第761回 誰がプリゴジンを殺害したのか?プレヤーレンが明らかにするジョージャ・ガイドストーンの謎 予告
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第761回 誰がプリゴジンを殺害したのか?プレヤーレンが明らかにするジョージャ・ガイドストーンの謎
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▼今回の記事
ロシアの民間軍事会社、「ワグネル」の代表、プリゴジンが死んだ。プリゴジンは、6月23日に起こしたクーデターの責任をとらされ、プーチン大統領によって殺害されたとする報道が日本では中心だ。だが、はたして本当にそうなのだろうか?詳しく調べると、まったく異なる犯人説が浮かび上がってくる。これを詳しく紹介する。次に、プレヤーレンが語る「ジョージャ・ガイドストーン」の謎とその実態を書く。
▼プリゴジンを殺害したのはだれなのか?
それでは今回のメインテーマを書く。プリゴジン殺害の真犯人についてだ。
8月27日、ロシア調査委員会は、モスクワ北方で発生した航空機墜落事故で死亡した人々の遺伝子検査を完了し、ワグネル民間軍事会社創設者、エフゲニー・プリゴジンを含む全員の身元を確認したと発表した。
「トヴェリ州での飛行機墜落事故の調査の一環として、分子遺伝学的検査が完了した。その結果、10人全員の身元が判明した。彼らはフライトマニフェストに記載されたリストと一致する」と航空局は声明で述べた。ロシア航空局は先に、乗客リストにはエフゲニー・プリゴジンとドミトリー・ウトキンの名前が含まれている。
8月23日、プリゴジンが登場したエンブラエル・プライベート・ジェットは、モスクワからサンクトペテルブルグに向かう途中、モスクワ北部のトヴェリ州で墜落した。30日、出身地のサンクトペテルブルグでプリゴジンの密葬が行われた。出席を許されたのは、近親者だけだった。また、ロシア当局はこの機体の墜落原因について、当面は国際的規則に基づく調査は行わないとした。はっきりとした理由は分からない。
一方、EU執行部のプレスサービスは、プリゴジンの死について「信頼できる確認がとれていない」とする声明を出した。プリゴジンはEUの制裁対象となっており、制裁解除のためにはEU加盟国による協議が必要である。いまのところ協議が行われていないので、死亡も公式には確認できていないということのようだ。
●考えられる実行者
プリゴジンが登場した航空機の墜落が事故であった可能性はまだ排除できない。飛行していたエンブラエル機は16年前の古い機体であり、整備不良による金属疲労の可能性、ならびに機体がなんらかの事故で降下を始めたときに、機体の高度を維持するためにパイロットがエンジンをフルスロットルにしたため、金属疲労のあったエンジンが爆発したという可能性もあるという見解も出ている。事故説の可能性はあるものの、いまのところこれも科学的に確認できていないので、今回はプリゴジンが殺害されたものとする仮説で記事を書くことにする。
日本や欧米の主要メディアではプリゴジンはプーチンの命令で「FSB」が実行したとする説が喧伝されているが、これはもともありそうもない仮説である。証明もできていない。海外のロシア専門家の間では、以下の説が有力視されている。
1)プーチンの命令(西側が推すシナリオ)
6月23日のプリゴジンの未遂クーデターを裏切りと見たプーチンは、コントロールが効きにくいプリゴジンの排除を決めた。「ワグネル」はプーチンに近い勢力がコントロール。
2)フランス、アメリカなどの西側勢力
アフリカにおける「ワグネル」の力を弱め、アフリカにおける権益を確保するためにやった。
3)ポーランドやウクライナの情報機関
「ワグネル」はベラルーシ軍を訓練し、ポーランド国境に配備されている。ベラルーシにおける「ワグネル」の力を弱体化するためにやった。
4)「GRU(ロシア連邦軍参謀本部情報総局)」の仕業
「ワグネル」内部の権力闘争。「ワグネル」を結成したのは「GRU」。コントロールが不能になったプリゴジンを排除し、「ワグネル」を完全に掌握するために行った。
●プーチンが命令した可能性
それでは、それぞれの仮説がどこまで成立するのか、その可能性を検証してみることにする。
まず1)のプーチンの命令という、主要メディアが喧伝している仮説を見て見たい。主要メディアでは、これが事実であるかのように語られているが。実はこの仮説がもっとも信憑性がないことが分かる。
第757回 UAPのディスクロージャー、トランスヒューマンとエクソコンシャスの相克、人間の概念の変化 予告
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第757回 UAPのディスクロージャー、トランスヒューマンとエクソコンシャスの相克、人間の概念の変化
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トンパ文字伝説と日常に潜むシンギュラリティ〈王超鷹×高島康司〉リアル/オンライン
2023年8月19日
中国で非常に有名な王超鷹先生とのジョイントセミナーを開催します。王先生は日本で言えば中国の無形文化財レベルの人なのですが、現在の習近平政権下の国内状況、中国国民の本音など日本では到底入らない情報を話してくれます。アリババの創設者、ジャック・マーの近しい友人であり、アリババのロゴをデザインしたのも王先生です。実際中国では何が起こっていてどうなっているのか、AIの発展を入口にして語ってくれます。っぜひどうぞ!
開催日時
2023年8月19日
13:30?14:45
王 超鷹(講演)「文化大革命に翻弄された少年時代とトンパ文字伝説」
15:00?16:30
高島康司×王 超鷹(対談)「日常に潜むシンギュラリティ」
終了後、懇親会予定
主?催
マジョリカプランニング
参加費
会場参加:8,500 オンライン参加:7,500円(税込)
https://majolica-planning.com/store/event/491.html
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放送作家の方とトークライブをします。よろしかったらぜひどうぞ!非常に面白い企画になると思います。
2023年8月6日(日) 12:15
未来予測ライブ2023夏 【出演】高島康司・トダセルク
視聴期限: 2023年8月20日(日) 23:59 まで
https://twitcasting.tv/c:siratamakikaku/shopcart/247388
しらたま企画
世界情勢アナリストの高島康司のトークライブを8月6日に開催。トークテーマは「プレヤーレンが語る未来」「ロシア・ウクライナの行方」「AI社会の到来」「サイキックの未来予言」など。聞き役は放送作家であり「サイキック投資」の研究者でもあるトダセルク。
今回のトークライブでは、それぞれの視点から、今まさに動き出している世界の事象やトレンド、未来予想を語ります。情報満載のトークから一歩先を行く洞察を得てください。皆様のお越しを心よりお待ちしております。
【出演者紹介】
高島康司
コンサルタント、世界情勢アナリスト。多数の語学書や世界情勢、経済に関する情勢分析の著作があり、定評を得ています。「未来を見る!『ヤスの備忘録』連動メルマガ」で日本では報道されない情報を発信。
トダセルク
放送作家。TBS「クレイジージャーニー」、テレビ東京「やりすぎ都市伝説」、フジテレビ「ウルトラ怪獣散歩」などの番組を担当。世界の予言から未来を予測する「サイキック投資」の研究にも力を注ぐ。
【進行】
アッキー
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未来予測ライブ2023夏 【出演】高島康司・トダセルク
3,000 円
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コミュニティーサロンのyoorに有料サロンを開設しました。執筆中の本を先行的に公開し、読者の方々との対話で執筆を進めます。また、メルマガで紹介できなかった情報も掲載します。一つのテーマを深堀するので、その時々の情勢を解説している現在のメルマガと
重複する内容はまったくありません。両方読むといいかもしれません。基本的に火曜か金曜に月6回程度の頻度で更新します。購読料は初月は無料で、その後は月980円です。よろしかったら登録を!
https://yoor.jp/door/yasushi_takashima
最初に掲載する執筆中の本は「プレヤーレン最新コンタクト記録、2019年から2023年を中心に」です。ビリー・マイヤーに関してはUFOなどの画像や動画の偽造疑惑があり、これが災いし無視される傾向があります。しかし一方、その膨大なコンタクト記録は、哲学から自然科学や社会科学、そして未来の警告なども網羅する非常に豊かな内容です。これを画像や動画の偽造疑惑だけで無視するのいはあまりにもったいないと思います。これを読むと、なにかのインスピレーションを得ると思います。
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「特定商取引に関する法律」に定められた表記で勉強会をご案内しております。
事業者名:高島総研 住所:東京都渋谷区神宮前六丁目23番4号 桑野ビル2階
電話:090-2919-6504
代表者氏名:高島康司
商品の販売価格:すべて4000円
商品の代金以外の費用:勉強会参加費振り込み手数料
代金の支払い方法:指定銀行口座への振り込み
商品の引き渡し時期:毎月指定日にビデオをダウンロード
返品についての特約事項:特になし
注文や返品に対する有効期限:ダウンロードできない場合はリンクを再送信
「ヤスの勉強会」第113回のご案内
「ヤスの勉強会」の第113回を開催します。アメリカがロシアと水面下で交渉を始めました。ウクライナの反転攻勢は実質的に失敗し、兵器不足に陥っている西側諸国のウクライナ支援にも限界が見えてきました。プーチンはゼレンスキー政権の交替を和平交渉の条件にしているようです。また8月にはBRICS首脳会議が開催されます。ここでBRICS国際決済通貨が発表される可能性もあります。8月には大きな動きが集中する可能性があります。徹底的に解説します。
※録画ビデオの配信
コロナのパンデミックは収まっているが、やはり大人数での勉強会の開催には用心が必要だ。今月の勉強会も、ダウンロードして見ることのできる録画ビデオでの配信となる。ご了承いただきたい。
【主な内容】
・ロシアのアメリカの交渉の行方
・BRICS首脳会議と新たな国際決済通貨
・安定性が注目される東アジア
・トランプとRFKが組む可能性はあるか?
・進むUAPとエイリアンのディスクロージャー
・トランスヒューマニズムと意識変化
など。
よろしかったらぜひご参加ください。
日時:8月26日、土曜日の夜までにビデオを配信
料金:4000円
懇親会:リアル飲み会とZOOMで開催
以下のメルアドから申し込んでください。
記載必要事項
名前(ふりがな)
住所 〒
メールアドレス
参加人数
懇親会の参加の有無
ytakashima@gmail.com
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▼今回の記事
今回はいつもと異なる内容の記事となる。米下院の政府監視委員会が米政府や軍に関係した証言者を集め、「UAP(未確認飛行物体)」と地球外生物に関する公聴会を開催した。また、テクノロジーの急速な発展によるトランスヒューマニズムの考え方も広まっている。これらの動きで、人間の概念も基本的に変わりつつある。これを詳しく解説する。前回約束したスティーブン・グリア博士のプレゼンの続きは、別の記事に譲ることにする。
▼ウクライナの最新情報
今回もメインテーマを書く前に、日本のメディアで実態がまともに報じられていないので、ウクライナの戦況を報告する。8月1日のものだ。以下のようになっている。スペインの軍事シンクタンク、「Ejercito」や信頼できる軍事ブロガーがソースだ。
・北部ハリキュー州のクピャンスク、東部ルガンスク州のスバトボ西部などでは戦闘が続いている。またクレミンナ南方の森林地帯などでは、少なくとも砲撃戦が続いているようだ。戦闘の勝敗の行方はまだ分からない。
・さらに南のドネツク州、バフムトでは、ロシアの反撃の中、ウクライナ軍がクリシエフカ村の北で再びわずかな前進を見せた。
・一方、こうした状況で、ウクライナ軍の優勢が続いている地域もある。ドネツク州西部のベリカ・ノボシルカ周辺にあり、スタロマヨルシケ村での戦闘だ。ここは7月29日にウクライナ軍が奪還を宣言した村だ。スタロマヨルシケは、人口839人と小さい集落だが、ロシア軍の支配地域にもっとも深く入り込んだ地域にある。ロシア軍の防衛線の手前ではあるが、ここまでウクライナ軍が前進したことはこれまでない。今後、スタロマヨルシケがロシア軍に再占領されのか、またはウクライナ軍がさらにロシア軍の支配地域に前進するのかが注目されている。
以上である。しかし、6月4日から始まったウクライナ軍の反転攻勢では、ロシア軍が占領しているウクライナの領土、13万2000平方キロのうち、253平方キロを奪還したに過ぎない。これは、ロシア軍が占領している領土の0.19%に過ぎない。それも、ロシア軍が防衛線の外側に緩衝地帯として設置している「セキュリティーゾーン」の集落ばかりだ。
このメルマガには何度も書いているが、たしかにウクライナ軍の前進を示す情報もあるものの、ウクライナ軍が形勢を逆転できているわけではない。奪還された地域は、ロシア軍が戦略的に重要ではないとして、撤退した地域が多いように見える。こうした状況に変化がなければ、前回の記事にも書いたように、11月までにウクライナ軍が形勢を逆転できることを証明しなければ、クリスマスか年末までに西側諸国は支援を大幅に縮小するか打ち切り、ウクライナ軍は崩壊する方向に動くかもしれない。注目しなければならない。
▼人間の概念を変化させる深層の動き
それでは今回のメインテーマを書く。今回はいつもとは異なり、人間の概念が歴史的に変化しつつある可能性について論じたい。いま、ウクライナ戦争やアメリカの覇権失墜、世界の急速な多極化などの大きな変化に目を奪われているが、実はそうした状況で、人間の概念を大きく変えてしまうことにもなりかねない事態が進んでいる。これは、歴史の深層海流とでも呼べるような水面下の変化のように筆者には思われる。どんな動きなのか、順を追って説明しよう。
●米下院監視委員会の公聴会
「UAP(未確認空中現象)」が実際に存在し、そのテクノロジーの水準から見て、これが地球外のものである可能性を示唆するビデオが2017年米国防総省によって開示されてからというもの、国防総省や米軍の関係者から毎年のように新たな証言や情報の開示が進んでいた。「UAP」が地球外由来であること、そして地球外生物が実際に存在していて、それが地球に来訪しているという認識はだいぶ一般化してきた。
メルマガ第756回の予告
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第756回 報道されないウクライナの最新情勢、米経済が不況に突入する可能性、グリア博士の最新情報 1
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▼今回の記事
今回は複数の話題を書く。盛りだくさんだ。まず、ウクライナの状況について書く。まったく日本では報道されていないので、重要な情報だ。次にメインテーマとして、これからアメリカが不況に陥る可能性を検討する。可能性は非常に高い。最後に、スティーブン・グリア博士の最新ディスクロージャー情報を紹介する。驚くような内容だ。膨大な情報なので、数回に分けて掲載する。今回はその1である。
▼ウクライナの最新情報
それでは今回の最初のテーマを書く。ウクライナの最新情勢だ。
日本ではあいかわらずウクライナの反転構攻勢は遅れているものの、ウクライナは確実に領土を奪還していると報道している。一方ロシアは、黒海経由でウクライナの小麦を輸出する「黒海穀物イニシアティブ」を破棄し、ウクライナのクリミア大橋の攻撃への報復として、ウクライナの貿易港である「オデッサ」に連日ミサイル攻撃を行っている。他方ウクライナは、モスクワに向けてドローンを使った攻撃を実施している。そして、ロシアは国際的に孤立しており、ロシア経済も中長期的な停滞を余儀無くされているという情報が主要メディアの一般的な報道内容だ。
●ジョン・ヘルムスとジャック・ボーの情報
しかし。このような日本の報道ははっきりいって事実を反映していない。ウクライナの反転攻勢は失敗し、相当に追い詰められているのが現状だ。また、ロシアは戦闘では圧倒的に優勢で、ロシア経済も失速する兆候はまったくない。
このメルマガでは連続してウクライナ情勢を伝えてきたが、また日本ではまったく報道されていない情勢が明らかになった。それは、オーストラリア出身でモスクワ在住の調査ジャーナリストと、スイス軍元大佐でNATO軍の一員としてウクライナ軍の養成にもかかわったジャック・ボーの情報である。日本や西側の主要メディアでは報道されることはまずない情報だ。以下に簡単にまとめた。7月22日のラジオインタビュー、およびジョン・ヘルムスの記事から引用した。
●緊張するポーランドとベラルーシ
「ワウネル」の部隊は、ポーランドとの国境からわずか10kmほど離れたベラルーシ西部のブレツキー訓練センターで、ベラルーシ軍の訓練を開始した。ロイター通信が今週報じたところによると、国境付近のポーランド人は銃声とヘリコプターの音を聞いたという。
ポーランドの安全保障委員会は、隣国ベラルーシにおける「ワグネル」の新たな存在に対応するため、軍隊を東部へ移動させると発表した。独立したベラルーシのメディアは、約2500人の「ワグネル」部隊がウクライナの基地からベラルーシに到着したと推定している。
プーチンは安全保障理事会の会合で、ポーランドと他のEU諸国が軍を国境付近に配備することに懸念を表明した後、ロシアはベラルーシを防衛するために「あらゆる手段を用いる」と述べた。ポーランドがロシアの同盟国であるベラルーシを侵略しようとしており、そのエリートたちが「ベラルーシの土地を夢見ている」と主張した。
●黒海穀物イニシアティブを隠れみのにクリミア攻撃
アントニア・グテーレス国連事務総長と人道問題担当のマーティン・グリフィス事務次長(英国人)の主張とは正反対に、ウクライナは「黒海穀物イニシアティブ」を隠れ蓑に、ロシアに対する海上戦や、クリミア大橋で見たような無人機による戦闘を行おうとしていた。
明らかに、ウクライナはオデッサを使ってロシアの監視を迂回し、穀物取引を使って武器を輸入し、セヴァストポリやケルチ大橋に対して海上ドローンを仕掛けた。
オデッサのインフラが破壊された場合、ウクライナはクリミアの攻撃能力を失うということだ。一方、ロシアはまだ戦略的勝利を望んでいるかもしれないが、ウクライナ国内で反乱が起きることも想定しているようだ。
●11月がNATO支援の期限
カナダの情報筋によれば、クリスマスか11月末までに、ウクライナが戦争に勝つ能力を示し、われわれが供給している武器と資金で改善を示すか、さもなければNATOの支援を大幅に打ち切るという。クリスマスまでには、ウクライナ軍の戦力は使い果たされてしまうだろう。
●戦闘の実態(ジャック・ボーの分析)
第754回 政治交渉しかなくなるウクライナ戦争、コルマン博士の語るAIの起源 後半の予告
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第754回 政治交渉しかなくなるウクライナ戦争、コルマン博士の語るAIの起源 後半
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▼今回の記述
今回はNATO首脳会議を中心にして、ウクライナ戦争に関連して起こっていることを紹介する。極めて多くのことが起こっている。
次に、コルマン博士の語るAIの起源の後半を掲載する。これは第752回の記事の続きである。
▼NATO首脳会議とウクライナで起こっていること
それでは今回のメインテーマを書く。いま、ウクライナ戦争に関連して非常に多くのことが起こっている。
まずリトアニアのビリニュスで開催されている「NATO首脳会議」だが、ウクライナの即刻のNATO解明はないことがはっきりした。ウクライナについて条件が整い加盟国が同意すれば、加盟に向けた正式な手続きを始めるとし、加盟の時期は決められなかった。この条件とは、ウクライナ戦争の終結のことである。戦争終結のメドはまったく立たないので、当面はウクライナのNATO加盟の可能性は低い。
ウクライナのNATO加盟が実現するまでの期間、NATO諸国は一致して軍事支援を提供し、アメリカは、現在イスラエルに提供しているような手厚い軍事支援をウクライナに与える方向性で検討している。
一方これに対し、ウクライナのゼレンスキー大統領は、議論されている声明の中で、ウクライナのNATO加盟や招待について時期が示されていないのは「前代未聞でばかげている」と強い不満を表明。ウクライナの「招待」にも条件がつけられているとし、「ウクライナをNATOに招待する用意も、加盟させる用意もないようだ」と指摘している。
周知のようにNATO条約の第5条には、集団安全保障の規約がある。ウクライナのNATO加盟が即刻承認されると、NATO軍がウクライナ戦争に直接介入することになる。ロシア軍とNATO軍の交戦は第3次世界大戦の引き金になる危険性がある。このためネットでは、7月11日が第3次世界大戦の開始を告げる日となるのではないかとのうわさが出回っていたのもこれが理由だ。少なくとも、そのような可能性がなくなったことは歓迎すべきことだ。ポーランドやリトアニアを始め、東ヨーロッパ諸国を中心にして、ウクライナの即時加盟を支持する声が一定程度あったからである。
●NATO首脳会議後の情勢
では、NATO首脳会議後にはどのような情勢になるのだろうか?いま信頼できる軍事系のシンクタンクで、その分析が行われている。やはり今回のNATO首脳会議は、情勢のひとつの転回点になった可能性がある。スペインの著名な軍事系シンクタンクの「Ejercito」の分析が、シンクタンク系の分析の中でも代表的なものだ。「Ejercito」の分析を要約した。
・同盟国への依存度が高いウクライナは、あらゆる手段を使って同盟国に圧力をかけ、中長期的な軍事・経済支援だけではなく、NATOの即時加盟を求めている。
・しかし、ロシアとの本格的な衝突を回避したいアメリカを中心としたNATOは、即時加盟を受け入れるわけには行かない。これまで通りの支援を継続するだけだ。
・一方、NATOは兵器不足に直面している。戦争介入もできず、またウクライナへの兵器の供給が十分にできない状態はロシアにとってすこぶる有利である。ロシアは現在の4州の占領を続け、勝利を宣言することができる。
・他方ウクライナは、ロシア軍の全面的な撤退を和平交渉の前提にしている。ロシアがこの条件を受け入れる可能性は皆無だ。和平交渉が実質的にできないことになる。
・NATOにとってこれはジレンマだ。兵器の十分な供給も確保できず、また支援を継続してもウクライナが勝利する可能性はほとんどない。反対に、ロシアが弱体化する兆候はない。このままの状態だと戦争は膠着状態となり、ロシアの4州占領が確定してしまうだろう。
・この状況に陥るのを回避するためには、NATOはウクライナを説得して、ロシアの全面撤退を条件にするというこれまでのロシアとの和平交渉の条件を低くし、現実的な交渉を行わなければならない。
これが「Ejercito」などの軍事系シンクタンクの見通しだ。ウクライナの反転攻勢が始まってからすでに5週間になるが、目立った成果はない。ロシア軍の防衛線の外側にあるロシア軍が「セキュリティーゾーン」と呼ぶ緩衝地帯の集落を奪還できたに過ぎない。他方、ウクライナ軍の損害は非常に大きく、西側が供与した最先端の戦車や戦闘車両の損失が目立っている。こうした状況なので、ウクライナはNATOに対して勝利が可能であることを証明できなかった。これがいわば災いとなり、NATO首脳会議以降に想定される弱気の状況となって現れている。
●ヨーロッパの極右勢力の台頭
さらに、こうしたNATOの弱気な状態に拍車をかけているのが、ヨーロッパ諸国の状況だ。ウクライナ戦争とヨーロッパの不況により、EUやNATO諸国で、将来政権交代がある可能性もある。ウクライナ戦争と過剰な国防費に対しては、イギリスの労働党のような左派と、ドイツのAfDやフランスの国民戦線のような右派が反対している。
メルマガ750回の予告
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第750回 日本では報道されることのないウクライナの戦況、今後はNATO地上軍介入?プレヤーレンが提唱する抗認知症薬
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▼今回の記事
今回は、引き続きウクライナの戦況の実態についてお伝えする。日本で報道されている印象とはかなり異なる。この状況が続くと、今後もっと危険な状態になる可能性もある。我々も実態を知っておくことが重要だ。最後の、プレヤーレンが語る抗認知症薬について紹介する。
▼伝えられていないウクライナの戦況
それでは早速今回のメインテーマを書く。伝えられていないウクライナの戦況だ。
日本を含めた西側の主要メディアでは、ウクライナ軍の反転攻勢が成功し、ロシアに占領されていた領土が次々と奪還されているいう印象を与える報道が多い。
ウクライナ国防省のマリャル次官は12日、これまでにドネツク州西部のマカリウカやザポリージャ州東部のノボダリウカなど7つの集落を奪還し、解放した領土は90平方キロメートルに上るとSNSで明らかにした。
また、ドネツク州の拠点で先月、ロシア側が掌握を主張したバフムトの周辺でもウクライナ軍の部隊が前進を続け、一部で領土を奪還したとしていて、ゼレンスキー大統領は12日、「われわれの兵士は成果をあげている」と自信を示した。
一方、ロシアは、ウクライナ軍の反転攻勢の成功を否定している。13日、プーチン大統領は、モスクワのクレムリンでロシア軍に従軍する記者を集めた会合を開き、このなかで、プーチンは、ウクライナの反転攻勢が今月4日から始まったとしたうえで「敵は成功せず、多大な死傷者を出している。われわれの損失は、ウクライナ軍の10分の1ほどだ」と述べ、ロシア軍が撃退していると強調した。
また「ウクライナ軍は160両以上の戦車や、360台以上の装甲車を失った。これは外国から供与された軍装備品の25%、おそらく30%に相当する」と述べ、ウクライナ軍や欧米から供与された兵器に「深刻な損失」が出ていると主張した。
このように、西側とウクライナ、そしてロシアではまったく異なる情報が報道されているので、本当のところ実際はなにが起こっているのかかなり分かりにくい状況になっている。しかし、現場にいるパトリック・ランカスターのような独立系のジャーナリストの情報を含め、日本では報道されていない情報を丹念に調べると実際の状況がはっきりと見えてくる。
●ウクライナはロシアの防衛線を突破できていない
まず、ウクライナ軍は南部サボリージャ州東部の7つの集落を奪還したのは事実である。これは現地にいるジャーナリストや、ウクライナ軍の戦闘部隊が撮影してテレグラムのチャンネルにアップロードした画像やビデオ、またロシア軍の兵士による同様のビデオなどでも確認できる。
日本を含め欧米の報道では、今回奪還した集落そのものは戦略的な拠点ではないものの、ウクライナ軍はこれを足掛かりにサボリージャ州のロシアが占領している交通の要衝、「トクマク」を奪還し、その後、ドネツク州の「マウリポリ」まで進撃して、アゾフ海に至る広大な地域を奪還することが狙いではないかとしている。主要メディアは、今回の7つの集落の奪還は、計画実現の第一歩になるという楽観的な印象を流している。
しかし、ウクライナ軍が奪還した7つの集落は、ロシア軍が「セキュリティゾーン」と呼ぶエリアにあり、ロシア軍の防衛線の内側にある地域ではないことは分かる。「セキュリティゾーン」とは、ロシア軍の防衛線の外側にあり、ウクライナ、ロシアのどちらの側の支配にも明確にはないグレーゾーンである。その時々の戦況によって、ウクライナが支配したりロシアが支配している。ロシア軍はこの「セキュリティゾーン」を、防衛線の手前にある緩衝地帯として認識しているようだ。
ウクライナ軍が占領したと主張する7つの集落は、すべてこの「セキュリティゾーン」にある。以下のBBCの記事に掲載されていた地図を拡大した。確認してほしい。
・ウクライナ攻防戦: 軍事的な推進を成功させるためには何が必要なのか?
https://www.bbc.com/news/world-europe-65881261
・ウクライナ軍が奪還した集落の位置
http://www.yasunoeigo.com/shuuraku.jpg