番外編 思いっきり予言3
あいかわらず遅い更新になってしまった。いつも読んでいただいている読者の方には感謝する。
講演会のご案内
また講演会を依頼された。今度はゲストの講師と一緒だ。以下の日時で実施するそうである。案内サイト。
ヤス先生の未来社会創造講座
第1回:2012年2月25日(土)
第2回:2012年4月28日(土)
第3回:2012年6月23日(土)
会場:品川フロントビル(品川駅 徒歩5分)
スポット参加 : 1名様14,000円(税込)
3回シリーズ参加 : 1名様39,000円(税込)
12:30 開場
13:15 各回ゲスト講師
15:45 休憩
16:00 高島康司氏
18:30 終了予定
お時間があればぜひどうぞ!
新しい本の紹介
また新しい本が出ます。今度は様々なサイクルに注目し、コルマンインデックス以後どのようなことが起こるのか解説した本です。ブログやメルマガの内容を大幅に加筆修正しました。
コルマンインデックス後 私たちの運命を決める 近未来サイクル

よろしかったらぜひどうぞ!
記事全文を音声ファイルにしました。よろしかったらどうぞ。3日で削除されますので、お早めにどうぞ。
音声ファイル
有料メルマガのご紹介
今回はまずイラン戦争が始まる可能性を検討した。日本では、ホルムス海峡を閉鎖する構えを見せているイランを、イスラエルがいつ攻撃してもおかしくない状況だと報道されている。
だが実際はそのように緊迫した状況ではないことが分かった。イスラエルには、アメリカやロシアなどから強い圧力がかっており、容易には攻撃できない状況が続いてる。ロシア軍参謀本部の元参謀、レオニード・イワショブ中将は、「イランとシリアが攻撃されたなら、ロシアは両国を守るために軍事力を使うことになるだろう。これらの国々に対する攻撃は、ロシアに対する攻撃と見なす」と発言した。これはロシア政府の本音だろうと見られている。
CIA系シンクタンク、ストラトフォーの代表で元CIAの分析官、ジョージ・フリードマンも、「いまはイスラエルのリスクが大きすぎ、イラン攻撃の可能性はかなり低い」としている。こうした情報から見て、当面イラン攻撃は起こらないと見た方が妥当だ。
次に、ウエブボットプロジェクトの最新報告書、「2012年から2020年の歴史」の内容を引き続き紹介した。今回は日本に関する興味深い予測が存在した。
前回はこのような内容を解説した。
今回の記事
福島の鳥類に対する低線量被爆の影響の調査報告が公開された。日本ではまったく報道されてないようなので、これを詳しく紹介する。
次に、過去のメルマガに掲載した予言をブログにも掲載してほしいというリクエストを多数いただいた。リクエストに応え、一部を紹介する。
いまの状況
福島をはじめ東日本全域で、放射線量の高いホットスポットが多数発見されている。放射能汚染はまだまだ続いており、安定したとはとても言えた状況ではない。
一方、周知のように、低線量被爆の健康への影響に関しては科学者や専門家の間でも完全に意見が2分している。生涯の被爆線量が100ミリシーベルト未満であれば健康に際だった影響はないとする日本政府の公式見解から、年間1ミリシーベルトを越える線量でも健康への影響は大きいとする欧州放射線リスク委員会(ECRR)までさまざまだ。
そのような状況もあってか、いま我々は放射能汚染や被爆などまったく問題にしていないかのように生活している。多くの日本人の意識は3.11以前に戻ったかのような状態だ。
実質的に初めてとなる低線量被爆の調査報告
そのような状況になっているのも、福島をはじめ、汚染地域の低線量被爆に関する科学的な調査が実施されていないか、実施されても結果が公表されていないので、動植物や人間へのはっきりした影響が分からないことが背景にあると思われる。
そのようなとき、福島の鳥類への低線量被爆の調査報告が公開された。この種の調査では初めての報告である。
その報告書は「チェルノブイリからみた福島における鳥の個体数」である。オランダのアムステルダムに本部がある著名な科学誌出版社、「エレスヴィア」が出している環境問題専門誌、「環境汚染」の2月号に掲載された。
要約は無料で見ることができるが、論文全体は有料である。32ドルと少し高かったが、どうしても読みたかったので筆者は購入した。
この調査で、福島県内の放射性物質による汚染が高い地域で鳥の個体数が減少していることが明らかになった。論文の内容の要約は、このサイトを参考にさせていただいた。
これは、チェルノブイリ周辺の鳥類の個体数が原発事故以降かなり減少したことから、福島の第一原発に近い地域でも同様の変化がみられるかどうか調査したものだ。チェルノブイリ事故のツバメの調査などから、鳥類は放射能に敏感であることが知られているので、低線量被爆の人間を含めた動物への影響を知る上で貴重なデータとなる。
これは、立教大学、長崎大学、福島大学、Paris-sud大学、そしてサウスカロライナ大学の研究者らが、2011年7月、福島県内の300地点で鳥の種数と個体数の調査だ。調査は、QIAGEN GmbH社、サミュエル・フリーマン チャリティー基金、フランス国立科学研究センター、そしてアメリカ合衆国サウスカロライナ大学による資金提供によって行われた。
比較の対象となったのは、2006年から2009年に収集されたチェルノブイリ周辺の鳥類14種の個体数の調査と、2011年7月に福島で実施された同じ14種の個体数の調査だ。以下が調査地域である。
調査の対象となった地域は川俣町周辺だろうと思われる。放射線量が最も高い地点は、1時間あたり35マイクロシーベルト、最も低い所で1時間あたり0.5マイクロシーベルトだった。
福島における個体数の減少
データは最新の数学的手法と統計学を用いて解析され、放射線量が異なる地域間で鳥の個体数がどう異なるか調査された。その結果、全体的に鳥の個体数は放射線量が高い所でより少なくなることが明らかになった。
福島での調査結果をチェルノブイリでの調査結果と比較したところ、両地域で共通して見られる14種の鳥類では、チェルノブイリより福島の方が、その個体数に強い負の影響をおよぼしている(減少している)ことが明らかになった。
これにより、福島に生息するこれら14種の鳥類は、チェルノブイリで25年間放射線を浴びている鳥類よりも、より敏感に放射線量に反応していることが推測された。
これは、チェルノブイリと福島での両地域で数多くの共通した結果が見られ、福島では放射線にさらされてから間もない第一世代の動物にすでに放射線の負の影響が出始めていることを示唆している。
以上である。
鳥類の奇形
チェルノブイリでは、鳥類の個体数の減少の他に、奇形が報告されている。2010年のナショナルジオグラフィー誌の記事だ。
「チェルノブイリの高度汚染地域に生息するツバメの異常発生率が、かなり高いことがわかった。部分的な色素欠乏(b、c、d)、クチバシの奇形(e、f)、曲がった尾や左右不均等な尾(h、i)などが発見されている。生物科学者ティモシー・ムソー(Timothy Mousseau)氏と、協力者でフランス、オルセーにあるパリ第11大学のアンダース・モラー(Anders Moller)氏は、チェルノブイリで10年余り鳥類の個体群調査を続けてきた。最近の統計結果では汚染地域の多様性が低下しており、鳥類の種は非汚染地域の約半分に減り、個体数は約40%まで減少し、脳のサイズも小さい。」
これから福島でこれと類似した奇形の鳥類が発見されるかもしれない。
人間への影響は?
今回発表された「チェルノブイリからみた福島における鳥の個体数」で、低線量被爆の影響がやっと明らかになってきた。日本では報道される可能性は低いかもしれない。だが、やはり確実に放射能汚染の影響は拡大してると見た方がよいようだ。
すると、やはり気になるのは人間の健康に対する低線量被爆の影響である。もちろんこれに関しては、専門家の間でも意見が2分してるので断言はできない。だが、調べると貴重な情報が出て来ている。
そのひとつは、リトアニア大学の教授が2009年に執筆した論文、「チェルノブイリ事故による放射性物質で汚染されたベラルーシの諸地域における非ガン性疾患」だ。ネットで日本語訳が公開されているのでぜひ全
ガンではない健康への影響文を読んでほしい。記事をまとめるにあたって以下のサイトを参照した。
この論文が証明しようとしていることは、低線量被爆の影響はガンに限定されず、さまざまな健康疾患を引き起こすということだ。むしろガンは、そのうちの比較的に小さな部分に過ぎない可能性がある。
低線量被爆のもっとも顕著な健康への影響は心臓への影響ではないかという。執筆者のバンダシェフスキー教授は、豊富な実験データを提示し、「セシウム137が人体に与える影響の特徴は、生命維持に重要な臓器や臓器系統の細胞内の代謝プロセスの抑制だとみられる」とまとめている。
さらには「セシウム137により人間や動物の体内に引き起こされる病理的変異をすべてまとめて“長寿命放射性物質包有症候群”(SLIR)と名付けることもできそうである。」と言う。
その症候群は心臓血管系、神経系、内分泌系、免疫系、生殖系、消化器系、尿排泄系、肝臓系における組織的・機能的変異によって規定される代謝障害という形で現れるとしている。
論文から重要な部分を抜粋する。
「ベラルーシの住民の死因のうち主なものは心臓病と悪性腫瘍である。最大死因である心臓病が統計的に有意な増加を示していること、中でもチェルノブイリ原発事故の後処理に関わった人びとの間で増加していることには不安を禁じえない。食物から永久的・慢性的に摂取される状況下において、放射性核種セシウム137は甲状腺、心臓、腎臓、脾臓、大脳など、生命活動のために重要な臓器に蓄積される。これらの臓器が受ける影響の度合いは様々である。」
「通常、いくつかの臓器が同時にその有毒な放射線の影響にさらされると、全般的な代謝障害が誘発される。注意すべきなのは、生理的状況下において細胞増殖が無視できるほど少ないか全く起きない臓器や組織(例:心筋)が最も被害をこうむることである。
生体内に蓄積された場合、セシウム137は代謝のプロセスを阻害し、細胞膜の構造に影響を与えるとみられる。このプロセスは多くの生命維持に重要なシステムの組織的・機能的障害を誘発する。その主たるものが心臓血管系である。心筋における組織的・代謝的・機能的変異は放射性セシウムの蓄積と相関関係にあり、その毒性の影響を証明する。エネルギー産生系システムとミトコンドリア系システムが侵される。セシウム137の蓄積量が増えることによって細胞において重大かつ不可逆的な変化が起こると、類壊死のプロセスが発生する。」
以上である。ちなみに、厚生労働省の「放射線医学総合研究所」の元主任研究官、崎山比早子博士も同じことを言っている。プレゼン「無視され続けてきた癌以外の健康被害」で見ることができる。ぜひご覧いただきたい。
もちろん、これに反対する専門家も多いはずだ。少し調べれば、これを反証するデータも見つかる可能性がある。したがって、低線量被爆の健康への影響はあると断言できない状況だ。いまでもチェルノブイリ周辺の森に生息する動物の個体数を巡って論争が続いている。論争の状況は以下のサイトで読むことができる。
しかし鳥類を含め、低線量被爆の健康への影響を示す調査報告も多数存在することも事実なのだ。一言で言えば、断言はできないものの、限りなくグレーな状況がずっと続いているというのが現状だろう。
そのような状況では、我々ひとりひとりの的確な自己判断が問われるのだ。
以前のメルマガに掲載した予言
次のテーマにゆく。最近、過去のメルマガに掲載した予言をぜひともブログに掲載してほしいとの複数のリクエストをいただいた。そこで今回はご要望にお応えして、以前のメルマガに掲載したジョン・ホーグの2012年予言を掲載する。
メルマガではきわどい内容のディープな予言を多数紹介しているので、影響力の強いブログでは掲載できない。だが、これからも許される範囲でたまにブログに掲載するかもしれない。
ジョン・ホーグ
ホーグはアメリカでもっとも知られたノストラダムスの研究者であり、100万部を越えるベストセラー作家でもある。かつて日本でも「ノストラダムスの大予言」という本がベストセラーになったが、いわばジョン・ホーグはこの本の著者である五島勉と似た位置にいる人物だ。「ディスカバリーチャンネル」などのテレビ番組でノストラダムスのことが話題になると、ジョン・ホーグがかならずゲストとして出演し、四行詩を解説している。
ただ大きく異なるのは、五島勉がノストラダムスの解説者であったのに対し、ジョン・ホーグは占星術などの豊富な知識を駆使し、自らが予言を行うことである。ノストラダムスの解釈は、ホーグ自身の予言を補足し強化するための一つの手段であるといってもよいかもしれない。
ホーグの予言は、西洋占星術を基本にして、発生する出来事の全体的な傾向を占い、それをノストラダムスの四行詩に参照することで何が起こるかビジョンをより鮮明にしてゆくというものである。また、彼自身がサイキックのようで、分析的に抽出した予言を自分の直感で補ってもいる。
春分点歳差
ホーグは西洋占星術を予言のツールとして使う。たが、彼が使うのはわれわれも知る日々の星占いではない。歴史の長期的な傾向を読み取り、それぞれの時期にどのようなタイプの出来事が起こるのか判断するための指標として占星術を使っている。
太陽の見かけ上の通り道である黄道をそれぞれ30度で12の宮に分割したのが占星術の星座である。地球は歳差運動のためコマのように地軸が運動している。そのため、春分点はそれぞれの星座を移動し、約26000年で黄道を一周する。春分点は各星座に2100年ほど止まり、それから次の星座に移動する。これを春分点歳差という。
みずがめ座の時代
これから過去2100年続いたうお座の時代が終わり、時間をかけながらみずがめ座の時代に移行するというのがホーグの基本認識である。「アクエリアンエイジ」の始まりである。これに伴い、人間の集合無意識の構成が変化し、時間を経るにしたがいみずがめ座の時代の特徴が社会全体に出てくるとホーグは考える。
うお座は2100年前に始まりいま終わろうとしているが、その特徴は、原理、信念、信仰、イデオロギー、忠誠など、集団への無条件の忠誠を誓うメンタリティーに特徴があり、うお座の時代の紛争も狂信的な集団の間の衝突にあった。
対照的にみずがめ座の時代の特徴は、科学、理解、直感、個性化などにあるとされる。時代が進むにしたがってこうした方向に人間のメンタリティーがどんどんシフトするので、社会の特徴も大きく変化する。原理や信念、また信仰や忠誠心に基づく多くの社会組織、例えば宗教教団や原理主義の政党などは人々の支持を完全に失い解体の方向に向かう。
一方、それらは解体される過程で、この動きに抵抗する熱狂的な支持者達の手で、組織やイデオロギーは一時的に強化されることがある。その結果、この種の集団間の対立関係もいっそう激しくなり、原理主義に基づく紛争も一時的に多発するようになる。
しかし、この動きはこうした原理主義的な集団の解体過程を加速することに結果にしかならない。なぜなら、この種の集団がイデオロギーや原理に対する信仰を強化しようとすればするほど、すでにみずがめ座のメンタルシフトを経験しつつある人々の心はこうした集団から離れてゆき、組織を見捨てるからである。
36年のリズム
ひとつの星座の時代が続く期間は2100年だが、36年を一区切りとするサイクルを何度も通過しながら次の星座の時代へと移行する。したがって、うお座の時代からみずがめ座の時代への移行は子供が大人へと成長するように比較的にゆっくりと進む。
36年のコズミックデーとコズミックナイト
36年のサイクルはコズミックデーとコズミックナイトという二つの時期からできている。コズミックデーは、次の時代の種が蒔かれ変化の原因が作られる時期である。一方コズミックナイトは、コズミックデーに蒔かれた種が成長し、大きな変化の潮流となって具現化する時期であるとされる。2008年からはコズミックナイトの期間に入っている。
特に強い政治の予言
特にホーグは政治に関連した予言で定評がある。1968年から2004年まで、すべての大統領選挙で結果を的中させており、すでに1997年からヒラリー・クリントンが2008年の大統領選で最有力候補になることを予測し的中させている。
オバマが大統領になった2008年の選挙では以下のように発言している。
「オバマは間違いなく大統領になる運命を背負った人物だが、彼は2008年の選挙で大統領になるべき人ではない。彼はその後の2012年か2016年に大統領になるべきなのだ。すると偉大な大統領になるだろう。だが、2008年に早期に大統領になってしまった場合、暗殺の危機に遭遇するか、または周囲の実力者に阻まれ有効な政策が実行できなくなるだろう」
いまから見るとこれは的中していると言って間違いない。「Yes, we can」を合言葉にしながら2008年の大統領選挙で圧勝したオバマは、巨額の景気刺激策、国民健康保健案、雇用創出法案など数々の改革を立ち上げたが、2009年11月の中間選挙で共和党が大勝したため、改革は茶会派を中心とした保守層の頑強な抵抗に遭い実質的に前に進まなくなっている。
ホーグはこのような状況になることを、2008年の大統領選挙終了直後に予言していた。
的中率の高い毎年の予言
またホーグは、毎年の予言を電子ブックの形式で年の初めに公開している。ゆうに100ページを越え、政治や経済のみならず社会のあらゆる領域をカバーする詳細な分析と予言だ。分析の深さには定評がある。予言は有料で、12.5ドルする。
たとえば「2009年の予言」でホーグは現在のEUが陥っている危機を見事なまでに予測していた。
「ヨーロッパはアメリカのまねをし、より悪い状態をもたらした。多くのEU加盟国は共通通貨のユーロで取引しているが、それぞれの国々は独立した国家としての地位を保持している。もし独立国家としての地位が2009年までに変更される方向に向かわなければ、今後どの地域よりもヨーロッパが恐慌と不況に苦しむことになるだろう。」
PIIGS諸国の財政危機は各国の金融機関を不安定にさせ、実態経済まで影響が出てきている。そのため貸し渋りや貸し剥がしが横行し、ただでさえ政府の緊縮財政で停滞している各国の経済を悪化させている。不況に入ったことは間違いない。
ホーグがこの予言を公表したのは2008年12月であった。リーマンショックの3カ月後である。もちろんこれから金融危機がヨーロッパまで波及するとの予測は多かったが、この時期にはPIIGS諸国の危機はまだ起っていなかった。ギリシャ政府が債務の総額を偽って報告しており、実際の債務の額ははるかに大きいことが明らかとなったのは2010年2月である。ここからギリシャ危機が本格的に始まった。ということでは、ホーグの上記の予言はかなりの程度的中していると見ることができる。
さらに「2009年の予言」にはEUの次のような記述もある。
「この不況でEUは分裂の危機を向かえるだろう。だが長い目で見ると、これはヨーロッパが国家を越えた超国家を樹立する最初の地域となるための試練の期間であったことが分かるはずだ。これからEUがたどる統合の道は世界中の国家が将来たどることになる道である。これこそ、これまでに多くの予言者が予告し、21世紀の半ばにははっきりと姿を現す超国家文明の第一歩となる新しいシステムである。この危機の中で、本当の意味のヨーロッパ中央銀行を設立し、国民国家単位の経済を越える、ヨーロッパの経済モデルを樹立できるかどうかが問われるのである」
これも現在のユーロ危機が始まる2年も前の予言である。「EUの分裂」などだれも考えていなかったときだ。精度の高い予言であると言わなければならない。
もちろん、ホーグの言うように「超国家文明」を形成する動きが、これからEUで始まるかどうかは分からない。これが的中したかどうかは将来明らかになるだろう。
このように、ホーグが公開する毎年の予言はかなりの的中率である。
2012年の予言
このような予言であれば内容が気になるところである。ホーグは年末に「2012年の予言」を電子ブックで公開した。以下がその内容の要約である。
アメリカ
・アメリカ経済は回復するどころか深刻な不況に突入する。現在失業率が少し改善しているように見えるが、これはクリスマス商戦による臨時雇用が失業者数を一時的に引き下げているからである。経済の実態ははるかに悪い。1930年代ほど深刻ではないが、アメリカは長期の不況に突入する。
・このため2012年は、社会不安と抗議運動の年となる。昨年はウォール街占拠運動などのどちらかというと平和的な抗議運動が始まったが、今年の前半はこうした運動ははるかに暴力的になる。2012年の後半になると当局は本格的な弾圧と取り締まりに乗り出すため、デモ隊と当局との対立はこれまでになく先鋭化する。
・2012年は多くの編動的な政治家が危機の中から台頭した1930年代とシンクロしている。33年にドイツのヒトラーが政権に付いたが、ヒトラーは29年から始まる大恐慌の危機に脱出策を示すことで支持された政治家だ。これは同じ時代のフランクリン・ルーズベルトもそうである。ルーズベルトはニユーディール政策を立ち上げ、国民の絶大な支持を得た。
これと同じようなタイプの政治家が2012年後半のアメリカで出現する。この人物は先鋭化した抗議運動を背景に現れ、民衆の抗議の声を代弁して力を得る。
・だが、実際に権力を握るのは多国籍企業のCEOのようなタイプの政治家である。彼らは大企業の支持を背景に絶大な権力を得る。
・なぜなら、民主党や共和党など既存の党派間の対立は激化して、もはや妥協点が見いだせないところまできている。これまでかろうじて機能していた議会などの民主主義の制度は問題解決の能力を失い、ほとんど機能停止状態にある。このため、既存の政治家も問題を解決するすべを失い、まともに機能していない。
・このため、格差などの問題の解決は、議会や政治家ではなく、多国籍企業自らが行うようになる。もちろんいまは、ウォール街占拠運動が示しているように、金融産業をはじめとした巨大多国籍企業は非難の的になっている。だが、2012年の後半になって来ると、こうした多国籍企業が、格差問題などの国内問題に解決策を提供するようになる。こうした多国籍企業の支持を背景に出現するのがCEOタイプの新しい政治家である。彼らが実際に問題を解決する。
中国
・2012年は世界経済が全体として停滞する。それに合わせて現在の中国の不動産バブルもはじけることは間違いない。それでも中国は、アメリカやEUへの輸出依存の脱却に成功し、内陸部を中心とした内需や、東南アジアなどのアジア地域に輸出をシフトする。そのため、2012年でも8%の成長は確保する。
・中国の体制は社会主義ではない。それは、中央政府がすべてをコントロールし決定する全体主義的資本主義と呼ばれるものだ。もはやまともに機能しなくなっている民主主義の制度に嫌気を感じているアメリカの支配層は、中国のシステムを羨望にまなざしで見る。
・継続した経済成長により、中国の消費文化はさらに発展する。中国は1950年から55年までのアメリカのような状況になる。この時代、アメリカの製造業は世界を席巻し消費文化が発展した。アメリカ人の観光客は世界のあらゆる地域を訪れ、アメリカ流の消費文化を広めた。
・これと同じことを今度は中国人の観光客が行う。彼らは世界のあらゆる地域を訪れ、商品を買いまくる。彼らはアメリカの地方都市にも姿を現すことだろう。
・しかし中国のこのような発展は、現在の共産党政権が安定していることを示すわけではない。2012年に共産党政権は崩壊する可能性がある。しかし、共産党政権以後に誕生する新しい政権も、基本的には全体主義的資本主義の体制を継承するので、中国の発展は継続する。
EU
・2012年3月からPIIGS諸国の財政危機はさらに悪化し、EUとユーロは一度解体する。EU統合の中心となっているドイツが、ギリシャやポルトガル、そしてイタリアやスペインなどの諸国をEUから一度切り離すのである。この処置で現在のEUは解体する。これにより、EUはドイツ、フランス、オランダ、フィンランドなど経済環境が似通った北西ヨーロッパの国々を中心にした縮小版EUとなる。
・だが、これがEUの終わりではない。ドイツは、今度はドイツが統合の中心として全面に出るようなかたちでEUの再統合のプランを立ち上げる。今後5年くらいの時間をかけながら財政的な後始末を行って機構を整備し、PIIGS諸国を参加させる新しいEUの枠組みを形成する。その後、EUは元の状態に復帰する。
・この新EUは、国民国家という枠組みを乗り越え、さまざまな地域が超国家連合を形成するための最初のモデルとなる。
イラン情勢
・2012年はイラン情勢は緊迫し、戦争一歩手前の状態になる。これは今年の5月から6月に起こる可能性がある。
・だが実際の戦争の火ぶたが切られることはない。ギリギリで戦争は回避されるであろう。
・それというのも、宗教的な熱情で狂ったブッシュのような人物が大統領ではなく、どんな状況でも沈着冷静に判断できるオバマが大統領だからだ。オバマはリスクを考えた判断を行い、ギリギリのところで攻撃を思い止どまる。
・実際にイラン戦争が始まるのはもっと先の時期だ。2015年から16年ころがもっとも危うい時期になるはずだ。占星術的にはこのような結果が出ているが、私の予測が間違っていることもある。状況が緊迫するとコントロールできない偶然が働くこともあるので、2012年にイラン攻撃が実施されないとは言い切れない。
自然環境の変化と災害
・2011年は、自然が人間に対して宣戦布告したような大規模な自然災害が相次いだ。だが、2012年はもっと深刻な状況になる。
・特に6月以降、洪水など水に関係した自然災害が激増する。インド洋のサイクロン、アジアの台風、太平洋のハリケーンなどの規模は2011年をはるかに上回り、大きな被害をもたらす。これはちょうど世界各地で格差の拡大に反対する抗議デモがもっとも盛り上がる時期に発生する。
・2012年10月には、パキスタンからインド、そして中国の南西部では記録的な大洪水が襲う。またタイは2011年を上回り、GDPの3分の1の損害を与える大洪水に再度見舞われる。
・中国南部の山岳地帯では激しい豪雨によって村のいくつかが流され、東南アジアの丘陵地帯、日本南部の島々、フィリッピン、フィジー、ソロモン諸島、ニュー二ギアなども記録的なサイクロンや台風が襲う。2012年からモンスーンのパターンが変化し、それは2026年まで続く。
・アメリカでは6月から11月のハリケーンシーズンには大規模な洪水が相次ぐ。それというのも、2012年のハリケーンは記録的な規模になるからだ。
・巨大ハリケーンはメキシコ湾で猛威を奮い、ハイチとテキサス州ヒューストンに上陸し、大きな被害を出す。
・2012年から、モンスーン、ハリケーン、台風のパターンや進路、そして規模はいっせいに変化する。2020年頃からやっと人類は化石燃料への依存を脱却する方向に歩み出す。だが、あと5年で現在の異常気象は元にはもどらない状態になる。
・地球の温暖化が頂点に達するのは2017年から18年にかけてだ。この時期になると気温はジュラ紀に相当するレベルまで上昇する。ノストラダムスの予言には、人類が飢餓で大量死するとあるが、それはこの時期のことなのかもしれない。
・これをさらに悪化させるのは人口の急激な増加である。すでに2011年から現在の食糧生産体制は限界に達しており、2020年になると飢餓人口が一挙に増大する見込みだ。だが、それでも人口の増加は止まらない。2026年から39年の期間にはいっそう人口が増える。
・これまでの世界史で暴動や内戦が多発した時期がいくつかある。特にアメリカの南北戦争や晋仏戦争などが起こった1861年から71年が激しかった。この時期には海王星がうお座を通過した。次にこれが起こる時期は2020年代である。この頃になると人口は85億となり、少ない食料と水を巡って暴動や内戦が各地で起こる。
・温室効果ガスの排出を2017年までに早急に削減しないと、温暖化の進行から気象変動はもはや後戻りできない水準に達し、2020年からは大変な食糧難がやってくる。
・その先にあるのは戦争である。第3次世界大戦は2026年に始まる。それは食料と水を各国が争う戦争になるだろう。
・地球の温暖化は地震を増大させる。極の氷や氷山が溶けるため、海水の量が増大する。これは海底の断層を圧迫するため、これが原因で地震が多発する。
・2012年には冥王星は山羊座の天王星と何度もスクエアを形成する。この星の配置は、政治や経済の激震、そして経済危機と革命を表している。さらにこの星の配置は、火山の噴火と大きな地震の多発を表している。2012年5月から11月には、アラスカ、南極、アイスランドで火山噴火が起こる可能性が大きい。
・特に5月20日の月食は地震を誘発するだろう。この日の前後に東京湾を地震が直撃する可能性がある。また5月には北カリフォルニアを大きな地震が直撃する。それはサンディエゴの東部からロサンゼルスの東部のエリアで起こるだろう。
・南半球では、11月13日前後にチリからオーストラリア、そして南太平洋の地域を津波が襲う可能性が大きい。
・さらに9月30日は注意するべきだ。カリフォルニア、日本、中国のいずれかで大きな地震が発生するだろう。カリフォルニアの南部や中部、シアトルからポートランドにかけたエリア、南アジア、ヒマラヤなどの地域がこれに含まれる。
続く
新しい本の紹介
また新しい本が2冊出ました。表紙はセンセーショナルですが、中身はけっこうまじめです。これまでのメルマガや雑誌の記事の内容に一部加筆し、修正した内容です。いま日本は大きな転換点になっています。世界の現状を踏まえ、現在の日本の立ち位置を確認するにはよい本ではないかと思っています。よろしかったぜひどうぞ!


むちゃくちゃおもしろかった講談
筆者は月刊ザ・フナイの連載を書かせてもらっているが、読者の方に講談師の方がおり、会う機会があった。筆者は講談はこれまで聞く機会がなかったが、実におもしろかった!今後はスピリチュアル系の講談をやるそうである。サイトに音声ファイルがあるので聞いて見たらよいだろう。
田辺鶴瑛
筆者のいとこのブログ
筆者にいとこがスピリチュアル系のカウンセラーになっていたのを最近知ることとなった。以下にリンクする。よろしかったらどうぞ。
ねもとまどかの「宇宙のゆりかご」
本の出版のお知らせ
今度、また講談社から英語の本を出した。筆者も強く感じているが、やはり英語は仕事では必須となりつつある。しかし、実際に英語を使う相手は欧米人とは限らない。中国や韓国なのどのアジア出身の人々も多い。そのような状況のなか、この本では普遍的なコミュニケーションの手段としてのグロービッシュに注目し、これをマスターする方法を解説した。英語に関心がある方にはぜひお勧めしたい!
日本人が「英語ペラペラ」を本当に実現できる本 (講談社+α文庫)

また本が出ます。前著の続編にあたる本です。今度は今のシステムのつっこんだ解説と将来の予測です。よろしかったらどうぞ。
「支配ー被支配の従来型経済システム」の完全放棄で 日本はこう変わる コルマンインデックス未来予測[2020年までの歩み] (ヒカルランド)

また本を出版しました。今度は徳間書店からです。今回は、このブログの内容を大幅に加筆修正し、未来予測を行った本です。よろしければぜひどうぞ!
未来予測コルマンインデックスで見えた 日本と経済はこうなる(徳間書店)

今回、講談社から英語本を出版しました。通勤途中に電車の中で軽く読める本です。ちょっと英語に興味がある人はぜひどうぞ!
通じる英語 笑われる英語

「いったい世の中どうなっているんだ!こんな時はマルクスに聞け」(道出版)
体裁としては「資本論」の解説書のような本だが、マルクス礼讚の本ではない。われわれはこれからなんとしてでもサバイバルして行かねばならない。そのための状況認識のための書として有効だと思う。よろしかったらぜひどうぞ!

このブログの基本方針
このブログの基本方針を掲載しました。記事をお読みになる前にかならず一度はお読みになってください。
基本方針リンク
読むとくドットコム
筆者がコンサルティングにかかわっている会社が子供用の国語音声教材の提供を始めた。子供用だが、実によい名作がmp3の音声ファイルで聴くことができる。大人の心の琴線に触れる作品がとても多い。よいサイトだと思う。よかったらどうぞ!
読むとくドットコム
友人の飲み屋
筆者の友人の一人が飲み屋を始めました。こちらもよろしかったらどうぞ!
ナイトクルーズ51
驚異的な前世リーディングサイト
遠い記憶・前世からの約束
前世リーディング問い合わせ電話番号
080-3128-8600
筆者の友人の作家のブログ
茶房ちよちよ
駒村吉重のブログ。いつもの飯、酒、より道、脱線、思いごと
雑誌アネモネ
便利な学校検索サイトです!
海外子女.com
投稿に関しては以下の方針に従い、どうしても必要な場合以外は削除しないことにしておりますが、他者の人格を傷つける不適切な表現がある場合は例外とし、予告無しに削除し、投稿禁止にする場合もあります。
意味産出の現場としてのBBSやブログ
また、私はいま日本で起こっている変化を以下のようにとらえております。もしよろしければこちらもどうぞ。
いま何がおこっているのか?
ヤスの英語
よろしかったらクリックをぜひ!↓

