2015-09

    酔っ払いおやじのspiritual meeting 9の1

    8月27日

    今回も早く更新できた。いつも記事を読んでくださっている方々に感謝する。

    有料メルマガの予告

    8月28日の午前0時10分に配信される今週のメルマガは、9月・10月の市場暴落危機説を詳しく紹介し、検討する。多くのアナリストが警告を始めた。また、いま中国で起こっている熾烈な権力闘争について日本で報道されていない情報を紹介する。今回のは必見だと思う。

    今回の記事

    今回も早く更新できた。宗教とスピリチュアリズムについてかなり深く話し合った。ぜひ読んで欲しい。

    記事全文を音声ファイルにしました。よろしかったらどうぞ。7日で削除されますので、お早めにどうぞ。

    音声ファイル

    「ヤスの勉強会」第17回のご案内

     「ヤスの勉強会」の第17回を開催します。日本は全体主義化の方向に向けて動き出しています。しかしこの動きをグローバルに見ると、成長限界に達した先進資本主義国が模索する新しいモデルとしての意味もあります。これからどのようなトレンドになるのでしょうか?日本では報じられていない情報を紹介し、徹底して解析します!

    【主な内容】
    ・「日本会議」の背後にあるもの
    ・果たして民族主義だけなのか?
    ・密かに米国債を売り始めた中国
    ・生き延びるためにどうしたらよいか
    ・今年の秋になにか起こるか?

    よろしかったらぜひご参加ください。

    日時:8月29日、土曜日
    時間:1時半から4時前後まで
    料金:4000円
    場所:都内(おそらく東横線沿線)

    いまのところ場所は未定ですが、申し込みいただいた方に直接お伝えいたします。以下のメルアドから申し込んでください。

    記載必要事項
    名前(ふりがな)
    住所 〒
    メールアドレス
    参加人数
    懇親会の参加の有無

    info@yasunoeigo.com

    高松の講演会

    以下の日程で高松の講演会を行います。お近くの方はぜひどうぞ!毎回ディープな講演会をしています!

    日時  平成27年9月11日(金)18:30受付 19:00~22:00前後まで
    場所  高松生涯学習センター

    会場内の掲示板にて部屋の確認をお願いいたします。
    〒760-0040 高松市片原町11番地1
    電話:087-811-6222 FAX:087-821-8022
    会費   ¥5000/人

    講演会後、高島先生を囲んでの懇親会を予定しております。場所 未定ですが高松市内にて行う予定です。

    主 催  里坊会計事務所 里坊昌俊
    実行委員 有限会社ウエストフードプランニング小西啓介、ソニー生命保険株式会社 山下智幸、株式会社京蔵 京兼慎太郎、株式会社クリード インテグレーション平野伸英

    内容
    ・「日本会議」の裏にいる勢力
    ・日本の本当のすがた
    ・世界的な経済減速の向かう方向
    ・中国の現状と今後
    ・いったいギリシャはどうなっているのか?
    ・普通では話せないディープなスピリチュアル情報


    健幸カレッジ

    10月7日、四谷で「にんげんクラブ」の「健幸カレッジ」で講演を行います。普通の講演会では話すことのないスピリチュアルな話を多く話するつもりです。よろしかったらどうぞ!

    申し込みリンク

    ツイッターに書き込むことにしました。よろしかったらフォローをどうぞ。日々情報を発信します。
    https://twitter.com/ytaka2013/

    船井幸雄.comに筆者のページが出来ました。月一回のペースで更新します。ぜひご覧ください!

    船井幸雄.com
    ヤスのちょっとスピリチュアルな世界情勢予測

    新刊本です!ハンク・ウエスルマン博士との対談が収録されています!ぜひどうぞ。
    koufuku

    むちゃくちゃうまい醤油!

    筆者は、隔月で高松の経済団体で講演会を行っている。そのとき、高松で評判になっているおいしい醤油のことを教えられた。小豆島の醤油である。早速、注文して見たが濃厚な味でものすごくうまかった!世の中にはうまいものがあるののだと思った。よろしかったらどうぞ。

    酔っ払いオヤジのspiritual meeting 第9の1

    spi08

    救いの体験と超越性

    西塚 「酔っぱらいオヤジのSpiritual Meeting」の今日は、第8回目ですね。

    ヤス 9回です。

    西塚 だんだんもうわからなくなってきました…

    ヤス 酔っぱらって(笑)。

    西塚 今日もよろしくお願いします。

    ヤス はい、よろしくお願いします。カンパーイ!

    西塚 カンパーイ。前回は、個を超えた存在、超越的な存在といったものに話が及んだところで終ったと思いますが…

    ヤス 前回の要約も含めてちょっと話しますと、マスを対象にした宗教性といったものがある意味、限界に達していると。いわゆる大教団が提供してきたもの、マス全体に通用するような幸福のモデルですね。このように行動すれば、このようにして幸福のモデルがつかめますよというふうな。衣食住に困っているという人が大半だった場合は、その幸福のモデルが普遍性を持って通用していた。だいたいみんな同じような悩みを持っていたわけです。衣食住に困っていたわけですから。だから同じような悩みに焦点を当てた幸福のモデルを作ればよかった。たとえば病気とか、仕事がない、お金がないということであるならば、物質的に豊かになれるためのひとつの幸福の解を作ればよかった。

    当時、日本はどんどん高度経済成長してましたけども、海外もそうですが、その高い経済成長に乗っかるような新たな行動形式を身に着けるということですね。別の言葉で言うと、産業社会の中に適合する行動様式を身に着けさせる。その結果として、産業社会に自分が吸収されて衣食住が充足される、というような形で作用してた。その意味では、日本の大教団が果たした役割というのはかなり大きかった。

    西塚 無視できないですね。あのお話しは興味深かったです。

    ヤス しかしながら、物質的に困窮しているステージが終わったあと、それぞれ「個人」というベースにおいて、多様化した悩みが存在していた。物質的には何の問題もないんですが、生きていて空虚だと。意味を感じない。自分自身の人生とか生き方に対して、何かの意味を求める。それに関しては、マスを対象にした大教団では対応できなくなってくる。対応できなくなったあとに何がやってきたかというと、スピリチュアリズムの大きな流れだった。そのようなことを前回話しました。

    西塚 そうですね。

    ヤス そこで、ポイントになってくるのは、個別的な悩みに焦点を当てたときに、本来の宗教が持っているスピリチュアリズムというものが、逆に脚光を浴びるようになってくるということです。それが、個人の千差万別の悩みに対するひとつの解答を与えるための、ある意味リソースとして使われるということだと思います。

    西塚 そうなると、ブルドーザー的にですね、大教団がいわゆる衣食住の充足を与える、意図があったかどうかはともかく、結果的にそうなった。すると、大教団の目的というのはそこにあったのですか? つまり、超越的なものを求めるといったような個の問題は、ネグレットされていたという言い方ができるのでしょうか?

    ヤス ネグレットというよりも、むしろ大教団のほうでも気づいてなかったということなんじゃないかと思いますね、おそらく。

    西塚 気づいてなかった…

    ヤス 最初は個別的な悩みを抱えて入ってきた人もいたと思います。しかし、そんなことを考えてもしょうがないだろうということで、やはりマスの幸福のモデルの中に溶け込まされたんじゃないかと思うんです。溶け込めない人たちは離れていくだろうし。その溶け込めない人たちの割合が年々、どんどん増えていく。

    西塚 それは、豊かになったからということですか?

    ヤス そうですね。特に日本の場合、バブル期からバブルの崩壊以後、一般的な幸福のモデルの中に還元できないような、領域外層とでもいうのか、そういうような人たちが増えていったと思います。それに対して大教団のほうも対応に困ってくる。そうした人たちを包含しようとする場合、大教団が持っている幸福のモデルをどこかの部分で拡大したり、放棄せねばならない。大教団には、その幸福のモデルの合理性とか、正当性を証明するための教義があるわけですから。教義そのものを変えざるを得ないなんてとこまでいくと、それはちょっと無理なわけです。

    西塚 たしかにそうですね。バブルが崩壊して、個別的な悩みに応えた、いわゆる大教団ダッシュというか、かっこ付きの大教団の典型が、オウムだったということになりますね。

    ヤス だと思いますよ、僕は。

    西塚 95年ですものね。

    ヤス まさにそうです。本来のスピリチュアリティの元にあるものは、「相対化」ということなんです。悩みの多い自分自身の人生というものを、衣食住であってもなくても、全然違った視点から俯瞰できるということなんですね。自分自身を眺めることによって、ああ、なんと自分はちっちゃなものなのかと。なんでこんなにちっちゃな悩みに執着しているのかと。ああ、バカらしいと、そう思えるような視点設定だと思います。

    自分自身のリアルな人生を相対化するための視点ですから、視点そのものもすごくリアルな視点じゃなくてはいけない。理屈でね、死んだらあの世に天国があるんだとか、君たちだってひとりひとりの仏なんだからとか、そうしたことを単純に信じて相対化できるかというと、そういうわけにはいかない。

    オウムの特徴は、自分自身の人生を相対化するためのいわゆる超越的な視点、これを五感で体験できるリアルな装置、「祈り」という装置であるとかね、様々に用意されてたということなんだと思いますね。

    西塚 前回も出ましたが、オウムはそこで薬物を使ったり、テクノロジーを使ったりしたわけですね。麻原はそのへんをわかっていたんですかね?

    ヤス おそらく麻原自身がビリーバーだったんだと思います。自分自身がそれを体験した。「ポアする」という言葉がありましたね、殺してしまうという。オウムの信者たちというのは、非常に悪い意味でね、まさに超越的な体験をした人たちだった。そうした人たちは、この人生を徹底的に相対化して見てるわけですよ。つまり、生に対する執着がほとんどないってことです。

    西塚 そうですね。今思い出しましたが、村井秀夫がいましたね。殺されましたけど、彼は大阪大学を出たエリートなんだろうけど、彼が言った「かもめのジョナサン」もそうですね。誰よりも高く飛んだりして、まさしくヤスさんがおっしゃった俯瞰する視点ですよね…。そうした装置としてもオウムは機能したし、麻原自身がヨガから始まって超越的な体験をしていて、事実かどうかはともかく、空中浮遊の有名な写真もあります。そのあたり、衣食住も満ち足りたインテリたちがヤラれちゃったという言い方もできるだろうし、あ、これだ!と、五感を通して認知できる超越的なものに触れることができたかもしれないといった…

    ヤス ええ、オウムが象徴的だったのは、エリートが多かったということですね、学歴も高い。彼らというのは、大教団のマスの幸福のモデルに嵌りきらないんですね、全然。彼らの持ってる悩みというのは、村井の「かもめのジョナサン」もそうですが、いわゆる「意味」に対する悩みだと思いますよ。自分は何のために生まれてここにいるのか。学歴も高く、将来も約束されてる、衣食住に困る水準ではない。そのような人たちに、自分の人生を全体的に相対化する手法を提示することによって、超越的な体験をさせる。そして精神的な悩みを解決させる。典型的な例だと思います。

    西塚 ヤスさんは、あまりお聞きにならないかもしれませんが、X JAPANというバンドがあって…

    ヤス ああ、はいはい。

    西塚 TOSHIというボーカルが、いわゆる新興宗教にハマッて…

    ヤス はい、後に告発してね。

    西塚 あ、ご存じですか。それで「洗脳」という本が出てベストセラーになりましたけども、僕も読みましたが、あれを読むと本当にすさまじいです。結論から言うと、10億以上持っていかれてるわけです。彼は超有名バンドのボーカルで、お金もあるんだけども、何とかってヤツの餌食になってお金ばかり吸い取られる。同じ90年以降の若者の話ですが、かたや功成り名を遂げたミュージシャンがそっちに行ってコロッとハマる。あるいはエリートでインテリで、いろいろな知識もあるけど、やはりハマる。でも、両者は何か違う気がするんです。そのへんはどう思いますか?

    ヤス そうですね、どこまで違うかはよくわからないですが、ただ僕の感じで言うと、オウムのエリートがなぜ学問に行ったのかというと、もともとあった悩みだったと思うんですね。意味を求める悩みですね。自分は何でここに生まれてきて、どうなるのかとかね。俺はなんでこんなに空虚なんだろうとか。勉強ができてみんなに頭がいいと言われるんだけども、何の意味もないと。俺は今後、生き続けるために意味を発見しないとどうしようもない。そういった人たちが自然科学とか宇宙物理学とかに解を求めたんだと思います。いわゆる最先端科学に解を求めた。しかし、それはお門違いで、解を求めるどころではなかったということだと思います。

    で、Xのその人ですが、お金持ちであったということは、お金で解決できる悩みだったらお金で解決してると思うんですよ。それでも残る悩みは何かというと、やはり自分自身に対する悩みだと思いますね。お金で解決できない悩みです。お金で解決できない悩みだとしたら、場合によってはオウムにいたエリートたちの悩みと近似する悩みかもしれない。

    西塚 しかも、ロックはやりたくてやってるはずなんで、成功してもなおかつ悩む。たとえば、60年代後半とか、70年ちょっとにはですね、まあ死んじゃったドアーズのジム・モリソンでもいいですが、ああいう、突き詰めちゃった、僕に言わせれば、やけっぱちなところでドラッグにハマッて、ちょっと死んじゃったって感じに近いんですが、大雑把に言うと。それともTOSHIは違いますね、すごくいいヤツで、親孝行でもあったみたいだし。それで何とかってヤツみたいな、とんでもないヤツですが、こんなヤツにコロッと騙される。統一教会の飯星景子でもいですが、タレントで何の問題もなさそうな人ですが、行ってしまう。ひと括りにしてしまえば、ヤスさんのおっしゃたように、個別の悩みが多様化してるということなんでしょうが…

    最初に戻ると、超越的なもの、自分とは何だろうというものに解を与えてくれる、何か絶対的な存在があるという憧れだったり、期待だったりということは、お前はこうだよ!という安心感を求めたいということですかね。

    ヤス 安心感なんだけど、人から言われて、そうだって従えばそれで済むかというとそうではない。まさにここに生きてる自分の生き方、あり方、存在全体をかなり遠い視点から、宇宙的に遠い視点からね、非常にリアルに眺めて相対化できるという実感なんですね。

    西塚 ああ、面白いですね。その実感というのは。たとえば、オウムだったら麻原がいて、XのTOSHIだったら何とかというヤツがいて、飯星景子だったら統一教会の文鮮明になるのかな、必ず仲介がいますよね。となると、それこそ中世の神と教会と信者の関係に似てませんか。

    ヤス 仲介者が何をやるかというと、超越的な体験にいざなうんですよ。仲介者を絶対的に信じたからどうだっていうのは、後にくることだと思うんですね。なぜ信じるようになったかというと、彼らの導きに従って自分が実感した、その実感がリアルなものだったということだと思います。

    西塚 ああ、それで仲介者を悪く見ないのか。僕はそこが不思議だったんですが、遠くの絶対者を見てるから、仲介者に対してあまり悪い感情だったり、疑いも含めて、持たないのかな。

    ヤス 絶対者を見上げる体験ではないということなんです。そうではなくて、絶対者というものがあるとしたならば、絶対者と一緒の地点に立って自分も下を見るんですね、実際に。

    西塚 一体化…

    ヤス うん、一体化。超越的なものと、神でも仏でもいいんですが、超越的なものと自分が一体化した状態。それはもうその段階で、自分自身の人生を相対化して見ますよね。相対化して見える高みから、ちっちゃな自分自身の人生を俯瞰的に見る。そうすると、なんと自分はちっちゃな存在なんだろうと。なんと自分の悩みは無意味なんだろうと、見えるわけです。

    西塚 そうなると、2014年でしたか、ヤスさんがお書きになった、ハワイのハンク・ウェルスマンのような方がおっしゃる、これからは自分が神である、というような言い方にも繋がりませんか。

    ヤス まさに繋がりますね。ハンク・ウェルスマンが言ってるシャーマニズムの理解の仕方というのは、超越的な体験ということをリアルにやる方法なんだということなんです。

    西塚 俯瞰する絶対者と自分が一体になって、また自分を見るということは、僕の言葉で言うと、自分が神になるということですよ。

    ヤス そうですよ。仏になるということです。

    西塚 これからは仲介者がいなくなって、本当に自分が神と一体化するという時代に入ってきたとうことですか?

    ヤス ユングが昔、そういうことを言ったことがありますが、たとえば大乗仏教の日蓮系の仏教を見ると、いわゆる教団そのものを本来は必要としないというようなことを言うわけです。お前自身が仏なんだから、自分自身の仏のパワーを自分で引き出して成仏せよというわけですよ。だから仲介者は本来いない。しかしながら、ほとんどの宗教の場合、やはりどうしても必要とする構造がある。超越的な体験をするためには、極めて細かな行動規範や規定があると。それを全部通過しないと、なかなかそちら側に行けないわけですよ。それを全部、いざなって、導いてくれる仲介者がどうしても必要になってくるんですね。

    その仲介者に導かれるままに超越的な体験をしたときに、一気に自分自身の人生が相対化できる、ある超越的な視点に自分が立つことができる。そうすることによって、自分の悩みから一気に解放される。

    西塚 そうなると、いろいろな芸事でも、武術でもいいんですが、お師匠さんに近いですね。お師匠さんが自分が経験したものを弟子に教えますよね。その師匠を通じて、大いなるものに繋がっていくというような、修行というか稽古なんでしょうけども、ある日突然、お師匠さんが必要じゃなくなって、今度は自分が教える立場になったりする。こないだ、たまたまジャッキー・チェンの映画を観ましたが、やはり師匠がいて、お前に教えることはもう何もないとか言って、去っていくわけですよ。

    ああいう形は、一番いい師匠の形かなとも思います。あとは自分自身で大いなるものと繋がったとして、自分のまた新たな悩みも出てくるんでしょうが、再び格闘していくという、わりと健全かと思います。僕の興味で言うと、そういうこと自体も何なんだろうという話になるのですが、そうすると、構造的にはみんな同じで、学校の先生でも何でも、やはりいい先生と悪い先生がいるといった話になってしま
    う。

    ヤス そうですね。宗教指導者が成り立つためにはね、いわゆる超越的な視点へのいざないを確実に行なうということですね。ただね、そういう仲介者が本来必要かどうかといえば、原理的には必要なない。個人の努力によって可能な部分はたくさんある。なおかつ、宗教である必要性があるかといえば、それもないかもしれない。たとえば、哲学でもそれは可能だと。たとえば、マルクスの「資本論」があります。あれが書かれてもう150年近く経つのに、なぜいまだに人気があるのか。

    西塚 人気がありますか?

    ヤス 聖書並みに人気がありますよ。

    西塚 おお、もはやバイブルなんですね。

    ヤス バイブル。なんでバイブル並みに人気があるかというと、特に第1巻がそうなんですが、自分自身の自己認識が変わるんですよ。「資本論」を読むというのは、難行苦行の過程ですよね。ひとつひとつ全部理解せねばならない。全部理解して、「資本論」の枠組みを自分に適用する。そうすると、自分の異なった側面が見えてくる。ああ、俺のこうこう、こういうような考えというのは、俺の家族がこういう社会階層に所属してるから形成されたものなのかという。

    社会のシステムによって形成された自分自身のある部分が、ありありと見えてくるんですね。たとえば、親とか親戚から、○○ちゃんはあんないい大学に行ったのに、お前は全然ダメだったねとか、さんざん言われると。そういう価値観自体がね、うちの一族というのはそういう社会階層の出自だから、そこで共有されてる、いわゆる階級的な価値観にすぎないのではないかと、見えてくるわけですよ。そのような階級的な価値観のもとでできあがってきてるのが、お前の悩みなのではないか、それは無意味なんじゃないか、と思うわけですよ。そのような形で自分自身が赤裸々に見えてくる。そうすると、自分自身というのが、自分の主体的な判断によって自由に創り変えられる素材として見えてくる。

    言ってみれば、マルクスの「資本論」の枠組みを通してね、自分自身を相対化する。相対化することによって、今の自分自身の悩みというものが一気に解放される。そうしたひとつの方法ではある。ただ、「資本論」をずっと読み通すのもそうですし、また宗教指導者のいざないに従って超越的な体験をするにしてもそうなんですが、ある条件がある。何かというと、ある意味でのトレーニングの厳しさがつきまとうということです。

    西塚 なるほど、トレーニング。

    ヤス パッとわかるということはないわけですよ。たとえば、宗教指導者だったならば、とりあず信じてついてこいと言うわけです。ジャッキー・チェンの師匠のように(笑)。

    西塚 どんな理不尽なことでもついていきますからね。

    ヤス そう、ついていく。さっきの「資本論」で言えば、とにかく自分がわかるまでとことん勉強して、納得せねばならないわけですね。それはやはり、なかなか困難な過程なわけです。それと今のスピリチュアリズムは違います。本来の宗教性の中には、自分自身の人生を相対化できる超越的なものをリアルに実感する、ある視点を設定する装置というのがたくさんあるんですね。ただし、それはなかなか困難なものなんですよ。

    西塚 トレーニングが必要だと。

    ヤス それをマスターするのは、やはり相当時間がかかって、修行が必要になる。

    西塚 なるほど。僕の解釈で言うと、やはり人間は自分の考えでこう生きてきてますから、なかなか自分の経験の範囲内を出ませんよね。そこを突破するある種のブレイクスルーを作るには、とんでもない理不尽なことであろうが、今までの自分の枠外からの外圧があって、ある日突然、ダムの蟻の一穴みたいな形で、ブレイクスルーの一点ができて、そこからバン!と違う世界にいく。そうしたイメージに近いですか?

    ヤス そうですね。宗教的な指導者が与えることは、そのブレイクスルーを人為的に作り出していくということです。困難を作り出して。「資本論」のような思想・哲学もそうですが、自分が理解するまで徹底的に読み込む。それがひとつのブレイクスルーになるんです。

    続く


    むちゃくちゃおもしろかった講談

    筆者は月刊ザ・フナイの連載を書いていたが、読者の方に講談師の方がおり、会う機会があった。筆者は講談はこれまで聞く機会がなかったが、実におもしろかった!今後はスピリチュアル系の講談をやるそうである。サイトに音声ファイルがあるので聞いて見たらよいだろう。

    田辺鶴瑛

    筆者のいとこのブログ

    筆者にいとこがスピリチュアル系のカウンセラーになっていたのを最近知ることとなった。以下にリンクする。よろしかったらどうぞ。

    ねもとまどかの「宇宙のゆりかご」

    このブログの基本方針

    このブログの基本方針を掲載しました。記事をお読みになる前にかならず一度はお読みになってください。

    基本方針リンク

    読むとくドットコム

    筆者がコンサルティングにかかわっている会社が子供用の国語音声教材の提供を始めた。子供用だが、実によい名作がmp3の音声ファイルで聴くことができる。大人の心の琴線に触れる作品がとても多い。よいサイトだと思う。よかったらどうぞ!

    読むとくドットコム

    筆者の友人の作家のブログ

    茶房ちよちよ
    駒村吉重のブログ。いつもの飯、酒、より道、脱線、思いごと


    便利な学校検索サイトです!

    海外子女.com

    投稿に関しては以下の方針に従い、どうしても必要な場合以外は削除しないことにしておりますが、他者の人格を傷つける不適切な表現がある場合は例外とし、予告無しに削除し、投稿禁止にする場合もあります。

    意味産出の現場としてのBBSやブログ

    また、私はいま日本で起こっている変化を以下のようにとらえております。もしよろしければこちらもどうぞ。

    いま何がおこっているのか?

    ヤスの英語
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    08/25のツイートまとめ

    ytaka2013

    あと、韓国でも大型船の火災が起こってますね。https://t.co/Svm3mIc6Hb
    08-25 01:31

    相模原市米軍基地爆発 https://t.co/nc5aWxWHxm日鉄住金鋼管の川崎製造所で火災 けが人なしかhttps://t.co/YUtxCqraV6保土ヶ谷バイパス事故火災発生https://t.co/U7XBH75qP9
    08-25 01:31

    まだはっきりしないのでなんとも言えないが、これら一連の出来事はもしかしたらこれから国内でテロが仕掛けられる流れに入ったことを暗示しているのかもしれない。これらの火災が一日で発生するのは不自然。
    08-25 01:30

    08/22のツイートまとめ

    ytaka2013

    いま山東省の化学工場で巨大な爆発があった。中国でなにが起こっているのか?http://t.co/Tl74g7bCF8
    08-22 23:56

    酔っ払いおやじのspiritual meeting 8の2

    8月17日

    今回も早く更新できた。いつも記事を読んでくださっている方々に感謝する。

    有料メルマガの予告

    8月21日の午前0時10分に配信される今週のメルマガは、いまアメリカで拡散しているオバマ政権に対するクーデターの噂について解説し、検証する。情報の出所から見て完全なガセネタとまでは言い切れないかもしれない。

    次に、どうもテロ集団の「イスラム国」が予言にある最終戦争に乗り出す構えを見せている。これがどういうことなのか具体的に解説する。


    今回の記事

    今回も早く更新できた。宗教とスピリチュアリズムについて語り合った前回の続きである。できるだけ深く本質を突っ込んでみたいと思った。興味深い内容ではないかと思う。

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    場所  高松生涯学習センター

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    ・中国の現状と今後
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    健幸カレッジ

    10月7日、四谷で「にんげんクラブ」の「健幸カレッジ」で講演を行います。普通の講演会では話すことのないスピリチュアルな話を多く話するつもりです。よろしかったらどうぞ!

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    筆者は、隔月で高松の経済団体で講演会を行っている。そのとき、高松で評判になっているおいしい醤油のことを教えられた。小豆島の醤油である。早速、注文して見たが濃厚な味でものすごくうまかった!世の中にはうまいものがあるののだと思った。よろしかったらどうぞ。

    酔っ払いオヤジのspiritual meeting 第8の2

    spi08

    現世の全否定による問題解決

    西塚 ああ、たしかにオウムはやってましたよね。

    ヤス 超越的なものの体験から自分の人生を相対化するという見方、これが宗教一般に共通する体験だとしたならば、いかにそれを効率的に実現するかということを追求したのがオウムだった。

    西塚 そういう言い方もできますね。

    ヤス あらゆるテクノロジーをオウムは開拓しようとしたんですね。ヘッドギアも使ったし、真っ暗闇の部屋にずっと人を監禁して脳に何かの変化を与えたり、薬物を使ったりね。超越的な体験を作るためのあらゆる装置を開発しようとした。

    西塚 我々日本人はオウムを体験した。ということは、テクノロジーが進んでそういうことが可能だとしても、ある種の危険性を孕むというか…

    ヤス 何を危険とするかは難しいところではありますが、いずれにしろ人間の脳に関するテクノロジーはどんどん発展しますから、今まで宗教的な実践によってのみ保証されていた超越的な体験が、テクノロジーによって誰でも実現可能になってくるときがもうきてると思います。

    西塚 これは僕の個人的な意見ですが、ヤスさんにおうかがいしたいのは、一番の鍵は現世否定だと思うんです。自分の否定でもいいですが、そこは根本的に重要な問題を含んでいるような気がするんですね。現世を否定する、場合によっては自分を否定するということは、やはり現実を否定し、他者を否定していくことになりますよね。そうすると何でもありになるというか、僕なんか気が弱いものですから、そういう人間がいたら敵わないなと思うわけですね。そこにある種の危険性というか、そぐわなさ感みたいなものがあります。

    ヤス だから現世否定的な宗教の本当の信者は、どちらかというと原理主義的な傾向の強い人たちですが、簡単に日常生活のルールを超えちゃうわけです。現世否定といったものの延長に何があるかというと、今この世での自分の人生に意味があるとするならば、それは宗教的な意味をね、自分は実践するためにのみ存在してると。自分自身というものはツールにしかすぎないということになるんです。

    西塚 そうなりますよね。

    ヤス そうなってくると、宗教的なイデオロギーを拡散するために俺は何でもやると。

    西塚 たとえばモーゼの十戒でもいいですが、最初にルールありきじゃないですか。教えでもいいんですが。それを自分が体現していく、教えを広げていく、それにあたっては自分の現世的な利益を追求する欲望を徹底的に否定して…今ツールとおっしゃいましたが、そういう世の中というのは、それはどうなんですか(笑)。

    ヤス まあ、いいか悪いかは別にして、そのように現世を原理主義的に規定することによって、信者は日常的な悩みからはかなり解放はされるでしょうね。むしろすっきりした、ある意味、悟りの境地みたいな感じで生き続けることは、おそらく可能にはなってくるでしょう。ただ、そうしながら、普通の日常生活の人間関係の感性とかルールを飛び越えていくわけですよ。

    スピリチュアルに向かう人々

    西塚 けっこうヘビーな話になりつつあると思いますが、ヤスさんはどう思われます? いろんな人がいるわけで、自分の気にくわない他者の振る舞いでも受け入れながら、それを楽しみに転換していくということを続けていって、しかも空虚にならずに生きていくこと自体に喜びを見い出せるというような精神状態があるとして、さらにいろいろ頼らずに、教団にも頼らないし他人にも頼らないし、個人的にそれができるといったようなことはSFっぽいですか? それは可能ですか?

    ヤス それは可能だと思います。言ってみれば、そういうような欲求を持っている人たちが、教団ではなくてスピリチュアリズにいくと思うんですね、基本的には。

    西塚 そうですね。そういう人たちが、厳格なルールにも従いたくないし、私は自分で勝手にやりたいんだと。人も非難したくないし、傷つけたくもないんだけれども、スピリチュアリズムに入っていくとやはりそこにも依存性があって、教祖は求めてないんだけども、何かしっかりしたものに依拠したいので、何だかわからないが、わからないからこそいろいろ渡り歩く、探し続けるということかもしれませんが、同時に、探し続けるということは、一応三次元ですから、時間が過ぎていきます。今のところは、経済活動も必要ですし、現実的な享楽もありますが、同時にやっていけばいいと思うんだけれども、どうも僕が見てる限り、まっしぐらになる人たちが多いような気がするんです。でも、そういう人たちとももっと楽しみたいし、もっと追求したいし、その一環としてこういう場もあると思っているんですが…。

    国民の怒りと大宗教教団の役割

    ヤス そういう人たちも含めて、最終的に残ってくる欲望ってあると思うんですよ。たとえば、衣食住。衣食住にすごく困っている人って今、日本にもいますけどね。衣食住に本当に困ってる人って意外とスピリチュアリズムにはいかないわけですよ。むしろ、一般的な宗教教団のほうにいくと思います。なぜかというと、大教団というのは、衣食住の悩みに応えられるようにアレンジしてできあがってるので、マスの解決がまだまだ通用するんですね。

    特に日本では大珠仏教系の大教団が主流ですよね。大乗仏教の原理主義者とかテロリストってあまり聞いたことないでしょう。おそらくほとんど存在していないと思うのですよ。なぜなら、大乗仏教っていうのは基本的に現世利益なので、生きることを肯定するのですよね。人生の苦しみや悩みには現世の否定とはちがったアプローチをする。なので、衣食住といったような現世的な悩みには応えやすい構造を持っている。

    西塚 たしかにそうですね。大規模なので、あちこちに支部もあるし、衣食住がまかなわれているわけですね。

    ヤス なんだかんだいいながら、いろんな人からサポートを得ながらね、衣食住は自分でなんとかできるように自立できるんです。たとえば日本の高度経済成長の過程の中で、農村の分解がどんどん進んで、かなりの数の人たちが地方から都市部に出てくる。もしこれで経済成長の度合いが低かったら、スラム化してたと思います。経済成長のスピードが速くても、ある程度のスラム化はまぬがれないといわれてたんですが、それが日本では最小限に抑えられた。その大きなひとつの背景になっていたのが、大教団の活躍だと思いますよ、プラスの意味で。

    衣食住の問題があるような人たちをマスとして大きく囲ってね、近代的な産業社会における行動様式ってありますでしょ? 勤勉に働け、朝は遅刻せずにちゃんといけと、働くことによって自分の宗教的な徳を積むんだと、そうすることによってお前は救済されるんだと、徹底的に教え込む。そうすると、何というか、そうした自己努力によって解決しちゃうわけです。大教団が果たした役割は決して無視できない。

    西塚 地方では地方の共同体で衣食住がまかなわれてたんだけども、都市に出てきて、大教団によって論理的な部分も含めて、救済されていく。実際、真面目になっていきますよね。真面目に働けば仕事の成果も上がるし、給料も上がる。幸福になりますね、現世的にも。そうか…。

    ヤス たとえば、敗戦後の日本で考えると、1940年代の後半から50年代にかけて何があったかというと、労働争議です。凄まじい労働争議ですよ。昭和22年の2.1のゼネラルストライキというのがあってね。これはGHQの命令で結局中止になりましたが、その前には皇居の前には50万人の労働者が結集するわけです。へたすれば、日本は社会主義革命の瀬戸際まで追い込まれる十分な条件が整っていた。背後に何があったかというと、国民の怒りです。ここまで、よくこの国を破壊してくれたなという、ものすごい怒りですね。貧乏になり、飲まず食わずで家も失い、衣食住が全部成り立たずに、そこまで国を荒廃させた支配層に対する凄まじい恨みがある。

    もし、高度経済成長がうまくいかずに、大教団もなかったならば、恨みの爆発になってましたね。恨みの爆発が最終的にどこに向かったかというと、極めて過激な社会主義政権か、または日本の国内そのものが分裂状態になってたという可能性だってありますよね。

    西塚 なるほど。戦後はその後、アメリカによる軍事的な庇護の中で一生懸命、経済を発展させて豊かになったわけで、アメリカに依存した上での幸福という側面はありますよね。

    ヤス 当然あります。経済発展できるような外枠をGHQの国際戦略上、作らざるを得なかった。しかしながら、その条件をチャンスとして持ってね、日本国民が国内で経済発展できたかどうかというと、やはりGHQとかアメリカだけでは整備できない。なぜかというと、恨みの感情はどうするのか、悲しみの感情はどうすんだ、為政者に対する恨み、トラウマはどうすんだということですね。

    それがどこで出たかというと、僕らがあまり知らされてない1940年代、50年代の凄まじいストライキ、労働争議、革命政権まで打ち立てられるんじゃないかというぐらいの瀬戸際までいった、ある意味、共産主義、社会主義の興隆となって現れて出たと思います。当時の社会党や共産党というのは、日本人の抱えてるルサンチマンを代表してたんですよ。ルサンチマンの放出のエネルギーがコントロールできなかったならば、本当にそっちのほうにいった可能性があると思います。それを抑えたのが、高度経済成長と宗教的大教団ですね。

    西塚 具体的にいうと創価学会とかですか。

    ヤス 創価学会とか立正佼成会とか、日本で戦後に興隆してきた大きな教団ってあると思います。戦後、農村では独立自営農みたいのが出てきますよね、農地改革によって。でも農地改革だけでは食えないから、農家の次男坊、三男坊たちがどんどん都会に出てくる。彼らを労働力として吸収するだけの経済成長率が確保されてないと、スラム化して、ほっとくとルサンチマンの塊りになっていく。

    西塚 極端にいうと、そういう人たちが宗教にいったということですか。

    ヤス だと思います。そういう人たちが宗教にいくか、共産党、社会党にいくかという選択肢だと思います。

    西塚 右翼もあったんでしょうけど。

    ヤス ただね、右翼は当時はそういう力は持っていなかった。

    西塚 興味深いですね。そのあたりも今度の新しい本で書かれてるわけですね。

    ヤス そうですね。だからその点から見たときに、アメリカが外枠を形成したとしてもね、なかなか高度経済成長の波に乗れなかったとしたら、たとえば朝鮮戦争はもっと長引く、そしてアメリカのほうからいわゆる集団的自衛権といったものが、日本に強制される。それで、警察予備隊という名目にしながら、当時の日本軍の生き残りをまとめて新しい軍として、朝鮮戦争に全面的に動員されてた。となると、日本の軍事費はそれから突出して大きくなっていったと思います。それが先例となって、ベトナム戦争にもかなりの大部隊を送ってたかもしれません。

    そうすると、ある意味、韓国と同じような歴史をたどったかもしれない。高度経済成長は80年代くらいまでずっと遅らされるわけです。相当、低成長の状態が続く。農村で食えない人たちがどんどん都市に進出してきますから、都市の中で膨大な過剰労働力人口ができる。彼らを吸収するだけの経済成長がないから、都市がスラム化していく。なおかつ、大教団が成立しなかったとすると、彼らのルサンチマンはどこへいくか。社会主義、共産主義ですよ。そしてそれを上から抑え込むためには、相当に強権的な政権が必要になってくる。すると、軍事独裁政権になっていた可能性すら出てくる。

    西塚 革命が起きてたかもしれませんね、冗談じゃなく。

    ヤス そう思いますね、僕は。だからふたつの条件が極めてうまく幸いしたのは事実だと思います。

    『泥の河』という映画がありましたね。あれは現在には存在しない日本のスラムに関する話です。高度経済成長の前期(昭和31年)には、まだああいうことがあった。スラムの中には、日本の歴史が創り出したルサンチマンを背負った莫大な数の民衆の恨みが、そこにエネルギーとして堆積しながら存在してるわけです。それが産業社会に吸収されたわけですが、僕はその緩衝地帯になったのは大教団だと思います、ひとつには。

    共産主義、社会主義という方向もあったんだけど、同じ層を対象にするわけです、大教団は。ただ、全然違うプロジェクトを採用する。共産主義、社会主義の場合、いかに革命を起こす主体として形成するか、いかに今の社会に対して異を唱える、抗議のできる主体を作るのかという方向にいきますが、大教団は、いかに産業社会になじむような人格になっていくか、朝ちゃんと7時に起きて、一生懸命仕事をして、仕事の成果によって報酬を与えられて、それで満足するといったような人格を作りあげるかというところにポイントがあるわけです。

    西塚 正直な疑問として、大教団が吸収したのは一部だと思うのです。あとは、たとえばヤクザにいっちゃったり、自分なりに苦労して成功したりという人も多くいるでしょうし、大教団がそこまで機能してたかというと、疑問のような気もします。

    ヤス 人数そのものを見るとね、創価学会でも最大に見積もって人口の1割です。その1割の大半の人たちは、今は違うでしょうが、60年代、70年代になるともともとは下層階層の人たちですよね。何が大きかったかというと、数そのものの問題ではなく、どういうような行動が正常な行動として社会にみなされるのか、ある意味スタンダードな規範を設定する上ですごく大きな力を持った。

    たとえば、アメリカのような国にいくとね、スラム街が存在すると。レイシャル・マイノリティみたいな人たちがいて、それはヒスパニックだったり、アフロ・アメリカンだったりしますけど、その地域の中でスラム化しているわけです。スラムの中では独自の文化になります。その文化は、文化そのものは面白いんですけど、現代の産業社会とはまったく関係のない異質な文化になってしまいます。そのような文化の中で生まれ育ってくると、これはもうはっきりいって、産業社会の中のいわゆるスタンダードな行動様式を身に着けることは極めて難しくなる。

    大教団は何をやったかというと、おそらくスラムの中でそのような文化を発展させなかったんですね。だから、下層社会の中に入ったとしても、普通のネクタイを締めていってる大学出のサラリーマンと同じ行動様式だったということなんですよ。

    西塚 それは検証されるべきテーマですね。

    ヤス 明治の30年代の、『日本の下層社会』だとか『最暗黒の東京』というルポルタージュがあるんですね。

    西塚 ああ、横山源之助の名著がありますね。

    ヤス あの中に出てくる下層社会の現状は何かというと、中産から上流にかけての普通の東京の市民たちの常識と違うわけですよ。違った世界なんですね。違った世界の探検記として書かれてる。みなさん、こんな世界が存在するんですよ、驚きでしょ?という形で書かれてる。それは、当時の日本の一般的な常識というところから見たら、決定的にズレている。独自の文化性があると。問題は、そういうような文化が戦後の日本で形成されてるとしたら、これは極めて大きな社会的な不安定性の原因になったということです。

    僕は、それが文化として形成されなかった大きな理由は、やはり大教団にあるのかなと思うんです。その結果、多くの人たちが産業社会に吸収される。また自営業で出発しながら会社を興す。会社が大きくなってお金持ちになる。お金持ちになったら、これはやはり信仰によるご利益だとなる。

    その第二世代、第三世代になると、親父とか祖父の時代は貧乏だったけれども、自分たちは早いうちからいいい教育を受けて、むしろ中産階級の上、上流階級に近い水準で生活を送ってると。そういう人たちによって、私たちはこの教団のご利益によって支えられてるということで、そのまま続いていくということだと思いますよ。

    西塚 そう考えると、話が飛ぶようですが、やはり大本というのはすごかったわけですね。当時の日本人の相当のパーセンテージが入信して、軍部も含めてですから。かなりの脅威でもあったでしょうが、宗教の持つ力というのは…

    ヤス 大本はすごく大きな宗教だった、ですね、戦前はね。ただ、大本と、戦後のいろいろな大教団の根本的な違いがあります。大本のアジェンダって何かというと、破滅型(笑)…

    西塚 立て替えですからね。

    ヤス 立て替え。破滅型で、予言なんですよ、やっぱりね。だから大本の信者が大本を信じることによって、戦前の話ですけどね、産業社会に見合ったような勤勉な行動様式を身に着けるかといったら、それとは別の次元の問題の話になりますよね。

    生きる意味の個人的な探索

    西塚 たしかにそうですね。そうなると、今のスピリチュアリズムや精神世界にいく人たちは、僕の印象ですけど、大本的な、大変革を期待してるような人たちが多くないですか?

    ヤス そうそう、そうするとね、ある意味で日本の宗教は、特に大教団を中心として成功したと思うんですね。たとえば、産業社会をちゃんと下から支えたし、産業社会の中におけるマスの意味での幸福といったものを、ひとつのモデルとして確保することができた。それが1980年代になってくると、マスの幸福にどうしても人は満足できなくなってくる。

    80年代以降、キリスト教も仏教も、イスラム教もそうですけど、マスの宗教教団が衰退していく。マスの宗教教団のポイントは何かというと、産業社会に見合った行動様式を身に着けた個人を生んでいく。それを宗教的な救済として実施していく。本当に結果が出る。それでどんどん満足していくということだと思うんですね。

    ただ、80年代以降の状況は、衣食住が完璧に充足されるわけですよ、バブル以降。そうなってくると、人間の持っている次の段階の悩みが出てくる。それは何かというと、「意味」を持つことです。

    西塚 そこですよね。

    ヤス 私は、なぜ生まれてきたのか。私という存在に対して意味を模索する。

    西塚 ゴーギャンの世界になってきますね。我々はどこからきて、何者で、どこへいくのか、という…

    ヤス そうそう、それを根本にした悩みが出てくる。衣食住には困ってないんだけれども、なぜ、私だけがこういう人間関係のトラブルに巻き込まれるのかとかね、なぜ、私だけが人からのこのようにいじめられるのかとか。または、私は今まで問題なく生きてるけど、これじゃすごく空虚だと。これ以外に、何か私という存在に意味はないのかとか、私は、何かの使命を実現するために生まれてきたような感覚がしてたまらないとかね、そういったタイプのものですね。

    そういう人に対して、あなたは、この信仰を真面目にやって、善き市民として、善き会社員として、とことん真面目に働いて結果を出すことが、あなたの幸福に繋がるんですよといったとしても、意味がないわけです。そういう人たち用の多様な意味、生きる意味に対する多様な欲求といったものを埋め合わせる何かが必要になってくる。それが、スピリチュアリズムだと思います。

    西塚 スピリチュアリズム自体が、そういった疑問を追求したり、自分のアイデンティティを探すなり、確認したいということじゃないですか。だからそれでは、僕の言い方でいうと、生きること自体が目的になるような気がして、要するにつまらないんですね。どうしたら楽しいのかとか、もちろん根本には哲学的な、実存主義的なテーマもあるんですが、楽しむということと絡めた模索というか…

    ヤス もっというと、楽しみたいんだけど、なぜ私は楽しめないのか、とか。

    西塚 (笑)

    ヤス 私ね、毎日、楽しいっていえば楽しいんだけど、でもクールなの、そういうことですよ(笑)。彼らの求めるものは、あなたの生きる意味はこうなんですよという、お告げみたいなものです。

    西塚 そういうことでしょうね。

    ヤス そうすると、私がお告げを与えてあげますみたいなグールーがたくさんいるわけです。

    西塚 実はヤスさんも、グールーになり得ますよね。

    ヤス いやいや、グールーじゃないんだけども、まったく。

    西塚 依存する人にとってはそうなりますよね。

    ヤス ああ、なりやすいとはいわれた、たしかに。

    西塚 ヤスさんにはその気がないので、そのへんは違うのかもしれませんが。

    ヤス 違う違う(笑)。

    西塚 だから、戦略としてやろうと思ったら簡単かもしれないし、それがスピリチュアリズムのある種、悪影響というか、ダークな意味での側面というか、可能性としては相当あって、今後はやはり広がっていく気がします。

    ヤス 広がりますね。だから、個人が持っているそのような悩み、簡単に要約すると「意味を求める悩み」ですね。衣食住では足りない。意味を求める悩みは、個人個人によって解答が全部違うんですよ。マスの解答では無理なんです。一番、健康的な方法というのは、個人個人が自分の解答をみずから見出していくしかない。

    西塚 本当にその通りですね。

    ヤス 見出すためのプロセスだけはね、ティーチングではないんですけど、このようなあり方はありますよといった形でね、まあワークショップ的におそらく誰かが、当然僕ではないけども、トレーニングすることは可能なんだと思いますね。

    西塚 『マトリックス』の映画じゃないですが、こういうこというと俗っぽくなりますけど、わかりやすくいえば本当に「選択」だと思うんですね。自分で決めるしかない。自分は誰かに依存しなくてはいけない、誰かがいないと不安でしょうがないから探すんだとなれば、そうなるし。いや、そうじゃなくて、自分は自分でやっていくんだと、どんな艱難辛苦がこようが、自分はそれに耐えて進んでいくんだとなれば、やはりそうなるし。

    今日はその話はできないかもしれませんが、「エゴ」の問題がありますね。ちょっとでも人に影響を与えるような立場になったりとかすると、もちろん全員じゃないだろうけど、ムクムクと本人の意識・無意識にかかわらず、「支配欲」が…

    ヤス ああ、出てくる出てくる。

    西塚 というような気がするんですね。それを通して自分のアイデンティティを確認、確立したかったり、かつてのルサンチマンが、ひょっとしたら、クライアントである相手を助けるためのはずが、実は苦しめたことによって自分にフィードバックされて解消するといった妙なことになったりして、それは個人個人の持っているトラウマによって違うんでしょうが、そういうことも発動されてくる。それによって、いい関係だったものが、実は逆に自分が抑えてきたものがよみがえってきて、出てきちゃって、へんなことになったりもする。そういうことも、これからどんどん増えていくと思うんですね。スピリチュアリズムとか精神世界というのは、かなり僕は、混乱・迷走していくことが予想されるわけですよ。

    ヤス たとえば、自分が、まあ西塚さんでも僕でもね、自分の存在の意味みたいなものを見出す旅をすると。いろんな形で瞑想したり、内観したり、自分自身を見つめ直すという過程がどうしても必要になってくる。それで何を発見するかというと、とんでもない自分自身の欲望とかエゴとかね、自分の否定的な面を見ざるを得ないわけです。同時に、自分の隠れた欲望が解除されて、それに気づく過程もあるだろうしね。じゃあ、そういう自分自身をどうやって処理したらいいの?ということになります。

    マスの宗教に戻れるかというと、衣食住やマスの幸福のモデルにだけに焦点をおいたものには戻れない。じゃあ、どうやって自分を納めればいいのか、落としどころはどこになるのか、モデルは何なのか、求めますよね。でも、いろんなところで提示されてるモデルはどれもピッタリこない。その探索、探求の過程で一番まっとうな方法は何なのかということですね。それは、結論に至るかどうかわからないけれども、とりあえず結論めいたものにたどりつけるかもしれないといって、そうした探求の方法というものを提起するのが、僕は非常に健康なスピリチュアリズムじゃないかと思うんです。

    西塚 まったくおっしゃる通りだと思います。

    ヤス やはりこれから焦点になってくるのは「個」ですね。個のあり方です。個のあり方を人間がどうやって落としどころをつけていくかということです。自分自身の内面、自分自身のダークサイドも含めて。その向こう側に、個を活気づける大きな生命力とか、エネルギーの源泉みたいなものが発見できるんだと思うんですね。おそらくね。

    これは、結論でもなんでもなく、場合によっては間違ってるかもしれませんが、やはり未知の世界はある。未知の世界とは何かというと、エゴを超えた向こう側の世界ですね。それは確実にあると思うんですよ。

    自分が生まれた意味ってなんだろうかとか、悩みというのは、個に対する執着からきてる場合がほとんどですよね。自己に対する執着がないとそのような悩みは生まれないので。自己に対する執着がない限りは、他人からの厳しい言葉で傷つくこともないわけです。

    だから、自己というものを前提にして汲み上げられた世界像というのがあってね、その世界像の中で我々はどんどん循環して悩み、蓄積されてるっていう感じだと思うんですよ。その向こう側に何があるのか。じゃあ、死というものを迎えないと向こう側に至らないのかというと、きっとそうじゃないんだろうと思う。

    西塚 僕もそう思います。

    ヤス それは、死というものではなくてね、場合によっては我々のこの命というか、この中にもともと存在している何ものかもしれないなと思いますよ。

    西塚 今度、そのあたりを突っ込んで話していいですか?

    ヤス ええ、今度そこらへんを。

    西塚 じゃあ、もうちょっとディープな話になるかもしれませんが、よろしくお願いします。

    ヤス 今日はこのへんで。


    むちゃくちゃおもしろかった講談

    筆者は月刊ザ・フナイの連載を書いていたが、読者の方に講談師の方がおり、会う機会があった。筆者は講談はこれまで聞く機会がなかったが、実におもしろかった!今後はスピリチュアル系の講談をやるそうである。サイトに音声ファイルがあるので聞いて見たらよいだろう。

    田辺鶴瑛

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    筆者にいとこがスピリチュアル系のカウンセラーになっていたのを最近知ることとなった。以下にリンクする。よろしかったらどうぞ。

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    酔っ払いおやじのspiritual meeting 8の1

    8月13日

    少し暑さが緩んできたので更新できた。いつも記事を読んでくださっている方々に感謝する。

    有料メルマガの予告

    8月14日の午前0時10分に配信される今週のメルマガは、複数のテーマを解説する。

    最初に、安倍政権を背後からコントロールする「日本会議」関連の新しい情報が入ったのでお伝えする。

    次に、リンゼー・ウィリアムスのニュースレターで不気味なことを言っているので、これを紹介する。9月25日に国連である重大な発表がなされるというのだ。さらに、10月にIMFからも重大発表があるという。次回のメルマガは、これらの情報を検証する。


    今回の記事

    今回は早く更新できた。宗教とスピリチュアリズムについて語り合った。できるだけ深く本質を突っ込んでみたいと思った。興味深い内容ではないかと思う。

    記事全文を音声ファイルにしました。よろしかったらどうぞ。7日で削除されますので、お早めにどうぞ。

    音声ファイル

    「ヤスの勉強会」第17回のご案内

     「ヤスの勉強会」の第17回を開催します。日本は全体主義化の方向に向けて動き出しています。しかしこの動きをグローバルに見ると、成長限界に達した先進資本主義国が模索する新しいモデルとしての意味もあります。これからどのようなトレンドになるのでしょうか?日本では報じられていない情報を紹介し、徹底して解析します!

    【主な内容】
    ・「日本会議」の背後にあるもの
    ・果たして民族主義だけなのか?
    ・密かに米国債を売り始めた中国
    ・生き延びるためにどうしたらよいか
    ・今年の秋になにか起こるか?

    よろしかったらぜひご参加ください。

    日時:8月29日、土曜日
    時間:1時半から4時前後まで
    料金:4000円
    場所:都内(おそらく東横線沿線)

    いまのところ場所は未定ですが、申し込みいただいた方に直接お伝えいたします。以下のメルアドから申し込んでください。

    記載必要事項
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    メールアドレス
    参加人数
    懇親会の参加の有無

    info@yasunoeigo.com

    健幸カレッジ

    10月7日、四谷で「にんげんクラブ」の「健幸カレッジ」で講演を行います。普通の講演会では話すことのないスピリチュアルな話を多く話するつもりです。よろしかったらどうぞ!

    申し込みリンク

    ツイッターに書き込むことにしました。よろしかったらフォローをどうぞ。日々情報を発信します。
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    船井幸雄.comに筆者のページが出来ました。月一回のペースで更新します。ぜひご覧ください!

    船井幸雄.com
    ヤスのちょっとスピリチュアルな世界情勢予測

    新刊本です!ハンク・ウエスルマン博士との対談が収録されています!ぜひどうぞ。
    koufuku

    むちゃくちゃうまい醤油!

    筆者は、隔月で高松の経済団体で講演会を行っている。そのとき、高松で評判になっているおいしい醤油のことを教えられた。小豆島の醤油である。早速、注文して見たが濃厚な味でものすごくうまかった!世の中にはうまいものがあるののだと思った。よろしかったらどうぞ。

    酔っ払いオヤジのspiritual meeting 第8の1

    spi08

    西塚 「酔っぱらいオヤジのSpiritual Meeting」の第8回目ですね。まずは、カンパイしましょう。カンパーイ!

    ヤス はい、カンパーイ。

    西塚 そういえば、ヤスさんは今本を書いておられましたね。なんでも、もう脱稿したそうですが、その本はいつ出るのですか?

    ヤス 9月14日の配本ですね。

    西塚 今回の本はどんな内容ですか。

    ヤス 今、世界ではいろいろなことが起きていますが、多くの人たちが共有する実感というのは、予想を超えたことがどんどん起こりつつあるということだと思うんです。いつごらから出てきたかというと、たとえば2010年12月初めの「アラブの春」であるとか、アメリカとロシアの対立関係を背景とする「ウクライナ政変」であるとか、それから「イスラム国」ですよね、突然と現れてきて中東全部を流動化させたりとか、同時に「オキュパイ運動」もあれば「ティーパーティー運動」もあるし、ヨーロッパ全域に広がる抗議運動であるとかね。

    やはり、日常生活で普通に生きてても、突発的にいろんな運動が起きてくるわけですよ。日本でもそうですよね、アベノミクスまでは常識的な感覚で受け入れられるんですが、急激な右傾化の速度があまりにも速かったりします。それに「日本会議」のようなものも出てきて、天皇制国家樹立かよみたいなことも言い出す。それで集団的自衛権でアメリカと一体になって海外に派兵するんだと、いきなりくるわけでしょ? 

    それを見るとですね、最終的に世の中の背後で何が起こってるのか、そのコアの部分を捉えたいという欲求が強まると思うんです。どちらの方向に向かって、何が起きているのか。この本の一番ポイントになっているのは、世界を動かしている背後にあって主導している、一種のエネルギー源と言いますか、エネルギーの流れ、動きといったものを的確につかみたいということです。

    西塚 なるほど。ヤスさ自身がつかみたいということですか。

    ヤス 僕もつかみたい。おそらく今まで抑圧されてきたエネルギーみたいなものがね、外部に噴出して、これまでの世界の既存の秩序を撹乱するような時代に入ったんじゃないかと。じゃあ、大本にある抑圧されたものとは何なのか? そのエネルギーの正体を捕まえたいということです。それを捕まえるために、ブログ書いたり、メルマガ書いたり、いわゆる勉強会も開いて、何とか言語化する活動をしてきたわけです。言ってみれば、今回の本はある意味での集大成、第一次結論みたいなものです。

    西塚 では、結論めいたものも出しているわけですね。

    ヤス ええ、出してます。

    西塚 おおー、それは楽しみですね。

    ヤス そして、おそらく次回の次回の本というのは、どんどんそのコアといったものをもっと鮮明化できると思います。

    西塚 そうなると、この「酔っぱらいオヤジのSpiritual Meeting」でも、“Spiritual”と言ってるくらいで、いわゆる精神世界と言われているものにも切り込んでいきたいと思っているわけですが、そのあたりにも触れざるをえないのではないですか?

    ヤス かなり重要な部分になってくると思いますね。

    西塚 前回にも話しましたが、ヤスさんが勉強会で日本会議のことを話されて、出席されてたみなさんの反応がすごかったですね。何なのか、目的は何かといった…。閣僚も含め、かなりの政治家が参加しているし、ひょっとしたら、本人たちもよくわからないで参加してるという気もするんです。個人的には、よくわからないで巻き込まれているという状況自体が好きではないんですが、スピリチュアルの世界でも、よくわからないで参加してしまうということがあるんじゃないでしょうか。

    ヤス スピリチュアルはどういうところから始まったかというとですね、昔からあるわけですが、これだけ大きなブームになった背景というのがあると思うんですね。「スピリチュアル的なもの」というものに共通した一連の特徴があるんです。簡単に言うと、大きな宗教教団の衰退ですね。キリスト教でもイスラム教でも仏教でも、非常に大きな宗教教団がありますが、それらに入った場合、まあ、自分の悩みに対する「救済」が与えられるわけです。そしてその救済を享受するためには、その教団の戒律と言いますか掟とか、ルールに定められた行動をしなくてななりません、祈りの仕方も含めてですね。

    問題は、与えられる救済の中身ですね。大きな教団になると、だいたい「幸福のモデル」というのが決まってると思うんですね。このような生き方をすることが、人間としての幸福のモデルなんだと。たとえば、キリスト教のある教団であれば、死んだあとに天国で最大限の幸福が約束されていることを信じて、聖書で定められている掟、ルールに従って、現世では徹底的に自己管理して、善き人間として生きると。その最大限の幸福というのがどういうものなのかは、それぞれの教団が微細に描写をしてくれる。

    そういう幸福のモデルは、マスに適用されてきたものですね。この幸福のモデルを信じるならば、今あなたが個人として悩んでることから解放されますよ、ということです。ただ、そのマスに適用可能な幸福のモデルといったものが、どんどん適用可能でなくなってきてると思うんです。それだけ、別の言い方をすれば、個人の悩みというのがはるかに多様化してきたということですね。

    西塚 それは、個人の悩みが多様化して、キリスト教系ならキリスト教系でもいいんですが、救済できなくなってきたということですね。ちょっと話がずれるかもしれませんが、僕はイスラム教は詳しくないですが、たしか現世には意味がないといったことですよね。

    ヤス 僕もイスラムそのものに関しては詳しくないですが、僕の友人たちで、真摯なイスラム教徒から直に聞いた話だと、やはり現世の否定の上に成り立つと。この世に自分が生きているということは、基本的に無意味なんだと。自分のすべての幸福というのは、死んだあとにやってくると言うんですね。なので、現在の自分自身というものに、最終的には自己否定を要求するという感じの宗教ですよね。

    西塚 そのへんは僕は異論があるし、まあ各個人の考え方なのでいい悪いじゃないんですが、個人的にはすごく抵抗がある考え方ですね。もちろん、それを俯瞰して見る目も僕の中にはありますが、現世を否定するという発想がですね、では何のために現世はあるのか、意味がないのであれば、何で意味のない現世に生きていなくてはいけないのかと、逆に悩んでしまうような気がします。

    ヤス 現世が何であるのか、言ってしまえば、トレーニングのためですよね。来世で幸福な生活を送るためのトレーニングの場所が現世なんだと思います。

    西塚 学びの場所ですか。イスラムに限らず、そうした考え方はけっこうありますよね。

    ヤス あります。キリスト教もそうだと思いますね。自分の人生に与えられたすべての困難、それを全部受け入れると。ただ、現世で与えられた楽しみであるとか、享楽とか、物質的な幸福感とか、またその反面の不幸とか、絶望とか、そういう現世的なものに執着すること自体が無意味なんだという考え方ですね。

    西塚 ヤスさんもご専門じゃないのであれですが、現世で学ぶとして、死んだ先の世界はどういった世界なんでしょうか。

    ヤス たとえばイスラムであれば、美女に囲まれて、ワインは飲み放題で…

    西塚 (笑)現世的じゃないですか、それは…

    ヤス 現世的な欲望がすべて満たされるといった描写ですね。

    西塚 うーん、僕の中ではすごく矛盾して聞こえますよね。今はそれが成し遂げられないから、希望を持って先送りしているというふうにも思えますし。

    ヤス 多くの宗教のアジェンダってそういうものだと思います。来世の救済の約束のもとにね、現世の人生の苦しみに耐えることを要求するでしょう。

    西塚 同じイスラムでも、たとえばドバイのお金持ちが享楽的に生きていると。信仰心も篤くて、執着心もないと言うかもしれないけども、実際はすごく享楽的に生きてる人が、勝手な想像ですがいるとしますね。片や、とんでもない劣悪な環境で育った人たちが、来世を夢見て、それこそジハードということで命を捨てる人たちが、中にはいるわけじゃないですか。そのあたりが、どうも一致しないと言いますか…。

    ヤス 我々は、イスラム教を一般的なイメージで捉えやすいんですが、やはり中進国から先進国に近い国々もイスラム教は多くて、だいぶ経済発展をして、ドバイみたいにね、かなり富裕であると。そういうところだと、かなり世俗化したイスラム教徒たちがたくさんいると思います。そういう人たちは、自分がよきイスラム教徒として振る舞うために、まあ寄付をしたり、貧民を助けるし、イスラム教徒としての義務を果たすんだけども、自分自身が現世を否定してるかといえば、全然そうじゃない。物質的な生活を本当に楽しんでるだろうと。言ってみれば、日本人に近い人たちが、圧倒的に多いことは多いと思います。

    西塚 ヤスさんがかつてアメリカに留学しているときに、いろんな宗教を信じる友人たちがいたと思いますが、その差というか、違いのようなものは感じませんでしたか。

    ヤス 感じます。ポイントは、完全な現世否定ではないということです。どんなに享楽的な人生を歩んでる人でもね、空虚感であるとか、虚しさとか…たとえば、失恋の苦しみや人間関係の苦しみ、老いの苦しみなんかは、豊かであろうが貧乏であろうが關係ない。悩みのない人生は存在しないと思うんです。問題は、理屈でお前の人生はすべて無意味なんだ、人生の悩みに執着しても無意味なんだと言われて、ああ、そうですか、執着が取れましたなんて人間はいない。だから、それぞれの宗教が執着心をどうやって取るのか、取るための装置がある。その装置があるがゆえに、イデオロギーではなく宗教なんです。

    西塚 儀式とかですか。

    ヤス 儀式です。祈りの行為であるし、儀式であるし、そういうことを通過すると、自分自身がこの現世の苦しみを本当に無意味に、身体的に体験として感じられるようになるということですね。これは本当に無意味なんだと。自分が執着することには何の意味もないんだと実感できる。

    以前に知り合ったイスラム教徒の友だちとの会話の中で、彼らがモスクに行って祈ったときにどういう実感をするかと聞いたら、みんな同じことを言う。ものすごく落ち着いた雰囲気の中で、自分自身の自我がフワーっと溶け出していく。溶けて、まさに自分が神に抱かれたような感じになる。それは恐ろしく静寂で、安定感がある。その落ち着きを持った実感から今の自分の悩みを見てみると、なんとこんなくだらないことで俺は悩んでたのか、ほとんど無意味なんじゃないかと思うと言うんですね。だから、人が悩んだときにそういう装置を通して、身体的に五感で得られる実感を味わいながら自分の人生の悩みを相対化していく、そういう行為ですね。

    西塚 すごく興味深い話です。たとえば、あまり話を細分化してもつまらなくなるんですが、そういう神とか宗教なくしても、将来的にはテクノロジーの発展によって、脳波を安定させたり、そういう気分に自分で持っていけるということもあるのではないでしょうか。

    ヤス それをやろうとしたのがオウムだと思うんですよ。

    続く


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