になっています。世界の現状を踏まえ、現在の日本の立ち位置を確認するにはよい本ではないかと思っています。よろしかったぜひどうぞ!

    elen

    shihaisha

    むちゃくちゃおもしろかった講談

    筆者は月刊ザ・フナイの連載を書かせてもらっているが、読者の方に講談師の方がおり、会う機会があった。筆者は講談はこれまで聞く機会がなかったが、実におもしろかった!今後はスピリチュアル系の講談をやるそうである。サイトに音声ファイルがあるので聞いて見たらよいだろう。

    田辺鶴瑛

    筆者のいとこのブログ

    筆者にいとこがスピリチュアル系のカウンセラーになっていたのを最近知ることとなった。以下にリンクする。よろしかったらどうぞ。

    ねもとまどかの「宇宙のゆりかご」

    本の出版のお知らせ

    今度、また講談社から英語の本を出した。筆者も強く感じているが、やはり英語は仕事では必須となりつつある。しかし、実際に英語を使う相手は欧米人とは限らない。中国や韓国なのどのアジア出身の人々も多い。そのような状況のなか、この本では普遍的なコミュニケーションの手段としてのグロービッシュに注目し、これをマスターする方法を解説した。英語に関心がある方にはぜひお勧めしたい!

    日本人が「英語ペラペラ」を本当に実現できる本 (講談社+α文庫)

    eigohon

    また本が出ます。前著の続編にあたる本です。今度は今のシステムのつっこんだ解説と将来の予測です。よろしかったらどうぞ。

    「支配ー被支配の従来型経済システム」の完全放棄で 日本はこう変わる コルマンインデックス未来予測[2020年までの歩み] (ヒカルランド)

    nihonn

    また本を出版しました。今度は徳間書店からです。今回は、このブログの内容を大幅に加筆修正し、未来予測を行った本です。よろしければぜひどうぞ!

    未来予測コルマンインデックスで見えた 日本と経済はこうなる(徳間書店)

    koru

    今回、講談社から英語本を出版しました。通勤途中に電車の中で軽く読める本です。ちょっと英語に興味がある人はぜひどうぞ!

    通じる英語 笑われる英語

    eigo

    「いったい世の中どうなっているんだ!こんな時はマルクスに聞け」(道出版)

    体裁としては「資本論」の解説書のような本だが、マルクス礼讚の本ではない。われわれはこれからなんとしてでもサバイバルして行かねばならない。そのための状況認識のための書として有効だと思う。よろしかったらぜひどうぞ!

    marx

    このブログの基本方針

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    読むとくドットコム

    筆者がコンサルティングにかかわっている会社が子供用の国語音声教材の提供を始めた。子供用だが、実によい名作がmp3の音声ファイルで聴くことができる。大人の心の琴線に触れる作品がとても多い。よいサイトだと思う。よかったらどうぞ!

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