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    2008-05

    なんとなく様子が変わってきた1

    これだけ更新が遅れるともはや言い訳のしようもないが、とにかく続けて行くことに意義があると思う。

    マヤカレンダーが終わる2012年まで続けることが、このブログの当面の目標である。この年に何が起こるにせよ、また起こらないにせよ、多くの人が集うこのブログを一つの場所として、21世紀の始めがわれわれにとってどういう意味をもつ時代なのかその意味を発見してみたいと思っている。

    きっとそれは、われわれ一人一人にとっても、その存在や生き方を改めて問い直す大きな契機になるはずだ。なぜなら、すでに多くの人が予感しているように、すでに自然環境や社会システムは激変しつつあり、2012年にわれわれは異なったシステムのもとに生きている可能性が大きいからだ。

    今回の記事

    今回の記事は前の記事の続きに当たる。前の記事では、資本主義経済にとってもっとも重要な指標である利益率をインフレ率が上回りつつあることを指摘した。今回はこれを詳述することで、今後の世界経済の展開を占って見たい。

    だがその前に、かねてからこのブログでも紹介しいる「EUROPE2020」の最新レポートが発表されたのでまずは先にこれを紹介する。

    EUROPE2020

    「EUROPE2020」は、不定期に更新される無料レポートの他に有料レポートを配信している。今回はさる方のご好意から有料レポートを読む機会に恵まれた。この方に感謝したい。内容的には無料レポートと同一だが、レポートの結論を照明するためのデータや情報が詳しく明記されているところに特徴がある。今回は、無料と有料の両レポートをまとめた形で大意を要約する。

    EUROPE2020 第11回レポート

    ・金融破綻は回避され、世界経済の危機も同時に去ったという論説が一般的になりつつあるがその根拠はまったく存在しない。

    ・金融システムは、FRBなどの中央銀行や、各国の政府組織による情報操作と粉飾決算の容認によって破綻が回避されたように見えているに過ぎない。

    ・だが実際は、各国の金融機関の損失は天文学的な額におよんでおり、この事実はいつ表面化してもおかしくない状況である。

    ・現実の損失額は、金融機関当局によって隠蔽されているわけだが、隠蔽が長期になればなるほど状態は悪化し、破綻の規模は大きくなるはずだ。

    ・サブプライムローンは2007年2月にすでに破綻していたが、金融当局はこの破綻の公表を2007年夏まで隠蔽し続けた。この結果、問題への適切な対処ができなくなったため、サブプライムローン問題が実際は夏に発生したときには、すでに手がつけられない状態になっていた。

    ・問題の真実が隠蔽されているということでは、現在の状況は昨年の2月とよく似ている。ただ、昨年と根本的に異なっていることは、その損失額があまりに巨額に達してしまったということだ。

    ・したがって、真実の隠蔽のつけは昨年どころではないはずだ。それは文字どおり、米国主導の金融システムの全面的なクラッシュとなって現れざるを得ない。

    ・原油価格や、食料、原材料価格の高騰からインフレは加速しており、これに伴う各国の実体経済の減速は疑いようもない事実である。

    ・特に米国経済が景気後退局面に入ったことはあらゆるデータからみて疑いようがない事実だ。

    ・金融破綻が避けられたため、米国経済は減速こそすれリセッションに入ることは避けられたとの見方が一般的になりつつあるが、これは真実とは程遠い。

    ・米国では、サブプライムローンの破綻に端を発する住宅の差し押さえはさらに拡大しており、それに伴う住宅価格の下落も止まらない。この下落により、銀行の保有資産の価値も大幅に下がっているため、自己資本確保の必要から住宅ローンの貸し出しにはとことん慎重になっている。

    ・ふつう、住宅価格の下落は、投資対象としての住宅の販売を促進させる。これによって住宅価格は上昇に転じるので、銀行は保有資産の価値を回復し、このためより広範なローンの需要に答えられるようになる。このようにして消景気の回復に一役買うが、今回はまったくそうはなっていない。投資の対象として住宅を購買する場合にも銀行の住宅ローンを使うが、銀行が住宅ローンそのものの提供にとことん慎重になっているなっているため、住宅投資そのものが行われにくい状況にある。

    ・この結果、住宅販売は低調のまま推移し、おそらく2009年の後半まで回復することはないだろう。

    ・しかし、その間にも米国経済は、インフレの進行から悪化し、住宅価格上昇による景気回復の糸口がまったく見えないまま、長期的な不況に突入すると見た方がはるかに妥当だ。

    ・このように、低落する米国経済の現れとして、ドルはすべての通貨にたいして価値を低下させている。これは将来ドルが暴落し、基軸通貨としての位置が失われることを意味していると考える。

    ・ドルの暴落、ならびに基軸通貨としての地位喪失の最終的な引き金を引くことになるとわれわれが考えるのは、米国債の最大の保有国である中国と日本であろう。この度、胡錦濤主席と福田首相との会談が行われたが、この会談で日中両国は、ドル崩壊以降の国際経済秩序の構築で協力することを話し合った可能性が大きい。その意味では、今回の日中首脳会談は、11月に行われる米大統領選挙よりも重要度が高いものとわれわれは考える。

    ・欧州は米国経済と連動していないという説(ディカップリングセオリー)が流布しているが、それは大きな間違いである。

    ・現在、欧州の金融機関のサブプライムローン関連の損失額は米国のそれに匹敵する額だ。当然、欧州も高まるインフレから景気は急速に減速しており、米国とともに景気後退に入ることは避けられないだろう。

    ・このように見て行くと、米国を中心に、金融機関の実際の損失の大きさが明るみに出ると、そのあまりの大きさから隠蔽することは不可能となり、その結果、株式を含めあらゆる相場が下落することになる。この下落により、資金繰りに困窮した金融機関は、自らの保有する資産を売りに出さざるを得なくなるため、市場はさらに大きく下落する。このようにして金融破綻は実際に発生するものと思われる。

    ・われわれはこれが、6月から7月の初夏、ないしは9月以降に起こると考える。

    ・これが発生すると、サイブプライムローン問題の発生以降も堅調であった中東のドバイのような地域にも拡大して行くだろう。


    以上

    これが「EU2020」の予想である。ただこのレポートでは、なにが破綻の具体的な引き金になるのかは明記されていない。今後、成り行きを注視してゆく必要があることだけは間違いない。

    米国のSEC (証券取引委員会)がG7の要請に基づき証券化商品の保有残高や損失額の開示を義務づける方針を打ち出しました。これに歩調を合わせ、日本の金融庁も大手銀行に対して、サブプライムなど証券化商品の開示と損失の公表を要請しています。SECや金融庁が厳しく迫れば、一気に大問題が露呈します。

    マヤカレンダーによるタイミング

    このブログでは、昨年の5月26日(サブプライムローン問題発生以前)、マヤカレンダーのDay5に関する記事を書いたが、いま改めて読み直すとやはり当たっているように思う。コルマン自身がこれを書いたのは2004年である。

    「コルマンによると、Day5には、IMFや世界銀行、それに国際金融マーケットのような米国中心の国際秩序を担っている国際的な機関が機能障害を起こし、混乱がはっきりとした形をとって現れる。これに米国国内の暴動や社会不安などを含めてよいかもしれない。だがこの混乱は、次のNight5では国際協調による強権の発動によって無理やり修復される。これによっていっけん何事もなかったような正常な状態に戻る。 だがそれは長くは続かず、Night5の後半からDay6にかけて最終的に崩壊する。これがコルマンの解釈するDay5だ。」

    Day6
    2008年11月12日~2009年11月7日


    やはりクラッシュはあるのだろうか?あるとすれば、やはりDay6前後なのか?

    さらに以下のようにも書いた。

    「Day5から始まる秩序崩壊ー強権による維持ー最終的な崩壊というリズムは当然個人にも当てはまる。マヤカレンダーは意識進化の予定表である。であるなら、個人の生き方もこのリズムにシンクロしていると考えて間違いない。古い自己の崩壊と新しい自己の誕生である。この変化に抵抗するものと受け入れるものがいるだろうが、だれもこの変化を避けることはできないだろう。」

    「この覚醒がもっとも強まるのがDay5以降であるとされる。したがって先に述べた「秩序崩壊ー強権による維持ー最終的な崩壊」というリズムは、「新しい自己の覚醒ー古い自己の復活と押し戻しー覚醒した自己の確立」というリズムの裏面なのだという。Day5では、覚醒へと向かうこのリズムと力を、現実の生活の中で多くの人が実感するようになるとコルマンはいう。」


    私たちの多くは、ここにあるような内面的な変化を体験しつつあるのだろうか?

    利益率と上昇するインフレ率

    現在、原油価格は1バーレル、130ドルを突破する水準まで上昇している。これとともに、物価全体も上昇しており、インフレの緩和がどの国でも政策的な急務の課題となっている。

    前回のブログでは、上昇するインフレ率が利益率よりも高くなっていることをお伝えしたが、今回はその続きを書く。

    利益率を上回りつつあるインフレ率

    各国のインフレは急速に悪化し、利益率を脅かしつつある。再度掲載するが、以下が各国のインフレ率である。

    主要各国の消費者物価上昇率

    中国   8.5%
    インド  7.9%
    インドネシア 9.0%
    ベトナム 21.4%
    韓国 4.1%
    日本 1.2%


    さらに、現在の日本の全産業平均利益率は「6.05%」で、中国のそれは「6.09%」である。

    インフレ率が利益率を上回る

    資本主義経済には様々なアキレス腱があるが、そのうちの一つはインフレ率が利益率を上回ることである。実際には様々な条件があるので下のようには純粋に現れないが、もし現れえるとすると以下のような連鎖を惹起する。前回の記事でも書いたが、再度掲載する。

    「インフレの促進」→「原材料価格の高騰から利益率が押し下げられる」→「企業による製品価格への転嫁」→「さらなるインフレ」→「勤労者の生活水準の低下」→「賃上げ圧力」→「さらに企業の利益率を押し下げる」→「さらなる価格転嫁」→「さらなるインフレ」

    そしてこれがさらに悪化すると以下のようになる。

    「利益率よりも高いインフレ率」→「企業などへの生産部門から投資が引き上げられ、値上がり期待の商品先物や先行的な買占めなどに向かう」→「経済成長の停止」

    原油価格とインフレ

    現在の原油価格の水準などからみると、すでにインフレ率は危険水域をとうに突破していると考えても不思議ではない。1973年の第一次オイルショックでは、原油は3か月間で1バーレル3ドルから11.65ドルへと高騰した。ほぼ3倍の高騰である。1バーレル、130ドルを突破した現行の水準からみるとはるかに安く感じるが、当時の状況では、この水準でも世界経済をその後10年間停滞に追い込むには十分な価格であった。

    当然、1973年とは物価の水準などが根本的に異なっているので単純な比較は不可能だが、原油価格が1バーレル40ドル近辺であった2004年当時の試算では、先進国経済が危機的な状態になる水準は1バーレル、70ドル前後と考えられていた。

    当然、言うまでもなく、原油価格はとうにこの危険水域を突破してしまっている。この意味では、世界経済はとうにクラッシュしていてもおかしくないことになる。

    なぜ世界経済はクラッシュしていないのか

    確かに、食料価格の急騰に端を発したデモや暴動が発生しており、また先に述べたように、インフレ率は利益率を上回る水準まで上昇しているが、世界経済がクラッシュするというところまではまったく行っていない。先進国では、経済の減速が叫ばれながらも、極端なインフレから普通の勤労者の生活が危機的な状態に陥ったり、生産分野から投資がいっせいに引き上げられ商品の買い占めが急増したり、はたまたインフレ抑制のために政策金利が極端に上昇したりというような極端な事態にはまったく至っていないのが現状である。いまのところ、将来発生するかもしれないクラッシュへの不安を抱えながらも、先進各国の経済はまがりなりにも回っている。クラッシュは起こっていない。

    インフレを抑制するメカニズムとしての中国経済

    この時点にいたっても、クラッシュが発生していないということでは、インフレを抑制するなんらかのメカニズムが存在していると考えることができる。

    そのメカニズムとは中国経済の拡大そのもののことである。中国の経済システムの発展は、いくつかの段階に分けて考えることができる。

    中国の経済システム

    第一期

    1980年代初頭に中国は、長く続いた文化大革命を終わらせ、長い低迷期を脱して経済発展の緒についたが、その時の経済発展は日本をモデルとしていた。それは、政府の経済プランに基づき外資を導入し、国営企業と政府系金融機関を主体に投資を行う国家管理型の発展モデルであった。したがって、まだこの時期には、中国の安い労働力を外国の企業に対してほぼ無制限に開放するという状況ではなかった。

    しかしながら、このような日本モデルに基づいた経済発展は、1989年の天安門事件を契機にして中国が国際的に孤立するに及んで破綻した。その後、1994年頃から中国は再度力強く発展はすることになるが、それは第二期に現れる別なモデルに基づいていた。

    第二期

    やもするとわれわれは、中国経済が1980年以降間断なく成長し続けてきたような印象を持つが、かならずしもそうではない。天安門事件以降、中国経済は一度頓挫したといってもよい。

    再度中国経済は力強い成長軌道に乗り現在にいたっているわけだが、これを可能にしたのは、国家主導で国内産業の育成を目指した日本モデルではなく、豊富な労働市場を外資系多国籍企業に開け放つことによってであった。これによって中国経済発展の第二期が開かれた。

    80年代後半から90年代初め米国の状況

    日本がまだバブル経済の狂乱の中にいた80年代後半から90年代初頭には、米国は大変な不況下にあった。米国国内の製造業は日本との競争に破れ、ほぼ全滅の状態であった。ジャパンバッシング(日本叩き)などという言葉が流行したのもこのろこである。

    生産システムの変遷と耐久消費材産業

    この当時、米国の製造業が日本のそれに負けたことの原因の一つは、その生産システムにあったと言われている。これがどういうことか理解するためには、このブログではどちらかという優先的に扱っていた金融システムとは異なる側面から世界経済のシステムをとらえることが必要になる。その側面とは生産システムである。

    経済システムには、どの時期でも、世界経済の牽引力となる主導的な産業分野が存在している。現在であればそれは、自動車や家電などの耐久消費材とコンピュータやインターネットなどのIT産業であろう。

    特に家電は、長期にわたって世界経済を牽引してきた産業分野である。それが大きな産業となったのは1930年代の米国であるといわれている。

    ところで、耐久消費材産業はこれに適合した生産システムを必要とした。それは組み立てラインによる分業生産である。

    組み立てラインとは、一人の熟練した職人が行っていた部品生産の工程を、だれにでもできる多くの単純労働に分解し、そうして生産された部品を組み立てることで製品を完成させるシステムである。つまり、アセンブリーラインの確立である。

    このシステムによって、1)できあがる製品の規格は標準化し、2)コストがとことん安くなったため、市場は爆発的に広がった。

    だが、こうした組み立てラインの分業生産にもいくつかの異なった様式が存在しており、実はこの新方式を採用することでさらなるコストの削減に成功したため、日本の製造業が米国のそれを打ち負かしたといわれている。分業生産の方法には以下のような様式が存在している。これは次のページに詳しく書かれている。

    A)互換性部品の社内生産

    耐久消費材の生産システムを確立したのは自動車産業であった。フォードなどは、部品の組み立てを流れ作業化し、経験の乏しい未熟練労働者の集団でも本来は高度な工業製品である自動車を組み立てられるようにした。

    だが、このような組み立てラインが実現するためには、数万点におよぶ部品を必要とし、なおかつそうした部品は、だれが組み立てても調整の必要のないくらいに完全な互換性を持つものでならなかった。

    アセンブリーラインが出現する以前の耐久消費材は、基本的に部品の互換性はなかった。それらは、高度な技術を持つ職人が一つ一つ端正こめて作り上げる作品のようなものであり、そのため同じ製品であってもそれを作った職人が異なれば、部品の大きさや構造にかなりの違いが存在した。その結果、できあがった製品の性能や品質はそれを生産した職人の技術によってかなり異なっていた。高い品質の製品を生産するためには、高度な技術を持つ熟練した職人を大量に雇用する必要があった。

    当然、熟練した職人の工賃は非常に高く、また数も限られていたため、耐久消費材の価格はとても高く、なおかつ職人仕事では大量生産は不可能であった。

    職人労働へのこうした依存から脱し、耐久消費材の価格を飛躍的に下げ、なおかつ大量生産に成功したのがアセンブリーラインの出現であった。それは、アセンブリーラインが経験のない未熟練労働者でも高度な製品を生産できるようしたからである。熟練した職人と比べ、未熟練労働者の工賃は比較にならないほど安い。これが価格の安さの大きな要素であった。

    そして、こうしたアセンブリーラインが可能になるためには、組み立てる労働者の熟練には一切依存しない互換性部品が大量に必要となったのである。

    米国のシステム

    こうした生産方法を作り上げ、耐久消費材の産業で世界をリードしたのは米国であった。その絶頂期は50年代から60年代前半だといわれている。

    米国における耐久消費材生産の特徴は、互換性部品の生産をすべて社内で行っていたことである。フォードやジェネラルエレクトリックなどのメーカはその敷地内に巨大な部品工場を抱え、製品の組み立てに必要なすべての部品は社内で供給する体制であった。80年代まで、部品の生産の社外委託やアウトソーシングを行うことはなかった。

    しかし、こうした社内生産の体制は大きなマイナス点を抱えることになった。つまり、これがネックとなり、耐久消費材のさらなるコストダウンが不可能となってしまったのである。

    B)互換性部品の系列や下請けによる生産

    これを打破し、さらなるコストダウンに成功したのが日本が導入した系列や下請けによる互換性部品の生産システムであった。

    日本はすでに50年代の終わり頃から互換性部品の生産を外注に出していた。それは、企業が部品生産を委託した工場に規格統一の指導を徹底することで、社内で生産すると同一の品質の部品の供給を可能にするシステムであった。

    さらにこの方式は、町工場などを系列や下請けという形でそれぞれの企業の傘下に入れて安定した契約を与えることと引き換えに、徹底したコストダウンを要求することを可能にした。この結果、安定した契約を求め、多くの工場が企業の傘下に入るようになった。

    この日本独特ともいえるシステムのお陰で、日本の耐久消費材産業は、あくまで互換性部品の社内生産にこだわる米国に勝ったのである。

    確かに、日本企業の細かなモデルチェンジのサイクルや新製品の開発力などは、大きな利点である。だがこうした強みが生かされたのも、日本式の下請け生産システムによる安い互換性部品の供給が実現したからにほかならない。

    この結果、60年代半ばから1992年頃までの期間、日本の製造業は米国を完全に圧倒した。自動車などいまでも一部の消費材産業ではこのような状況はまだ続いている。

    C)グローバルネットワーク型生産システム

    先に述べたように、90年代の初頭、米国経済は苦境のどん底にあった。その主要な原因は、米国の耐久消費材産業が日本の系列・下請け生産システムに完全に負けてしまったからである。

    またこの時期、天安門事件以降、中国も国際的に孤立し苦境のさなかにあった。日本モデルをベースに、80年から続いていた経済成長も頓挫しつつあった。

    この苦境にあった二国が協力して立ち上げたのが、グローバルネットワーク型の生産システムであった。

    インターネットの普及

    まず、このシステムの重要な基礎になったのはインターネットの普及である。インターネットは、94年頃から開放されだれでも使えるネットワークに進化しつつあった。

    インターネットは生産分野にもとてつもない影響を及ぼした。これまで製造業の部品工場は、部品調達の利便性を考慮すると、本社工場のある特定の地域に集中していなければならなかった。だが、インターネットによって世界中の企業が単一のネットワークで結ばれるようになると、世界中の部品工場から部品の調達が理論上は可能になった。

    だが、世界の他の地域から部品を調達するには輸送費などのコストがかかる。このコストを削減する道が見いだせない限り、いくらインターネットが世界中の生産拠点を結び付けるからといって、日本型の下請け生産にはコスト的には勝つことができない。

    このコスト面のネックを打ち破ったのが、苦境下にあった中国が採用した新しい政策であった。

    中国の労働市場開放政策

    94年前後の中国は、日本モデルを捨てつつあった。その代わりに採用したのが、中国国内の広大で安い労働市場を外資系企業、それも特に米国製造業、ならびにIT産業に対して全面的に開放することであった。

    90年代前半、中国の賃金は極端に安かった。これをあてにしたのが、日本に圧倒されていた米国企業であった。

    インターネットの発達によって、世界中の生産拠点を結ぶことはすでに可能になっていたが、中国の安い労働力が開放されたことで、部品の輸送コストの問題が解決され、日本製品に打ち勝つことのできる水準での生産が可能になった。これによって、米国企業はこぞって中国に進出し、現地中国企業と部品生産の契約を結んだ。

    進化した生産システム

    さらに、90年代後半になると、中国に進出した米国企業、特にIT企業の間の競争は激化し、製品価格の徹底した低下が求められるようになった。

    そして、製品価格のさらなる低下を可能にしたのは、ITテクノロジーの止まることのない進歩を生産技術として取り入れることであった。折しもITテクノロジーは大変な発展の時期に入っており、これを積極的に生産システムに取り入れ、新しい生産方法を開発し、生産コストを徹底して落とすことに成功した企業こそ、激化する競争に打ち勝つことができた。それは以下のような図式である。

    「中国現地企業による生産」→「安い労働力の活用」→「製品価格のコストダウン」→「高度なテクノロジーの生産技術への応用」→「製品のさらなるコストダウン」

    完全に乗り遅れた日本

    90年代の日本の製造業が停滞する一つの原因は、このようなグローバルネットワーク型生産システムに多くの日本企業が完全に乗り遅れたことにある。90年代初頭までの米国と同じく、当時の日本は大成功した系列・下請け生産システムに縛り付けられ、グローバル型のシステムへの転換が遅れてしまったことが原因だといわれている。

    米国経由の投資

    ところで、生産システムに発展するITテクノロジーを間断なく適用してゆくには莫大な資金が必要になる。この資金を提供しているのが米国経由で間断なく行われている対中国投資なのだ。

    上の図式にあるように、高度なテクノロジーの生産システムへの応用が行われる限り、製品価格は下がり続ける。そしてこれが続く限り、この企業は世界市場で勝つため、その分莫大な利益を計上するようになる。米国経由の投資は、この高い利益に引きつけれれるわけである。これをまとめると以下の図式になる。

    「高い利益に引き付けられる米国経由の対中国投資」→「高度なテクノロジーの生産技術への応用」→「製品のさらなるコストダウン」→「さらに高くなる利益」→「さらなる米国経由の対中投資」

    物価を低下させインフレを抑制していたメカニズム

    ところで、上記のメカニズムが作用している限り、製品価格は間断なく低下して行くことが分かる。今では、各国のあらゆる企業が中国に進出しており、価格低下もあらゆる産業分野に及んでいる。

    現在、原油は市場最高値をつけ、穀物や食料の価格もかつてないほど高い状態が続いているのが現状である。

    だが、米国経由の対中国投資を活用した生産技術の高度化が間断なく続いている限り、基本的に世界経済はインフレに対して、オイルショック時の1973年頃に比べはるかに耐性があり、簡単にはクラッシュしない構造になっているのである。2004年には、世界経済が耐えられる原油価格の限界が70ドル前後とされていたにもかかわらず、1バーレル130ドルという未曾有の水準になっても、減速しつつもクラッシュはしていないのは、90年代後半に形成されたこうした生産システムの存在にあるのである。

    システムのブレーキングポイント

    ではこのシステムに弱みがないかといえばそうではない。見て分かる通り、米国経由の対中国投資がストップし、生産技術の高度化が行われなくなると、製品価格を低下させるメカニズムは失われ、それとともにインフレのバッファーも喪失する。つまり製品価格が急に高騰するようになる、ということだ。

    では、このようなことはどのような過程で起こるのだろうか?米国経由の投資が中国に向かう理由は、その高い利益率にある。中国企業の高い利益率によって、高いリターンが期待できる限りで投資は中国に向かうのである。

    進行するインフレ

    だが、すでに述べたように、現在中国ではインフレ率が8%を超え、企業の平均利益率を超えつつある。このような状態が続くと、生産分野から投資が引き抜かれ、商品の買い占めなどの投機が活発化する可能性がある。もしそうなれば、これまで米国経由の投資を受け入れていた中国企業の利益率はさらに下がり、これが原因で米国からの投資はさらに減退するか可能性がある。以下の図式である。

    「インフレの昂進」→「生産分野からの投資の引き上げと商品投機の活発化」→「生産の減退と利益率の低下」→「対中国投資の減退」→「生産技術高度化の減退」→「製品価格低下サイクルの停止」→「さらなるインフレ」

    中国政府の対応

    政策金利の上昇

    こうした循環の引き金になりかねないインフレに対処するため、最近中国政府は政策金利を急速に上げ、通貨の供給量を制限した。この結果、銀行ローンの金利負担に耐えられなくなった不動産会社による土地の投げ売りが相次ぎ、土地価格が下落することになった。土地価格の下落は株価の下落を誘い、上海の株価は昨年つけた歳高値の半値までに落ち込んでいる。

    元の切り上げ

    だが、このような処置を行ったにもかかわらず、インフレが収まる気配はまったくない。次に中国政府が行おうとしている政策は、中国の通貨である元の引き上げである。

    元が引き上げられると当然輸入品の物価はかなり安くなる。これによってインフレは抑制されることが期待されている。実際のインフレ抑制効果はかなり大きいだろうともいわれている。

    一方、元の切り上げは中国の経済の牽引役となっている輸出産業に大きな打撃を与えることは間違いがない。米国から最大の投資が流れ、生産技術の高度化により製品価格の低下に貢献しているのがこうした輸出産業のなのである。

    ブレーキングポイントは来るのか?

    いずれにせよ、インフレ率をなんとか押さえ、まがりなりにも世界経済の循環の中心になっているのは成長する中国経済と、これを支えている米国経由の莫大な投資がである。

    もし中国企業の利潤が大きく落ち込み、中国経済が急速の減速するようなことにでもなれば、製品価格を低下させるメカニズムは停止し、極端なインフレとなって現れかねない。これが世界経済のブレーキングポイントである。どの国でも、極端なインフレが襲うことだろう。

    前回のブログでは、「金融破綻」を引き金として世界経済の低迷するのではなく、因果関係は逆になるのではないかと書いたが、その根拠はこれである。

    どうなるであろうか?やはりマヤカレンダーのDAY6なのか?目が離せない。

    米国陸軍リモートビューイング部隊のエド・デイムス元少佐が「Coast to Coast AM」に出現し、近いうちに発生されるとされるテロに関する予知を提供した。この予知にはなんと日本における鳥インフルエンザの流行が含まれていた。緊急性が高そうなのでできるだけ早いうちに書きたい。

    投稿に関しては以下の方針に従い、どうしても必要な場合以外は削除しないことにしております。

    意味産出の現場としてのBBSやブログ

    また、私はいま日本で起こっている変化を以下のようにとらえております。もしよろしければこちらもどうぞ。

    いま何がおこっているのか?

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