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    2008-01

    2008年と今後の世界3

    いつもとは異なり今回は早めに更新できた。定番となっているいつもの言い訳がましい書き出しを期待していた読者の方には、期待を裏切る書き出しとなってしまった(笑)。いつもこの程度の遅れで更新できればいいのだが。

    世界同時株安

    本日の1月24日はたまたま上がっているが、年初より始まった米国主導の株安の基調には変化がないものと思われる。一進一退を繰り返しながらも、基軸通貨としてのドルが放棄される流れが確実に加速している。このまま行くとコルマンインッデクスのDay6が始まる2008年11月13日以降くらいから、基軸通貨変更の動きは本格化するだろう。

    欧州委員会委員の発言

    朝日新聞によると、22日、欧州連合(EU)の行政機関である欧州委員会のアルムニア委員(経済・通貨担当)は「米国の財政赤字と貿易赤字が株安の遠因だ」と述べ、米国の政策を批判した。

    このような理解が、多くの政府の金融当局や投資家の共通認識になっているとするなら、今回の株安とドル安は長期化することは間違いないだろう。株安とドル安が景気の変動に伴う短期的なものではなく、巨額の赤字という米国経済のシステムそのものに内在する構造的な要因によって引き起こされているからだ。そのためにはシステムの構造そのものを変革しなければならず、それには長大な時間がかかるからだ。

    ブッシュの経済救済策とFRBの利下げ

    周知のように18日ブッシュは1400億~1500億ドル緊急経済対策を発表したが、これは企業と個人に対する減税による国内消費の刺激策が柱であった。巨額の減税と所得税の現金による還付を実施し、冷えきりつつある国内消費のテコ入れをしようというものである。

    さらに同時にFRBはさらに0.75%の利下げを実施した。市場はブッシュの景気刺激策には反応しなかったもののFRBの利下げには少しだけ反応し、若干値を上げた。

    無意味化しかねない経済政策

    ただ、今回の不況の原因が米国の巨額の赤字という構造的な要因にあるという理解が一般化しているのであれば、今回のような国内消費の刺激策や利下げは短期的には相場を上昇させることはあっても、基軸通貨の転換と米国の凋落という全体的なトレンドを変えることにはならないと思われる。システムの歴史的な転換の時期は確実に迫っているようだ。

    いまの株安・ドル安の基調を変るには、巨額な赤字体質を本格的に転換させる米国の根本的な構造改革を発表するか、または今回のブッシュの刺激策をはるかに上回る巨額の財政出動によって現行のシステムを延命させりかのいずれかであろう。いずれの場合でも、それは真の意味で説得的なものでなければならない。そうでもしない限り、現行の市場のトレンドを変えることにはならないだろうと思う。

    コントロール不能の借金体質と米国の世界戦略

    しかし、赤字体質の改善といってもそう簡単ではない。すでに以前の記事「予言の評価と今後のシナリオ2」でも書いたように、米国の政府財政は、米国の高い利子率や自国通貨の切り上げを嫌って還流してくる膨大なドルに依存している。

    米国への輸出→支払い代金としてのドルの受け取り→米政府は利回りを高めに設定→米国への再投資→米国金融市場の活況

    米政府の赤字体質を改めるとは、こうした循環に依存する必要がないほど財政支出を抑えるということだが、これはブッシュ政権下では不可能に近いと言わねばならない。

    周知のように米国政府の最大の支出項目は軍事支出である。2001年以降、それは空前の勢いで伸びている。この支出に現在の米国の世界戦略のすべてが依存しているといっても過言ではない。

    赤字に依存しない財政とは、海外から還流してくるドルには依存しなくてもよいほど支出を縮小するということである。これを行うことは米国の世界戦略を根本的に変更することを意味する。それはイラクからの全面的な撤退や、撤退を含む米軍の世界的な再編成を必然的に要求するはずだ。

    次期大統領はクリントンになる公算が強いが、政権の公約を見る限り、彼女の政権下でもこれは難しいだろう。一部で高い支持を得ているロン・ポールでも大統領にならない限り、世界戦略の転換を前提にした支出構造の根本的な変化はないのではないかと思う。

    借金付けになりながら国内消費を支える構造

    2001年度の後半など一時的な景気の落ち込みはあったものの、米国経済の景気は絶頂期にあった。こうした国内景気を支えたのは伸び続ける個人消費であった。

    だが、個人消費の伸びは、米国の国内産業が成長しており、そこから生み出される雇用や所得の伸びだけによって支えられていたわけではない。米国の個人消費は、住宅価格の上昇を当てにしたローンと、ミニマムペイメントという特殊な支払い方法を採用したクレジットカードローンよって支えられている。

    モーゲージローン

    米国の住宅価格は91年以来右肩上がりの上昇が続いていた。モーゲージローンとは、日本でいう住宅ローンのことだ。だが日本と大きく異なることは、住宅の所有者が所有する住宅を担保に現金を借りる目的で使っていることだ。住宅価格が右肩上がりの上昇を続けている限り、値上がりした住宅の評価額の範囲でローン会社から現金を借りることができる。つまり、10万ドルで購入した住宅が1年後評価額が15万ドルに値が上がったら、値上がり分の5万ドルの枠で現金を借りることができるというわけだ。

    このため住宅価格の上昇が続いていた間、住宅を所有してさえいればほぼ無尽蔵にローンを組むことができ、現金の供給を受けることができた。

    住宅価格の上昇がストップし、サブプライムローンが破綻したいまとなってはすでに崩壊したが、これが米国の旺盛な国内消費を支えていた一つの柱でたった。

    ミニマムペイメント

    さらに、消費を促進させていたメカニズムにミニマムペイメントというローンの支払い方式がある。これは債権者であるローン会社が、月々のローンの支払いを額を利息分に縮小し、最小限の支払いしか要求しないシステムである。当然、ローンの元本はまったく返済されないので、元本は翌月にそのまま移行する。そして移行すればするほど、ローン金利は高くなるという仕組みだ。

    それだけではなく、利息の支払いそのものも約2年間待ってくれるのがこの仕組みの特徴だ。現金でローンをしてもすぐには支払いは発生しないのである。

    ローンの意識をなくした債務者

    こうしたシステムは、モーゲージローンのみならず、米国のほとんどのクレジット会社やその他のローン会社が導入している。その普及は、債務者にいま手にしている現金がローンであることを意識の上から消し去ってしまう。どんなに借金しても支払いは猶予され、支払いが発生したとしても月々わずかな金額しか払わなくて済むのだからそうだろう。

    こうした仕組みは一言で言えば、人々が実際に稼ぐ所得をはるかに越えた額の現金を手にするということだ。米国民はそれをすべて消費につぎ込み、米国の巨大な国内消費を支えていた。いわば借金による自転車操業による景気の維持だ。

    これがどういうことかよく分かるビデオがある。NHKが2003年に放映したNHKスペシャル、「個人破産-アメリカ経済がおかしい」だ。2003年と言えばイラク戦争が始まった年だが、米国は2001年の軽微なIT不況を克服し、バブルの絶頂を迎えつつあった時期だ。ぜひ見てほしい。

    個人破産-アメリカ経済がおかしい

    さらに、米国のクレジット会社のからくりを暴いた意かのドキュメンタリーも見てほしい。2004年にNHKBSが放映したものだ。

    アメリカ カード社会の落とし穴 ~利子に苦しむ消費者たち~ 1

    アメリカ カード社会の落とし穴 ~利子に苦しむ消費者たち~ 2

    こうした番組を見ると、米国の経済がこれまで破綻してこなかったほうがむしろ不思議だと言わねばならない。米国の現状からして破綻は当然の成り行きとしてやって来ると見た方がはるかに妥当だ。

    この話題に関しては大阪市会議員の辻義隆氏のブログが詳しく解説している。情報がよく整理されている貴重なサイトだ。関心がある人はぜひチェックしてみるとよいだろう。

    辻よしたかプレス

    破綻はステップバイステップで

    米国経済の本格的な破綻は、当然米国主導の世界経済システムの崩壊と直接連動する。それは、自然災害のように突発的にではなく、段階を経ながら危機的な状況が次第に醸成されてくると考えられる。

    ではそれはどんな段階なのだろうか?

    モノライン保険

    サブプライムローンの破綻はどんどん大きくなり今後も拡大する様相だが、いま破綻の焦点になりつつあるのはモノライン保険の破綻だ。これは下手をするとサブプライムローンを上回る巨大な破綻を引き起こすことにもなりかねない。

    モノライン保険とは社債や地方債などの格付けが低い証券に対する保険契約のことである。どんな証券もMoodysのような格付け会社によってAAAやBBBなどの格付けを与えられており、それが証券の安全性の目安になっているが、モノライン保険とは、格付けの低い証券が万が一破綻した場合、その元本の支払いを保証する保険のことである。

    米国の自治体の発行する地方債や、株式の公開で資金を調達しにくい会社が発行する社債などは格付けが低く、このためよほど高い利回りをつけないと市場では買い手は見つからない。だが、高い利回りの支払いは、ただでさえ資金繰りに苦しんでいる自治体や、社債を発行する企業をさらに苦しめることになる。

    モノライン保険は元本の支払いを保証する。そすることで、投資家は安心して格付けの低い地方債や社債を購入することができるようになる。保険で元本の支払いは確実に保証されるので、利回りも低く設定することができ、このため地方自治体や企業は必要な資金を入手することができるようになる。このような仕組みをモノライン保険という。米国の金融市場を支える重要な柱の一つだ。

    モノライン保険の破綻

    だが、モノライン保険を提供する会社は、サブプライムローンにも同じく保険を提供していた。このためモノライン保険の会社は巨額の支払いを迫られ、経営危機に陥った。経営危機はさらにこうした会社の格付けを極端に下げる結果となったため、モノライン保険の保証を与えても、保険会社そのものが信用を喪失しているため、地方債や社債の利回りは高騰し、発行そのものが難しくなってしまうのだ。そしてこれらの債権の発行が困難になると、地方自治体の倒産や企業の連鎖的な倒産の引き金になる。

    米国経済のスパイラル型の不況突入のシナリオ

    こうしたことをすべて総合すると、スパイラルを描いたよいうに不況に突入することになる。

    すでにみたように、米国の国内消費は、国民の生産的労働ではなく莫大な借金によって支えられているため、一度モノライン保険が破綻し、多くの企業が資金繰りの悪化から連鎖倒産するような事態になると、国民は巨額化したローンをすぐに支払えなくなり、自己破産が激増するようになるはずだ。ローン破綻である。そしてそれは国内消費を極端に収縮させ、簡単には抜け出せない長期の不況に突入する。以下の図式である。

    サブプライムローンの破綻→モノライン保険の破綻→多くの企業、地方自治体の資金繰りの悪化と破綻→連鎖倒産とリストラ→自己破産の急増とローンのシステムの崩壊→不況の深化

    このような事態が目の前に迫っているように思う。

    政府の対応とコントロールが効かなくなるインフレ

    いざこのような破綻が起こった場合、米国政府やFRBは、1)金利の低下、2)大規模な減税処置などによって、破綻しつつある金融機関やマーケット、そして個人の世帯にドルを注入し破綻をくい止めようとするだろう。それはいっけん合理性のある政策のように見える。

    だが、通過供給の増大は当然早いペースのインフレを招くことになる。ましてやすでに穀物や原油、そしてその他の商品が投機の対象となり、破綻しつつある金融市場からの逃避先になっているときに、通貨供給量が突然と増大するのである。インフレ率は非常に高いものにならざるを得ないだろう。

    インフレ率が利益率に近付くと

    もしインフレ率が非常に高くなり、利益率に近づくとすでにこのブログでも何回か説明した以下のような事態になる。

    怖いインフレ
    通貨量の増加→貨幣価値の低下→高いインフレ率→インフレ率が利益率を超える→生産の縮小→生活水準の低下


    さらに、生活水準の低下によって国内消費はさらに縮小するため、不況はよりいっそう激化する。

    だが、投機が収まらず商品相場の高騰が続くと、インフレはさらに悪化し、生活水準のさらなる低下→国内消費さらなる縮小→不況のさらなる深化という循環は繰り返されることになる。これはまさにスパイラル型とでも呼べるような不況だ。

    ここまでくると、1929年の大恐慌の再来ともいえるような規模になる可能性もある。

    「Coast to Coast AM」の年頭予言

    ではいつこのような底の見えない不況に米国は突入するのだろうか?いまはちょうどモノライン保険ぼ破綻が始まったばかりだ。これが個人破産の激増とあらゆるローンの破綻を誘発することは間違いないとしてもそれはいつ起こるのだろうか?

    これまで環境異変の記事を書いてきたため書き時期を逸してしまった感があるが、「Coast to Coast AM」は1月1日の年頭スペシャルではアメリカを代表する多くのサイキックや予言者が出現し、2008年がどうなるか徹底的に予言した。3時間の全放送時間が2008年の予言に当てられたのでここでは全部紹介できないが、本日の話題に関連した部分のみを紹介する。

    多くのサイキックは米国の本格的な経済破綻を予言していたが、その中でも特に興味深かったのはこのブログでも紹介した「Web Botプロジェクトの予言」である。「Web Botプロジェクトの予言」とは以下のものだ。以前のブログの内容を引用する。

    「「Web Bot」とは、インターネットのディスカッションサイトに目立たない形でしのばせてあるデータ収集用のソフトウェアのことである。このソフトは、特にネットで交わされた会話の単語に注目し、それを収集するように設計されているということだ。

    どの収集された単語データも、意味と同時にそれに込められた感情価を持っているという。意味と感情価はかならずしも一致しない。例えば、「離婚した妻が所有権を主張して車に乗って行ってしまった」という文と、「離婚した妻に車を盗まれた」という文はもしかしたら同じ事態を表しているかもしれないが、「乗って行ってしまう」と「盗む」ではその語に込められた感情の値がまったく異なるという。前者は、話者が状況を冷静に把握し感情価は小さいが、これに比べ後者は、予期しない突然の事態の発言であることを予想させ感情価も非常に高い。

    さまざまなディスカッションサイトで収集したキーワードの感情価を測定し、それを特別に開発した言語で処理して数値化し、その増減を明らかにするのがWeb Botプロジェクトだ。

    ではこの測定によって何が分かるかというと、あるレベルを越えた感情価を持つ単語があった場合、その単語に関係した出来事が将来かならずといってよいほど起るのだそうだ。たとえばスマトラ大津波の前には、「インドネシア、大量の水、破壊、多くの死者、大災害」などの言葉が感情価が高く津波が来ることを予想させた。」


    彼によると2008年には次のようなことが起こるという。

    ・ドルの壊滅的な暴落によって世界経済のメルトダウンが始まる
    ・冬か春に暴風雨などの自然災害が襲う。季節はずれのハリケーンも注意
    ・3月の後半、中央アメリカか南アメリカの女性が金融機関に対して反抗しメディアで脚光を浴びる
    ・5月か6月に在郷軍人が国家の記念碑をのっとるような事件が起こる


    これらの予言でもっとも重要なのは、言うまでもなく最初のものである。プロジェクトのジョージ・ウレによると、「サブプライムローンに端を発する金融危機は遅くとも2月には実体経済に大きな影響を与え始め、リストラは進行しアメリカは深刻な不況に突入する。これはドルの極端な暴落を誘発し、下手をするとドルは10分の1にまで減価する。」

    ジョージ・ウレとともジェラルド・セレンテとう人物も出演した。セレンテはCNNなどにも出演している「トイレンドの分析家」だそうである。なので正確には予言者ではないと思われる。彼の予言は以下だ。

    ・2008年は経済の9・11になる。それは29年尾大恐慌を上回る激しさになるだろう。多くの巨大金融機関が倒産する。
    ・恐慌によって欲望と腐敗が一掃されるため、崩壊したシステムを再建するビズネスには大きなチャンスとなる
    ・食料品価格と固定資産税の高騰により、生活苦から国民はいまの税金のシステムに対して反抗するだろう


    セレンテは1月21日の番組にも出演し、「経済の崩壊はこれから本格化する。まず、ローンがあったらとにかくいまのうちに返済し、それから少しでも資産があれば金を買うように」と強く勧めていた。

    昨年の12月27日には陰謀系の人気ラジオ番組「Rnese.com」にやはり以前このブログで紹介した米国のノストラダムス研究の第一人者のジョン・ホーグが出演し、次にように予言した。

    ・アメリカは相当に厳しい不況に突入するが、国家が崩壊するようなことはない。それは基軸通貨としてのドルの終焉になる
    ・アメリカがイランを先制攻撃する可能性は小さい。だがイスラエルの先制攻撃からアメリカは戦争に引きずり込まれる
    ・次期大統領は間違いなくクリントンになる。ロン・ポールもそれなりの支持は獲得するが大統領になるチャンスはまったくない


    ジョン・ホーグは1968年以来大統領選挙の結果をすべて当てていることで定評がある。2004年の選挙でも、国民が共和党と民主党に2分され、勝者の予測がまったくつかなかったときから早々とブッシュの勝利を予言し多くの人を驚かせた。今度はどう出るだろうか?

    日本

    最後に、いずれ詳しく書くとして、日本はどうなるのか一言しておきたい。結論から言うなら、今の政府の政策では崩壊する米国と運命を共にして一緒に撃沈するような運命を政府自ら積極的に選んでしまったというべきだろう。いつまでも小泉の構造改革などという絵に描いたような幻想に拘泥するときではない。日本は構造改革によってセイフティネットをすべてなくしてしまった。そのような日本をこの70年で最大となる米国の不況は直撃する。もはや日本にはこれを防止するシステムすらない。これを防止できるとするならそれはただ一つだろう。緊縮財政を即刻止め、大規模な財政出動による公共投融資以外にない。「バラマキ」などという売国マスコミが垂れ流す言葉で漠然と事態を捉えているときではないのだ。

    事態はこれから悪化する。コルマンインデックスのDay6の始まるころには事態の深刻さに誰でも気づくようになるのではないかと思う。

    DAY6 2008年11月12日~2009年11月7日

    続く

    ヤスの英語

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    テーマ:歴史と予言 - ジャンル:学問・文化・芸術

    2008年と今後の世界2

    毎度のことながら、更新が大幅に遅れてしまった。お詫びをする。更新がここまで遅れると、ブログというより一般のホームページの更新に近くなってきた。だが、なんとかがんばって書いてゆきたいと思っている。

    また、多数のコメントをいただいているにもかかわらず、返事を書いていないのが悔やまれる。一両日中にレスをするつもりなので、いましばらく待ってほしい。

    現在の情勢

    かねてからこのブログでも米国経済および基軸通貨としてのドルの凋落と、それに基づく世界経済の多極化に関して書いて生きたが、いままさに目の前でそうした事態がどんどん進行しているように見える。先週、今週および来週まで米国の主要な金融機関、保険会社、クレジット会社の決算発表が続くが、サブプライムローンによる損失は市場の予想を上回る大きさで、米国がいち早く深刻な不況に突入したことをうかがわせる。

    このような事態に対処しようと、18日ブッシュは1400億~1500億ドル緊急経済対策を発表したが、対策が企業と個人に対する減税による国内消費の刺激策が柱であり、サブプライムローン問題の抜本的な解決策は示されていないことから、市場の反応は実に冷ややかだった。日本でも一時行われたような、金融機関に対する公的資金の投入を求める声も強いが、昨年の8月以来ブッシュは公的資金の投入を一切拒否する姿勢を変えていない。ただ、サブプライムローンは証券化された金融商品として発売されているので、問題はこれを購入したすべての金融機関に及ぶため、どこに公的資金の投入すべきか焦点がまったく定まらない。そのため、公的資金の投入という政策そのものがサブプライムローンの抜本的な解決にかんしてはほとんど無意味だろうとの意見も強い。

    サブプライムローン問題はこれから本格化することは間違いないように思う。問題の実体経済への影響は否定しようもなく、このまま行くとおそらく2月あたりから景気低迷によるリストラが始まり、この結果、ブッシュのローン金利据え置き政策によって今までサブプライムローンを何とか支払えていたローンの借り手の多くが支払えなくなるため、サブプライムローン問題はさらに悪化することも予想される。

    いまは国際的な協調行動による巨額な資金投入によって市場の崩壊は避けられているが、これから悪化する問題の規模によって、国際協調さえ難しくなる局面も考えられる。やはりコルマンインデックスのいうように、2008年11月13日に始まるDay6か、またが11月12日に終わるNight5の最後に、米国主導の世界経済システムは崩壊を余儀なくされる可能性は大きいように思う。いずれにせよ、今後ある程度のより戻しも経験しながらも、世界は確実に多極化への動きを早めてゆくはずである。

    2012地球大異変―科学が予言する文明の終焉

    今後の世界情勢や経済に関する情報も膨大にあるので、今回はいつものようにこれに関して書くつもりだったが迷ってしまった。

    それというのも、すでに方々で紹介されている『2012地球大異変―科学が予言する文明の終焉』(日本放送出版協会)という本、およびこれに関する科学記事や論文のいくつかを読んだからである。この本は、現在の科学的研究からみたら、マヤカレンダーが終了する年である2012年にいったい何が起こるのか究明しようとした本である。実に面白いので一読をお勧めする。

    今回はこちらのほうがより重要だと思い、これに関してブログを書くことにした。いつもの話題は稿を改めて書くつもりである。

    ただ、筆者は自然科学の素養はまったくないため、以下に紹介する理論を論評する能力はない。読者諸氏の判断にゆだねたいと思う。

    冗談ではないかもしれない2012年

    コルマンはマヤカレンダーをおもに社会経済的な変動の側面から扱っている。その点ではコルマンの研究は群を抜いているように思う。ただ、自然環境の変化はコルマンの守備範囲とはかならずしもいえないので、この点方マヤカレンダーにアプローチするには別の論理なり著者が必要だろう。地球環境の変化は、いまわれわれが経験している社会経済的な変化の重要な背景になるので、押さえておく必要がある。

    『2012地球大異変』は、予言から科学までさまざまな話題を取り上げている。マヤカレンダーが真に意味するところを発見するために、グアテマラのマヤのシャーマンの「カルロス・バリオス」などにもインタビューをしている。

    この本には明らかに二つの柱がある。一つは「地球サーモスタット理論」であり、もう一つはいわば「星間空間通過説」ともいえるものである。

    地球サーモスタット理論

    前回の記事でも書いたが、年初から太陽は新しい活動期のサイクル24に入った。このサイクルがピークを迎えるのは2011年から2012年であり、太陽の活動はこれまでより30%-50%増大するだろうと考えられている。

    地球の表面温度は約11周期の太陽活動と90%を超える確率で連動しているため、サイクル24に入ると地球温暖化ははるかに加速化するだろうとも言われている。約400年前から黒点の数は観測されているが、サイクル24では黒点数は400を超え、過去400年間で最大の活動になると考えられている。

    さらに、『2012地球大異変』の専門家とのインタビューによると、約11000年前に最後の氷河期が終焉したが、このとき北極圏の氷は約3年で溶け、氷河は一気に後退したはずだという。そして驚くべきことに、現在の地球の平均気温はこのときに平均気温よりもはるかに高いはずだという。

    サイクル24ではさらなる気温上昇が予想されるため、前回の記事でも書いたような深刻な事態が進展することが予想されるのはむしろ当然なのかもしれない。

    地球サーモスタット理論とは、地球の表面温度が一定レベルを超えて上昇した場合、これを冷やし気温を低下させるメカニズムをあらかじめ地球は内在しているのではないかという考えだ。

    スーパー火山と巨大ハリケーン

    このメカニズムにあたるものが、スーパー火山といわれる巨大火山の噴火と巨大ハリケーンだという。すでにテレビなどでも広く紹介されているのでよく知られているはずだ。1963年と1993年を比較すると、ハリケーン、地震、火山噴火、台風の発生率は410倍になっているが、この増加こそサーモスタット機能の結果なのだという。

    巨大火山の噴火は膨大な火山灰を発生させるが、それは地球を覆い太陽光線が地上に達するのを妨害する。この作用による気温の極端な低下が過去に数回発生した氷河期の引き金にもなったはずだという。

    インドネシアのトバ火山、アメリカのイエローストーンなどのスーパー火山がいくつも存在しているが、サイクル24に入り、太陽活動がそのピークに達する2011年から2012年には、地球に内在するサーモスタット機能の作動から、この時期に噴火が相次ぐ可能性がもっとも大きくなるのではないかというのがこの本の一つの柱になっている考えだ。

    星間空間通過説

    このサーモスタット機能説は日本でも比較的に広く紹介され、すでに知られている。それに対して「星間空間通過説」はそれほど知られていないかもしれない。

    これに対して、日本ではフォトンベルトなる概念が先行的に広まったため。「星間空間通過説」はあまり知られていないのかもしれない。

    実在が怪しいフォトンベルト

    ウィキペディアのフォトンベルトの項にもあるように、フォトンベルトやこれに伴う次元上昇という現象が実際に存在するのかどうかかなり怪しいと考えたほうが妥当であるように筆者は思う。ここでは詳しい説明は避け、ウィキペディアのフォトンベルトの項の一部をここに引用する。

    ・そもそもフォトンは光子であり、フォトンの帯が形成されることはない。

    ・太陽系は銀河系中心に対して約2億2600万年周期で公転しており、プレアデス星団を中心に回るということはない。地球の歳差運動が約26,000年周期であることから、これとの混同であると思われる。また、実際に26,000年周期で太陽系が銀河系を公転するとすると、光速度を超えてしまう(特殊相対性理論に反する)。

    ・フォトンベルト説では、地球がプレアデス星団のまわりを回っている説と、わずか26,000年で銀河を回るという二説が、それぞれ矛盾するにもかかわらず併記されていることが多い。しかも、その両説ともに間違っている。

    ・NASAが観測したフォトンベルトは、フォトンベルトと無関係の銀河NGC4650Aのことであり、その後フォトンベルトに言及がないのは当然である。


    だが、太陽系になにも起きていないかといえばまったくそうではない。以下のような強大な変化が太陽系のほとんどの惑星で起きている。

    大気の増加
    火星では大気の厚みが増し、NASAの予想よりも約2倍濃くなっている。このため、1997年にはマースオブザーバーのバックアップ機の一つが厚い大気に阻まれクラッシュした。さらに、これと同様のことが木星、天王星、海王星でも起きている。

    また、火星の北極に存在が確認されている氷の塊が早いスピードで溶けている。温暖化現象は火星でも発生している。

    増大する惑星の明るさ
    金星の明るさは増大している。木星のエネルギーは明らかに増加しており、木星の月のイオと木星を結ぶイオン化した放射能のチューブが見えるようになった。天王星と海王星の明るさも増大している。

    惑星を取り巻く磁場の変化
    木星の磁場の強さは2倍になっており、天王星や海王星でも磁場の同じような増大が見られる。

    ポールシフト
    天王星と海王星でポールシフトが起きた。ボイジャー2号が二つの惑星を通過したときの計測では、北極と南極が地軸に対して約50度ほどずれていた。

    このような巨大な変化が太陽系の多くの惑星で起こっているが、その原因は太陽系全体のエネルギーのレベルが増しているからだろうと考えられている。先の記事でも書いたが、太陽活動が活発化している原因の一つは、太陽が長期的な活動期のサイクルに入ったからだとされているが、それを引き起こしている原因は太陽系全体の活性化とエネルギーレベルの増大にあるのではないかという。

    アレクセイ・デミートリエフ博士

    ロシアのシベリア科学アカデミーに所属するアレクセイ・デミートリエフ博士は、1998年に「地球と生命の惑星物理学的状態」という画期的な論文を発表し、その中で太陽系全体が活性化している理由は、太陽系がエネルギーの凝集した星間空間に入ったことであるとしている。『2012地球大異変』から引用する。

    「太陽系は天の川銀河(銀河系)のなかを不明確な軌道を輝いて動いており、かたや銀河系も宇宙のなかをどこへともなく移動している。太陽系が実際におそらくは好ましくない新たな環境へと移動している可能性については、これまで誰も言及してこなかった。やがてそうなるのは理の当然なのだが。星間空間が一様に暗く、冷たく、何もない場所でありつづける保証はないのである。いま、ドミートリエフはこの太陽圏が難所に差しかかったと説明する。具体的に言うと、水素、ヘリウム、ヒドロキシラジカル(水素原子が酸素原子と単結合したもの)、およびその他の元素や化合物などを含む磁気をおびた細長い帯や溝だ。つまり、おそらくは爆発した星の残骸である、宇宙のゴミだ。」

    太陽は大量の太陽風を放出している。太陽風の届く範囲を太陽圏、または太陽系圏、ヘリオスフィア などと呼ぶが、太陽系がエネルギーが充満した星間空間に入ると、強大な衝撃波が発生するという。以下の図参照。

    heliosphere


    「水を押し分けて進む船をはじめ、ほかの媒体を通過するものはなんでもそうだが、太陽圏も星間空間の粒子をかきわける際に、その前方に衝撃波を生みだした。衝撃波は、太陽圏がこの宇宙の高密度領域に入るにつれて、大きく激しいものになった。ドミートリエフは太陽圏の衝撃彼が一〇倍ほどに増大して、三ないし四AUから」四〇AU以上になったと見積もる(AUはアストロノミカルユニツト天文単位のことで、一AUは地球と太陽の距離、約一億五〇〇〇万キロメートル)。」(前掲書)

    そして、「この衝撃波の増大は境界面でひそかに反応し合うプラズマを形成させ、それが太陽系の周囲でプラズマの過剰放出につながり、やがて惑星間の領域にもなだれ込んでくるようになる……。このなだれ込みは、星間空間から太陽系に向けられた一種の物質とエネルギーの贈与からなる」と、ドミートリエフは議論を呼ぶ研究論文「地球と生命の惑星物理学的状態」のなかで書いている。

    この結果、「結果的に、惑星間の領域に大量のエネルギーが投入され、太陽を揺すぶって不安定な行動をとらせ、地磁気を弱め、ぼくらの惑星が経験している地球温暖化を激化させている可能性があるのだ。」ということだ。(前掲書)

    デミートリエフ博士ははっきりと述べる。

    「太陽活動が盛んになっているのは、星間のエネルギー雲のなかへ移動するにつれて、われわれが経験している物質、エネルギー、情報の流れが増加しており、それがじかに反映された結果なのだ。太陽には新たな要求が課せられており、われわれはこうした要求が地球におよぼす衝撃を経験しているのだ。」(前掲書)

    そして以下のような結論を下す。

    「地球とその近辺の宇宙の双方に関連した、この恐ろしい現象[衝撃波]に関しては、完全に明白で、かつ信頼にたる兆候がある。(中略)われわれにとって本当に重要なのは、それらを理解して受け入れ、生き残ろうと努力することだ。」

    本の著者、ローレンス E.ジョセフに2012年に関する意見をしつこく聞かれたデミートリエフ博士は最後に以下のように述べた。

    「これまで話してきた地球規模の大災害、ハリケーンや地震や火山噴火が同時に進行し、正のフィードバックループで拡大し、それが手に負えないものに発展して、われわれの現代文明の存在そのものを脅かす事態は、おそらく何十年後ではなく、何年か後に起こるだろう。」

    2012年にはあと4年しかない。アレクセイ・デミートリエフ博士の発表した論文、「地球と生命の惑星物理学的状態」の英訳は全文がネットで公開されている。関心がある人はぜひ読むことをお勧めする。科学論文であるにもかかわらず、その内容は『2012地球大異変』よりもはるかに怖い。

    続く

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    2008年と今後の世界1

    みなさま、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。更新のスピードをなんとかするといいながら、のっけから遅い更新となってしまいました。とうとう2008年になってしまいました。みなさんはいかがお過ごしでしょうか?

    年頭から異変の兆候

    年末から年初にかけて、2008年がどのような年になるのか予告するようなさまざまな出来事が相次いで起こった。パキスタンのブット元首相の暗殺などはその典型であろう。世界をこれまで維持してきた構造と秩序が徐々に崩壊し、あたかも想定不可能な世界にわれわれ放りこまれたかのような印象を受ける。

    だが、政治的経済的な変動については次回以降に譲り、今回はもう少し違ったニュースを紹介する。

    コルマンのメール

    いまわれわれはNight5の時期におり、コルマンが予測したように事態は進行しているが、コルマンがNight5の論文を発表したのは、すでに4年前の2004年である。それ以来、コルマンのNight5に関する論文は出ていない。マヤカレンダーに関してコルマンが発表した論文で一番新しいものは昨年の5月のものである。それ以来、どのサイトでも論文は発表されていない。

    また、コルマンは昨年の半ばまではネットラジオなどに比較的に頻繁に出演していたが、出演する番組も明らかに減った。最後に出演したのはオハイオ州コロンバスにある「Radio Orbit」の2007年10月22日の番組である。番組はコルマンのマヤカレンダー解釈の全体的な解説で、現在起こっている出来事の解釈はいさいなかった。もちろんNight5に関してもそうであった。Night5という時期があることが述べられただけで、その具体的な内容の解釈はなかった。

    そこで筆者はコルマンが現在のNight5についてどのように考えているのか直接メールを出し、問い合わせてみた。するとコルマン本人から以下のようなメールがすぐに送られてきた。

    拝啓

    私の仕事に興味を持っていただきありがとうございます。現在、私は自分の私生活に集中しているため、Night5に関する新しい論文を発表する気にはなれないのです。私の本の日本語訳を出版しようとしている人がおり、近いうちに翻訳が出版されることを望みます。あなたのブログのアドレスをお教えいただけますか?添付しました論文を日本語に翻訳し、あなたのブログで議論していただいてもかまいません。

    敬具
    カール・ヨハン


    「The Hidden Agenda of The Thirteen Moon/Dreamspell Calendar」(13月/ドリームスペルカレンダーの隠された目的)と「Dialogue on the origin of the Dreamspell calendar between Lloydine Arguelles and Carl Johan Calleman」(ドリームスペルカレンダーの由来に関するロディン・アウグエリアスとカール・ヨハン・コルマンの対話)という二つの論文が添付されていた。マヤカレンダーにはさまざまな解釈が存在するが、二つの論文とも、マヤカレンダーの一つの解釈であるドルームスペルカレンダーに対して疑問を提起するという論争的な内容の論文であった。Night5に関係する話題は含まれていなかったので、翻訳は別の機会に譲る。

    いずれにせよ「私は自分の私生活に集中しているため、Night5に関する新しい論文を発表する気にはなれない」というのはちょっと残念だ。昨年の10月22日にコルマンが出演した「Radio Orbit」の番組によると、「いま生物学者としてのキャリアに戻りつつあり、生物の進化の歴史を概観した本を2009年頃に出版する」とのことである。また、マヤカレンダーに関しては「やはり2009年頃に、コルマンの解釈によるマヤカレンダーのドキュメンタリーが作成される」そうである。要するに、いまは生物学者としての仕事が忙しいので、マヤカレンダーに関する新しい論文を書く余裕はないといことのようだ。

    事情が許せば、時間をみつけてぜひ書いてほしいとのメールを送っておいたので書いてくれるかもしれない。

    余談になるが、このメールを読んだ筆者の友人は「コルマンはサバイバルの準備に入ったのではないか?」と言っていたがもしかしたら本当にそうなのかもしれない。

    地球温暖化と太陽の変動サイクル

    その間にもマヤカレンダーの正確さを証明するかのような事態が相次いで起こっている。

    いずれ詳しく記事するつもりだが、基本的なことを確認しておきたい。地球の温暖化は、人類が産出する温室効果ガスが主要な原因だとされているが、地球の平均気温の上昇が太陽の長期的な変動サイクルによって引き起こされているとする太陽原因説の立場をとる科学者も少なくない。

    事実、地球の平気気温は1856年頃からゆるやかな上昇の過程にすでに入っており、1970年代を過ぎるころから気温上昇の速度が急に早くなっているといわれている。1856年は世界で工業国はイギリ一国であり、主要な産業資本も繊維産業であった。地球温暖化を引き起こすほどの大量の温室効果ガスの発生は考えられない時代である。

    太陽には明らかに数千年や数百年にも及ぶいくつかの超長期的なサイクルが存在しており、これが地球温暖化の原因ではないかというのである。

    11年サイクル

    こうした長期的なサイクルとともに、約11年周期で変動する短期のサイクルも観測されている。これは、太陽黒点の増減を巡るサイクルであり、黒点数が50を下回ると太陽の活動は低下して非活動期に入り、これおを上回ると活動期に入るとされている。

    過去1100年間の地球の気温の変動と、太陽の11年周期の変動との関係を調査したところ、約90%の確率で密接に関連していることが発見されたということである。黒点数が増大し太陽が活動期に入ると地球の平均気温も明らかに上昇し、太陽が非活動期に入ると平気気温も下がるちうことだ。

    サイクル24

    これまで太陽はサイクル23といわれる非活動期にあった。非活動期にもかかわらず、サイクル23は活動が非常に活発で、その影響で地球の気温上昇も激しかったが、これが活動期に入った場合、予想をはるかに越えて気温が上昇するのではないかと危ぶまれていた。

    年の明けた1月10日、NASAは正式に声明を出し、新しいサイクルのサイクル24に太陽が入ったことを発表した。

    サイクル24は活動期になる。これまで400年間、黒点数は記録され太陽の活動は観測されてきたが、その中でも過去最大の活動になるだろうという。サイクル24はサイクル23よりも30%から50%は活発になるとのことである。このため、極端な気温上昇がいまから予想されている。

    2012年

    11年周期の短期サイクルには活動のピークが存在する。サイクル24の活動が頂点に達するのは、なんと2011年から2012年ということである。周知のようにマヤカレンダーが終わる年だ。ではこの年に何がおこるのか?

    NASAの予測によると、最悪のシナリオの場合、「2012年の夏には、グリーンランドをはじめ、北極圏の氷はすべて氷解し、完全に氷のない状態になるだろう」ということだ。

    ジョン・ジェイ・ハーパー

    少し前「Coast to Coast AM」にジョン・ジェイ・ハーパー博士という未来学者が出演した。国防総省の元コンピュータエンジニアで、いまは将来やってくるさまざまな危機的事態の研究をしているそうである。今回の番組では、サイクル24について特集した。

    ジョン・ジェイ・ハーパーによると、グリーンランドなどの北極圏の氷が全部溶けると、当然海水量は増大し、これによって海水面は一気に上昇する。

    さらに、増大した海水は地球の重心である赤道付近に移動するため、これによって地軸のバランスは失われ、地軸のすれが生じる可能性があるという。これは海流の循環などに甚大な影響を与えるため、これに起因する異常気象、巨大台風などが相次ぐだろうという。そして地軸のずれは最終的にポールシフトのきっかけになるだろうと予想している。

    この変動によって、沿岸部にある都市は水没し、下記の地図のような状態になるだろうと彼はいう。

    ヨーロッパ


    アメリカ


    アジア


    サイクル25

    さらにNASAは、サイクル24が終了するとすぐに今度はサイクル25に入ると予測している。

    うって変ってサイクル25では、太陽の活動が極端に低迷することが予想されている。太陽黒点数も50くらいまで落ち込み、太陽活動の低迷の結果、地球の平均気温も大きく低下する。

    NASAの研究者によると「約200年前の1793年から1830年にダルトンミニマムといわれる黒点極小期が存在し、この時は気温が極端に低下したため食糧生産は低迷し、歴史学者のジョン・D・ポストのいう人類にとっての『最後の巨大な生存の危機』を迎えた」そうである。日本ではちょうど天明天保の大飢饉の時期に当たる時期だ。

    だがNASAによると、サイクル25は200年前のダルトンミニマムよりもはるかに厳しいものになるだろうという。いわば、小氷河期の到来である。

    2012年以降われわれはサバイブできるのだろうか?

    2004年のペンタゴンレポート

    すでに4年前になるが、2004年2月に英国ガーディアン紙が当時の国防総省がブッシュ大統領に劇的な環境異変を警告したレポートの内容がすっぱ抜かれたことがある。これは広く報道されたが、危機意識の欠如からあまり注目を浴びなかった。

    「Now the Pentagon tells Bush: climate change will destroy us」

    しかしこれをあらためて読んでみると、サイクル24とサイクル25の後に訪れる世界がどのようなものになるのか的確に予言しているように思う。記事全文の訳出を掲載する。元記事は「日刊ベリタ」に掲載されていたものである。

    2020年までに地球温暖化の影響で数百万人の人々が死亡する
    【米国防総省報告書】


    ▲米国防総省が衝撃的な報告書を作成していたことを英国のオブザーバー紙が暴露した。

    急激な地球温暖化によってテロ問題などをはるかに上回る世界的な大規模戦争が起きる、と予測した米国防総省の極秘研究レポートがリークされて大騒ぎになっている。

    このレポートはラムズフェルドが推し進めている米軍改革のブレインで何十年も国防総省の顧問を務めているアンドリュー・マーシャル(82)の命令によって作成されたもの。研究チームを率いたのはCIAのコンサルタントのピーター・シュワルツ。その極秘レポートを英誌「オブザーヴァー」が入手したのだ。

    内容は衝撃的である。

    地球温暖化によって、近い将来、世界規模の気象災害が多発し、水位の上昇や砂漠化によって難民が大量に発生、水資源・食料を巡って世界中で紛争が起き、数百万人の犠牲が出る破滅的な状況になると予測しているのだ。いくつか具体的な予測を挙げると……

    1)ヨーロッパの気温は2020年までに急激に低下し、イギリスの冬は現在のシベリアと同じ気温になる。

    2)2007年までに、激しい暴風雨によってオランダの大部分が居住不可能な状態になる。カリフォルニアにおける給水システムが破壊され、南カリフォルニアの人口密集地帯への給水が困難になる。

    3)海面水位の上昇による国土の水没および旱魃による農地が荒地化し、数百万人の難民が発生する。これに対しヨーロッパとアメリカは受け入れを拒否し、事実上、要塞化せざるを得なくなるだろう。

    4)2020年までに破滅的な飲料水・エネルギー不足が発生し世界規模での戦争が勃発するだろう。

    そしてレポートは、地球温暖化・環境破壊の問題を科学的な問題から政治的・軍事的な戦略問題に転換することが、指導者が行うべき困難だが不可避の課題だとしている。

    このレポートが衝撃的なのは、反体制のエコロジストグループなどから出されたものではなく、米国防総省という保守派の拠点から出てきたものだけに、その悪夢のような未来図に信憑性があるからだ。

    さらにこのレポートは、政治的な大混乱を招く爆弾に化ける可能性が高い。

    アメリカは世界最大の温室効果ガスの排出国であるにも関わらず、経済への影響を優先して近視眼的に地球温暖化防止会議が定めた京都議定書を拒否している。このレポートは、ブッシュ政権が、こうした地球温暖化に関する科学的調査をシステマティックに矮小化して、世論を誤った方向に誘導したことを裏付けるものだ。当然、今後、大統領選挙の問題をして浮上し、ブッシュの命取りになる可能性が十分にある。

    レポートは予想される各国の被害状況を次のようにまとめている。

    ヨーロッパ 
    寒冷化によって大打撃を受ける。平均気温は最高6度まで下がり、主要な農業地帯は大規模な干ばつに襲われる。特にイギリスは2020年までに急低下し、シベリア化する。ただ、過去に蓄積した富が惨事への緩衝材となる。難民への対処は大きな問題となる。

    北欧
    年間降雨量が約30パーセント低下し、気候はシベリア並となる。

    オランダ 
    強く厳しい嵐に堤防が決壊し、ハーグなど沿岸の都市は居住不能となる。

    ロシア
    気候変動で大打撃を受け貧窮化する。

    アメリカ合衆国
    豊かな経済力と技術、資源のお陰で変動に対処しやすい。しかし、結果として国際的な貧富の差が広がり、米国への脅威を助長することになる。他にも、核エネルギーや中東の石油資源を確保するために、高いコスト負担を要求される。

    アメリカ南部
    現在より平均15パーセント強い強風を伴う大干ばつに襲われ、広い範囲で砂塵嵐 と土壌の損失を被る。

    中国
    厖大な人口とそれらがもたらす食料需要が被害への弱点となる。干ばつで裸になった地域に壊滅的な洪水を引き起こす。

    日本
    資源に乏しいが、一体化しやすい国民性が、政府の号令下、資源の節約・保存へと行動を促す。

    中東
    気候の寒冷化で石油の需要に拍車がかかり、供給はパンク寸前になる。

    オーストラリア
    国土の大きさと豊かな資源、そして、南半球に位置するという点が対処を容易にする。

    続く

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