いよいよ第7の日に突入3 北朝鮮情勢とわれわれの内面の変化
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北朝鮮情勢が非常に緊迫している。今回は日本ではあまり知られていない情報を中心に、北朝鮮情勢を解析した。
特に今回の記事では、11月24日にジミー・カーター元大統領がアメリカの大手紙、ワシントンポストに寄せた記事を詳しく紹介した。カーター元大統領は、1994年以来アメリカ政府の特使として何度も北朝鮮を訪れ交渉を成功させてきた米国政府が全面的に信頼する特使である。最近でも今年の8月にピョンヤンを訪れ、不法入国で拘束されていたアメリカ人の解放に成功したばかりである。
カーター元大統領はこのとき、1994年に訪れた時に交渉した北朝鮮政府高官と会談することができた。そのとき、朝鮮半島の緊張を緩和するためには北朝鮮は何を望むのか聞いた。すると北朝鮮側から明確な回答が示された。
カーター元大統領はこの回答を提言の形でワシントンポストに掲載した。だが、その内容は日本でも米国でも完全に無視されたような状態になっている。
北朝鮮情勢を理解する上でもこの記事はとても重要なので、改めて今回の記事で詳しく解説する。
その他、メルマガではCIA系シンクタンクのストラトフォーの分析などを紹介し、北朝鮮情勢を解説した。
今回の記事
コルマンインデックスの第8サイクルの最後の期間である第7の日に入った。やはり予告されていた通り、この期間に入るやいなや予想を越えた出来事が多発し、変化に向かう時間が加速している。
まず今回は、2007年6月のこのブログを開設して間もない頃に書いたコルマンインデックスの記事を再度参照し、いま起こりつつある変化の向かう方向を明確にする。
次に、カーター元大統領が掲載した記事を詳しく紹介し、北朝鮮情勢であまり知られていない情報を紹介する。
最後に、現代のシャーマンとも呼ばれている人類学者のハンク・ウェスルマン博士の論文を紹介する。われわれが向かっていいる精神的な進化の方向性が感じられると思う。
変化の時期
周知のように、11月3日から、コルマンインデックス第8サイクル最後の第7の日の期間に入った。2011年3月9日から、マヤカレンダー最後の第9サイクルに入る。これらすべてのサイクルは2011年10月28日に終了し、マヤカレンダーも同じく終了する。
北朝鮮情勢もそうだが、明らかに第7の日に入ってから変化が加速している。そしてウェブボットも、いままさに変化の時期に入ったことを予告している。
最新版のウェブボット報告書、「来るべき未来の形 0巻8号」では、感情値のデータの変動では、11月5日から14日にかけて転換点があり、11月14日から2011年1月8日までが感情の放出期とされている。
感情の放出期とは、ショッキングな事件や出来事がきっかけとなり、これまで蓄積されたストレスが一気に吐き出される期間である。今回放出される感情の大きさは、リーマンショックを上回るこれまでにないレベルに達している。つまり、この期間にショッキングな出来事が相次いでもおかしくないということを表している。
集合無意識の圧縮されたイメージ
ウェブボットは、書かれていることがそのまま的中するというものではまったくない。それは予言というよりも、時間概念がまったく存在していない集合無意識に充満している様々なイメージの集合体を、任意に抽出した記録である。そこには、未来のあらゆるイメージが混然一体となって存在している。自己実現的な予言も含めて、そのイメージの中には実際に未来の出来事となって顕在化するものも多い。
今回、「In Deep」のnoffyさんが紹介してくれている「フランス人の革命家」もそのよい例だ。ぜひ「In Deep」の該当記事を参照していただきたい。
感情値の変動期間の信頼度
ウェブボットには、集合無意識の具体的なイメージとは違った、感情値の蓄積期間と放出期間に関する抽象的なデータが存在している。感情の蓄積期とは、状況の変化からストレスの蓄積が進む期間であり、放出期とは、ショッキングな出来事や事件がきっかけとなり、たまったストレスが一気に放出される時期である。つまり、変化の時期のタイミングと期間を表しているのが感情の蓄積期と放出期の概念である。
これらは、出来事の具体的なイメージを伴っていないだけに比較的に正確で、感情の放出期間には確かに大きな変化が集中しやすい傾向がある。
例えば過去には、9.11やリーマンショック、ならびに2008年10月の金融安定化法案の否決で始まった株価の大暴落などが、予告された放出期間に起こっている。
そして、今回も過去にないくらい感情値の大きな放出期間に入っているのである。
共通のテーマ、抑圧されてきた矛盾の暴露と破裂
それでは、第7の日や感情の放出期間に起こってくる変化とはどのようなものなのだろうか?北朝鮮情勢など、変化はすでに起こり始めているので理解しやすいだろう。変化を主導する共通のテーマとは、これまでの状況や既存のシステムのもとで隠され、抑圧され続けてきた矛盾や秘密が明らかとなり、それらが解決を一斉に迫ってくるということだろう。
無罪の人間を陥れる特捜検察の手口の暴露、尖閣諸島ビデオの流出などは、隠されてきた秘密の暴露であろう。また、アメリカのサイト、ウィキリークスによる米国政府の外交公電のリークもそうだ。
そして、尖閣諸島の領有権の問題が全面化したことは、これまで日中間の紛争を解決していたメカニズムの破綻をきっかけに噴出した矛盾だし、ロシアのメドベージェフ大統領の国後島訪問、さらに今回の北朝鮮の延坪島攻撃なども、これまで解決を先延ばしにしていた歴史的問題が、明確な解決を迫って歴史の表面に噴出してきたかのようだ。
歴史的な問題というのは、前者はロシアとの平和条約の締結、そして後者は北朝鮮とアメリカの平和条約締結による朝鮮戦争の法的な終結のことだ。
これはつまり、人間でいえば、無意識の領域に抑圧され、すでに忘却の彼方に消え去っていた過去のトラウマが何かのきっかけで活性化し、解決を迫って意識の表面に昇ってきたようなものである。
これと同じように、様々なバランスやシステムの機能のために見えなくなっていた社会制度や歴史の影の部分が、明確な解決を求めて表面に出てきたということだ。
過去の記事、秩序の崩壊ー強権による維持ー最終的な崩壊から新たな再生へ
このブログを始めた動機の一つは、日本ではまったく知られていなかったコルマンインデックスを紹介することであった。ブログを始めて間もない2007年6月に以下のような記事を書いた。これは第5の日の期間に何が起こるのか解説したものだ。いま読むとおもしろい。
(第5の日以降の期間で明確になるのは)秩序の崩壊ー強権による維持ー最終的な崩壊へといたるリズムである。では第7サイクルのように、旧秩序の崩壊と新秩序構築を進めるための戦争は不可避なのだろうか?
コルマンは、この変化はからずしも戦争を伴うものとは思っていないようだ。マヤカレンダーは具体的な事件を予言するものではなく、特定の時期にどのような種類の事件が発生するのか予想する地図のようなものだ。
コルマンによると、第5の日には、IMFや世界銀行、それに国際金融マーケットのような米国中心の国際秩序を担っている国際的な機関が機能障害を起こし、混乱がはっきりとした形をとって現れる。これに米国国内の暴動や社会不安などを含めてよいかもしれない。
だがこの混乱は、次の第5の日では国際協調による強権の発動によって無理やり修復される。これによっていっけん何事もなかったような正常な状態に戻る。だがそれは長くは続かず、第5の夜の後半から第6の日にかけて最終的に崩壊する。これがコルマンの解釈する第5の日だ。
以上である。
この文章はリーマンショックの一年以上前に書いたものだ。確かに、リーマンショックで頂点に達した金融危機は、第5の夜と第6の日の期間で、G20のような国際会議による協調的な枠組みの形成で一部は押さえ込まれ、現在に至っている。
ただこの文章では強権の発動による問題の抑圧と隠蔽は次の第6の夜にかけてほころび、システムの本格的な変容が迫られるとされていたが、それは起こらなかった。いや、起こらなかったというよりも、矛盾の発現が抑止され続けてきたといったほうがよいかもしれない。
この文章はあくまで象徴的なものとして読んでほしい。予想が的中したかどうかというよりも、重要なのは、秩序の崩壊ー強権による維持ー最終的な崩壊、そして新たな再生へというパターンである。現在、われわれが体験しているのは、まさにコルマンインデックスのこのパターンであるのかもしれない。
個人とのシンクロ
さらに重要なことは、こうしたパターンは社会や世界情勢だけではなく、個人のレベルにも当てはまる可能性があるということだ。やはり、2007年6月には次のように書いた。
すると第5の日の「秩序崩壊ー強権による維持ー最終的な崩壊」というリズムも、周囲の環境や客観的な世界が自然と変化して、勝手に崩壊したり強権的に維持されることをいっているわけではないことは明らかだ。このリズムは、われわれ一人一人の内面の激烈な変化として訪れるのである。その結果が世界の変化なのだ。ならば、秩序が崩壊するというとき、われわれの内面の何が崩壊するのだろうか。
コルマンによると、崩壊するのは古い自分自身であるという。
現在われわれは第8サイクルにいるわけだが、すでにみたようにこのサイクルのテーマは、ものごとの統合の中心軸が左脳的な原理から右脳的な原理へと急速に移動することだ。右脳的な原理は、直観力、インスピレーション、創造性、ひらめき、そしてスピリチュアルな価値の目覚めを象徴するものとされている。この原理がものごとを統合する原理として現れ、これに基づいて世界の様相が根本から変化してしまうというのが第8サイクルの一つの意味だ。古い自分自身とはこの対極にある自己のあり方だ。
その形は人それぞれだろう。だがそれは、社会の階層的な秩序や物質中心の価値観に強くとらわれた自己だとコルマンはいう。誰しもこうした自己を持っているはずだが、心の奥底から自然に込み上げてくる、精神的な価値を指向する強い欲求によってこれが根底から変化せざるを得なくなるのが古い自己の崩壊ということだ。それはまさに覚醒なのだという。
この覚醒がもっとも強まるのが第五の日以降であるとされる。したがって先に述べた「秩序崩壊ー強権による維持ー最終的な崩壊」というリズムは、「新しい自己の覚醒ー古い自己の復活と押し戻しー覚醒した自己の確立」というリズムの裏面なのだという。第5の日では、覚醒へと向かうこのリズムと力を、現実の生活の中で多くの人が実感するようになるとコルマンはいう。
以上である。
このように、変化の加速は、当然個人の生き方の水準でも現れる。個人の中でも解決されず、抑圧されていた過去のトラウマや人間関係の問題などが頭をもたげ、解決を迫ってくるというような体験である。
個人の内面で解決されていないテーマと直面することはなかなか難しいことだ。トラウマが表面に噴出してくると、これを乗り越えられる新しい自己の獲得がどうしても必要になる。このような新しい自己こそ、コルマンインデックスの意識進化の土台となる自己なのだろうと思う。
秩序崩壊ー強権による維持ー最終的な崩壊、そして新たな再生というリズムは、世界情勢や社会の変化のリズムであると同時に、そうした巨大な流れといやおうなくシンクロしているわれわれ個人の生き方の問題でもあるのだ。
第7の日は新しい自己の出現を予告する期間である。しかし、それには既存の自己を乗り越えることが条件になるのかもしれない。
北朝鮮情勢
朝鮮半島が再度緊張している。朝鮮戦争が起こるかもしれないという観測まで出るほど緊張した状況だ。今回は日本ではあまり知られていない情報も含め、北朝鮮情勢を解説する。
韓国が先に挑発した可能性
一般の報道では、北朝鮮がいきなり韓国領の延坪島に野戦砲で攻撃したかのように報道されているが、事実はこれとは少し異なることが次第に明らかとなってきた。
攻撃が行われた当日、韓国軍は延坪島の近辺で軍事演習を行っていた。そして、北朝鮮の攻撃の1時間ほど前、北朝鮮の領海の海域に砲弾を撃ち込んでいたことが明らかとなった。これは韓国も認めており、砲弾は北朝鮮の領海とは異なった方角だったと説明している。
しかし、北朝鮮の領海に向かって撃たれとする報道も多い。これが北朝鮮を挑発し、結果として攻撃を誘発した可能性は否定できないだろう。
カーター元大統領の記事
攻撃が行われた翌日、11月24日、アメリカの大手紙、ワシントンポストにカーター元大統領による記事が掲載された。「北朝鮮のアメリカへの一貫したメッセージ」である。この記事は元大統領によって書かれたにもかかわらず、日本でもアメリカでもまったく無視されている。
カーター元大統領
1994年、クリントン政権のとき、北朝鮮がプルトニュームの抽出に成功し、核兵器を開発しようとしていることが明らかとなった。これに強い警戒感を持ったクリントン政権は、カーター元大統領を全権特使として北朝鮮に派遣した。カーターは金日正との交渉に成功し、北朝鮮の核開発停止の確約をとりつけた。
それ以来、カーター元大統領は、何か問題があるたびに北朝鮮に派遣され、そのつど交渉を成功させてきた。最近は、8月に北朝鮮に不法入国したかどで拘束されていたアメリカ人の解放に成功している。北朝鮮がもっとも信頼するアメリカ人と呼ばれている。
ワシントンポスト紙の記事
以下が11月24日に掲載されたワシントンポスト紙の記事の要約である。
1994年、金日正の北朝鮮は、IAEAの査察官を追放し、使用済みの核燃料から核兵器の製造に必要なプルトニュームの抽出を行うことを宣言した。そして北朝鮮に対する制裁を解除しないと、ソウルを攻撃すると脅した。
私はクリントン大統領の了解を得て、北朝鮮の指導部に会うことができた。交渉は成功し、ジュネーブで北朝鮮とアメリカの代表団が直接交渉を行うことになった。
ジュネーブでの交渉は合意に達した。朝鮮戦争は正式には終結していない。53年の停戦協定が継続しているだけである。北朝鮮は、朝鮮戦争を正式に終結させる平和条約を将来締結することを条件に、核武装を放棄するというのが合意事項であった。
この合意に基づき北朝鮮は、早速プルトニュームの抽出を停止した。さらにIAEAの査察官を呼び戻し、核施設の査察を再開した。この合意を1994年の枠組みと呼ぶ。
しかし、2001年に成立したブッシュ政権は北朝鮮を悪の枢軸と呼び、北朝鮮が核開発を再開したことを機に米国と北朝鮮との2国間交渉は完全に途絶えた。その後交渉は、中国、ロシア、日本を含む6カ国協議へと移されたが、具体的な進展がないまま今日に至っている。
私は今年の7月、北朝鮮に拘束されているアメリカ人、アイジャロン・ゴメス氏を解放するために北朝鮮を訪問した。そのとき、私は北朝鮮政府の高官と会談する機会に恵まれた。
北朝鮮の高官は私に、「北朝鮮は、アメリカが1994年の合意を履行することを切に望んでいる。そうすれば、北は核は放棄する用意がある。さらに、94年合意には含まれていないウラン濃縮も停止してもよい」と明確に表明した。北朝鮮はアメリカとの2国間協議を望んでいる。6カ国協議ではない。
北朝鮮のこのメッセージは一貫している。このほどウランの濃縮施設にアメリカ人の専門家を招き入れ、ウラン濃縮を行っていることをあえて公開した。これも、94年の枠組みの履行へと向けた2国間交渉の再開をアメリカに求める一貫したメッセージだ。
このように、北朝鮮のメッセージは一貫している。94年の枠組みの履行へと向けた2国間交渉を、アメリカに再開してほしいのだ。オバマ政権は北朝鮮のメッセージにすぐに応じるべきだ。応じれば朝鮮半島の緊張は一気に緩和するはずだ。
以上である。
この記事だけでは「94年合意の枠組み」とはどういうものなのか少し分かりにくい。以下に解説する。元IAEAの国際広報部長の吉田康彦氏の著書とインタビューを参照した。
94年合意の枠組み
1994年、北朝鮮と米国はジュネーブで2国間協議を行い以下のことに同意した。
1)米国はできるだけすみやかに53年の停戦協定を破棄し、朝鮮戦争を正式に終結させる平和条約を北朝鮮との間に締結する。
2)米国は、北朝鮮を攻撃しないことを文書で確約する。
3)米国と北朝鮮は将来の国交回復に向けて、ワシントンとピョンヤンにそれぞれ外交代表部を開設する。
4)米国は、北朝鮮に対する金融、経済制裁を解除する。
5)北朝鮮は、核兵器開発につながるプルトニュームの再利用を停止し、朝鮮半島の非核化を実現する。
6)この見返りとして、米国は軽水炉型原子力発電所を北朝鮮に建設する。また重油を供与する。
この6点である。つまり、アメリカが北朝鮮との間で平和条約を結び、攻撃しないことを確約し、そして経済制裁を解除してくれれば、北朝鮮は核開発を断念するというのが合意内容である。
その後の経緯
カーター元大統領の記事にもあるように、北朝鮮は94年合意の成立に基づき、IAEAの査察官を呼び戻し核査察を再開した。核開発を放棄する姿勢を見せた。
その後、軽水炉の建設と重油の供与はある程度実現したものの、平和条約の締結、経済制裁の解除、そして外交代表部の開設などの他の合意事項はまったく進展がなかった。
独裁体制の崩壊を予測
それというのも、94年の時点でクリントン政権は、金一族による独裁体制は数年のうちに崩壊すると見ており、合意事項を履行する意志は始めからなかったからだと言われている。
まったく進展のない状況にいらだった北朝鮮は、97年と98年にテポドンなどのミサイルを発射し、アメリカに脅しをかけてきた。この時のメッセージも94年合意の履行の要求であった。
クリントン政権末期の合意
北のミサイル発射もあり、クリントン政権の末期には状況は大きく変化した。当時のペリー国務長官のもとで朝鮮戦争の具体的なシュミレーションが行われ、被害規模が明らかとなった。
それによると、朝鮮戦争が勃発した場合、米軍は死者数5万人、韓国民間人の死者数は100万人となり、被害規模の大きさから、戦争は現実的なオプションとはならないことが示されていた。
この報告書を受けクリントン政権は、94年合意の履行に向けた北朝鮮との交渉を早急に再開する決定をした。オルブライト国務長官をピョンヤンに派遣し、具体的な交渉に入った。
しかし、これを譲歩を引き出す絶好の機会ととらえた北朝鮮は、ミサイル放棄の見返りとしてアメリカに10億ドルの資金供与を要求した。クリントン政権はこれに難色を示し、減額の交渉が続いた。
そのうち交渉は長引き、クリントンの任期中には交渉の妥結が難しくなり、アメリカは交渉の妥結を断念した。いわば期限切れとなったのである。
その後、北朝鮮との交渉は6カ国協議の場に移りいまに至っている。その間、紆余曲折を経ながらも、ブッシュ政権の北を悪の枢軸に指定した敵視政策もあり、94年合意の履行は進展しなかった。北はミサイル発射や核実験などを実施し、94年合意の履行の要求を一貫したメッセージとした。
これが簡単な経緯である。
なぜアメリカは要求に応じないのか?
もしカーター元大統領の記事の通りであれば、オバマ政権が、94年合意の履行に向けた北朝鮮との2国間交渉の再開に同意した時点で、朝鮮半島の緊張は著しく緩和する方向に向かうはずだ。事実、カーター元大統領の前出の記事にもそのようなメッセージが込められている。
しかしアメリカは、黄海に原子力空母、ジョージワシントンを派遣して米韓合同軍事演習を実施し、北への圧力を強めている。2国間協議の再開どころではない。むしろ緊張を高める方向に動いている。
ではアメリカはなぜカーター元大統領の提案するように対応しないのだろうか?
黄海に原子力空母を派遣する
今回の演習の実施に中国は強く反発している。中国は黄海を内海と考えており、この地域で米軍が行動することには警戒している。
今年の8月、哨戒艦「天安」の攻撃に対する圧力として、やはり黄海で米韓合同軍事演習が計画された。原子力空母、ジョージワシントンの派遣も計画されていた。
中国はこれに猛反発したため、急遽計画は変更され、黄海ではなく日本海での実施となった。
だが今回の黄海での演習は、韓国領を攻撃した北朝鮮に対して明確に圧力を加えることが目的である。建前では北が先に韓国を攻撃したことになっているので、中国はこの演習に、以前のようには強く反対できない立場だ。事実、黄海で演習は実施され、原子力空母、ジョージワシントンは派遣された。
このように見てくると、今回の延坪島攻撃は、実は中国の内海である黄海に、原子力空母、ジョージワシントンを中心とした米海軍機動部隊を展開させることに狙いがあった可能性が非常に高いということが分かる。
目的は達成されたのでさらなる攻撃はない
だとするならば、アメリカは今回の延坪島攻撃で目的を達成したことになる。そうすると、これ以上北朝鮮を刺激しても意味はない。まだ何があるか分からない部分はあるにはあるが、非難の応酬は国連に移り、新たな朝鮮戦争へと向かう危機には発展しないと見た方が妥当だろう。
中国の報復と尖閣諸島の緊張
中国は、今回の事件で黄海に米海軍機動部隊を入れてしまった。中国はかならず報復してくるだろう。
その報復は、中国の権益をアメリカの同盟国に対して強く主張するという方向に出てくる可能性がある。そのエリアこそ、尖閣諸島である可能性が高い。
可能性としては、日本の領海内で中国の漁業監視船の保護のもとで中国漁船に操業させるという方法に出るだろう。つまり、日中の軽武装した巡視船同士の遭遇を演出して緊張感を高め、日本の巡視船を追い払い、尖閣諸島の領有権をいっそう強く主張することになるのかも知れない。
記事があまりに長くなるので、続きは別の機会に書く。
人類学者、ハンク・ウェスルマンのエッセー
いまわれわれは激動期に生きている。その中で、われわれの内面がこれからどのように変化するのか読み取る最良の方法の一つがハンク・ウェスルマンのエッセーである。時間がないので全訳できなかった。2回に分けて掲載する。
新しい神秘:ソフィアの夢
ハンク・ウェスルマン
いま現代人は新しい神秘に気づくことが必要になっている。これは「気づき」をテーマにしたシリーズの4つ目のエッセーである。このエッセーで私は「改めて魔術にかけられること」という概念を紹介した。この概念を使うことで、私は自分の考えをもっともうまく表現することができる。
「改めて魔術にかけられること」は、すでに有効性を失いつつある様々な考え方を私達が積極的に放棄することを意味する。そうしたものは、政治、経済、そして宗教を支配している過った、時代遅れの考え方である。
マヤカレンダーの26000年のサイクルが終了する2012年12月21日が近づくにしたがい、私達の人生のみならず、私達を取り巻くすべてのものが変化し、その変化のスピードがどんどん加速していることに気づく。
多くの文化の旧い固定観念が表面化し、いまそれを捨て去ることが迫られているということは、私達をずっとサポートし続ける永遠の領域が私達の目の前でいま開かれようとしているということでもあるのだ。
この領域とは、自然とのつながりのことである。
自然とのつながり
私は自分の畑の木からバナナを切り取るとき、自分と家族に栄養を与えてくれることにいつも感謝するようにしている。バナナと人間は40%ほどDNAを共有しているのだ。
これはとても説教臭く聞こえるかもしれないが、私は説教をしたいわけではない。西欧の考え方の基礎にあるのは「支配」である。一方、土着の伝統的な文化の基礎にあるのは「尊敬」である。これは、存在するずべてのものに対する尊敬であり、また究極的な存在に対する尊敬でもある。この究極的な存在とは「母なる自然」のことである。この「母なる自然」は「ソファイア」と呼ばれている。
偉大なる女神
神秘主義の多くの流派は、女神ソファイヤは、古代ギリシャや科学者、ジェイムス・ラブロックの別名「ガイア」と呼ばれるこの美しい地球そのものだとしている。
グノーシスでソファイアは、私達が望むなら知識と指導を与えてくれる神のような心を持つ靄のかかった光として表現されている。
旧約聖書に出てくる紀元前9世紀の預言者、エライヤの話を覚えているだろうか?彼は天使を見たのだが、その天使は翼を持った人間の姿をしておらず、声で語りかけてくる輝く白い光であった。これがソファイアである。
ソファイヤはトランスパーソナルな力であり、人間も含め、地球上に存在するあらゆるものに生命力を吹き込む。吹き込むエネルギーは河の流れのようで、それを経験するものを根本から変容させる力を持つ。古代の神秘家や預言者は、まさにこれを体験した人々である。
過去の神秘主義の流派は、ソファイアはプレノマと呼ばれる銀河系の中心で生まれ、意識のある光として、ケノマと呼ばれる周辺に広がる広大な混沌へと放出されたと考えている。神話によると、ソファイアこそ、人間とこの美しい世界を夢を見ることで創造した当のものである。ソファイアは、グノーシスが創作者と呼ぶ神秘的な源泉から流出した不滅の元型的な力なのだ。この元型的な力は、別名イーオンとも呼ばれている。
創作者
多くの人々が異なった定義を創作者に与えてきた。ある人々はそれを崇拝し、神と呼んでいる。だがそれはある次元にただ存在するだけで、人間とはおおよそかけ離れており、限りがなく、近づくことは不可能な存在だ。それは人間の祈りに応えることはない。
それは道教のいう「道」である。それは、無限の知性と可能性に満ちあふれた生きた光りであり、神秘家はこれを「偉大な太陽」と呼ぶ。それは創造することはない。宇宙に存在するすべてのものは、ここらら流出してきたのだ。その意味で、創作者は宇宙のあらゆるところに存在する。
元型的な力であるイーオンも、この中心から流出してきたものだ。宇宙には無数の銀河系が存在している。そして、その中心にはどれもブラックホールがある。ブラックホールは、創作者の次元へと出て行く進入口であるのかもしれない。銀河系はそれこそ無限にある。それを少しでも考えると、人間がいかに小さいかがよく分かる。
ソファイアはイーオンの一つとして、夢を通してあらゆるものを流出する。オーストラリアのアブオリジニはこれを「夢見るとき」と表現している。ソファイアのこの夢から、人間やその他の存在すべてが誕生したのだ。
次回の記事に続く
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