2008-04

    いったい何が起ころうとしているのか?6(前半)

    もっと早く更新するつもりだったが、今回もまた大幅に遅れてしまった。おわびする。1月に出した「一週間で実践する論理的会話トレーニング」が好評なので続編を書くことになり、忙しかったことが遅れた理由だ。更新の遅れはなんとかしたいと思っている。

    書きたいことをすべて書くとあまりに長くなるので、今回は記事を二つに分けることにする。前半では予言の紹介をメインにし、社会や経済情勢の分析は後半に譲ることとする。後半は一両日中にアップする予定である。

    金融破綻に関する予言

    まず最初にはっきりさせておかなければならないことがある。何度かこのブログでは、4月半ばの金融破綻を予告する予言を紹介してきた。筆者としても、4月半ばから始まる米国大手銀行の決算発表が引き金となり、ニューヨークダウの大幅な下落から金融破綻が始まるのではないかと考えていた。その日は4月17日ではないかとも言われていた。

    だが、JPモルガン、シティーグループなど大手金融機関は巨額の損失を出したものの、市場の予想を下回ったとして株価は逆に上がった。当然、この日は金融破綻は起きなかった。

    この意味では、このブログや「Web Botの予言」など、4月半ばの破綻を唱えていた予言はすべて外れたことになる。これは認めねばならないだろうう。

    金融破綻は先延ばしされただけでこれから発生する可能性があり、そしてそのようなことが実際に起こったとしても、4月半ばという特定の時期には何も起こらなかったので、この時期を指定した予言は外れたとみてよいように思う。

    このブログではさまざまな予言を取り上げるが、そうしたものの中には具体的な日時を指定したものもある。このブログはあくまで予言の検証をテーマにしているので、予言の結果は正確に報告して行きたいと考えている。

    ただし、今回当たらなかったからといって、「Web Bot」の方法論やその予言そのものが否定されたのかといえば、筆者はそのようには考えない。予言の実現時期はどうあれ、「Web Bot」は、将来発生する可能性のある事態を予測する強力な方法論になり得ると思う。それはいわば、未来にどのようなことが起こる可能性があるのか、その全体的な傾向性と方向性を指し示す指示器のようなものなのだと考える。したがって、それをどのように使えばより正確度の高い未来の見通しが立つのか発見することが今後の課題なのではないかと思う。その意味でも、「Web Bptの予言」は今後も掲載してゆくつもりである。

    Web Botの最新予言

    数日前、Web Botの主催者であるクリフとジョージ・ウレはレンスドットコムに出演し、最新データの解析結果を公表した。ほぼ同じ内容は、有料サイトにも同時に掲載されている。

    ラジオ番組では分析結果が彼ら自身によって詳しく解説されているため、予言には彼ら自身の解釈が入っていることをここに断っておく。

    これからの事態の全体的な推移

    ・9月にかけてイラン攻撃の緊張は最大限に高まり、米国が実際にイランを攻撃する可能性が出てくる。

    ・10月には、中国はイラン攻撃に強く反対し、これを阻止するために、ないしはこの時期にすでに攻撃が開始されてしまった場合は、米国を制裁する目的から、保有する米国債の一斉売りを仕掛ける。

    ・11月には、このためドルは大きく暴落し、ドル基軸通貨体勢は、その終焉へと向けた最終段階にいたる。

    経済に関して

    ・現在の株価の状況は、1929年恐慌の前年の1928年に酷似している。

    ・崩壊の前年の28年は、実体経済の悪化は進みつつあったにもかかわらず株価は上昇し、実体経済の悪化を覆い隠していた。

    ・確かに5月はある意味の転換点になるだろう。だがそれは株価の崩壊を意味しない。まったく逆の意味の転換点だ。5月から株価は急に上げに転ずる。この結果、市場には金融危機は完全に去ったという楽観的なムードが広がる。

    ・楽観的なムードによって、株価は夏にかけて急激に上昇する。

    ・だが、これは長く続かない。10月の初旬には株価は壊滅的に暴落する。株価の上昇幅が大きければ大きいほど、暴落幅は大きいだろう。これは1929年の大恐慌に近似した事態となる。

    ・株の暴落の引き金になるのは、イラン戦争とこれに伴う中国の米国債売りである。

    社会情勢全般

    ・Botの収集したメタデータをみると、今年の後半は、社会的な緊張の高まりが蓄積される時期と、その緊張が暴動や騒乱などという形で発散される時期の二つにはっきりと分れている。緊張の蓄積は9月くらいまで続くが、それは特定の日時に一気に放たれるようにみえる。

    ・その時期は10月7日である。


    クレイとジョージ・ウレは「このテクノロジーはまだ開発の初期段階にあり、的中を保証するものではない」ことを何度も断っている。

    ところで、指定された時期にこうした事態が発生するかどうかは別にしても、今年の秋までに、以下の系列の出来事の発生が予告されている。

    「株価の上昇と楽観的なムード」→「イラン攻撃の危機」→「中国の米国債一斉売り」→「株価の暴落とドルの極端な減価」→「米国内の騒乱」

    これは的中するのだろうか?注視して行きたい。

    ブレイクするかもしれない「Web Bot」

    ところで、このブログの投稿欄で、ディレクTVのヒストリーチャンネルが最近「2012年特集」を放映したことを知った。投稿してくれた方に感謝する。番組すべて以下のサイトで見ることができる。すべて英語だが、比較的に分かりやすいのでぜひ見るとよいだろう。

    DOOMSDAY 2012: End of Days - Part 1

    DOOMSDAY 2012: End of Days - Part 2

    この番組は、2012年に関するさまざまな予言を紹介しているが、その中でももっとも時間をさいているのが「Web Botの予言」だ。おそらく、今回がテレビでの初めての紹介になるはずだ。

    この番組は二つの予言を中心に構成されている。一つは「Web Bot」だが、もう一つは「タイムウェーブゼロ理論」である。「タイムウェーブゼロ理論」米国の思想家、テレンス・マッケナが1980年代に発表した理論だが、日本でもすでに広く紹介されているので、知っている人も多いと思う。

    要するに、この番組が柱の一つとして「Web Bot」を取り上げたことは、「Web Bot」は「タイムウェーブゼロ理論」とほぼ同程度のパブリシティーを得るにいたったということであろう。

    また、「Web Bot」は有料の登録者に限ってニュースレターを背信しているが、それによると今度はより大きな枠で「Web Bot」がヒストリーチャンネルに特集されるということである。

    タイムウエーブゼロ理論

    すでの知っている人も多いかもしれないが、一度ここでテレンス・マッケナの提唱する「タイムウェーブゼロ理論」を確認しておきたい。

    これは、中国の占いである「易経」を、ソフトウェアーを使って数学的に処理することで、歴史の流れを支配している時間構造のパターンを読み取り、それをもとにこれからどんな時代になるのか特定しようとする理論である。以下にウィキペディアから引用する。

    「1980年には、『易経』の六十四卦をもとにコンピュータで計算し、2012年12月22日に何かが起こるという理論を提唱し、変化のサイクルは近代科学が起こるまでが4300年間のサイクル、その後384年間のサイクルで科学が大きく発展し、次の1945年ごろからの67年間のサイクルでさらに科学の発展が加速し、次の384日で以前の発展を超えてさらに発展し、最後に6日間、135分間、 0.0075秒間のサイクルが来て人類は大きく変化を遂げるということである。このとき予測できないことが起こるとしている。後に、マヤ文明のマヤ暦も同じような日に終わるという研究結果を、ホゼとロイディーンの夫妻が発表している」

    ここでもう少し補足する。マッケナは六卦を縦軸にして、その組み合わせの総体である六十四卦を横軸にして『易経』全体をグラフ化すると、そこにはマッケナがノベルティーと呼び、「陰陽」の「陽」を表す山と、ハビットという「陰」を表す谷が構成するジグザグのグラフが現れるという。マッケナは、グラフの出発点を『易経』が発明された4700年前に設定した。

    ところで、この数学的な処理方法はネットでも詳しく説明してある文献は手に入るが、数学の公式が難しく、筆者の能力を越えるため、これの解説は行わない。

    マッケナによると、このグラフを実際の歴史と対応させると興味深いことが分かるという。グラフの「陽」にあたる部分はルネッサンスや科学革命といった、文明や社会の興隆期に対応し、「陰」の部分は戦争や不況といった沈滞期に対応ししているという。以下の図を参照。

    Timewave Zero

    マッケナの理論でもっとも興味深いことは、このグラフの終点が2012年12月21日であるということだ。周知のようにこれはマヤカレンダーの終わる日である。マッケナがこの理論を考え出した時点では彼はマヤカレンダーの存在は知らなかったという。

    さらに興味深いことは、この終点にいたるまでの時間の流れが、ある時期を過ぎると急に加速するということだ。

    ウィキペディアの解説にあるように、『易経』の発明から近代科学が起こるまで4300年かかる。当然、その間に多くの「山」と「谷」を通過する。そして、その後の384年間で科学は最大限の発展をみるが、1945年から、終点の2012年12月21日までの67年間はこれまで経過した4700年間の変化がすべて67年間に圧縮される時間の加速が起こるとされる。

    さらに時間の加速化は進行し、2012年12月21日の384日前、すなわち2011年12月2日からは、384日間に4700年の変化がすべて圧縮されるという恐ろしいほどの加速化が起こり、さらにこの期間は6日間、135分間、 0.0075秒間とどんどん短縮する恐ろしいほどの時間の加速化をみるのだという。

    コルマンインデックスとタイムウェーブゼロ

    一見して分かるように、タイムウェーブゼロはコルマンインデックスと近似していることに気づく。

    コルマンインデックスでは、マヤカレンダーは進化のそれぞれ異なったテーマをもつ九つのサイクルに分かれるが、サイクルが上昇するにしたがって時間は加速化するとされている。

    9つのサイクル

    第1サイクル 164億年前~2011年10月28日
    ビッグバンによる宇宙の形成から体細胞生物の形成へといたる進化の過程
    第2サイクル 8億4000万年前~2011年10月28日
    多細胞生物が進化し哺乳類が発生する過程
    第3サイクル 4千100万年前~2011年10月28日
    哺乳類が人間へと進化し、さらに社会単位として家族が発生する過程
    第4サイクル 200万年前~2011年10月28日
    家族を越えたより大きな社会集団である部族が形成される過程
    第5サイクル 10万200年前~2011年10月28日
    多くの部族が共有する文化の誕生
    第6サイクル 5116年前~2011年10月28日
    複数の部族を包含しその上位にたつ国家が誕生する過程
    第7サイクル 西暦1755年~2011年10月28日
    世界経済の発展と通信手段の発達にともない、国家の枠を越えて地球規模のネットワーク
    が作られる過程
    第8サイクル 1999年1月4日~2011年10月28日
    (現在われわれがいるサイクル)
    統合の原理が左脳の分析的な知から右脳の直観的な知に移行し、物質に限定されない宇宙的な意識が出現する過程。
    第9サイクル 2011年2月10日~2011年10月28日
    マヤカレンダーの最終段階。人類の意識の進化が完成するとされる。

    コルマンによれば、どのサイクルも7つ昼と6つの夜の交互の組み合わせによって進むとされるが、第1サイクルから順に上昇するに従い、以下のように昼と夜の時間はどんどん短くなるとされている。

    各サイクルの一つの昼および夜の期間

    第1サイクル 12億6000万年
    第2サイクル 6億3100万年
    第3サイクル 310万年
    第4サイクル 18万年
    第5サイクル 7900年
    第6サイクル 396年
    第7サイクル 19.7年
    第8サイクル 360日
    第9サイクル 20日

    コルマンインデックスは2011年10月28日に終了し、タイムウェーブゼロは2012年12月21日に終了するという時期の違いが存在しており、それに合わせて両者では時期のタイミングに若干の不一致が存在していると思われるが、タイムウェーブゼロで時間が更なる加速が開始される2012年12月21日の384日前、すなわち2011年12月2日と、コルマンインデックスで最後の第9サイクルが始まるとされる2011年2月10日は時期的に近似している。さらに、コルマンインデックスの終了点である2011年10月28日は時期としては、2011年12月2日とわずかのずれしかない。

    タイムウェーブゼロの時間の加速開始点
    2011年12月2日

    コルマンインデックスの第9サイクルの開始点
    2011年2月10日

    コルマンインデックスの終了点
    2011年10月28日


    これは何を意味しているのだろか?やはり、この時期の前後に何かがおこるのだろうか?

    終了点で起こること

    また両者は、終了点で発生が予想される事態のイメージに関してもよく似ているように思う。終了点では新しい意識を獲得し、人類が進化するとされるているが、これが具体的にどのような事態を指しているのか、両者は特定していない。

    このような類似点をもつ「コルマンインデックス」は、最近では広く紹介され、方々のメディアで取り上げられるようになった。

    それとともに「Web Botの予言」も最近注目を集めており、少なくともタイムウェーブゼロと匹敵する扱いを受けるようになっていることは注目に値する。今後、本格的にブレイクするのかもしれない。

    ソフトウェア系の予言

    ところで、「Web Botの予言」は、ウェッブ上に無数に存在しているチャットやディスカッションサイトから使用頻度の高い語句を収集しその感情価を分析するという、あくまでソフトウェアを用いた予言だ。タイムウェーブゼロも、「易経」をコンピュータで分析処理したソフトウェアである。その意味では、両者とも「ソフトウェア系予言」と呼ぶことができるだろう。

    メルリンプロジェクト

    実はこの二つの他に、かなり注目を集めているソフトウェア系の予言がもう一つある。それはメルリンプロジェクトである。

    メルリンプロジェクトは、米国の次世代防衛システムで通称「スターウォーズ構想」とも呼ばれている「戦略防衛構想」に所属する物理学者のジョージ・ハート博士と、未来学者として著名なポール・グリシオが1970年代から取り組んできたプロジェクトである。ジョージ・ハート博士の専門は、複雑なシステムの振る舞いの数学的な解析であるという。明らかに、フラクタルなどの複雑系システムの解析が専門のようだ。

    彼らは、複雑系システムの分析から得られた数学的なモデルを時間の解析に用いることで、ある事件や状況、または個人や集団がたどる変化のパターンを析出し、それらの未来を予言しようという試みだ。

    このプロジェクトによると、個人でも社会でもその誕生の時期が確定できると、それがたどる変化のリズムのようなものを析出することができるという。そのため、同じ生年月日、または近似した生年月日に生まれた個人であれば、ほぼ同じ時期に人生の変化を経験し、シンクロするようになるそうである。1937年4月5日生まれの前国務長官コリン・パウエルと、1937年4月28日生まれの前イラク共和国大統領、サッダーム・フセインとは実は運命的にシンクロしているという

    後半に続く

    投稿に関しては以下の方針に従い、どうしても必要な場合以外は削除しないことにしております。

    意味産出の現場としてのBBSやブログ

    また、私はいま日本で起こっている変化を以下のようにとらえております。もしよろしければこちらもどうぞ。

    いま何がおこっているのか?

    ヤスの英語

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    テーマ:歴史と予言 - ジャンル:学問・文化・芸術

    いったい何が起ころうとしているのか?5

    今回はずっと早い更新を予定したのに、また更新が大幅に遅れてしまった。ただ、以前よりはましになっているように思う。今後も頑張って行きたい。

    世界経済の動き

    楽観的な観測


    すでに周知のようにFRBは3月18日の0.75%の利下げを皮切りに、資金繰りに窮した金融機関の保有する値崩れした証券類をFRBが米国債と交換する緊急対策を発動した。これにより、サブプライムローン問題で大損失を被った金融機関は、米国債を担保に他の金融機関から資金の融資を受けることができるようになり、これにより当面の破綻の危機は避けられた。

    さらに、3月後半から4月始めに米大手証券会社の決算が相次いだが、大きな損失は出したものの市場の予想よりも小さかったため好感され、証券会社の破綻はさらに遠のいたとの印象が広がった。

    事実、これに呼応してニューヨークダウは持ち直した。さらに、株価の下落を嫌った資金の逃避先となり、一時は大幅に高騰していた金や原油、それに穀物などの商品先物相場は大きく下落した。これにより、資金が株式市場に戻り市場のバランスが回復したとの観測も出始めた。緊急政策の発動から3週間ほどたつが、この傾向は今も継続している。ベアスターンズの破綻で、一時はクラッシュの可能性さえ指摘されていた金融システムはこれで危機を脱し、米国経済の成長は、低いながらも続くのではないかとの楽観的な観測さえ出るようになった。このブログでよく紹介するストラトフォーが最近出した3カ月予想でも、「米国経済は危機を脱し、マイルドな成長を今後も続ける」との観測を出している。

    金融危機の予想

    しかしながら、こうした楽観的な予想の反面、前々回の記事で取り上げたように、ベアスターンズの破綻はほんの氷山の一角であり、本格的な破綻はこれから起こるとの予測も多い。

    そもそも今回の金融危機の発端は、住宅価格の下落によって低利のローンへの借り換えができず、多くの借り手が支払い不能に陥ったことが原因だが、住宅価格は回復するどころかどんどん下がり続けている。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が3月25日発表したデータによると、「1月の米中古住宅価格は20地域中で16地域で過去最大の低下となり、住宅価格のバブル地域のみならず他の地域も過去最大の下落幅」となっている。

    さらに、米国住宅ローンの残高は1300兆円もあり、これは日本の政府と地方の負債総額の1100兆円よりも大きいといわれる。当然これの融資を行っている金融機関が存在するわけだが、仮に20%が支払不能になったとしても260兆円の損失となる。米欧の主要金融機関の自己資本は合計でも200兆円だといわれているから、すでにこの段階で金融機関の破綻は免れないようだ。メルマガ『ビジネス知識源』より

    だが実際は、金融機関の資産担保証券の含み損の合計はおそらく400兆円になっているといわれ、米連銀や欧州中央銀行がいくら資金供給をしたとしても追いつかないだろうとも考えられている。

    こうした情勢に伴い、伝説的なな投資家のジョージ・ソロス氏はブルームバーグとのインタビューにおいて次のように発言した。

    「現在の金融危機は大恐慌以来最悪で、市場は若干持ち直しているものの再び下落に転じるだろうとの見通しを示した。<中略>同氏は、米国経済がリセッションに向かっているため、一時的な市場回復は6週間から3ヶ月程度しか続かないとの見通しを示している。」

    また、すでにさまざまなサイトでも紹介されているのでご存知の人も多いかと思うが、昨年の11月、米国会計検査院(GAO)の長官デービッド・ウォーカーは会計検査院の職を辞し、「米国の累積赤字の規模から見て実質的に破産状態にあり、さらにこれに昨年から徐々に始まっているベビーブーマ世代への年金や健康保険の支出が加わると、40年後にはこれらの支出だけで政府予算のすべてを食い尽くすことになる」との警告を発し、今すぐに対策をとらないと大変なことになるとして全国的なキャンペーンを行っている。すでにCBSやABCなどの大手三大テレビ局でも大きく取り上げられ、話題になっている。

    George Walker

    さらに、このような警告は一般の経済情報専門のサイトを越え、本来金融とは一切関係のないあらゆる分野のサイトでも行われるようになった。それはニューエイジ系のスピリチュアルサイトにも及んでいる。

    このブログでも何度か紹介したサイトに「Conscious Media Network(CMN)」がある。ここは、量子力学のノーベル賞学者から著名な占星術師までをカヴァーする、米国でももっともクオリティーの高いスピリチュアル系の情報を紹介しているネットテレビだが、ここでも4月の緊急特集として、米国の経済崩壊が近いので、出来るだけ家族を中心とした自給自足的なライフスタイルに心がけるように強く警告している。

    ヘッジファンドの危機

    前々回の記事で銀行から貸し剥がしを受けたヘッジファンドの危機が進行していることを紹介したが、これがさらに進展している模様である。英フィナンシャルタイムスは4月4日の記事で以下のように伝えた。

    「ヘッジファンドは銀行からの突然の融資枠取り消しや追加担保の要求で資金繰りが悪化しているが、今度は顧客の投資家から資金償還が殺到し、それに応じるため、保有資産を投げ売りせざるを得なくなっている」(「ヘッジュファンドニュース」より)

    New cloud on horizon for hedge funds

    金融破綻は近いのかもしれない

    迫り来る決算日

    4月の半には大手商業銀行の決算日が近づいている。

    4月17日 メリルリンチ
    4月18日 JPモルガン、シティ、バンクオブアメリカ


    これに呼応してか、日本の著名な投資家の松藤民輔氏は以下のように警告している。

    「ワーニング!!4月17日、全ての市場が大きな転換点になります。」

    また、前々回の記事で紹介した「Web Botの予言」は4月15日前後が大きな転換点となると予言している。

    「事態は4月15日前後までどんどん悪化する方向に向かう。」

    これは当たることになるのだろうか?あと一週間だ。

    チベット情勢

    チベット情勢も緊張の度合いを増している。世界を巡るオリンピックの聖火は、中国に対する抗議行動のかっこうの標的となっているが、チベット情勢は今後扱いを間違えると大変な事態となりかねない危険性がある。この問題を調べて行くと、今の中国政府が内包するある可能性がはっきりと見えてくるような気がする。

    歴史的背景

    まず、「ストラトフォー」「ビデオニュースドットコム」「大紀元」などで提供されている情報からチベット問題の歴史的な背景の要点をまとめる。

    ・1642年
    ダライラマ政権樹立
    ・1728年
    清はモンゴル騎馬軍団を支配する目的から彼らの信奉するラマ教(チベット仏教)の保護者をかってでため、チベットは清の保護国となることを了承。
    ・1842年以降
    清はアヘン戦争に敗れるが、これ以降清の官僚は西欧をモデルとした近代化を目指すようになり、欧米各国に中国内のより広範な自由を許すようになった。
    ・1876年
    ヒマラヤを越えた陸路の通商路を開きたがっていた英国に、清はチベットの通行許可を与える。チベットはこれに反発し、清との関係が悪化する。
    ・1905年
    日本の躍進に刺激された清は、チベットの近代化政策を打ち出し、これを断行する。チベットはこれに強く反発し、清との関係は修復困難となる。
    ・1912年
    孫文の辛亥革命により清は滅亡し、中華民国が樹立される。
    ・1913年
    中国の混乱を期にダライラマ政権は独立を宣言する。清朝の領土の継承を主張する中華民国はこれを認めず、チベットは自治邦となる。


    ここで重要なポイントは、間接的ながら、日本の存在が清朝とチベットとの関係悪化に大きな影響を与えたという事実だ。「ビデオニュースドットコム」の出演した平野聡氏(東京大学大学院准教授)がこの点を指摘している。

    ①清朝の近代化を志向しながらも儒教を信奉する官僚層は、近代化のモデルとして日清・日露の両大戦に勝利した日本をモデルにした。
    ②日本が近代化に成功した理由として、1)民族が日本人という共通したアイデンティティーのもとに結集し、2)国家としての強力な統一の維持に成功したからだと考えた。


    このため清朝は、日本に見習い、「中国人」としての共通した民族アイデンティティーの形成に強くこだわり、国内に55ほど存在している少数民族の独自性は一切認めず、これらをすべて「中国人」の共通したアイデンティティーのもとへと統合することを強く志向するようになった。この段階で「チベット文化の独自性」は完全に無視され、「中国人」としての文化が強要されるようになった。これがチベットが強く独立を志向する理由となった。

    1913年から1959年まで

    中華民国の樹立は、近代化の必要性から共通アイデンティティーとしての「中国人」のさらなる強化を打ち出したが、国内の混乱が深まりその実現は難しくなった。

    1940年代の後半になると、ダライラマ政権は設立間もない国連に働きかけ、チベットの独立の承認を勝ち取ろうとしたが失敗した。一方、ダライラマとチベット人は、この時期の中国共産党が喧伝する共産社会に仏教が唱導する理想的な共同体の姿を重ねてみており、強い親近感を感じていたという。ダライラマ自身、中国共産党への入党を希望していたといわれている。このため、1951年に人民解放軍がチベットに侵入したときは何の抵抗もなく向かい入れられた。むしろチベット人の歓呼の声とともにラサに入場した無血占領であったといわれる。

    だが、共産党もやはり近代的なアイデンティティーとしての「中国人」の形成に強くこだわっており、この当時全国で実施していた人民公社による集団農場化をチベットでも実施した。チベット人の文化はここでも完全に無視された。当初は共産党に好意を抱いていたチベット人も次第に共産党の政策に反発を強め、とうとう1959年の暴動となって爆発した。

    暴動は大変な流血の後徹底的に弾圧され、ダライラマは10万人の支持者とともにインドのダラムサラに亡命し、亡命政権を樹立し現在に至っている。

    CIAの資金援助

    ところで、チベットの独立運動にはかなり早い段階からCIAが関与していたことが知られている。

    チベット、誰も言わない2,3のこと(伊Megachip)08年4月3日 by Sabina Morandiより

    「CIAがチベットで大々的な工作を開始したのが56年。数万人の犠牲とダライ・ラマおよび従者たちのインド・ネパールへの亡命をもたらし不成功に終わった59年の大蜂起に繋がった。この最初の頓挫で国務省はより穏健な考え方になったかといえば事実はその逆で、コロラド州リードヴィルにチベタンゲリラ訓練キャンプを設営し66年まで稼動させていた。CIAのチベタン・タスクフォースによる工作活動は74年まで続けられ、おそらく最後のプログラムとしてニクソンと北京のリーダーとの歴史的会談が用意されていた。これに言及した99年のワシントンポスト記事は、CIAの失敗はチベットの人々の過去の体制に対する恨みといった、明らかにアナリストの過小評価がもたらした状況によるものであったとしている。」

    近代中国人の共通アイデンテキティーと少数民族の文化的なアイデンティティ-の衝突

    要するに、今回のチベット暴動の背景には、近代化を強く志向し、そのために共通した民族アイデンティティーの形成を推進し、これに他の民族を無理に同化させようとする中央政府の政策と、これに反発して文化の独自性を維持しようとする少数民族との対立が存在し、それが最近の経済成長で拡大した漢民族と少数民族との所得格差によって増幅され暴発したと見ることができると思われる。

    そして「中国人」としての共通アイデンティティーの中核となるのが「漢民族」である。その意味では、「中国人」のアイデンティティーの強化はそのまま「漢民族ナショナリズム」となって表れる構造になっているようだ。

    現在の中国政府が抱えるトラウマ

    他方、現在の中国政府は過去の歴史から受け継いだ深刻なトラウマを抱えているとも言われている。

    清朝がアヘン戦争で敗北した1842年から中華人民共和国が樹立される1949年までの100年ちょっとの期間、それぞれの時期の程度の差こそあれ、中国は近代化に失敗し、国内の統制を失った混乱状態の中にあった。このため、外モンゴルや沿海州などを支配していた清朝の領土は3分の2となり、現在に至っている。清朝の版図は現在の中国よりもはるかに広大であった。以下を参照。

    また、49年の独立以降も、米国の中国孤立化政策やソビエトとの関係悪化などにより、国連に復帰する1971年まで国際的に完全に孤立化した状態が長く続いた。

    一方、現在の中国はこのような過去の状態とはまったく異なっている。まがりなりにも近代化に成功しただけではなく、年間10パーセントを超える驚くべき経済成長を達成した。世界経済の牽引力の一つとなっている。

    さらに、世界経済における日本の地位の相対的な低下から、中国が今後「大中華圏」を形成し、その中心として経済圏の盟主となることも決して不可能な目標ではなくなった。事実、日本の地位の低下はわれわれの想像を超えて進んでいる。通貨価値の面から寺島実郎氏はこれを以下のように指摘する。

    「中国人民元は管理された枠組みの中にあるにも関わらず円に対して一九・〇%高くなった。同様に香港ドルは九・二%、シンガポール・ドルは二五・一%高くなり、つまりこれらの国から日本を訪れる人にとって、この七年で日本の物価は極端に安くなったと受け止められるはずである。この間に国民所得が倍増している中国の場合、購買力に対する日本の物価は六~七割安くなったという受け止めであろう。」

    だがこのような成功も現在の中国政府から見ると、「中国人」としての共通のアイデンティティーにほころびが出て国内の統合に失敗するようなことがあれば、「大中華圏」構想は空中分解するのみならず、中国本土の統一も難しくなり、これを契機に海外からの侵略を受ける過去同様の状態になるのではないかという深刻なトラウマがあるという。

    このトラウマが原因となり、中国政府はチベット問題に対し、これを対話的に解決する姿勢を取れないでいるというのだ。

    欧米のイメージ

    他方、欧米のチベット問題に対する中国政府への攻撃は次第に激しくなりつつある。ストラトフォーなどの戦略研究所は、もし同じことがイスラム教の新彊ウイグル自治区などで発生した場合、欧米はこれを完全に無視したか、むしろ中国政府に同情的な態度をとっただろうという。それは以下の固定観念の連鎖が彼らを支配しているからだという。

    「新彊ウイグルの独立運動」→「イスラム」→「テロリスト」→「アルカイダ」

    これに対し、チベットは以下のような連関で見られている。

    「チベットの独立運動」→「仏教」→「平和主義と神秘性」

    つまり、欧米の勝手な思い込みによる暴走という側面も指摘されているようなのだ。

    攻撃されればされるほど硬化する中国政府

    先にトラウマに深く浸透されている中国政府は、このような欧米各国による非難と攻撃が強くなればなるほど国内の統一が脅かされるという危機感を強くし、過剰反応しやすくなるだろうと言われている。その結果、統合の中核としての「中国人」の概念、いやさらに拡大しかつての清王朝の版図を包含するような「大中華圏」の中核となる「新中華民族」のアイデンティティーを強く押し出してくる可能性がある。中国民族問題研究会会長の殿岡昭郎氏は以下のように指摘する。

    「中国には少数民族が55あり、漢民族を入れると56になるのだが、中国にはこれらの少数民族を併合して新しい中華民族を創りたいとの野望に基づいた大きな国策があるのが事実だ。チベット人自治区に関して言えば、その言語と宗教という二つの標的を攻撃し、チベット語は第二外国語として家庭内のみの限定的な使用に追いやられ、宗教は無神論が押し寄せて寺院での祈祷もままならなくなり、肉体的にも結婚奨励策などでかなりの部分で同化政策が進み民族的な危機となっている」

    もしオリンピックでなにかあったら?

    このような状況のときに、オリンピックでなにかあったらどのような事態が想定されるのだろうか?もしオリンピックが中止になるか、または中止にならなくても中国が屈辱されるような事件が発生した場合、中国政府は少数民族の統合を、軍事力などはるかに強硬な手段を使って進めるだろうということである。それとともに「大中華圏」の中核としての「新中華民族」のアイデンティティーを対外的にも強く主張することにもなってゆくかもしれない。

    これはタイター的なシナリオなのだろうか?

    Web Botの予言

    ところで、最近アップデートされた「Web Botの予言」に以下のような記述が存在する。

    「2008年の春は、「中国の外交政策」に関する「発表」によって「国際社会」は「混乱」する。「中国」は「国際社会がどうあるべきか」独自の「ビジョン」を公表する。これは「各国のリーダー」を「驚かせ」、大きな「心配の種」となる」

    「Web Botの予言」に対する評価は分かれるところだが、最近次のような的中していると思われる例があった。

    今年の元旦「Coast to Coast AM」が行った年頭予言スペシャルで「Web Bot」の予言に以下のような項目が含まれていた。これは、番組に出演したプロジェクトのリーダー、クリフによって公表された。

    「5月か6月に在郷軍人が国家の記念碑をのっとるような事件が起こる」

    時期はずれたが、「戦争に反対する在郷軍人の会」はイラク戦争開戦の5年目にあたる3月19日に「国立公文書舘」を占拠し、イラク戦争の即時終結と撤退を求めるアピールを行った。以下の画像で確認できる。

    IVAW seizes National Archives Building

    予測できたはずだとの意見もあるが「国家の記念碑の占拠」までは予想は難しいのではないだろうか?もし「Web Bot」のこの予言が的中したと考えるなら中国政府から近いうちに何かの発表があるのだろうか?

    やはり目が離せない。

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    いったい何が起ころうとしているのか?4

    今回も少し早く更新できたように思う。ただ、情勢の変化はあまりに速く、これに伴い書きたい内容があまりに多い。今回もそのうちのいくつかにポイントを絞らなければならない。3日に一度くらいのペーズで更新できたらと思う。

    今回は経済関連の話題は一度お休みする。

    3月29日、フォトンベルトレポートを主催している渡邊延郎氏の講演会にゲストスピーカーとして招待され、講演を行う機会が与えられた。このブログの読者にも実際にお会いすることができ、実に興味深い体験であった。このような機会を与えてくださった渡邊氏には心より感謝したい。

    チベット情勢

    チベットで発生した暴動(抗議運動)が四川省などチベット族が居住する周辺地域に広がり、予断を許さない状況になってじる。これに伴い、欧米各国の北京オリンピックボイコット運動も活発化し、ついにフランス外務省がオリンピック開会式の欠席を検討するという段階にまできている。こうした一連の動きはマスメディアでも大きく取り上げられているので、特に詳述を要さないだろう。

    ストラトフォーの分析レポート

    チベット暴動の発生に伴い、「影のCIA」の異名を持ち、実際にCIAを最大のクライントの持つ国際情勢分析を専門とする民間研究所「ストラトフォー(戦略予測有限会社)」は、複数の分析レポートを発表した。以下がその要約である。

    ・チベットにおける僧侶の抗議デモは毎年発生しているが、例年であれば、A)治安警察が出動してデモを徹底的に鎮圧し、B)数百名単位でデモ参加者を逮捕し、C)数名の首謀者を残しあとは釈放する、という形で終結していたが、今回は以下の原因でコントロール不能な暴動にまで発展したと見られる。

    ①デモの発生は当初から予想されていたが、今年は北京オリンピックがあるので、最初当局は国際社会の非難を招くような暴力の過剰使用を制限しようとしていた。
    ②デモの当日はチベットの地方政府幹部はみな北京で行われている党大会出席のため不在であった。
    ③このため、デモの鎮圧の指揮をとるチベット自治区の党本部が機能していなかった。
    ④この結果、デモの鎮圧はこれまでになく遅れたため、デモは暴動化し、漢民族が経営する商店などが標的となった。

    ・チベット暴動の弾圧には各国の非難が殺到しているが、だからといって中国はチベットの独立を承認することはない。なぜなら、

    ①中国はインドとの間に長年国境紛争を抱えており、緩和されたといえインドとはいまだに緊張関係が続いている。
    ②チベットは、人口が密集する中国内陸部に対するバッファーゾーンとしての重要な役割を担っている。
    ③一方ダライラマはインドに亡命しており、インドとは良好な関係にある。
    ④したがって、ダライラマを帰国させチベットの独立を承認することは、チベットとインドが友好関係になり中国に敵対する可能性がある。
    ⑤チベットが独立した時点で中国はバッファーゾーンを失うので、内陸部の人口密集地帯が無防備になってしまう。

    ・だが一方、チベット暴動は中国にとって利用価値の高い事件であることも事実だ。
    ・暴動と抗議運動は、チベット族が居住する四川省や甘粛省に飛び火しており、さらに拡大する様相さえ見せている。それは新疆ウイグル自治区などの他の分離独立運動を刺激する恐れがある。
    ・しかし、チベットにしろ新疆ウイグルにしろそれは少数民族の分離独立運動でしかない。
    ・したっがって、これらの少数民族の運動に対抗して、逆に漢民族ナションナリズムを喚起することが出来る。
    ・現在中国では、貧富の差や農地の強制収用を背景とした暴動が年7万から8万件農村地域で発生しているが、それらの暴動は多くがが漢民族地域で発生している。
    ・なので、漢民族ナショナリズムを喚起し漢民族の一体性を宣揚することは、地方暴動の原因となっている不満を抑えることが出来る。
    ・各国がボイコットするにせよしないにせよ、北京オリンピックは、高揚した漢民族ナショナリズムを宣揚する一大イベントとなるだろう。
    ・これは、中国政府の求心力を強めるにはもっとも都合がよい。中央政府の権限は強化される。


    この分析にあるように、「漢民族ナショナリズムの高揚による中央政府の求心力の強化」というのがチベット暴動がもたらした意外な結果なのかもしれない。タイターの予言もこの分析を前提に読むと、意外な結果となるような印象を受ける。以下で示す。

    ジョン・タイター予言への注目

    情勢次第では北京オリンピックの開催がキャンセルされるか、開催されたとしても参加国が限定された規模の小さなものになる可能性がわずかながらも出てきた。これに伴い、ネットを中心にがぜん注目を集め出したのがジョン・タイターの予言である。

    米国では、タイターには愛好者も多いが、これが複数の人間が創作にかかわった壮大なフィクションであるとする意見も非常に強い。タイターのメインサイトの管理者であるオリバー・ウィリアムスも「タイターはさまざまな分野の専門家が協同作業で作り上げた架空の人物であるという疑いは消えない」と言っている。

    日本でもそうであろう。愛好者もいるが、否定する人も多いに違いない。筆者の印象では、日本では否定する意見のほうがかなり多いように思う。

    ここでは、あくまで中立的な立場で扱いたい。タイターに関する判断は読者にお任せしたい。ただ、フィクションの可能性は非常に大きいが、完全には否定できない予言的な内容も十分に含まれているというあいまいさがタイターの尽きない魅力なのではないかと思う。

    タイターのオリンピック予言

    2001年の投稿でタイターは以下のように予言していた。

    (投稿日:2001.1.29)
    問い:未来でもオリンピックは開かれているのでしょうか?
    答え:いいえ。多くの戦争の結果、2004年以降、公式なオリンピックは開かれていない。でも2040年に再開される見込みである。


    タイターの予言には的中したものも多いとされるが、タイターがこの世界にいた2000年11月から2001年3月の時点で予想が可能であったものが多いとする説もある。タイターのオリンピック予言を検討する上で重要になるので、どの程度予想可能だったのか一度確認しておくことにする。

    的中した予言(「新科学と健康と雑学」より抜粋)

    (1)タイムトラベルの実現
    「約1年後にはCERN(欧州原子核研究機構)でタイムトラベルの基礎研究が始まり、2034年にタイムマシンが完成する」(投稿日:2000.11.2)
    的中:
    タイムマシンの完成は、まだ先であるが、CERNが2007年に完成する大型加速器で、ミニブラックホールを形成できる可能性を発表したことにより、タイムトラベルの基礎となる研究が開始された。
    評価:
    すでに1999年頃から、CERNの研究者によるミニブラックホールの形成の可能性を指摘するレポートが発表されており、これは十分に予測可能だった。

    (2)IBM5100の隠された機能
    「私の世界線では、IBM5100はAPLやBASICが普及する前に書かれたIBMのプログラミング言語もすべて解読できるということが判明している」(投稿日:2001.2.2)
    的中:
    ジョンが投稿するまで、この事実は公開されていなかった。IBM社の元エンジニアのボブ・ダブック氏がインタビューでこの事実を認めており、ジョンがこの情報をどこから入手したのか不思議がっていた。
    評価:
    タイターがさまざまな分野の専門家集団が作り出した架空の人物であった場合、専門家集団にこの事実を知るものがいたとしても不思議ではない。

    (3)新ローマ教皇の誕生
    「ローマ教皇は交代したが、名前は知らない」(投稿日:2001.2.8)
    的中:
    2005年4月2日にヨハネ・パウロ2世が死去し、2005年4月19日にベネディクト16世が新ローマ教皇となった。これは、ヨハネ・パウロ2世が80歳を越えていたことから誰でも予測できたと思われる。
    評価:
    高齢とともに、すでにヨハネ・パウロ2世はパーキンソン病をすでに発病していたと思われるので予測は十分に可能だった。

    (4)ペルー沿岸地震
    「ペルー地震を予言することもできるが、それだとその地震で死ぬはずの人が生き残り、生き残るはずの人が死ぬという事態が起こってしまう」(投稿日:2001.2.8)
    的中:
    2001年6月23日、ペルー沿岸でマグニチュード7.9の地震により大きな被害が発生した。予言でないような言い方であるが、非常に近いタイミングで地震が発生している。
    評価:
    予測不可能

    (5)中国の宇宙進出
    「中国は、もうすぐ有人宇宙船を周回軌道にのせるところまできているはずだ。そのうち実現しても不思議ではない」(投稿日:2001.2.19)
    的中:
    2003年10月15日、中国は初の有人宇宙船「神舟5号」の打ち上げに成功した。あいまいな言い方であるが的中している。
    評価:
    2001年の前半にはどの程度中国が宇宙開発に成功しているのか示すレポートは手に入った可能性は強い。したがって予測できたものと思われる。

    (6)第2次湾岸戦争
    「現在イラクが核兵器を持っていることを知ってしまったら、あなたは驚くか? それとも、皆の尻をたたいて次の戦争に備えさせるためのたわごとに過ぎないと思うか?」(投稿日:2001.2.25)
    的中:
    2003年3月19日、イラクが大量破壊兵器を隠しているという理由で米英連合軍がイラク空爆を開始した。その後、米調査団によって大量破壊兵器は存在しないと発表された。あいまいな言い方であるが、核兵器を理由に開戦したと解釈すると的中している。
    評価:
    予測不可能。2001年3月当時、イラクの空域の3分の2は米英の監視下にあり、イラクは実質的に無力化されていた。このような状態で米国がイラクを攻撃するとは想像すら出来なかった。

    (7)狂牛病の蔓延
    「はい、人は絶えず死んでいる。その多くはクロイツフェルト・ヤコブ病(狂牛病)によるものである。この病気がいかに甚大な被害をもたらすかぜひ訴えておきたい。2人の患者が、外科手術の器具でクロイツフェルト・ヤコブ病にかかり、コロラド州で死亡が確認されている」(投稿日:2001.3.24)
    評価:
    ジョンはアメリカ国内にもクロイツフェルト・ヤコブ病が発生することを示唆している。当時、ヨーロッパを中心に狂牛病と変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の関係が確認されており、専門的なソースに当たれば入手できた情報ともいえる。


    このようにみると、「ペルー地震」と特に「イラク攻撃」の2つはタイターが予言を投稿した当時では予測はほとんど困難だったといえる。これをタイターの予言が信じるに値する証拠とみるのか、また反対に、的中した数が少ないので無視する根拠と考えるかは読者の判断に任せたい。

    的中しなかった予言

    また、的中しなかったとなれる予言も少し細かく見ると面白いことに気づく。

    アメリカ内戦勃発
    「2004年、次の大統領選挙が近くなるにつれ市民の暴動が多発するようになる。」(投稿日:2000.12.13)「アメリカでは2005年に内戦が始まる。その戦いは、断続的に激しくなったり収まったりしながら10年間続く」(投稿日:2000.11.7)
    評価: 
    当然、まだ内戦は発生していない。内戦が起こるとしたら、その背景には米国の政治的な分裂があるはずだ。ブッシュが勝利した2004年の大統領選挙では、共和党支持の農村部と民主党支持の都市部との間の深刻な分裂状態が明らかになった。ここまで米国が分裂することは、2001年の9月11日の同時多発テロ事件以前では予測不可能であった。その意味ではタイターの予言は興味深い。


    タイターの中国に関する予言

    さて、上記の内容を考慮すると、タイターの予言は当然すべて受け入れるわけには行かないが、完全には否定しきれないのではないかとの印象を持つがどうであろうか?やはり、タイターはどこまで行ってもアンビバレントな存在だというのが実像なのかもしれない。

    ところで、タイターは宇宙進出とともに、中国に関する以下のような予言を残している。

    2015年以前 日本、台湾、朝鮮の中国強制併合
    「日本、台湾、朝鮮半島はすべて、Nデーの前に強制併合された」(投稿日:2001.2.6)

    西側諸国の情勢不安と中国の台頭
    「今後、西側諸国の情勢はきわめて不安定になり、中国に拡大する自信を与えてしまう。中国には今、結婚もせずに死にゆく覚悟ができている男性兵士が何百万人もいる。」(投稿日:2001.2.6)


    先に書いたように、ストラトフォーの分析が正しければ、いまの中国では漢民族ナショナリズムの宣揚を通して中央政府の権限が強化される流れにある。各国参加によるオリンピックの開催はこのさらなる高揚をはかる機会となるだろうが、もしボイコットが相次いだり、オリンピックの中国単独開催(またはごく限られた参加国による開催)、さらには開催中止などとなった場合、高揚した漢民族ナショナリズムはより荒々しいものとなり、中国を排除した各国に向かう可能性が出てくるだろう。これに以下の2つの条件がタイミング的に重なった場合はどうであろうか?

    ①すでに進行しつつある基軸通貨としてのドルの放棄、ならびに米国の覇権の凋落により無極化がさらに進み、安定した秩序が失われた状態になる。

    ②中東で大きな戦争が勃発し、イラクですでに手を焼いている米国がこの戦争に引きずり込まれ、手一杯となる。


    当然、無極化した状態は、ロシアや中国(将来的にはインドも?)など覇権を目指す国家にとっては、これを実現する最大のチャンスとなる。これに②の条件が重り、さらにオリンピックが中止か限定開催となった場合、高揚した漢民族ナショナリズムによって求心力をすでに得ている中国は一気に対外的な拡大を開始する可能性があるのかもしれない。

    他の予言とのシンクロ

    中国の対外的な拡大の可能性を示唆する予言にはことかかない。以前の記事で紹介したビリー・マイヤーのエノク予言も以下のように述べている。

    「新しく生まれ変わったロシアは、長い過去の歴史を引き継ぎ、内モンゴルを巡って中国と衝突するだろうからである。その結果、ロシアは領土の一部を中国に譲渡することになるであろう。まさにこの中国が危険な国になるであろう。わけても現在すでに理想的な関係にはないインドに対してである。中国はインドに侵攻するであろう。もし生物兵器が使用されたら、ニューデリーとその周辺だけで3000万人が殺されるであろう。」

    確かに、タイターが予言するように、オリンピックが中止されるようなことがあった場合、世界はもっとも危険な方向に驀進してゆく可能性も否定できないのかも知れない。今後、これらの予言は実現する可能性はあるのだろうか?

    公表されたタイターのファックス

    ところで、今回「Coast to Caost AM」はオリンピックのボイコットの可能性を受け、タイターのメインサイトを管理しているオリバー・ウィリアムスをゲストに招きタイター特集を組んだ。このとき、米国のタイター愛好者にはすでに知られていたが、日本ではまったく存在が知られていないタイターが送信した二通のファックスが読み上げられた。

    一通目のファックスは、1998年7月29日、当時「Coast to Coast AM」のメインホストを務めていたアート・ベル宛に送られたものである。二通目は2001年2月15日に送信された。

    最初のファックスはアートによって無視されたが、二通目のファックスが送信されたとき、一通目とともに放送中に読み上げられた。昨年まではメンバーであればこのファックスを読み上げた放送を聴くことができたはずだ。だが今は、タウンロードできる一番古い放送は2002年なので残念ながら聴くことはできないが、多くのタイター愛好者が過去にダウンロードした放送を書きとめネットで公開している。

    タイターの予言スタイル

    実際にファックスを見る前に、タイターの予言のスタイルについて一言述べておく必要がある。

    タイターは、まったく文脈に関係のない発言をし、そこで重大な予言をいきなり述べることがよくある。たとえば以下のような具合だ。

    2012年に何か変わったことが起こるか聞かれてタイターは次のように答えている。

    「私の時間の2012年では、私はフロリダ中部で生活し、川や森の中を走り回って遊んでいた14歳の少年でした。アメリカの内戦は7年目に突入し、世界大戦が始まる3年前でした。はい、確かに普通ではないことが2012年には起こります。ただ、その出来事で世界が終わるわけではありません。残念ながら、私やあなたではどうすることもできないようなことは、私は語らないことに決めたのです。ところで紅海とエジプト人の逸話を知っていますよね?」

    紅海とエジプト人の逸話をとは、旧約聖書の「出エジプトの記」の「モーゼはユダヤ人を率いてエジプトを出発する。エジプト軍の追撃を受けるが、奇跡が起きて紅海が二つに分かれたので無事に通過できた。後を追おうとしたエジプト軍は、水が戻ってきたので全滅した」という逸話を示すものだ。これは大洪水の示唆であろう。

    「ペルー地震を予言することもできるが、それだとその地震で死ぬはずの人が生き残り、生き残るはずの人が死ぬという事態が起こってしまう」

    これも文脈とは直接関係のない発言で、重要なことが示唆されるよう例だ。

    次のファックスを見るとき、同じ原則を適用すると意味のある予言が見えてくると考えられている。

    一通目のファックス

    長文なので全文はいずれ訳出するとして、今回は予言に該当する部分だけを訳す。

    自分が過去に移動するとその時点で新しい世界線ができ、そこから新しい未来が発展することを説明した後、以下のように発言した。

    「いまあなたが作った新しい宇宙では歴史は変更できます。ただ、ほとんどの場合変更はわずかなものです。そのもっとも古い例は、ニューヨークには存在していない摩天楼なのです。」

    これは1998年に送信されたファックスである。2001年9月11日の3年前だ。タイター愛好者の中には、これを同時多発テロによる世界貿易センタービルの倒壊の予言だと解釈する人も多いようだ。

    また、同じファックスに以下のようにもある。

    「中国が台湾を併合する。イスラエルは自らの存亡を賭けた最大の戦争に勝利する。ロシアは崩壊した原子炉による核の雪におおわれる」

    これはいったい何を意味するのだろうか?興味は尽きないところだ。

    続く

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