第9サイクル、第7の昼に突入2
やっと更新できた。明らかに世界の変化は加速している。いつも読んでいただいている多くの読者の方には感謝する。
新しい本の紹介
また新しい本が2冊出ました。表紙はセンセーショナルですが、中身はけっこうまじめです。これまでのメルマガや雑誌の記事の内容に一部加筆し、修正した内容です。いま日本は大きな転換点になっています。世界の現状を踏まえ、現在の日本の立ち位置を確認するにはよい本ではないかと思っています。よろしかったぜひどうぞ!


記事全文を音声ファイルにしました。よろしかったらどうぞ。3日で削除されますので、お早めにどうぞ。
音声ファイル
予言解説書18の有料配信
最新版 「予言解説書18」が完成しました。これは、ウェブボット最新報告書、「来るべき未来の形0巻9号」の詳細な要約です。今回は内容が濃く、普段の1.5倍の分量があります。新しい磁極の出現、「ドルの死」の過程などいよいよかと思わせる内容です。入手を希望する方は筆者まで直接メールください。
info@yasunoeigo.com
コルマンインデックスの終了にともない、講演会をたくさん依頼されました。よろしかったどうぞ。内容は「コルマンインデックス終了勉強会」とは大きく異なります。
10月29日(土)
にんげんクラブ北海道主催講演会
第1部 『アクエリアス革命!三女神、降臨!~いよいよ始まる女性性の時代~』
第2部 『10/29コルマン・インデックス終了と「未来から考える新しい生き方」』
場所:ガーデンシティ札幌 カンファレンスルームN-1
(北海道札幌市中央区北4条西1丁目 共済ビル4階 TEL011-252-3165)
札幌駅南口より徒歩5分
【地図】
11月3日(木・祝)
にんげんクラブ大阪主催
『これからの日本~コルマン・インデックス後の世界と日本人の天命~』
日時:2011年11月3日(木・祝) 11:00
開場、11:30 開演、20:10 終了予定
(懇親会20:30~同施設内にて)
会場:新大阪ココプラザ 2階 エクスプレス・ココ
大阪市東淀川区東中島1-13-13 TEL.06-6370-5421
JRまたは地下鉄御堂筋 新大阪駅より徒歩6分
【地図】
10月23日の御礼
10月23日の「コルマンインデックス終了勉強会」は大盛況であった。3時間半という長時間、勉強会に参加してくださった方々には心から感謝する。ありがとうございました。
有料メルマガのご紹介
前回のメルマガを中心に内容を紹介する。コルマンインデックスから見て、出来事が起こるタイムラインにずれが生じてきているように見える。
もとよりコルマンインデックスは、それが終了する2011年10月28日に破滅的なクラッシュが起こり、世界が激変するという破滅型の予言ではまったくない。このコルマンインデックスの終了を起点に、新しい統合意識が萌芽的に出現するとするものである。その後は何年もかけながら、新しく出現した統合意識に合致した社会・経済システムが出現するとしている。
しかし、既存の社会や経済のシステムの転換点となる出来事の発生が排除されているかと言えばそうではない。リーマンショックや東日本大震災は、既存の社会システムに変化を迫る大きな転換点であった。
一方コルマンインデックスでは、サイクル間の同じ時期がシンクロし、以前のサイクルで起こったと同種の出来事が、現在のサイクルの同じ時期で起きるとしている。これまではそのようになり、たとえば第7サイクル第5の昼で起こった大恐慌は、第8サイクル第5の昼の世界金融危機の発生でシンクロしている。
だが第9サイクルに入り、同種の出来事が予告された期間に集中する傾向ははっきりしているものの、ぎりぎりで引き金が引かれず、危機の発生が回避されることが非常に多くなっている。このことから見ると、むしろ変化はクラッシュや破滅ではなく、なし崩し的に変化する方向に確実に向かっているようだ。
この変化のリズムを念頭に、他のさまざまなサイクル理論を参照すると、すでに始まっている変化がピークに達し、既存の経済システムの行き詰まりがピークに達するのは2014年頃だと思われる。コルマンインデックスから見ると、同時にこの過程は、新しい社会・経済システムが次第に姿を現す過程でもある。
前回はこのような内容を詳しく解説した。
今回の記事
投稿欄の七海さんのリクエストもあったので、今回は世界を席巻しているウォール街占拠運動の裏側について詳しく解説する。筆者も情報を集めていたので、ちょうどよいリクエストであった。今回の記事は、トロント大学の「グローバルリサーチ研究所」から出ている記事が大変に参考になった。
次に、コルマン博士が翻訳した最新エッセーの全訳を掲載する。
ウォール街占拠運動の特徴
カナダの雑誌、「アドバスターズ」の呼びかけで9月17日に始まったウォール街占拠運動は、すでに30カ国、1805都市まで拡大している。「We are the 99%(我々こそが99%だ)」という運動のスローガンは世界各地で耳にするようになった。
いまのところ政治の政策となるような具体的な要求は掲げていないものの、運動のメッセージははっきりしている。わずか1%の最上流階層が富のほとんどを独占し、大多数の99%の国民が失業と貧困にあえぐような社会はおかしいという、「格差是正」を要求する運動である。そのため、政府からの支援を受けているにもかかわらず、金融危機を引き起こした責任をとることもなく、一方的に利益を上げている金融界が攻撃の対処となっている。
ティーパーティー運動
危機を引き起こした金融機関に抗議することで始まった運動はこれが初めてではない。金融危機が始まって数カ月たった2009年2月頃、全米各地で草の根の抗議運動がいわば自然発生的にはじまった。ティーパーティー運動である。
運動は瞬く間に拡大し、2009年9月12日には首都ワシントンに200万名が結集する大抗議集会を成功させた。その後、ティーパーティー運動は共和党の最右翼を占めるようになり、2010年11月に行われた中間選挙では、オバマの民主党を圧倒し、下院では大多数の議席を獲得した。
ティーパーティー運動はキリスト教原理主義者や自由至上主義者など、極端なイデオロギーの信奉者が主導する最右翼の運動である。連邦政府の徹底的な縮小、国民皆保険の廃止、進化論を教えることの禁止、中絶の法的な禁止を要求し、規制のない個人の自由を理想と考える。
ウォール街占拠運動に結集した人々とその拡大の理由
現在、ウォール街占拠運動に結集している人々は、こうしたティーパーティー運動の保守主義者とは異なる層だ。彼らの多くは、「Yes,we can」のスローガンの元に結集したかつてのオバマの支持者や、民主党の支持層が中心である。
だが彼らは、ティーパーティー運動のようなはっきりとしたイデオロギーは持つ集団ではない。そのため、ティーパーティー運動が、「国民皆保険の廃止」や「中絶の禁止」などはっきりとした政治的目標を早くから掲げたのと対照的に、ウォール街占拠運動は、「格差是正」と「金融機関への抗議」を訴えるだけで、明確な政治目標は掲げていない。
政治目標もイデオロギーもはっきりしていないことが幸いし、多くの異なる層の人々が集まる結集軸の役割を果たしている。この特徴のため、全米の大都市だけでなく、金融機関と格差に抗議する世界の他の地域の多くの国民にも受け入れられ、急速に拡大している。アメリカに独自なローカルな現象であったティーパーティー運動とは大きな違いだ。
外部からの介入があったのか?
しかし、「ウォール街占拠運動」には外部のなんらかの機関が介入し、民衆の組織化にかかわっているという情報はかなりある。きちんとした証拠も存在しているので、実証できるものも多い。
カラー革命
以前にも、外部の勢力の介入が効を奏して成功した民衆蜂起と革命があった。それは、2000年のユーゴスラビアから始まり、2005年のキルギスまで続いた中央アジアのカラー革命である。周知のことだろうが、それらは以下である。
ブルドーザー革命
ユーゴスラヴィア、2000年ユーゴスラヴィア連邦共和国のスロボダン・ミロシェヴィッチ大統領を退陣に追い込んだ無血革命。学生運同組織、「オトポル」が中心的役割を担う。
バラ革命、グルジア、2003年
2003年の議会選挙の結果がきっかけとなって起こった民衆蜂起で、ロシア寄りのエドゥアルド・シェワルナゼ政権が退陣に追い込まれる。翌年3月に行われた議会再選挙で、現在のサアカシュヴィリが大統領になる。抗運動団体の主体は「クマラ」と呼ばれる若者を中心とした運動組織。
オレンジ革命、ウクライナ、2004年
長く続いたロシア寄りのヤヌコーヴィチ政権を倒し、親米のユシチェンコ政権が成立。青年団体の「ポラ」が中心となって抗議行動を組織。
チューリップ革命、キルギス、2005年
青年運動団体「ケルケル」が中心となり不正選挙に抗議する市民運動を組織し、長期間政権の座にあったアカエフ政権を打倒した。その後、バキエフ政権が成立。
これらの革命では、民衆による抗議運動を先導した青年団体が大きな役割を果たした。ブルドーザー革命の「オトポル」、バラ革命の「クマラ」、オレンジ革命の「ボラ」、チューリップ革命の「ケルケル」などである。
こうした団体に外国の勢力の支援があったことは、いまでは広く知られる事実となっている。
カラー革命を先導した勢力
カラー革命が起こったグルジア、ウクライナ、キルギスなどの国々には、かなり早いうちから米国系のNGOが国内で活動しており、抗議運動を財政面、資金面から強力に支援していた。
それらは、米国務省系の人権団体、「フリーダムハウス」、共和党系の「国際共和党機関」、民主党系の「全国民主党機関」、米政府系の「米国国際発展機関」、そして投資家、ジョージ・ソロスの「オープンソサエティー」などの組織である。
「クマラ」、「ボラ」、「ケルケル」などの青年運動組織は、主要な大学のキャンパスで大学生を中心にリクルートし、大学生にデモの組織の方法、抗議集会の運営方法、民衆への呼びかけ方などを訓練し、実行した。こうした若者の抗議団体を財政的に資金援助したのが、上記のアメリカのNGO組織だった。彼らは、資金援助のみならず、若者の抗議団体そのものの結成にも深くかかわっていることも知られている。これがカラー革命の裏の事情である。これはすでによく取材され、優秀なドキュメンタリーもできている。
このようにカラー革命は、アメリカの工作で実現した可能性が極めて高いのである。
オトポル
このようなカラー革命で大きな役割を演じたのはユーゴスラビアの青年組織、「オトポル」である。
「オトポル」は、2003年のグルジアのバラ革命を先導した学生団体「クマラ」に、抗議運動の組織方法などを訓練し伝授した団体だ。さらに、活動家のトレーニングを中心に、オレンジ革命とバラ革命の青年組織の訓練に深く関与したともされている。
このように、「オトポル」は、資金面から支援していた米国系NGO組織と連動して動き、カラー革命の先導役を果たした青年組織の形成と訓練に大きな役割を果たした。
エジプト革命ではどうだったのか?
では最近にアラブの春、特にエジプト革命ではどうだったのだろうか?「オトポル」のような外部の勢力や、米国系の国際的なNGO組織の関与はあったのだろうか?
エジプト革命を主導した組織
エジプト革命を主導した組織を見て見よう。
4月6日運動
2008年4月6日にゼネストを呼びかけたことを契機に形成された若者を中心とした民主化グループ。
変化のためのエジプト運動
基本的にはイスラム主義だが、自由主義者やマルクス主義者なども結集する幅広い国民運動。
ムスリム同胞団
1928年に発足したイスラム原理主義の運動団体。
変化のための全国共闘
元IAEAの事務局長でノーベル平和賞受賞者のエルバラダイ氏が主催する運動。幅広い層の結集を狙う。
エル・ガアド(明日の党)
2004年10月に設立された民主化運動団体。イスラム主義とのつながりはない。
新ワフード党
第一次大戦直後に形成された西欧型の議会制民主主義を目指す団体。1974年に再結成。
これらの団体で、カラー革命の「クマラ」、「ボラ」、「ケルケル」などの青年運動組織と同じ役割を担っていたのは「4月6日運動」である。この運動組織は大都市の大学生を中心とした組織で、今回の抗議行動の始まりとなった2011年1月25日の抗議デモの中心となったグループである。
ツイッターとフェースブックを駆使するグループ
今回の中東の民衆運動では、最先端のネットツールのツイッターとフェースブックが大きな役割を果たしたとよくいわれる。たしかにツイッターとフェースブックは、特に若者を中心に、多くの市民を結集する上で大変に大きな力になったことは疑いない。
そうしたツールをもっとも早くから多用し、抗議運動の組織に役立てたのが、この「4月6日運動」であった。
オトポルと4月6日運動
では、カラー革命では主導的な役割を果たした「オトポル」と、エジプト革命を先導した「4月6日運動」にはなんらかのつながりがあるのだろうか?
エジプト革命の動きは、中東、カタールのテレビ局、アルジャジーラが24時間ライブで報道していた。アルジャジーラは、エジプト革命にまでいたる動きをつぶさに伝えていた。
このなかでアルジャジーラは、「4月6日運動」が「オトポル」の研修に参加しており、抗議運動の組織方法やデモの実施方法などを訓練されていたと報道した。アルジャジーラのインタビューには「オトポル」の担当者が応じており、「4月6日運動」にどのようなことを教えたのか詳しく語っていた。
このような情報から見て、カラー革命と同様「オトポル」が抗議運動の活動家の訓練に大きな役割を果たしたことは明らかである。
他の国々の抗議運動も同じ
民衆による抗議運動はイエメン、ヨルダン、バーレーン、アルジェリア、リビア、イランなどに拡大している。こうした国々でも、エジプト同様、ツイッターとフェースブックを使用した若者の団体が、抗議運動の中心となっている。
そうした状況を見ると、やはり「オトポル」が活動家の訓練にかかわっていた可能性は疑いない。「オトポル」はいまは、「CANVAS(平和運動推進のための戦略センター)」と名前を変え、セルビアの首都ベオグラードで民主化運動の担い手になる青年団体の訓練するためのトレーニングセンターを開設している。
少し前に「革命ビジネス(Revolution Business)」とういドキュメンタリーがユーチューブで公開されている。このドキュメンタリーでは「オトポル」のリーダーが実に率直にインタビューに答えており、トレーニングを行ったことを証言している。
The Revolution Business - World
一方「オトポル」は、2000年のブルドーザー革命のとき、国務省から資金援助を受けていたことを公式に認めている。これが分かった時点で、多くのメンバーは「オトポル」に幻滅し、離脱した経緯がある。これは、アメリカの戦略外交専門雑誌の「フォーリンアフェアーズ」の2月号に掲載された「Revolution U」という記事に詳しく解説されている。米国系の組織がアラブの春の扇動に大きな役割を果たした可能性は大きい。
明らかとなった米国務省の介入
このような観点で情報を詳しく調べてみると、アラブの春の中核となっている青年運動組織が米国務省によって直接トレーニングされていた実態が明らかになった。
2008年12月、「青年連帯運動(Alliance of Youth Movements)」という組織の結成大会がニューヨークで行われた。この大会は米国務省が主催しており、フェースブック、グーグル、ユーチューブ、MTV、ハウキャスト、ジェットブルー、AT&T、ジェンネクスト、アクセス360メデイアなどの最先端デジタル企業も参加し、コロンビア大学法科大学院の全面的な協力のもとで結成されている。
中心となる設立者のひとりは、ライス、クリントン両国務長官のITアドバイザーで、グーグルの子会社のグーグルアイデアのCEO、ジャード・コーエンである。以下のビデオは革命運動のトレーニングのオープニングセミナーだが、ジャード・コーエンがあいさつしている。ジャード・コーエンは国務省の代表者という肩書で出席している。
「青年連帯運動」は、青年を中心とした反政府運動のネットワークを作り、最先端のデジタルツールを政治的に利用する方法を訓練する組織である。エジプト革命の中心的な担い手となった「4月6日運動」はこれに参加したことは明らかになってる。
いま「青年連帯運動」は、「ムーブメンツ・オルグ」となり、草の根の反政府運動組織をつなげるネットワークとしての役割を担っている。
トレーニングを受けた「4月6日運動」も含め、「ムーブメンツ・オルグ」も「オトポル」も、また訓練を受けた側の「4月6日運動」のような青年組織も、こうした経緯をまったく隠してはいない。先の「革命ビジネス(Revolution Business)」というドキュメンタリーのなかで、当事者たちが非常に率直に語っている。
ヒラリー・クリントンは「ムーブメンツ・オルグ」に支持を公式に声明し、2009年メキシコシティー、2010年ロンドンで大会を開催している。
「オトポル」の介入の痕跡
上に紹介したドキュメンタリーによると、現在50カ国で革命組織の訓練を行っており、そのうち実際の革命に成功したのは5カ国だとしている。
「オトポル」が訓練した組織が中心になってることは比較的に容易に分かる。こぶしを握り締めた同じシンボルを世界各地で使うからだ。以下がその例である。

さらに、同じシンボルはエジプトで見られる。特に「4月6日運動」はまったく同じシンボルを使っている。

4月6日運動のシンボル

ではウォール街占拠運動は?
ではいま世界的に拡大している「ウォール街占拠運動」はどうなのだろうか?
「オトポル」の中心人物の一人であるイワン・マロビックが、「ウォール街占拠運動」に結集した人々に演説している光景はユーチューブで見ることができる。以下である。演説している人物はセルビアなまりの英語で話しており、自分がイワン・マロビックであるとはっきり名乗っている。
そして、次が「ウォール街占拠運動」のポスターである。こぶしが左右逆になっているが、ほぼ同じようなシンボルだ。

クリントン国務長官の論文
「アラブの春」は、2010年12月17日に起こったチュニジアの「ジャスミン革命」が始まりである。「ジャスミン革命」が始まる少し前、アメリカの外交政策立案の奥の院とされている「外交問題評議会(CFR)」が発行している著名な外交誌、「フォーリンアフェアーズ誌」の11月/12月号に、クリントン国務長官の論文が掲載された。「シビリアンパワーで米外交を刷新する」である。
これは、国務省の新しい政策である「4年ごとの外交・開発見直し(QDDR)」の内容を紹介する論文だが、アラブの春が始まる前にかかれた論文としては非常に意味深な内容である。以下である。
「これからは米国の民生力を最大限に活用し、紛争予防、テロ対策など活動を行う。国務省、国際開発庁(USAID)などの文民機能の強化とともに、世界各地の市民組織と緊密な連携を図りながら、米国は外交を追求する。これからの米国の外交官は、世界各地の市民と気軽に接触できる隣人のような存在にならなければならない。」
外交政策を実現するための手段として、世界各地の市民組織を有効に活用するとした内容だ。アラブの春の中核グループの訓練に国務省が間接的にかかわっていることはすでに明らかになっているが、この論文はその可能性をクリントン自らが語ったものとして興味深い。
ねらいは何なのか?
シリアとリビアは異なるが、アラブの春で崩壊したり不安定化している政権の多くは親米政権である。主要メディアでは、アラブの春で、アメリカはエジプトを始めアラブ圏の重要な外交拠点を失うことになるので窮地に立っているという見方が一般的だ。
また「ウォール街占拠運動」の拡大は、明らかに米国内の混乱を誘発する。オバマ政権にとっては大きな痛手となるはずだ。
両方とも米国の国益を利することにはならないことは明らかだ。
リンゼー・ウィリアムスの2月のリーク情報
ここで、軍産エネルギー複合体の情報をリークしている元大手石油メジャーの人事担当部長だったリンゼー・ウィリアムスのリーク情報を確認してみよう。これは、アラブの春が始まって2カ月ほど立った2月にリークされた情報だ。
・いま北アフリカや中東で拡大している民衆蜂起は石油資本の支配エリートが計画したものである。民衆蜂起はこれからもどんどん拡大し、石油の生産に大きな影響が出るところまで進む。
・いまの民衆蜂起にはイスラム原理主義運動の影響はほとんど見られない。したがってこの民衆蜂起はイスラム原理主義とは関係がないと考えられているが、これはそうではない。だまされてはならない。
・エジプトのイスラム原理主義組織、「イスラム同胞団」は、私に情報をリークしている巨大石油資本やCIAなどから資金援助を受けている。彼らは我々の協力者だ。「イスラム同胞団」は北アフリカと中東の国々に侵入し、背後から民衆蜂起のきっかけを作る。そして最終的に彼らは民衆蜂起を乗っ取り、イスラム原理主義がこの地域を席巻することになる。
以上である。
このウィリアムスがこの情報をリークした2月の時点では、イスラム原理主義組織の「イスラム同胞団」は運動の全面にはまったく立っておらず、エジプト革命でイスラム原理主義の影はほとんど感じることはできなかった。
ところが現在、近いうちに予定されているエジプトの総選挙では、「イスラム同胞団」が第一党になる可能性が高まっている。やはり、ウィリアムスのリークしたシナリオのように進むのだろか?
まったく違った可能性、せめぎ合う勢力
しかし、これとはまったく異なった可能性もある。「イスラム同胞団」はイスラム原理主義組織だが、一方、国務省のバックアップがあると思われ、エジプト革命の中核となった「4月6日運動」は、西欧型の民主主義の導入を目標とした運動だ。いわば「イスラム同胞団」と「4月6日運動」とは水と油の関係だ。
すると、「4月6日運動」と「イスラム同胞団」とはそれぞれ国務省系と軍産エネルギー複合体系という同じ米国内にありながら、利害が対立する異なったグループによって先導されているのかもしれない。
これと類似した構図は「ウォール街占拠運動」にも見られるのかも知れないが、いまはまだ情報がないのでなんとも言えない。
国務省のシナリオ、非常に高度な危機管理か?
では国務省のシナリオがあるとしたのなら、それは何なのか?カナダ、トロント大学の「グローバルリサーチ研究所」では、「オトポル」のような組織が介入しているのは、「ウォール街占拠運動」のような一般国民の抗議運動が暴動化して革命に発展する前に、国務省が自ら運動を組織し、先鋭化する前にガス抜きすることが狙いではないかと言っている。
そうだとするなら、少なくと国務省がアラブの春を積極的に支援した背景は、ウィリアムスの情報源となっている軍産エネルギー複合体とは大きく異なっている可能性もあるように思う。
そうした場合、おそらく狙いは、独裁政権への不満が頂点に達し、国内が内乱状態になる前に、抗議運動を積極的に誘導して内戦化しないようにソフトランディングさせるということなのかもしれない。
もちろんこれは筆者の仮説にすぎない。これを証明する情報はまだ十分にない。
情報があればこの記事の続きを書く。
コルマン博士、最新エッセー
コルマン博士はまた新しいエッセーを発表した。個人的な体験を踏まえた暖かいないようだ。いつものように、コルマン博士の最新刊「目的をもつ宇宙」の翻訳チームのキクチさんより翻訳をいただいた。キクチさんには心より感謝したい。
時の織り手
私が初めてマヤの地を訪れたのは1979年10月だった。それは私にとっては人生の方向を変える旅だった。マヤカレンダーの謎を解き、その深い意味を現代の人々に伝えていくという、私の人生の本当の使命を呼び覚まさせる出来事がいくつも起こったのである。その当時には、マヤカレンダーについてはっきり分かっていることは何もなかったし、旅行ガイドや考古学者たちは、いつもカレンダーは迷信に過ぎないと言っていた。それでも、私はミカエル・コーエの「マヤ」を読んでカレンダーが2011年に終わることを知り、その頃から、トニー・シェーラ、フランク・ウォーター、ピーター・バリンなどの最初期のパイオニアたちによるマヤカレンダーの解明に向けた模索が始まった。そのようにして、マヤカレンダーは世界が忘れてしまった貴重な知識を秘めているのではないかという予感が浮かび上がってきた。それでも、カレンダーは宇宙の時間計画の概略で、それが人類の歴史上の事実から確かめられるということが分かったのは、ずっと後になってからだった。今日この分野に関心を持った人には、その当時がどれほど曖昧模糊としていたことか、想像するのも困難だろう。それでも、旅行からストックフォルムに戻ると、私は同僚への講義の中でマヤカレンダーが2011年に終わってしまうことに触れたのだった。それは私たちのマヤカレンダー探求の本当に初期のことだった。
この旅で、マヤの機織りの女性たちと触れあうことができたのは、私にとって大変貴重な経験であった。彼女たちは織った布を売るだけでなく、時にはただで上げてしまったのである!マヤの女性たちにとって、機織りという行為は実用的なだけではなかった。彼女たちの熟練した技術、生き生きとした色彩の使いこなし、そして精緻な模様のデザインは、マヤを訪れる者たちの目を楽しませたが、彼女たちが作り出す織物に込められている深い意味は、誰もが理解していたわけではなかった。実際、機織りは、マヤの女性たちが宇宙ヴィジョンを表現する特別な方法なのである。それは、時にはカレンダーとその神話に関係した古代の象徴主義や文様にまで遡るのだ。旅からストックフォルムの小さなアパートの部屋に戻ると、私は壁にタペストリを飾った。それから長い間、私が科学者としてのキャリアを続けている時にも、それはいつもマヤの宇宙ヴィジョンを思い出させてくれたのだった。私はかつて15代にわたって織物業を営んだ家系に生まれたので、この芸術はとても親しく語りかけてくれるのだ。
よく知られているように、マヤカレンダーシステムの知識はマヤの古典文化が千年以上前に終ると共に失われてしまったので、カレンダーシステムだけでなく、宇宙ヴィジョンもまた回復される必要があった。ドイツから来たクリスティアーネ・ビーベルは、時間の真の理解を表現するマヤ織物の役割に心を奪われた女性である。2011年10月28日のカレンダーの終わりが近づいている今は、彼女にとって自分の宇宙ヴィジョンを表現するのにふさわしい時なのである。彼女は1,872,000本の織り糸を備えた織布機を作り出したが、これはいわゆるロングカウントまたは第6波の日数と同じ数である。これによって、彼女の織布機は時間の加速を映し出す繊細で正確な鏡になっているのだ。色彩の濃淡の交錯は、宇宙進化の第6、第7、第8、第9のそれぞれに巡り来る昼と夜を反映し、そしてカレンダーが終わる時の太陽の上昇で終わるのだ。クリスティアーネは、機織りを用いて宇宙ヴィジョンを表現するマヤのオリジナルな方法を再現したのだ。それは驚異的でありながらも、カレンダーへの現在の正確な理解に基づいているのである。機織りの技法は、ここでは美しさのためばかりでなく、見る者に古代の知識と宇宙ヴィジョンを伝えるためにも用いられているのである。
マヤの日文字のChuen(BatzまたはMonky)がしばしば”時の織り手”と表現されることから、マヤの人々にとって、機織りが大切な意味を持っていたことがよく分かるのである。もし古代マヤ人の数え方をすれば、Chuenは20ある日文字の中で中央の11番目に該当するのである。あるいはツォルキンを8Batzから開始する現在のキチェ・マヤの人々の数え方では、Chuenは1番目になるのである。クリスティアーネの作品はこの時の織り手を見事に表現したもので、2009年にセドナで開催された「先祖たちの回帰(Return of the Ancestors)」の集まりの時に、ドン・アレハンドロ・オクスラ長老に贈られた。私にとっては、クリスティアーネが復元したこの生命と時間の織物を通して、確かに先祖たちが帰ってくるように感じられる。作品の複雑に入り組んだ模様は一瞥しただけでは明瞭ではないけれども、私はこれらのイメージを通して読者がそこに込められたメッセージを感じ取れるように願っている。そして、将来は、もっと広くこのイメージが分かち合えるようにと願っている。
続く。
むちゃくちゃおもしろかった講談
筆者は月刊ザ・フナイの連載を書かせてもらっているが、読者の方に講談師の方がおり、会う機会があった。筆者は講談はこれまで聞く機会がなかったが、実におもしろかった!今後はスピリチュアル系の講談をやるそうである。サイトに音声ファイルがあるので聞いて見たらよいだろう。
田辺鶴瑛
筆者のいとこのブログ
筆者にいとこがスピリチュアル系のカウンセラーになっていたのを最近知ることとなった。以下にリンクする。よろしかったらどうぞ。
ねもとまどかの「宇宙のゆりかご」
本の出版のお知らせ
今度、また講談社から英語の本を出した。筆者も強く感じているが、やはり英語は仕事では必須となりつつある。しかし、実際に英語を使う相手は欧米人とは限らない。中国や韓国なのどのアジア出身の人々も多い。そのような状況のなか、この本では普遍的なコミュニケーションの手段としてのグロービッシュに注目し、これをマスターする方法を解説した。英語に関心がある方にはぜひお勧めしたい!
日本人が「英語ペラペラ」を本当に実現できる本 (講談社+α文庫)

また本が出ます。前著の続編にあたる本です。今度は今のシステムのつっこんだ解説と将来の予測です。よろしかったらどうぞ。
「支配ー被支配の従来型経済システム」の完全放棄で 日本はこう変わる コルマンインデックス未来予測[2020年までの歩み] (ヒカルランド)

また本を出版しました。今度は徳間書店からです。今回は、このブログの内容を大幅に加筆修正し、未来予測を行った本です。よろしければぜひどうぞ!
未来予測コルマンインデックスで見えた 日本と経済はこうなる(徳間書店)

今回、講談社から英語本を出版しました。通勤途中に電車の中で軽く読める本です。ちょっと英語に興味がある人はぜひどうぞ!
通じる英語 笑われる英語

「いったい世の中どうなっているんだ!こんな時はマルクスに聞け」(道出版)
体裁としては「資本論」の解説書のような本だが、マルクス礼讚の本ではない。われわれはこれからなんとしてでもサバイバルして行かねばならない。そのための状況認識のための書として有効だと思う。よろしかったらぜひどうぞ!

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第9サイクル、第7の昼に突入1
またいつものように大幅に更新が遅れてしまった。いつも記事を読んでくださっている多くの読者の方に感謝する。
10月12日追加
コルマンインデックス、第7の昼に入った11日(欧州時間)、予想よりも早くスロバキア議会が欧州金融基金拡充策を否決した。以下は朝日新聞からの引用である
「スロバキア議会、欧州金融基金拡充策を否決 再採決へ
財政危機のギリシャなどを支援する緊急融資制度「欧州金融安定化基金」(EFSF)の拡充策が11日夜、スロバキア議会で否決された。13日以降に再び採決する予定。議会関係者によると、最終的には野党などが賛成に回り、承認される可能性があるというが、予断を許さない状況だ。
投票議員は124人で、賛成55、反対9、棄権60だった。ラディツォバー首相が説得を続けたが、連立与党第2党の「自由と連帯」が棄権し、過半数が確保できなかった。
採決の対象となったEFSFの拡充策は、欧州の政府債務(借金)危機に対応するため、基金の規模を増やし、ユーロ圏の金融機関に対して資本注入をしたり、市場に流通する国債を買い入れたりするもの。
6~7月にEUとユーロ圏の首脳会議で決まっていたが、実行に移すにはユーロ圏17カ国すべての議会承認が必要だった。すでに16カ国で承認を終え、スロバキアを残すのみとなっていた。」
12日の時点では市場への影響はほとんど見られないが、13日以降に改めて否決されると大きな市場の混乱が予想される。
昨日アップしたこのブログの記事には以下のように書いた。
「第8サイクル第7の昼 オバマ政権、中間選挙の歴史的な大敗と米経済の失速開始。草の根保守の茶会派大躍進
では、第9サイクルの第7の昼ではどのような出来事が予定されているのか?以下である。
第9サイクル第7の昼 スロバキアの否決でギリシャのデフォルト確定?ウォール街占拠運動の全米への拡大と先鋭化?」
これがシンクロの通りに進行するのかどうか注視する必要があるだろう。
読むとくドットコム
筆者がコンサルティングにかかわっている会社が子供用の国語音声教材の提供を始めた。子供用だが、実によい名作がmp3の音声ファイルで聴くことができる。大人の心の琴線に触れる作品がとても多い。よいサイトだと思う。よかったらどうぞ!
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コルマンインデックス終了勉強会のお知らせ
今年の10月28日にコルマンインデックスが終了します。日本時間では29日になります。29日に開催予定でしたが、場所が取れなかったため、23日の日曜日に変更しました。
ヤスの備忘録では、これまでコルマンインデックスのほか、多くの予言や予測を紹介してきました。コルマンインデックスとともに、それらを一度すべて整理し、何が的中し何が外れたのか明確にして、これからさらになにが起こるのか、最新情報を使いながらみんなで予測したいと思っています。
料金は4000円にしました。参加ご希望の方は事前に筆者までメールをください。
info@yasunoeigo.com
日時:10月23日(日)、午後2時から午後5時くらいまで
料金:4000円(資料代込み)
場所:てくのかわさき
川崎市高津区溝口1-6-10
JR南武線武蔵溝ノ口駅、田園都市線溝口駅徒歩3分
記事全文を音声ファイルにしました。よろしかったらどうぞ。3日で削除されますので、お早めにどうぞ。
音声ファイル
予言解説書18の有料配信
最新版 「予言解説書18」が完成しました。これは、ウェブボット最新報告書、「来るべき未来の形0巻9号」の詳細な要約です。今回は内容が濃く、普段の1.5倍の分量があります。新しい磁極の出現、「ドルの死」の過程などいよいよかと思わせる内容です。入手を希望する方は筆者まで直接メールください。
info@yasunoeigo.com
新しい本の紹介
今度、また講談社から英語の本を出した。筆者も強く感じているが、やはり英語は仕事では必須となりつつある。しかし、実際に英語を使う相手は欧米人とは限らない。中国や韓国なのどのアジア出身の人々も多い。そのような状況のなか、この本では普遍的なコミュニケーションの手段としてのグロービッシュに注目し、これをマスターする方法を解説した。英語に関心がある方にはぜひお勧めしたい!
日本人が「英語ペラペラ」を本当に実現できる本 (講談社+α文庫)

講演会のご案内
コルマンインデックスの終了にともない、講演会をたくさん依頼されました。よろしかったどうぞ。内容は「コルマンインデックス終了勉強会」とは大きく異なります。
10月29日(土)
にんげんクラブ北海道主催講演会
第1部 『アクエリアス革命!三女神、降臨!~いよいよ始まる女性性の時代~』
第2部 『10/29コルマン・インデックス終了と「未来から考える新しい生き方」』
場所:ガーデンシティ札幌 カンファレンスルームN-1
(北海道札幌市中央区北4条西1丁目 共済ビル4階 TEL011-252-3165)
札幌駅南口より徒歩5分
【地図】
11月3日(木・祝)
にんげんクラブ大阪主催
『これからの日本~コルマン・インデックス後の世界と日本人の天命~』
日時:2011年11月3日(木・祝) 11:00
開場、11:30 開演、20:10 終了予定
(懇親会20:30~同施設内にて)
会場:新大阪ココプラザ 2階 エクスプレス・ココ
大阪市東淀川区東中島1-13-13 TEL.06-6370-5421
JRまたは地下鉄御堂筋 新大阪駅より徒歩6分
【地図】
前々回と前回の有料メルマガのご紹介
前々回と前回は、2回続けてギリシャのデフォルト問題を扱った。
現在、EUはギリシャを救済するための枠組みとして欧州金融安定化基金(EFSF)の資金枠をさらに拡大した、EFSF2の立ち上げを巡って議論が続いている。EFSF2は、欧州中央銀行が保証した債権を市場で販売し、その収入をギリシャの救済に当てる機構だ。これが本格的に稼働すると当面はギリシャのデフォルトは回避できると見られている。
一方この基金は、ユーロを導入している17カ国の資金の拠出によって運営されるため、17カ国すべての議会で承認されなければならない。これまで11カ国が承認しているが、焦点になっていたのは最大の資金拠出国であったドイツ連邦議会の動向であった。ドイツ国民のギリシャ救済に対する拒否反応は根強く、EFSF2は否決される可能性もあるとされていた。しかしながら9月29日、ドイツ連邦議会はこれを可決し、EFSF2は成立に一歩近付いた。
次の関門はスロバキアだ。スロバキアは自分たちがユーロに加盟したときに大きな犠牲を払ったのに、財政赤字に関して虚偽の報告をして加盟したギリシャをなぜ救済しなければならないのかという反対が非常に強い。スロバキアが否決するとEFSF2は振り出しに戻り、ギリシャはデフォルトに向かうことになる。スロバキアの投票は10月14日になると見られている。
10月11日から第9サイクル最後の期間である第7の昼に入る。第8サイクルの同じ期間に何があったのか確認しながら、10月14日がどうなるのか見て見た。
また、コルマン博士は最初の著作、「マヤカレンダー、現代の最大のミステリーを問う」を2000年に出版して以来、博士はコルマンインデックスに基づき一貫した主張を繰り返している。コルマンインデックスに内在する長期傾向の予測から今後の方向性を占った。
今回の記事
ギリシャのデフォルト危機は、回避できるかどうかぎりぎりのところに来ている。また、アメリカのウォール街占拠行動は全米に拡大する様相を見せている。まず今回は、コルマンインデックスから今後の方向性を見て見る。また、メルマガでも紹介したコルマンインデックスに内在する長期傾向を確認する。
次に、コルマン博士の最新論文の全訳を掲載する。最後に、ハンク・ウエスルマン博士の最新のベストセラー、「精霊の世界に覚醒して」の翻訳の一部を掲載する。
地震の警告
10月の地震を警告するサイトや機関が増えている。何もないに越したことはないが、一応念のため用心だけはしておいたほうがよさそうだ。エドガー・ケイシーの霊と交信して予言を行うダグラス・ジェームス・コトレル博士も10月を警告している。
金融危機は本当に起こるのか?
金融危機はもはや避けられないのではないかという悲観論が非常に強くなっている。第二の金融危機が起こるとすると、その規模は2008年のリーマンショックを大きく上回ることになる。いまぎりぎりのところにいるが、起こるとすればどのようなタイミングで何が実際にあるのかコルマンインデックスを一つの手掛かりとして見て見る。この部分は有料メルマガでも詳しく解説した部分だ。要約を掲載する。
異なったサイクルの時期のシンクロ
何度も書いているが、コルマンインデックスではそれぞれのサイクルの時期はシンクロし、異なったサイクルの同じ時期には同じようなタイプの出来事があるとされている。興味深いことに、確かにそのような傾向は見られ、過去のサイクルのある期間に起こったと同種の出来事が、今のサイクルの同じ期間に重なる傾向ははっきりあるように思う。以下が最近の例だ。
第8サイクル第2の昼 同時多発テロ
第9サイクル第2の昼 オサマ・ビンラディンの殺害
第8サイクル第5の昼 金融危機の始まり
第9サイクル第5の昼 米債務上限引上法案可決難航
第8サイクル第5の夜 リーマンショック
第9サイクル第5の夜 米国債格下げ、ギリシャ危機深刻化
だが、確かに同じような出来事が指定された期間に収斂する傾向は否定できないが、そうした出来事が実際に起こって危機の引き金が引かれるかどうかは分からない。
米国のデフォルトの引き金にもなりかねなかった債務上限引き上げ法案はそのよい例だ。もし米議会で否決されていたのなら、アメリカのデフォルトの危機から金融危機が発生していたことは間違いない。
もちろん、債務上限引き上げ法案は可決され米国発の金融危機は回避されたわけだが、法案の可決の期限である8月2日が、第8サイクルで金融危機が始まった第5の昼の期間になったことは興味深いシンクロだ。コルマンインデックスでは、期間のこのようなシンクロはいつも見られることである。
では今回のシンクロは?
10月11日から第9サイクル、最後の期間である第7の昼に入った。第8サイクルでは次のようなことが起こり、やはりいまの米経済の失速の方向がいわば定まった時期であった。2010年11月3日、米下院では連邦政府の大幅縮小を訴える茶会派が主流となり、オバマ政権の景気刺激策がことごとく拒絶される結果となったからである。
第8サイクル第7の昼 オバマ政権、中間選挙の歴史的な大敗と米経済の失速開始。草の根保守の茶会派大躍進
では、第9サイクルの第7の昼ではどのような出来事が予定されているのか?以下である。
第9サイクル第7の昼 スロバキアの否決でギリシャのデフォルト確定?ウォール街占拠運動の全米への拡大と先鋭化?
スロバキア議会のEFSF2の否決はギリシャのデフォルトの引き金となり、第2の金融危機を引き起こすだろうし、ウォール街占拠運動が全米へと拡大すると、保守派の茶会派以上に影響力のある運動にもなりかねない。両サイクルのシンクロは明らかなような気がする。
しかし、債務上限引き上げ法案が可決されたように、ギリギリで引き金が引かれることが回避されることもある。本日の10月11日から第7の昼の期間に入る。どうなるのか注視すべきだろう。
コルマンインデックスに内在する長期傾向
次のテーマにゆく。前々回の有料メルマガでも紹介したが、コルマンインデックスにはマヤカレンダーの進行で顕在化するとされる長期の傾向が内在している。
コルマン博士が最初の著作、「マヤカレンダー、現代のミステリーを解決する」を世に問うたのは11年前の2000年である。おそらくこの本は、その前年の1999年に書かれている。1999年と言えば、グローバリゼーションで世界経済は著しく拡大しており、今後不況は起こることは二度とないとするニューエコノミー論が主流であったときだ。
すでに2000年から、コルマン博士はコルマンインデックスが実現する長期の傾向を一貫して主張し続けていた。それらの主なものは以下である。
意識の変化
1)将来の計画を志向する目的合理的な行動が希薄になり、生きている「いま」に最大の幸福を感じる意識に変化する。
2)物欲や他者の支配を欲する権力欲が衰退し、人間関係に最大限の喜びを見いだす意識状態になる。
3)競争で勝利し、権力を追い求める強い自我を持った権力型の人格から、多くの人を対話で説得できる対話型の人格へと変化する。
社会システムの変化
4)ピラミッド型の階層構造やそうした構造に基づく権力型の組織が崩壊し、メンバーの協調によるフラットなネットワークの組織が社会のあらゆる側面を担うようになってゆく。
5)無限の物欲の再生産と、無理な成長を強いる消費社会から、社会の実質的な必要性に基づいて生産する実質的な経済へと移行する。
6)根拠のない幻想的な価値に基づく金融資本主義から、必要なものとサービスの生産を中心とした実体経済に移行する。
7)第6意識に基づいた古い社会集団への帰属意識の衰退と、国家の弱体化と消滅に向かう流れが出現する。
思想の変化
8)特定の民族のアイデンティティーに過度に固執する民族意識や国家主義が衰退し、普遍的な人類意識が出現する。
9)左翼と右翼、保守と革新というように二極に分化した見方から、どんな対立した見方にも共通点を見いだし、対立を統合する総合的な知へと移行する。
以上である。
いま行われているウォール街占拠運動のスローガンが「金融資本主義が放棄されるまでウォール街の占拠を続ける」としているのは、まさにコルマンインデックスの長期傾向が実現しているようにも見え、非常に興味深い。
コルマン博士の最新論文全訳
10月3日、コルマン博士は最新論文「マヤカレンダーの終わり、太陽フレアと地球変動」を発表した。いつものように「目的ある宇宙」の翻訳チームのキクチさんより翻訳をいただいた。翻訳を提供いただいたキクチさんには心より感謝する。以前の筆者の翻訳と統一させるため、若干用語を直した。
上で解説したコルマンインデックスの長期傾向を念頭に置いて読むと興味深いはずだ。
マヤカレンダーの終わり、太陽フレアと地球変動
コスミックコンバージェンスのセレモニーを終えて、今では、全ての創造の進化計画が完了するまでの時間は(あるいは少なくとも最高段階が達成されるまでに)、一つの「夜」に満たない期間とと一つの「昼」を残すだけになった。預言されていた通りに、第9サイクルは、その他の(第1~8の)波とともに、マヤカレンダーが2011年10月28日に近づくにつれて、途方もない周波数の高まりをもたらした。このことは多くの人々が個人的に経験しているが、世界の大部分を覆っている政治的・経済的カオスの拡がりからも容易に見て取れる。現在の不安定さは、実際に起こっている事柄ばかりでなく、現象や変化の受け止め方と報告のされ方が絶え間なく揺れ動いていることにも明瞭に現れている。たとえば、ギリシャはある日破産状態だと伝えられ一方、トロイカ(訳注:EU、IMF、ECB)の援助で十分に持ちこたえるとも言われ、その翌日には再び破産していると言われている。カダフィ体制は崩壊したと伝えられる一方、戦闘が続いているとも言われ、翌日には再び崩壊したと言われている。
現在の不確実な世界では、インターネット上の新しいメディアによるニュースの解釈が、ギャップを埋める試みによって、しばしば差し迫っているカタストロフィについての全体的な確実性を語っている。そこでは、時にはエレニン彗星が地震を引き起こし世界を破滅させると言われ、次にエレニンは存在しないと言われ、そして再びエレニンが戻ってきている(それとも、それはプラネットXのことだろうか?)。何であれ、どんなに狂わしく不自然な代物でも、ユーチューブでは生真面目な視聴者を獲得し、あたかも深刻な情報であるかのように扱われているのだ。このようにして、世界の不安定さに、さらに情報のカオスが加わって、多くの人々にとっては、もはや誰を信じ何を信じればいいのか分からなくなっていることだろう。人々が、世界が磨り潰されていくという認識を持ってしまった心理的な枠組みは、実際に起こっている出来事の推移とともに、私たちの時代の表象なのだ。また、心理的な認識の意味深さをまったく拒絶する人々がいることも確かだ。
この浸食は、私たちの思考方法に、新しい局面とラディカルなシフトのための基盤を準備した。そして、世界の大半は、第9サイクルによって、過去のバランスを振るい落とされたという事実の認識と受容へと向かわせた。これらの全ての背後には、何かしら未知で劇的なことが起ころうとしていることへの神経質な期待があるのかもしれない。多くの人々が、心の内でこの期待を極めてネガティヴに捉えているのは、驚くには当たらない。結局のところ、第9サイクルが展開していく様相は、本質的には黙示録16章を使って予言することができるのだ。そこでは、古い世界の構造が7日間でほとんど破壊されるのだ。このようにして、古い発展のルートは次々に塞がれ、現在の文明が行き詰まる経験が広まり、その代替策はまだ見えてこない。このように、第9サイクルが作り出した新しいものは、ごく少ないのである。多くの人々が内面でワンネスの覚醒を経験している一方で、その外界への表出は極めて周辺的な部分に留まっているのである。
現在の世界を浸食するものの一つとして、私は比較的早くから、第9サイクル第5昼が経済の下降をもたらすエネルギーになるだろうと予言したが、これは全く正確なものだった(そして、経済は、人々が互いにどのように関係し合うかを映し出す最良の鏡なのだ。) 事実、この時からいわゆる”市場”が世界的な債務危機に見舞われ始め、第9サイクルのシフトポイントが訪れるごとにこの危機は深まっている。長引く危機の性質は、世界の政治経済システムが崩壊に向かっているという事実を変えるものではないし、崩壊を回避できる兆候はない。アメリカやドイツなど主要国の成長は止まってしまったし(ギリシャやイタリアは論外である)、そのために、実際には債務支払のためのあらゆる試みが塞がれているのだ。
経済下降によって、より多く課税してくれという超富裕層の合唱や、中国がイタリアやユーロ諸国を支えるために国債を購入する可能性などの驚くべき現象が現れた。私には、これらのうちのどれか一つでも実現するとは思えないし、支配者たちもトリックの種が尽きたように感じられる。行き詰まりにもかかわらず、世界中のほとんどのところでは、おそらく人々の生活はこれまでと変わっていないだろう。このように、多くの人々が期待しあるいは恐れている崩壊を促進させるに足りるほど強い現象はまだ起こっていない。それは、10月11~28日にかけての第9サイクル第7昼に持ち越されるように思われる。もしそうであるなら、カレンダーが終わるときは、極めて顕著な断絶が起こるだろう。
私たちが今目撃しているのは、いつのも景気後退ではなく、世界資本主義の終焉なのだ。そしてアメリカで起こっている”ウォールストリート”への抗議運動が、これを端的に示しているだろう。しかしながら、古いシステムが生き延びている限り、それに代わる新しい世界が本当に始まることはない、という印象を持つ人もいるだろう。そのようになるためには、現在の二元論に基づく権力構造のために作られた法体系とあまりに多くの衝突を経なければならないし、そして完全な崩壊が起こった後でのみ、たいていの人は、新しい生き方の創造に情熱を燃やし、政治と経済の領域にも関係するだろう。また注意すべきは、このような新しい世界の誕生を妨げるために、崩壊が起こったときに、権力者たちはそれが一時的な経済下降にすぎないように見せかけるだろうことだ。統合意識へ向けた進化を表しているマヤカレンダーの視点を持たない人々は、そのような幻想に支配されてしまうことだろう。そして、このことはカレンダーが2012年12月21日に終わると信じることの危険性を際立たせる。それは古いシステムの復活を望む人々の手の内に落ちるようなものだ。
政治経済上の混迷に加えて、第9サイクルでは多くの種類の自然災害が激しさを増している。それは、時には、以前には決して見られなかった激しさになっている。自然災害に大きな関心が持たれるようになり、インターネットでは大災害に熱中するジャンルを生み出した。そこでは、自然災害の情報が飛び交っているが、そのような災害がなぜ今起こっているのかは、理解もされず説明もされていない。それらの災害は、太陽フレア、彗星、地震、洪水、熱波、強風を含むが、その多くは第9サイクルになって頻発しているのだ。
洪水、熱波、寒波、強風などの自然災害は、部分的には人類が気候に与えた影響によって強化されているが、地震現象についてはそうではない。それは私たちが引き起こしたり操作したりすることはできないものだ。これは、いわゆる地球変動についても当てはまる。異常な海岸線を作り出すなどの地球変動は、もともとエドガー・ケイシーによってその発生を予言されたが、ケイシーの発生時期を1958~98年とする部分は誤っていた。現在では大きな関心が集まっていることから、地球変動が宇宙計画の一部分で、マヤカレンダーを使って予言できるかどうか検討してみるのが適切だろう。「マヤカレンダーと意識変容(2004)」の中で、私は次のように述べている。「宇宙で現在進行している意識における周波数の高まりの結果として、少なくともいくらかの小規模な地球変動は起こるかも知れない。しかし、まさに地球変動が創造の最終段階の目的であるという最後の審判の見方を作り出すために、原因と結果を逆転させることは支持できない。起こりうるどのような物理的結果も、意識フィールドで起こる変化の副産物としてのみ捉えられるべきなのだ・・・」 そして、私は、これは今でも正しく、重要であると考えている。なぜならば、第9サイクルの周波数の高まりは、全宇宙、銀河系、太陽系、惑星、人間などの宇宙のさまざまなレベルで同時に作用しており、私たちはそれらの全ての表れを観察する期待を持っているのだ。だが、全宇宙や銀河系レベルでの表れを研究するのは困難かも知れないが、太陽レベルではそれは可能だ。フレアによって太陽への関心は高まっている。第9サイクルで起きた太陽フレアの中で最大級のものを、以下にまとめてみる。これはマヤカレンダーと関係があるのだろうか?
これは、長期間にわたる観測データの蓄積と解析を必要とする複雑な問題だが、そのようなデータは存在しない。それでも、上のリストに見られる、3月9日の第9サイクルの開始と、第5昼、第6昼の開始時に大規模なフレアが発生しているのは注目に値するだろう。これらのフレアとマヤカレンダーの第9サイクルにつながりがあると仮定していいだろう。たとえ太陽活動の活発化が通常の太陽周期の一部分だと予想されたとしても、現在の活動が数年間遅れているのは予測されなかったことで、そして、まさに今、第9サイクルとの同調性がはっきりしたのだ。もしこれが正しいとしたら、マヤカレンダーの終わりに向けて(10月11日から第7昼が始まる)、太陽フレアの活発化が予想されるのだ。
私たち自身の惑星の地震活動を取り上げてみれば、私が「The Purposeful Universe」で検討したように、マヤカレンダーとの関連はよりはっきりしている。大陸移動は哺乳類アンダーワールドの惑星生命樹から発せられるパルスが原因になっており、大陸移動(プレートテクトニクスとも呼ばれる)はあらゆる地震と火山噴火の原因なのだ。今はカレンダーの終わりに差しかかっているのだから、グローバルブレインである地球の大陸構造もまさに完成され、それが地殻の安定性に影響するのではないかと問うことになるだろう。もしそうであるとしたら、最近の地震活動の増大は、地球内核が宇宙生命樹からの新しい統合意識の伝達を受けるために微調整された事実に由来することになる。そのような微調整は、地表に住む私たちにとっては、とりわけ”重大な(fine)”経験であり、極めて劇的な結果になるだろう。それでも、それらは目的を持った計画の一部分であると理解することが大切なのだ。
これが、今のこの時に地震活動が増大しているのか(その増大は日本の地震と津波を通して第9サイクルの種が播かれたときに明らかになったが)についての、私が知る限り唯一の納得のいく説明なのである。現在の地震活動の増大は、言い換えれば、カレンダーが終わりに近づいているためなのだ。このことが不確かであっても、私自身は、カレンダーが終わるときには、地震に対して安全な場所にいたいと思っている。
本稿は、2011年10月28日にマヤカレンダーが終わる前の、私の最後の発信になるかもしれないので、この”終わり”が何を意味するのかを検討し、そしてもちろんこれまでに検討されてきた質問も取り上げたい。私の基本的な答えは、宇宙が最高の量子状態に到達し、9階層のピラミッドの頂点において、生命のための新しいステージを創造する、ということだ。カレンダーが終わると新しいサイクルが始まると一般的に考えられているが、誤りである。なぜならば、まず、終わりになるのは(循環する)サイクルではなく、9つの、方向性を持った直線的な進化の波なのである。預言的なマヤカレンダーシステムの中でサイクルと呼べるものは、260日のツォルキンだけであり、終わりになるサイクルはツォルキンだけなのだ。それでも、このサイクルが創造エネルギーのマトリックスとして、そして日文字との個人的な共鳴のマトリックスとして重要であるとしても、それは大スケールの宇宙の進化や宇宙意識の進化を駆動する役割は持っていないのだから。
このことを心にとめて、私は宇宙が最高状態を達成した後の3つの可能性を考えてみたい。第1に最も劇的な可能性は、ツォルキンのサイクルと同じく全ての波が終わることだ。これは、私たちの生活や行動のエネルギー的な規制が未来に向かって突然終わることを意味し、一種のフリーダムショックをもたらすだろう。人生は、完全に瞬間瞬間だけを生きることになり、それぞれの瞬間がすなわち永遠であり、それは他の瞬間との組織的な繋がりを持たない。第2の可能性は、これは私が最近思索しているものだが、9つの波はその進化プロセスを達成して終了するが、ツォルキンはいくらかのエネルギー的なバックグラウンドのヴァリエーションを作り出すために継続する、というものだ。ここでは、私たちの進化を方向づける波はなくなって瞬間瞬間に生きていくが、ツォルキンの日々のエネルギー変化が、完全な無時間の経験を妨げるのである。第三の可能性は、ツォルキンだけでなく、9つの創造の波(アンダーワールド)も無限定に続いていき、ピークとデップも13に限定されないというものだ。これは、やはり、私たちがもはや趣旨から成熟した果実へと方向付けられたプロセスに縛られることはないが、永遠の現在をいきるということを意味しない。むしろ、現在私たちの進化を駆動している全ての波は、統合意識を達成した後も、終わることなく継続していく、というものだ。
後者の見方は、古代のパレンケの遺跡に残されているように思われる。なぜなら、そこでは、予言的とは考えられないにもかかわらず、カレンダーの日付が遠い未来まで言及されているのだ。いまのところ、カレンダーが終わった後に、3つの可能性のどれが実現するのかは確実なことは言えない。だが、いずれにしても、私たちの生の経験に根本的な不連続性と、全面的とは言えないとしても重大な変容をもたらすだろう。3つの可能性のどれもが、方向付けられた進化の終わりと自由の実現を意味するのだ。ネガティヴな前兆が同時に現れている現在の状況にもかかわらず、おそらくは、未来からの”呼びかけ”を耳にしているために、おびただしい数の人々が、まさにこのときに本来の故郷に帰り、まさにあるべき姿の人生を楽しみ始めているのだ。つまるところ、おそらくは統合意識へのシフトが進行していて、宇宙は、私たちが本来の存在に戻っていくことを許し始めているのだ。
以上である。
ハンク・ウエスルマン博士の最新ベストセラー、「神霊の世界に覚醒して」
最後のテーマにゆく。このブログでも何度か告知した、人類学者でシャーマンのハンク・ウエスルマン博士の最新ベストセラー、「神霊の世界に覚醒して」の翻訳が完成に近づいてきた。時間があまりにないので、翻訳は大手外資系に勤務する筆者の生徒さんに全面的に手伝ってもらった。まだ出版の期日は決まっていないが、以下のタイトルでシャーマントレーニングCD付きで出版されるはずだ。
「神霊の世界に覚醒して 高島康司監修、豊田泰士訳」
期待以上にすばらしい本であった。いままさに起ころうとしている意識変化の方向性をはっきり示した本になっている。
今回はその第14章の一部を紹介する。上のコルマン博士の論文の内容と実によくシンクロしている。お読みいただきたい。
14章 変容してゆく社会
マヤ族やインカ族やホピ族などが世界の終わりだと予言している2012年について、それを気にする本が過剰なまでに出版されている。これは現在の時代のサイクルが終わりに近付いていることに多くの人が気付いてきていることの反映でもある。
時代のサイクル
今起こっているこの意識の変容(一部の個人だけではなく、コミュニティの意識が変容していること)を、新しい文化的な再興と人類学者は呼ぶかもしれない。
歴史学者のリチャード・セリンは、西洋文明は直線的に発展することに躍起になってきたという考え方は、実は思い違いだと著作の中で語っている。知的なトレンドに埋め込まれたそれぞれの時代精神は、あるサイクルで規則的に再び現れるので、サイクル的であって直線的な進歩ではないというのだ。
ウエスルマン教授によると、旧石器時代のはじめから終わりまで、つまり約42000年前から約11000年前までが、この変容するサイクルの最初の時代だったという。「今日の未開の部族の人々の世界観と比べると、新石器時代の壁画からわかるのは、当時の人々の信仰はアニミズム的(あらゆるものに生命あるいは精霊が宿っていると認める考え方)であり、生命あるものも無いものも、それ自身の超自然的な魂というエッセンスを持ち合わせていると考えられていました。
すべてのものは大自然に内在する英知を備えていることに人間は気付いており、人間もその当時には大自然の英知と深い関係にありました。この原始的なスピリチュアル性は、石器時代に生きていた祖先から現代の私たちにも受け継がれている。当時は自然が神であり、信仰をしている人がシャーマンでした。
第二サイクル時代は新石器時代であり、約11000年前から4000年ほど続きました。この時代は旧石器時代の後、狩猟と採集以外の暮らし方をみつけた時代です。稲作などの農業や、家畜を飼うことにより生計を立て始めました。村をつくって集まって住んでいました。(訳者注:日本では縄文時代の一部に当たる。)
第二サイクル時代でも、信仰を行っていたのはシャーマンに違いありません。自然の全ては、生き物でも石のような無機物でも、生命を宿していると考えられていました。しかし第一サイクルとは明らかな違いもあります。彫刻などで妊娠中の女性が描かれていることです。(訳者注:土偶のこと)妊娠中の女性の原型を崇めるという考えが突出しており、それこそが新石器時代にスピリチュアル的にフォーカスが当たっていたことなのです。
約5000年前、紀元前3000年ごろに、メソポタミア地方にシュメール人が文明社会を築いたのが第3サイクルの始まりです。この時代には多神教という新しいスピリチュアル思想が出現しました。数多くの神や女神が自然の上に君臨していると考えられていました。(訳者注:天照大神、イザナギ、イザナミなどが登場する日本神話は、8世紀に編纂された古事記や日本書紀に書かれている。数多くの神々が登場する日本神話は、この第3サイクル時代における信仰の日本版と理解してよいと思う。)これ以前には、位の高い神とか女神といった概念はなかったと思われます。異論がある評論家もいるかもしれませんが。これは階層的な宇宙観であり、当時の文明が階級的であるために人間自身への見方が変ったことを反映しています。
3000年ほど続いたと思われるこの第3サイクルでは、階級の概念がある信仰が出現しました。
僧侶と呼ぶべき官僚的な人々が、始めて信仰を専門的に行ったのです。
位の高い神々は、超自然的な意味で人間心理の側面をシンボル化したものであり、同時に自然世界の様々な力や側面をイデオロジカルな意味で象徴しています。例えば、ギリシャ神話の天の神であるゼウスは、稲妻などの閃光のエレメントの力を象徴しています。ゼウスの兄のポセイドンは海の神であり、ゼウスの娘のアテナは頭脳明晰で知恵と理性の女神であり、闘いの女神でもあります。
ローマ時代には、ゼウスはジュピター、ポセイドンはネプチューン、アテナはミナルヴァと呼ばれました。ローマ帝国が2000年ほど昔に滅びて、第3サイクル時代が終わりました。
第4サイクル時代では、新しい信仰が誕生しました。一神教です。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教では、あるとき唯一の偉大なる神が、宇宙と全てを創造したと考えられています。その時に創造された天使や大天使や聖人や預言者は、唯一の絶対神より下の位である。再度強調すると、こういった宗教観は当時の人間社会の変化を反映しています。人間社会がより中央集権化され、より階級化されて、王や皇帝がトップに君臨するという形に変ったことが、超自然的なものへ認識も変化させたのです。
アラーやヤハヴェなど呼び名は複数あるが、一神教は唯一の絶対神が超自然を支配すると考えてきました。そしてこれが、この2000年ほど西洋世界で続いている信仰なのです。
第4サイクル時代は比較的長い神政政治的なフェイズから始まり、社会は宗教的な教義に大きく依存していました。
真実は一神教の絶対神の思し召しによって決められており、その絶対神を信仰することは政治的な目的を持った官僚的な僧侶らによって取り行われていた、とセリン氏は言います。
ローマ時代から18世紀でヨーロッパで起こった啓蒙運動(訳者注:特にフランスで著しかった、宗教を脱して科学と知識により生活改善を目指すことを啓蒙する運動)までの約1400年間、こうして一神教は『運用』されていたのです。西洋歴史についての知識人であれば、反論はないでしょう。
この時代のマインドは、ここで大きく変わります。ギルドと呼ばれた中世の同職組合が現在の企業社会のインフラとなったように、科学と主知主義がこの第4サイクル世代のセカンドステージの始まりとなりました。真実は科学と言う新しい神話によって再定義され、信仰は全般的に権威を失いました。科学的合理主義によって支配されたこのセカンドステージは、今まで約300年間続いてきています。(本章の冒頭で述べられたように)スピリチュアル的な覚醒が現在起こってきていることは、このフェイズは終わりに近付いていることを示唆しています。
今は第4サイクル時代の最終ステージであるサード・ステージに向かっていると、セリン氏は主張しています。これはスピリチュアルなフェイズであり、セカンド・ステージを超えるために、科学とスピリチュアル性が統合されてゆくのです。
今起こっている変容が一時的な気紛れではないことは、無視できない数の人々がこの変容を感じていることが証明しています。と言うよりも、この広範な社会現象は、真正な『変容した社会』が誕生していることを布告しています。その変容した人々の信条や価値観やトレンドが、西洋社会の文化規範を既に変え始めています。」
神霊世界に覚醒する方法
過去10年間(2000年から2010年)、現代版シャーマニズムの実践者でありトム・コーワンは、量子力学などの新しい物理学が発見したことには勇気づけられてきた。物理学上の発見が、量子論の世界と神霊世界への覚醒の両方で、新しい用語を必要としてきたことを説明する。
「今日では多くの宗教的な信条が疑われた結果、現代の世界観と比べて不十分であると言われます。そのような中で、生物学や物理学のように全く違う分野における宇宙観と、自分の宇宙観が一致すると、いつも安心します。
量子の世界を語るには今の用語では不十分だと言われてきました。同じことが、スピリチュアル世界にも言えます。新しい言語がないと表現しきれないのです。言語自体はツールなので、意味も使われ方も絶えず変化してゆくものです。可変的でいろいろな解釈が可能な用語がもし必要とされるならば、あるいは意味すらもまだ与えられていない用語が必要ならば、私たちはそういった用語を新しく創ることもできるのです。ということは、私たちがスピリチュアル世界などの未知の世界を理解するためには、それを記述するための言語を私たちのクリエイティブなイマジネーションが創り出せるかどうかにかかっているとも言えるのです。
私たちのスピリチュアルな信条が宇宙誕生の時からの精神性に基づくものならば、ミステリアスで説明のつかないものを味わって楽しめるはずです。そして人類初期のスピリチュアルな信条とは、私の知る限りでは『大自然の力』そのものだったのです。『大自然の力』は聖なる神的なものだと考えられていました。太古の昔には、『大自然の力』がどうなっているかなどを科学的に説明できる人がいなかった事も理由です。今日では台風や稲妻や電気などの現象の奥にある物理学的な知識はありますが、幾分はミステリーとして残されたままです。これらの力は人類にはコントロール出来ないこともあって、これらを理解するためには人類のクリエイティブなイマジネーションが必要なのです。
その昔アリストテレスは、「イマジネーションは魂が使う言語であり、人類のスピリチュアリティを説明できる言語である。」といました。つまり、イマジネーションは魂のクリエイティブな領域に見られるものなのです。ですから自分を大宇宙と、また自分自身の内面世界と繋げるために、新しい言語が必要だと思うのです。
以上である。
いま我々は歴史的な大激動期と、意識や価値観の根本的な変化の渦中にいる。コルマン博士の最新論文とウエスルマン博士の本はこの動きを如実に表している。
続く
むちゃくちゃおもしろかった講談
筆者は月刊ザ・フナイの連載を書かせてもらっているが、読者の方に講談師の方がおり、会う機会があった。筆者は講談はこれまで聞く機会がなかったが、実におもしろかった!今後はスピリチュアル系の講談をやるそうである。サイトに音声ファイルがあるので聞いて見たらよいだろう。
田辺鶴瑛
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