2008年と今後の世界6
サブプライムローン問題が各国の実体経済に影響を及ぼすことがもはや避けられなくなったいま、このブログでも何回か取り上げたことのある「イマニュエル・ウォーラーステイン」、およびフランスのシンクタンクネットワークの「Europe2020」の論文がアップデートされたのでこれを紹介する。
イマニュエル・ウォーラーステイン
イマニュエル・ウォーラーステインは世界システム論という一分野を築いた歴史学の大御所である。日本でもその追随者は多く、その古典的な名著「史的システムとしての資本主義」は多くのファンを勝ち得ている。社会科学者は社会変化に関してめったに予測を立てないが、ウォーラーステインは例外中の例外であるといっても良い。このブログの以前の記事でも一度紹介したが、ウォーラーステインはすでにイラク戦争開戦前の2002年に米国の覇権の終焉と国際経済システムの多極化を予言する「THE EAGLE HAS CRASH LANDED(鷲は地上に激突した)」を「 FOREIGN POLICY MAGAZINE」に発表しており、2008年現在の情勢を正確に予見していた。今読んでも実に示唆に富む論文である。
また、このブソグの前回の記事では昨年の自作自演テロとブッシュとチェイニーによる政権内クーデターが阻止された可能性について書いたが、ウォーラーステインは、「The Tiger at Bay: Scary Times Ahead」という記事で、2006年9月1日という非常に早い時期に、すでに副大統領のチェイニーのネオコン一派による政権内クーデターと、これに反抗する軍部のクーデターの可能性を強い調子で警告していた。第一線の社会科学者としてこのようなリアルタイムの警告や予測を公にするのは非常にめずらしい。
ウォーラーステインは月2回くらいのペーズで、ビンガムトン大学で彼が所長を務めている「フェルナン・ブローデル経済・史的システム・文明研究センター」のホームページで評論を発表し、社会情勢の変化を予測している。
サブプライムローン問題の拡大を受けて、ウォーラーステインは2月1日、これからの中長期的な情勢を予測する時評、「2008年:新自由主義に基づくグローバリゼーションの崩壊」を発表した。この論文で、世界を席巻していたグローバリゼーションが終焉し、新しい時代に入ったことが宣言された。今回はその要点をかいつまんで書く。すでに周知の事実となっていることもあるが、結論が興味深いので書くことにした。
2008年:新自由主義に基づくグローバリゼーションの崩壊
・戦後の先進国の経済システムは、ケインズのモデルに従い国家がバランスよく経済を運営するといういわば国家管理型の資本主義が主流であった。
・こうした資本主義の目標は高度福祉社会と高い経済成長率の同時的な実現である。
・だが、次第に福祉事業の支出増大は増税と規制の強化を必然化させ、この結果、企業の利益率を圧迫する最大の要因となった。
・80年代初頭には、イギリスのサッチャー政権が口火を切り、①大幅な規制緩和と政府事業の徹底的な民営化、②短期投資資本の国際的な移動の自由化、③福祉事業の民営化と政府の撤退を推し進めた。
・この結果、企業はどの分野にでも、国境を超えて投資できる環境(グローバリゼーション)が整ったため利益率は大幅に上昇した。
・この改革の動きはレーガン政権の柱にもなり、グローバリゼーションは世界的なトレンドとなった。これをワシントンコンセンサスという。
・だが一方、国内では中産階級の没落から、今までは存在しなかった巨大な所得格差が生まれた。また、各国間の格差も異常に拡大した。
・このため、90年代半ばにもなると、各国で反グローバリズム運動が活発化し、規制のない市場を拡大することを狙ったグローバリズム運動には陰りが見え始めた。
・これに対抗するため、ブッシュ政権はグローバリゼーションを強化する無謀な政策をさらに推し進めた。
・その結果、グローバル経済の矛盾は拡大し、米国の政治的な覇権のみならず、世界経済の中心としての米国経済も決定的に地盤沈下することになった。その結果は以下の三つである。
①基軸通貨としてのドルの決定的な終焉
②各国の、規制のないグローバリゼーションから保護主義への移行
③ケインズ主義に基づく国家管理型資本主義のシステムへの復帰
・すでに歴史は逆の方向にシフトした。いまから10年後にグローバリゼーションという運動を振り返ると、それは「資本主義の歴史の中でたびたび起こった(国民経済)からグローバル経済への循環的なシフト」として書かれることになるだろう。
・各国は、かつての国家管理型資本主義の体制と高度福祉社会への復帰を目標とするようになるだろう
・だが、これは本当に可能なのだろうか?25年続いたグローバリゼーションで国家管理型資本主義の体制と高度福祉社会のシステムはすでに疲弊しており、これに復帰するなどということは本当に可能なのだろうか?
・もしこれが不可能なら、世界経済はこれから暴力的な混乱状態(無秩序)に突入してゆくのではないだろうか?
以上
今回のサブプライムローン、およびこれから発生する可能性の強い金融危機、ならびにこれに伴う米国実体経済の収縮などを通してグローバリゼーションは終焉し、基軸通貨としてのドルの信頼は低下から、世界経済は次第に多極化する方向に向かうことはすでに疑いない認識となりつつある。
だがこれが、複数の経済圏が構成する安定した多極化システムへの移行なのか、それとも構造やシステムが存在しないカオスのような無極化への動きなのかは判断が分かれるところである。
少なくともウォーラーステインは、無極化(カオス化)への動きととらえているようである。当然、ウォーラーステインは予言者ではない。世界システム論という学派の創始者であり、第一級の研究者だ。だが、イラク戦争の泥沼化、米国の覇権崩壊、米軍内部のブッシュ政権への反抗、グローバリゼーションの終焉など、1990年代からウォーラーステインが展開してきた時事評論の的中度からみて、今回も真剣に受け止める必要があるだろう。
LEAP/E2020
次に紹介するのはやはり過去にこのブログでも何度か取り上げたことのある「Europe2020」というフランスに本部があるシンクタンクのネットワークの最新レポートである。「Europe2020」はすでに2005年頃からグローバルシステムの崩壊を予言しており、それは次の4つの段階をたどるとされる。以前にブログに書いたが再度紹介する。
第一段階:始動期。注意深い観察者や当事者本人にしか感じられないような仕方でこれまで関連がなかった様々な要素が相互に関連して危機的な状況を徐々に形成し始める。
第二段階:加速期。多くの観察者が危機が起こりつつあることを認識するようになり、システムの様々な構成要素が影響を受ける。
第三段階:衝撃期。蓄積された変化が臨界点に達し、システム全体が実際に崩壊し始める。
第四段階:新システムの誕生期。システムの崩壊のあと未来を担う新しいシステムが徐々に姿を現す。
現在われわれは第三段階にいるとされる。
グローバルシステムの危機 / 2008年9月 - 米国実体経済の崩壊
・2008年第三期の終わりは、グローバル経済のシステム危機の決定的な転換点となるはずだ。
・危機が米国の実体経済を直撃し、民間、公共両セクターの組織や機関は破産して、ドルの大幅な下落を伴いながら住宅、金融バブルは完全にはじける。
・米国政府は、予算削減を理由に、3月1日から政府の経済統計の公表を差し止める決定をしたが、これは経済崩壊が近いことを隠蔽するために行ったと見たほうが良い(※)
・すでにFRB(連銀)は、世界全体に流通しているドルの総量を表す統計数値、M3の発表をやめてしまったが、これと同じ隠蔽処置である。
・われわれは、過去に前例のない危機に突入しつつある。これから発生する危機は、1929年の大恐慌の再演でもないし、また1970年代の石油危機、そして1987年の米国株式崩壊(ブラックマンデー)の再発のような事態ではまったくない。
・これは、これまで何世代にもわたって世界を支え続けていた国際システムが、根底から崩壊してしまうという危機である。
・われわれ、LEAP/E2020は、2年前にも世界システム崩壊の危機を警告するレポートを発表したが、このときに指摘した警告が現実化しつつある。だが、多くの主流マスメディアは、これが短期的な危機であり、すぐに世界経済は元通りになると主張している。これは人を欺く言説であると同時に、倫理的に無責任である。
・われわれは心ある市民に危機が目の前に迫っていることを警告し、これにすぐに対処する準備をするように警告しなかればならない。これがわれわれに課せられた責任である。
・一般市民がどのように危機に対処すべきかレポートで発表する。
・この危機はまさに米国に端を発した危機である。そのため、米国の危機がもっとも深刻なものとなる。ヨーロッパとアジアにも甚大な影響を与えるが、米国ほどではない。
・中国やインドなどの新興国の台頭により、各国経済の米国に対する依存度は弱くなっているというデカップリング理論があるが、これは正確ではない。米国経済の影響は確かに低下はしているが、各国経済が米国から完全に自立しているわけではない。影響は免れない。
・むしろ、これから始まる危機によって各国は米国から完全に自立し、デカップリングするようになるはずだ。いま米国から距離を置きこの国と手を切らないと、米国の下降スパイラルに巻き込まれ、一緒に沈下することになる。
・2007年10月のレポートで、われわれは2008年の株価が20-60%下落するだろうと予想したが、下落幅はこのときの予想値を上回ると考えられる。
・すでに現在までの時点で株価は平均で10%下落しているが、2008年の夏から起こる米国実体経済の崩壊により株価は押し下げられるため、2007年と比べると株価は50%下落するだろう。
・米国実体経済の崩壊は2008年9月以降に発生すると考える。
・この崩壊は、米国の金融市場のみならず、米国経済、さらには社会システム全体にとてつもない影響を与えるだろう。
※「米国商務省経済統計局」(The U.S. Department of Commerce Economics and Statistics Administration)は予算削減の必要から3月1日以降経済統計の発表を差し控えると決定した。だが、その後多くの反対にあいこの決定は撤回された。統計の公表は続けられる見込みである。
以上
「LEAP/E2020」は今年の9月以降の米国経済の全面的な崩壊を予想している。今一度コルマンの言説を確認しておきたい。
「まずDay5で基軸通貨としてのドルを崩壊させる大きな事件が発生するが、それはNight5にさしかかる時期ではアメリカと中国との協力によって崩壊は遅延させられ、一時的には何事もなかったようにシステムは再構築されるだろう。だがこれは長くは続かない。Night5の終わりから Day6の始めにかけて早晩崩壊し、新しい意識と秩序の出現に席を譲る」
NIGHT5 2007年11月18日~2008年11月12日
DAY6 2008年11月12日~2009年11月7日
今年の9月以降というとやはりマヤカレンダーのNIGHT5の終わりからDAY6にかけての時期に米国および世界経済システムの決定的な危機が発生するのだろうか?そして、ウォーラーステインの観測が正しいのなら、安定性のある多極化した秩序に移行するのではなく、それは無極化というカオス状態への移行なのだろうか?
コソボ自治州の独立
ところでかねてから独立を主張していたコソボ自治州が2月17日、セルビアからの独立を一方的に宣言した。セルビアの首都ベオグラードでは、独立をいち早く承認した米国や欧州各国の大使館が焼き討ちなどの合い、この地域が今後の火種になることが懸念されている。
以前にアロイス・イルマイルの予言を紹介した。コソボ自治州の独立はこの予言となにか関係があるのだろうか?それは新たな戦争へといたる道を暗示しているのだろうか?再度紹介する。
アロイス・イルマイル(1894-1959)は、南ドイツに実在した予言者であること以外はよく分らない。第三次大戦にまつわる予言は、死の数年前、コンラッド・アルドマイヤーとのインタビューで記録されたとされている。
- 何が戦争のきっかけとなるのですか?
すべての人が平和を求める。だが戦争は起こってしまうので。新しい中東戦争が突然に勃発する。地中海で巨大な船隊が対峙し状況は緊張する。だが、危機はバルカンで発生する。大物の政治家が倒れるのが見える。血のりのついたナイフが横たわっている。それから衝撃的な出来事が相次ぐ。
第三の実力者を二人の男が殺す。この男たちは他の人物に雇われた。その後、三つ目の暗殺が起こる。それから戦争が勃発する。
中略
密集した部隊(ロシア軍)は東からベルグラードに侵攻し、その後イタリアまで前進する。その直後、なんの警告もなしに三つの師団(?)がものすごいスピードでドナウの北から西ドイツにラインに向かって進む。これは何の警告もなく起こるので、住民はパニックを起こし西へ逃れようとする。
いずれにせよ目が離せない。
ヤスの英語
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2008年と今後の世界5
このブログのコメント欄で活発な議論が続いており、筆者も参考になる意見が非常に多い。さまざまな意見はあろうとは思うが、このように活発な意見交換をしながら4年後の2012年を迎えたいものである。
多くの人間が集い、意見を交換することはネットワークやコミュニティーの形成へとつながるはずだ。ネットワークやコミュニティーの形成は、メンバー間で共有される共通認識や価値観が新しく作られることを意味する。
いまわれわれは想定不意可能な世界に入ろうとしている。基軸通貨としてのドルの崩壊、米国中心の世界経済システムの凋落と多極化、避けられなくなった深刻な世界同時不況、もはや猶予がない環境異変と温暖化などはそのほんの一例にすぎない。
こうした状況で重要になってくるのは、いま何が起こり、これからどうなって行くのか、変化の方向性とその意味を確実に読み取ることだろうと思う。
それを読み取るにはなんらかの認識の枠組みが必要になることは間違いない。このブログで紹介しているマヤカレンダーのコルマンインデックスなどもそうした枠組みのひとつだ。
このブログで交わされる議論と対話がきっかけとなり、なんらかのコミュニティーが形成され、そこでの対話を通して、今後世界がどうなるのかはっきりとした見通しを立てることができる新しい認識の枠組みができてくるならこれほど興味深いことはない。その新しい枠組みという場所から、みんなで、2012年という巨大な変化を示唆する可能性のある歴史の転換点に、実際に何が起こるのか見届けようではないか!あとたったの4年である。
ショーン・デービット・モートン最新ニュースレター
1月の末と2月の始めにショーン・デービット・モートンは相次いで有料のニュースレターを公開した。今回のニュースレターは、1月が2007年の総括、2月が大統領選挙が主で、内容はいわゆる予言ではない。コメンタリーのような形式になっている。モートンの内面に何か大きな変化があったことを伺わせるレターであった。
2007年危機の背後で起こっていたこと
1月のニュースレターは2007年の総括だが、焦点は、8月から9月にかけて発生する可能性があった米国内の自作自演テロ計画の舞台裏で起こっていたことの暴露にある。
一連の動き
昨年の6月ころからこのブログでも逐一紹介してきたが、米国議会が休暇に入り議会の監視機能が停止する8月から9月にかけて、非常事態の発令でブッシュ政権にすべての権限を集中させるための自作自演テロが発生するのではないかと指摘されていた。テロの予想されていた発生日は9月21日だった。それを画策しているのはチェイニー副大統領を筆頭とするネオコンである。昨年の動きを時系列で確認すると以下のようになる。
5月14日
「国家の緊急事態には州政府、郡政府、および民間のあらゆる組織(民間企業を含む)を大統領の直接管理化におき」ホワイトハウスの指示に従うことを規定した「国家安全保障大統領命令」と「国土安全保障大統領命令」の二つの大統領命令が発令され、大統領権限がさらに強化された。
6月13日
著名なコラムニストのシンシア・タッカーはNBCテレビで、ブッシュ大統領がイラク戦略を根本的に変えなければアメリカ軍は9月に反乱を起こすだろうと警告。
7月17日
「イラク復興にかかわるアメリカの努力の障害となりこれを弱めるあらゆる団体や個人のアメリカ合衆国におけるその財産を没収する」権限を大統領に与えた新たな大統領命令を発令
8月24日
自作自演テロのカマフラージュとして行われるのではないかと疑われている核テロを想定した軍事訓練、「Noble Resolve 07-2」をオレゴン州で実施
8月25日
米国反戦団体、自作自演テロを警告する声明文を発表(以下)
アメリカ国民、および平和を愛する全世界の人々へ
今後数週間ないしは数カ月以内に、ディック・チェイニー副大統領およびその支持者と同盟者は9.11のテロ事件ないしは(ベトナム戦争の口実を作った)トンキン湾事件と同じような事件を引き起こすことを計画している。このような事件は、ブッシュ政権による核を用いたイラン攻撃、ならびに米国内で戒厳令体制(独裁体制)を導入する口実として使用されようとしている。わわれわは、はるかに範囲の広い破壊的な戦争をやめさせるための緊急措置として、下院にチェイニーの弾劾を要求する。弾劾が開始されるのなら、忠誠心があり愛国的な米国軍人はチェイニー一派の違法な命令にしたがうことを拒否しやすくなるだろう。われわれは全世界の人々に警告する。近い将来、アメリカおよび世界のあらゆる地域で起こる核テロはほぼ間違いなくチェイニー一派が計画したものであることを。全世界の責任ある政治的リーダーは、このような自作自演テロが発生する可能性があることを自国の世論に訴え警告を発してほしい。
署名
8月24日ー25日、メイン州ケネバンクポートのブッシュ大統領の敷地にて政府に抗議するために集まった野党政治指導者のグループ
・シンシア・マックニー
(前ジョージャ州選出下院議員)
・シンディー・シーハン
(カリフォルニア州下院議員候補)
・クレイグ・ヒル
(バーモント州下院議員候補、バーモント州緑の党)
・ブルース・マーシャル
(修道士、フィラデルフィア教区)
・ジャミラ・エルシャフェイ
(ケネバンク平和学部)
・ウェブスター・タープレー
(作家)
・アン・ライト
(米国陸軍予備役大佐、元外交官)
・ダリア・ワフシ博士
(WWW.LIBERATETHIS.COM)
・ジョージ・パズ・マーティン
・ジョン・カミンスキー
(民主主義のためのメイン州法律家の会代表)
8月30日
B-52戦略爆撃機が、核弾頭を装備した巡航ミサイルを搭載したまま、無許可でノースダコタ州マイノット空軍基地からルイジアナ州ブレイスデール空軍基地まで飛行した。到着時には6基あった核弾頭は現在では5基しかなく、1基が行方不明。空軍司令部、及び空軍基地の管制センターは核が搭載されている事実に一切気づかなかった。
9月4日
45億ドルという、特定の団体や個人の投資額としてはあまりに巨額な先物買い(プットオプション)が購買された。このプットオプションは、向こう4週間以内に株価が30%-50%から暴落することを予想するものである。この予想が的中した場合は巨額な利益を生むが、外れた場合は10億ドルの損失になる。期限は9月21日。
9月14日
全空軍機飛行停止命令発令
9月17日
「Solid Curtain-Citadel Shield '07」の作戦名のもと、9月17日から21日にかけて米国本土すべての軍事基地が閉鎖になる。
9月21日
プットオプションの期限であった9月21日には株価は大幅に暴落するどころか13820ドルと前日値を上げて終わった。明らかにプットオプションは巨大な損失に終わった。
結果的には何もおこらず、9月21日の巨額な先物買いも失敗したわけだが、この一連の動きの舞台裏で何が起こっていたのか、今回のニュースレターでモートンは詳しく報告している。要点をかいつまんで報告する。
モートンは、自分はペンタゴンや軍、そして情報機関になどの組織の中枢に多くのネットワークを持っており、逐一情報が入るという。
モートンの報告
・2007年は、ブッシュ政権による自作自演テロ、それを口実としたブッシュ政権の独裁化、イラン攻撃、そして第3次世界大戦へといたる危機が実際に存在したがこれは阻止された。
・7月30日、ブッシュは英国首相ゴードン・ブラウンに、キャンプデービットにて以下の計画の実施を報告した。9・11に似た自作自演テロを計画しており、これを口実としてイラン攻撃を開始する。憲法を停止してすべての権力を大統領に集中させる。一連の計画は作戦名「SOLID CURTAIN CITADEL SHIELD」のもとで行われる。作戦名「FALCON」を実施し政治犯を収容する。原油価格を1バーレル200ドルまで上昇させる。
・8月27日、アルベルト・ゴンザレス司法長官がスキャンダルで辞任する。この辞任によって、テロの発生時には司法長官が空席になっている。
・8月30日、核弾頭を装備した巡航ミサイル6機を搭載したB-52戦略爆撃機がノースダコタ州マイノット基地からルイジアナ州ブレイスデール基地まで無許可のまま飛行したが、ミサイルは5機しか発見されなかった。1機が行方不明となっている。これらのミサイルは"ARROW"と呼ばれる。この事実は事件の発生から5日たってから公表された。核兵器の移動は、大統領本人か大統領、副大統領の死亡時にすべての権限を委託される軍の最高司令官の許可がない限り行うことができない。
・核ミサイルは、イランのほか、イラクの重点目標、および米国内のターゲットの攻撃に使われる可能性があった。この事件の情報を外部にリークし、核攻撃を実際に阻止することに貢献した12人の勇気ある人々が軍内部にいたが、彼らはずでに全員殺された。私はこの事件の発生をリアルタイムで内部の協力者から報告を受けていた。
・9月3日、ブッシュはイラク戦争が完全に敗北であったことの報告を受ける。
・9月4日、ヨーロッパの匿名の投資家が45億ドルの空売りを行う。後にこれを行ったのはジョージ・ソロスが率いるビルダーバーガーのコンソーシアムであったことが判明した。彼らはビルダーバーガーにおけるブッシュの敵である。
・9月6日、ブッシュはオーストラリアを訪れ、ハワード首相に自作自演テロを実施する計画であることを伝える。
・9月8日、ニミッツ攻撃部隊がインド洋で実施される演習に参加するため出発。演習の海域はイランから8-10日の距離にある。
・9月7,8,9日、私はシェスタ山でセミナーを開いていたが、セミナー参加者に高位の将軍を父に持つ青年が参加していた。彼によると、父から「いつでも2時間でラスベガスから非難できる準備を整えておくように」命令されたという。彼は自作自演テロについてはまったく知らされていない。
・9月11日、すべての軍関係者は休暇を返上して任務に復帰するよう命令が出る。すべての州兵にも同様の復帰命令が出る。
・オレゴン州ポートランド市とアリゾナ州フェニックス市の周辺で数多くの治療用トレーラーが設置される。軍に勤務している私の友人の医療関係者によると、近いうちになにか巨大な政府の計画が実施される見込みだという連絡を受けた。
・9月13日、私は家内と共に、スポーツの試合をみるためにネブラスカ州オマハにいた。そのとき、ペンタゴンにいる私の協力者から以下のような内容の電話があった。普段は冷静なこの人物がパニック状態であった。
○もう完全に時間切れだ。最悪の事態になった。酔っ払い、妻と最後のメイクラブをして別れを告げろ。もうこれが最後だ。
○ブッシュは核攻撃のターゲットとしてオレゴン州ポートランド、アリゾナ州フェニックス、グアムの空軍基地の三つを選んだ。
○軍はDEFCON2(緊急防衛体制)を発令した。米国の各軍のみならずロシア軍および中国軍も緊急警戒態勢に入っている。
○ロシア軍のバックファイアー爆撃機はNATO軍の空域に進入し、潜水艦は米国の西海岸や東海岸沿岸付近に出没している。
○この機会を見てイスラエルはシリアを攻撃する態勢を整えている。
○イランはエルサレムとイラクの米軍支配下のグリーンゾーンに向けて6000発のミサイルの発射準備を整えた。ホルムズ海峡の閉鎖の準備もできている。
○議会と憲法の機能を停止し、すべての権限をホワイトハウスに集中する数多くの大統領指令が発令された。
○いまわれわれは第3次大戦が始まる瀬戸際にいる。
私はこのメッセージを受けて、ポートランド市やフェニックス市に住んでいる友人たちに向けて次のような警告を送信した。
「第3次大戦は避けられねくなった!今すぐ町を出ろ。水と食料を買え。準備せよ!」
次に私はこれを米国民に伝えなければならないと思い、ラジオ番組で警告できるかどうか、今まで出演した経験のある番組に連絡した。結果は「この情報はネットでも流れておらず、根拠がまったく確認できないので出演は無理だ」というものだった。
その後、またペンタゴンの協力者から連絡があり、次のような理由でテロ計画が中止されたことを告げられた。
○イスラエルのオルメルト首相は、もしイスラエルがシリアを攻撃した場合、アメリカはイランのすべての核施設を破壊できるか確認してきた。これに対し、ブッシュはその保障はできかねることを伝えると、オルメルト首相はイスラエルが作戦から降りる旨を伝えてきた。これによって、全作戦は中止された。一週間後、イスラエルはシリアの核施設の攻撃を行ったが、それ以上の攻撃の拡大はしなかった。
○今回のテロ攻撃は中止されたが、ブッシュとチェイニー一味は攻撃命令の再開を民主党にちらつかせ、自分たちを弾劾裁判にかけた場合は、米国内でテロを起こして権限を大統領に集中させ、議会の機能を停止し、大統領選挙も無期限に停止すると脅しをかけている。これが弾劾裁判が行われない理由である。
この計画が実施されれば、もはやわれわれの米国は同じ国ではなくなってしまうことを知るべきである。
また、ブッシュによって大統領権限は歴史的にかつてないほどにまで強化されてしまった。2008年の大統領選挙で誰が大統領になるにせよ。われわれは史上もっとも強大な権力を持った大統領をみることになる。
以上
これがモートンの1月のニュースレターの要約である。モートンは、軍やペンタゴンの内部人脈のネットワークを持っていると主張しており、それが今回のニュースレターの情報ソースのなっているが、彼が実際にこのようなネットワークを持っているかどうかは確認しようがない。だが、昨年の8月末から9月にかけて、米本土自作自演テロ発生の可能性を示す情報が数多く存在したのも事実である。もし中止されたのであれば、ぎりぎりで救われたことになる。
ただ、モートンもいうように、ブッシュが居座っている限り、この計画はまだ生きていると考えたほうが妥当なようだ。前回紹介したジョン・ホーグは次のように言っているが、もしこの計画が生きていたとすると納得できる発言である。
「今年はアメリカ国内でテロが発生する。それは9・11よりは小さく小規模なテロだ。だが、このテロが与える社会的なインパクトは9・11よりもはるかに大きい。
いまのアメリカに蔓延している空気は一言で言えば恐怖である。自分の生活がテロによって一瞬のうちに破壊されてしまうのではないかという恐怖だ。
このような中で起こるテロは、アメリカ国民を国家へと結集させ、個人の自由よりも安全と快適さを優先し、市民の権利を政府にゆだねてしまうだろう。これによって政府は確実に独裁化する。
この独裁化の動きは2008年のテロとともにはじまるだろう。アメリカ国民はテロの恐怖から、独裁化の動きを完全に受け入れてしまう。」
どうなるだろうか?
続く
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2008年と今後の世界4
ジョン・ホーグとショーン・デービット・モートンの2008年予言
ジョン・ホーグとモートンが2008年の予言を相次いで公開した。かなり興味深い内容なので、今回はこれを紹介する。
ジョン・ホーグの予言
以前のブログにも書いたが、アメリカには既存の宗教団体やカルト的原理主義団体とは一線を画す、独自のスピリチュアルな文化が存在する。ニューエイジムーブメントなどもこうした流れの一つである。こうした背景から、アメリカには多くの預言者やサイキックがおり、彼らの中でポピュラーな人達は出版、ラジオ、テレビ番組の出演と方々で引っ張りだこだ。モートンもそうした中の一人である。
ジョン・ホーグは、そうした中でも際だった扱いを受けている数少ない預言者の一人だ。予言の正確さとそれに込められた深遠なメッセージが特徴で、いわばスピリチュアル界の王様のような扱いだ。ABCテレビなどメジャーなマスコミの露出度も際立って高い。過去にはノストラダムス予言の研究書がベストセラーになっており、ノストラダムスの研究家としてもよく知られている。
今回は「Rense.com」および「Coast to Coast AM」に出演し2008年の予言を公開した。さらに、予言を詳細にわたって解説した約100ページに及ぶ「2008年予言」を格安の電子ブックの形で公開している。ホーグのサイトからダウンロードできる。
今回は、これらの予言のポイントをテーマごとに分けて紹介する。
ジョン・ホーグの方法論
ホーグの予言は、西洋占星術を基本にして発生する出来事の全体的な傾向を占い、それをノストラダムスの四行詩に当たることで何が起こるかより鮮明にするというものである。また、彼自身がサイキックのようで、分析的に抽出した予言を自分の直感で補っている。
春分点歳差
ホーグの予言の重要な柱の一つは西洋占星術である。たが、彼が使うのはわれわれも詩っている日々の星占いではない。歴史の長期的な傾向を読み取り、それぞれの時期にどのようなタイプに出来事が起こるのか判断するための指標として使用している。
太陽の見かけ上の通り道である黄道をそれぞれ30度で12の宮に分割したのが占星術の星座である。地球は歳差運動のためコマのように地軸が運動しているので、春分点はそれぞれの星座を移動して行し、約26000年で黄道を一周する。各星座に春分点に2100年ほど止まり、それから次の星座に移動する。これを春分点歳差という。
みずがめ座の時代
いまわれわれは過去2100年続いたうお座の時代が終わり、これから時間をかけながらみずがめ座の時代に突入するというのがホーグの基本認識である。「アクエリアンエイジ」の始まりである。これに伴い、人間の集合無意識の構成が変化し、時間を経るにしたがいみずがめ座の時代の特徴が社会全体に出てくるとホーグは考える。
うお座は2100年前に始まりいま終わろうとしているが、その特徴は、原理、信念、信仰、イデオロギー、忠誠など、集団に対する無条件の忠誠を誓うメンタリティーに特徴があり、うお座の時代の紛争もファナティックな集団間の衝突にあった。
対照的にみずがめ座の時代の特徴は、科学、理解、直感、個性化などにあるとされる。時代が進むにしたがってこうした方向に人間のメンタリティーがどんどんシフトするので、社会の特徴も大きく変化する。原理や信念、また信仰や忠誠心に基づく多くの社会組織、例えば宗教教団や原理主義の政党など、は人々の支持を完全に失い解体の方向に向かう。それらは、解体される過程で、この動きに抵抗する熱狂的な支持者達によって、組織やイデオロギーは一時的に強化されるかもしれない。その結果、この種の集団間の対立関係もいっそう激しくなり、原理主義に基づく紛争も一時的に多発するようになる。
しかし、この動きはこうした原理主義的な集団の解体過程を加速することにしかならない。なぜなら、結果的にはこの種の集団がイデオロギーや原理に対する信仰を強化しようとすればするほど、すでにみずがめ座のメンタルシフトを経験しつつある人々の心はこうした集団から離れてゆき、組織を見捨てるからである。
36年のリズム
うお座の時代からみずがめ座の時代への転換は、子供が大人へと成長するように、ゆっくりと進んで行くが、そこには36年のサイクルのリズムがある。それぞれ36年のサイクルを一区切りとしながら、これを繰り返すことで2100年の星座のサイクルが完結する。
36年のコズミックデーとコズミックナイト
36年のサイクルにはコズミックデーとコズミックナイトという二つの時期からできている。コズミックデーは、次の時代の種が蒔かれ変化の原因が作られる時期である。一方コズミックナイトは、コズミックデーに蒔かれた種が成長し、大きな変化の潮流となって具現化する時期であるとされる。
2007年
ホーグのよると2007年は、36年前に始まったコズミックデーが完了する年であるそうだ。36年のサイクルであるデーやナイトが完了するとは、ちょうど36年前に蒔かれた種が成長し、明確な形となってその結果が現れることだという。2007年に起こったことは、すべて36年前の1971年から73年に準備された事態の結果でしかない。
例えば、2007年はサブプライムローンの破綻からドルの価値が大幅に下落し、将来基軸通貨としてのドルが放棄される可能性が指摘されたが、これは1971年のにニクソンショックによってドルと金の交換が停止し、自国通貨の高騰を回避する必要から各国がドルを米国に還流させる現在のシステムの始まりである。
また、昨年は原油が1バーレルあたり100ドル近くまで高騰したが、原油の高価格化を許す構造は1973年のオイルショックとともに始まった。
このように、1971年ー73年に発生したプロセスが行きついた先が2007年であったという。
2008年
では2008年はどのような年なのか?ホーグはまったく新しく36年のサイクルの起点にあたる年だという。今年発生するさまざまな出来事や、そうした出来事にたいしてわれわれが取る対応によって、36年後の未来、つまり2044年の社会が決定されるというのである。
2008年はコズミックナイトの時期に当たる。一つ前のコズミックナイトのサイクルは1936年に始まった。1936年とはヒットラーが政権を取って3年目であり、最初の領土拡大であるチェコスロバキアに対する軍事侵攻が行われた年である。第二次大戦は1939年のポーランド侵攻から始まるが、まさにその前夜であった。2008年は1936年と類似した年になるはずだとホーグはいう。
ホーグは9・11攻撃の前日の9月10日、ホーグはどうしようもない不安感と、なにかとてつもないことが起こるのではないかという予感に苛まされた。今年はこのときに感じたと同じようなものすごい不安感を感じているといっている。それは2008年が「一夜明けると別世界になっているくらいの激しい変化の年」になるとの予感だという。
ではホーグは2008年に具体的に何が起こると予言しているのだろうか?多方面をカバーしているので、それぞれのテーマに分けて紹介する。
アメリカ経済
2008年にアメリカ経済は深刻な不況に陥り苦しむことになる。だが、少なくとも2008年には、1929年の大恐慌時のように、経済全体が崩壊してしまうようなことはないだろう。2008年の不況は、70年代前半のベトナム戦争の敗北時の不況のレベルにはなる。
この不況の深化は基軸通貨としてのドルが放棄される流れに拍車をかけ、実際その方向に進んで行くことになる。だが、第一次大戦以降、基軸通貨であるスターリング(英ポンド)が完全にその位置を失うまでに40年近くかかったように、ドルの凋落とその基軸通貨としての地位の放棄の動きは比較的にゆっくりと進むはずだ。
なぜなら、アメリカの国内市場は世界最大の市場の一つであり、各国の経済成長はアメリカの旺盛な消費によって支えられているからである。なので、各国は自国の経済に影響を与えない程度のゆっくりとしたペースのドルの減価を望んでおり、これを実現するために外為市場に介入しドルを買い支える。ドルが将来的に基軸通貨としての地位を失うにしても、各国はそのソフトランディングを狙っているはずだ。
ドルが大幅に減価したからといってAMEROが導入されることはない。AMEROに関する議論は幻想にすぎない。AMEROのような通貨が、ドルに変わり得ることはない。
ドルが基軸通貨としての地位を失った後、世界は複数の基軸通貨が使われる多極化の方向に向かうが、ドルはそうした複数の通貨の一つとして生き残るはずだ。
アメリカ大統領選挙
ほぼ間違いなくクリントンが次期アメリカ大統領になる。だが、オバマも民主党の指名選挙では勝つ可能性は十分にるだろうが、彼が大統領になるのは2012年か2016年であり、今回はならない。
私は負けることが分かっている党に関して予想をいうのは乗り気ではないが、もしジュリアーニが自ら撤退することなく選挙を戦い抜くならば、本選挙をマケインと争い勝つ可能性がある。(※すでにジュリアーニh撤退を表明したのでこれはありえない)
今回の大統領選挙では、共和党は1912年以来のあまりに無残な大敗を決することになるだろう。
3月には新たな候補が立候補するだろう。それは現ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグだ。彼は共和、民主ともまったく関係の無い独立系候補として立候補するだろう。
大統領選挙には敗北するものの、かなりの支持を集め、機能しなくなった二大政党制に替わり得る選択が可能なことを見せつけることになるだろう。
ロン・ポールもそれなりの支持は集めるが、彼は残念ながら泡沫候補に止まるだろう。
アメリカの政治的潮流について
2008年は新たな36年のサイクルの出発点である。したがって、今年の選挙で起こる出来事は、36年後に明確な形をとって実現する。今年は、いくつかの画期的な出来事が起こるはずだ。
バラク・オバマ
バラク・オバマは、これからどんどん現れるまったく新たな政治的なリーダーの象徴として出現した。彼の父親がケニア人で母親が白人という人種的背景は、今後現れる政治的リーダーがさまざまな人種の交じり合った人たちであり、どの人種の出身かということが政治的に何の意味もなくなる潮流を表してる。36年後には、こうしたことがもはや当然であるかのように受け取られるだろう。
オバマは人種のみならず文化的に多様化した状況をやっとアメリカ国民が受け入れ始めた事実をも示している。
アメリカ人は、狭量で、近視眼的で、独善的で、なおかつ基本的に人種差別的である。自分の所属するコミュニティーにしか興味はない。
オバマが文化的に多様な背景を出自にもっていることは、アメリカ国民がやっとこの独善的な閉鎖性から抜け出し、世界には多様な文化があることを受け入れ始めることを表している。36年後までにわれわれはいまとは違ったアメリカ国民のタイプをみることになる。
マイケル・ブルームバーグ
3月に立候補するだろうマイケル・ブルームバーグも今後の政治的な潮流を象徴する人物だ。彼は2つの潮流を象徴する。
一つは、彼が独立系候補として善戦することが示す潮流だ。現在のアメリカ国民は共和、民主両党に飽き飽きしており、強力な第三の政党が台頭することを望んでいる。その理由は、共和、民主両党とも業界の利益を代表する圧力団体に完全に牛耳られており、もはやアメリカ国民を代表する存在ではなくなったからだ。マイケル・ブルームバーグは、二大政党とは異なる選択が現実的に可能であることを見せつけることで、第三の政党の可能性の象徴となる。
共和、民主両党とも消滅の方向に向かい、かわってアメリカ国民党という政党が将来台頭する。このサイクルが終わる2044年には確実に二大政党は消滅のしていることだろう。
さらに、マイケル・ブルームバーグはこれからの時代に主流となる新しい政治家のタイプを象徴する。バラク・オバマが人種と文化の混合を表すタイプだとすると、ブルームバーグは巨大企業のCEOのような政治家のタイプだ。
今後、アメリカは政治的な変革の時期に入るが、その変革はこれまでのように草の根の運動からボトムアップで中央政界を改革するというようには進まない。これとはまったく逆に、有能なCEOが市場のニーズに合うようにシステムを改革するようなやりかたで、トップダウンで進められる。未来にはこうした政治家が多数出現するが、ブルームバーグはその最初のタイプとなる。
未来の大統領
恐らくヒラリー・クリントンになるはずだ。自分は1998年以来そのように主張している。
だが、オバマが勝利する確率も決して低くはない。だが、彼が万が一今回大統領になってしまった場合、彼は暗殺される可能性が非常に高い。なぜなら、アメリカの政治的サイクルからして、オバマはまさにケネディーの再来であり、ケネディーと似た宿命を担っているからだ。ブラック・ケネディーだ。今回はなれなくとも、彼は大統領になるべくして選ばれた男だ。2012年か2016年の大統領は彼である。
2008年のテロ
今年はアメリカ国内でテロが発生する。それは9・11よりは小さく小規模なテロだ。だが、このテロが与える社会的なインパクトは9・11よりもはるかに大きい。
いまのアメリカに蔓延している空気は一言で言えば恐怖である。自分の生活がテロによって一瞬のうちに破壊されてしまうのではないかという恐怖だ。
このような中で起こるテロは、アメリカ国民を国家へと結集させ、個人の自由よりも安全と快適さを優先し、市民の権利を政府にゆだねてしまうだろう。これによって政府は確実に独裁化する。
この独裁化の動きは2008年のテロとともにはじまるだろう。アメリカ国民はテロの恐怖から、独裁化の動きを完全に受け入れてしまう。
だが、テロがもっとも多発する地域はヨーロッパだ。オサマ・ビンラディンはまだ生きており、アルカイダの指揮をとっている。
環境破壊
温暖化による環境破壊はもっとも深刻な問題だ。今年は温暖化に起因する環境異変が本格的に激化する年となろう。その激しさはわれわれの想像を絶する。
今年までに温暖化に本格的に対処しないと大変なことになる。もし対処に失敗するなら、2020年前後には水や食料の絶対的な不足から多くの国家で独裁政権が誕生し、これらの国家の間で水と食料を奪い合う戦争が勃発するだろう。それが第三次大戦になる。
ロシア
ロシアのプーチン大統領を独裁者としてみる向きもあるが、彼は独裁者とは根本的に異なったタイプだ。
プーチンが最終的に目指しているのは民主的なロシアである。民主主義は高い経済成長による安定した国民生活がない限り実現しないことをよく知っている。こうした条件が十分にととのえば、プーチンは民主化の方向に向けて一挙に動き出すだろう。
エドガー・ケイシーは「ロシアが世界の希望となる」と言ったが、これは実現するだろう。
イスラエル
今年はイスラエルにとって非常に困難な年になる。イスラエルはすでに200発ー400発の核弾頭を保有しているが、それはいっさい公表されていない。
今年、イスラエルは核弾頭の保有を公表し、IAEAの核査察を受け入れざるを得なくなるだろう。
イラン攻撃
アメリカがイランを直接攻撃することはない。ブッシュの支持率の大幅な低下と政治力の低落、ならびに軍首脳の根強い抵抗などによって不可能となった。
政権内でいまだある程度力をもっているネオコンは、今度はイスラエルをけしかけイランを攻撃させ、これにアメリカを巻き込むように仕向けるだろう。
だが、もし今年の5月までにイラン攻撃がなかったならば、イラン攻撃は永遠にないだろう。
続く
ヤスの英語
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